マンガ配信サービスやペイントアプリなど、インターネット時代の新たなメディア・プラットフォームを目指し、マンガやイラストを軸に様々なサービスを展開する株式会社Medibang(メディバン)。SOKUDANを利用し、プロ人材・複業人材の採用を成功させた背景や導入時の課題について、MDP/ART street事業部 事業本部長 谷川 智紀(たにがわともき)さんにお話を伺いました。イラスト・マンガ制作アプリが全世界で約8,000万ダウンロードの大ヒット!── まず、貴社の事業内容について教えてください。(谷川さん)元々マンガやライトノベルが好きだった代表の高島が、2014年に設立させました。WEBサービス、アプリ、受託事業を軸に、マンガやイラストに特化したプラットフォーム・サービスやアプリを展開しています。まずWEBサービスで展開しているのは『ARTstreet』というイラスト・マンガ投稿SNSです。弊社は元々「誰でもマンガを描いて投稿して、読んでもらえる場を作りたい」という想いで、漫画版Youtubeを目指してサービスを立ち上げました。そこから今の状態にピボットした形で現在のサービス形態に至っています。またWEBサービス事業を発展していく中で、そもそも誰でもマンガを書ける環境がまず必要なのでは?という考えに至りました。ならば、マンガを描くアプリを作ろう!と生まれたのが、『MediBang Paint』というアプリです。ペイントアプリは、今でこそ競合他社が出てきていますが、私たちが事業を始めた頃はなかったサービスなんですよね。無料でAndroidでもiPhoneでも使えるものは全然なかったので、サービス展開当初は一気に流れが変わりました。アプリ事業は複数のアプリを展開していますが、MediBang Paintは主力ですね。去年の末に全世界で7千万ダウンロード、まもなく8千万ダウンロード行きそうな勢いで、国内以上に世界的にヒットしています。もうひとつ好調なのが、外国のマンガを翻訳して日本へ、反対に日本のマンガやゲームを翻訳して海外で配信するサービス、MediBang TraDeです。最近では縦スクロールのWEBマンガが流行っており、中国や韓国のマンガを日本語に翻訳し国内での配信を請け負ったり、日本のマンガや電子書籍を各地の言葉に翻訳して配信したりしています。── 世界で8,000万ダウンロードとは、すごく勢いがありますね!谷川さんはどのような役割を担っているのですか?(谷川さん)私はMediBang PaintとARTstreetの事業責任者をしています。元々は写真の仕事をしていたのですが、その後独立して医療薬品のマーケティングをやっていました。正直、マンガには縁もゆかりもなかったんですよね。でも久しぶりに組織で働きたいという気持ちが出てきた時、ちょうどメディバンからお声がけいただいて。最初は興味もないので断っていたのですが、なにやら組織がごちゃごちゃしていると……。そんな内情を知って、おもしろそうと直感的に思い入社しました(笑)。入社時のフェーズは収益化を目指す段階でしたが、アプリは停滞期。開発チームも解散し、開発、マーケ、ビジネスサイドの溝が目立っていましたね。各チームにミッションを与えてリーダーを立てたり組織体制を整えたり、少しずつ改正を加えながらごちゃごちゃしていた組織の交通整理をしてきましたよ。── 全く違う畑からやってきて、今や責任者として組織の課題に取り組んでらっしゃるのですね。現在、貴社ではどのような組織体制をとられているのでしょうか?ペイントアプリのMediBang Paint、投稿サイトのARTstreet合わせて30名程度です。翻訳・海外配信サービスのMediBang TraDeも30名程度で現在、全体で60名くらいの組織ですね。海外配信事業部は、日本人が4名ほど在籍している以外はほとんど外国の方で構成されています。深刻なエンジニア不足。求める人材もハードルが高く…── 今回、SOKUDAN のサービスをご利用いただくにあたり、導入検討時にあった課題やお悩みなどがあればお聞かせください。(谷川さん)当時、アプリ開発のエンジニアは2名のみでした。弊社は取り扱っているプラットフォームも多く、さらに私の思いつきで「こういうの開発したい」といって工数を増やすこともしばしば。人員不足なので人は採用したいが、求める要件の人材を探すとなかなか厳しい状況でした。加えて代表が元エンジニアということも、求めるハードルが高くなる要因に。とはいえ、ずっと2人で回していくことも不可能です。頭を悩ませていたところ、業務委託で探してみようと思いつきました。業務委託に関しては金額の合意さえあれば誰を採用するか、ある程度私に権限があったのも大きかったですね。どんなサービスを利用するのがいいか検索していたところ、タイミングよくSOKUDANを知る機会があり、相談させてもらうことにしました。── 苦肉の策で行き着いたのがフリーランス人材の採用だったのですね!SOKUDAN経由ではどのような方を採用されたのでしょうか。(谷川さん)エンジニア2名とマッチングし、現在も稼働いただいています。お二人ともiOSエンジニアでの応募でしたが、そのうちのおひとりがパソコンアプリケーションのスキルがめちゃくちゃ高い方でした。最近あまりお見かけしないC++が書ける方で、非常に貴重なエンジニアです。その方のおかげでアップデートが大幅に遅れていたパソコン版に着手できるようになり、弊社にとって非常に大きな功績を残してくれましたね。もうひとりは大手漫画配信サービス企業で開発マネージャーをされている方です。副業で入ってくださっているのですが、おそらくコードを自分でガリガリ書きたいタイプなんでしょうね。現職ではマネージャーをされているので、コードを書く機会がほしいとジョインしてくださいました。毎日本業が終わってから3時間くらい弊社の仕事をガリガリこなしていただいています。どちらの方も基本的には弊社のコアタイム外の時間帯に稼働してもらっています。私たちが残したタスクをプロ人材のお二人が夜作業くださって、翌日私たちが業務を始めるときにはちゃんとレビューできる状態になっている。といった具合にいいサイクルで回っているのもありがたいです。このレベル感のプロ人材だと、まず採用する時に膨大なコストがかかるので、最低限のコスパで月に100時間ほど入ってもらえるのは助かりますね。── なかなか出会えないプロ人材とマッチングされたのですね!複業人材を採用したことで、SOKUDAN導入前の課題は解決しましたか?(谷川さん)そうですね!やりたいねといいながら止まっていたことが、一気に進んだのは実感としてありますね。パソコン版アプリに強い方は、アプリ開発以外にも実はお手伝いいただいてます。海外配信事業部で開発を進めていた案件で、開発環境が特殊なゲームの翻訳など時間がかかっていた案件にも入ってもらってるんですよ。難しい案件なので本当に助かっていますし、開発体制が早くなったと感じています。もうひとつ『タイムラプス』という機能のリリースにも貢献いただきました。タイムラプスというイラストを描かれる方にはとても人気の機能で、絵を描いている様子を定点観測で動画にする機能です。弊社のサービスにも実装してほしいというご要望を多く頂いており開発を進めており、5月末にリリース予定だったんです。でも皆さんが本当に頑張ってくれたおかげで、なんと2カ月も前倒しになりまして(笑)。3月に無事リリースできたんですよ── 2カ月も前倒しでリリースとは、事業成長に合わせてスピード感も増していますね!複業人材を採用したことによって、想定以上によかったことがあれば教えてください。(谷川さん)業務委託に振り切ったのは採用ハードルが高いということももちろんありますが、採用した後にお互いにマッチしなかった場合のリスク回避が大きいです。特に技術者は他の仕事にコンバートできないので、言い方は悪いかもしれませんが、お互いにお試し期間が重要だなと感じています。どんな仕事をしてもらえるか、スピード感はどうかなど、そういう意味でも弊社で最初から技術者を抱え込むとは厳しい。だからこそSOKUDANを使わせていただきました。今回実際にご縁があってジョインいただいたお二人は、ものすごくハイパフォーマンスでやっていただいているので我々としてはとても助かっていますし、想定を超えたラッキー人材に出会えたなと思います。また弊社のサービスの特性上、その時々によって社員を抱え込みすぎるとダブついてしまう時もあります。例えばアプリをリリースしたいけど、もうすぐiOSアップデートが入るという時。今リリースしてしまうとアップデートに合わせてアプリのやり直しが必要になってしまい、もう一度リリースが必要になってしまうので待つ必要があります。そんなとき、業務委託で稼働していただけるとすごく助かりますね。あとはSOKUDANのサービス面ですが、他のよくあるエージェントの手数料と比べて安価だったため試しやすかったです。今の方々と同等スキルの方の場合、1人あたりの希望年収はフルタイムで800万円以上の方がほとんど。エージェント経由だと年収の3割以上は手数料がかかるので、いざ蓋を開けてみたらマッチしませんでした、というのは目も当てられないですからね……本当に助かりました。妥協せずに本当に欲しい人物像とスキルを求人に── SOKUDAN経由でご紹介した候補者を選考した際に重視したこと、選考において工夫されたことがあれば教えてください。(谷川さん)工夫ではないかもしれませんが、SOKUDANは一定のスキル・経験をもったプロが来るところなので、「こんな人ちょっといないんじゃないか」というレベルで妥協せずに募集要項を書きましたね。結構わがままに書かせていただきましたが、その結果、ピンポイントでハマる人がいた訳ですから書いてよかったです(笑)。書類選考では、開発経験や募集要件を満たしているか厳しめにチェックしました。複数の方からから応募がありましたが、面談に進んだのは今ジョインいただいているお二人だけです。── なるほど!たしかにSOKUDANにはプロ人材が多いので、必要なスキルが明確なほうがマッチしやすいですよね。即戦力のプロ人材獲得に成功されたMediBang様ですが、複業人材をより上手く活用するために心がけていることがあれば教えてください。(谷川さん)案件を依頼する側の能力も重要だと考えています。采配力というか、人に上手にお願いする能力っていうんですかね。弊社としては、社内のメンバーがタスクを抱え込まず外注できる環境を作ってはいるけど、忙しくてぎょうむの依頼のための準備ができず自分で抱えてしまうメンバーもいるのが現状です。社内外のメンバーも巻き込んで業務を推進していくという点は全体的にスキルアップしてもらいたいとメンバーに対しても思っています。複業人材はオフィスに常駐しているわけではないからこそ、綿密なコミュニケーションを取らないといけない。雇用形態に関わらず仲間として考えているので、相談ベースから一緒にやっていきたいですね。Slackで密にコミュニケーションをとるように心がけています。仕事の進め方では、いくつか案件をお渡しして、スタックしたらこちらもやっていいよという感じで、お仕事をお願いしております。雇用形態へのこだわりはなく、現在正社員のスタッフも、業務委託やアルバイトの経験を経て社員になったという人がすごく多いんです。私が見ているWEBチームのリーダーも最初はアルバイトで入って、半年後に社員、その半年後にリーダーになったという優秀な方もいます。双方が一緒にやっていきたいと思える状態を作っていければベストだなと思いますね。── 依頼する能力、抱え込まず他の人に振るスキルも必要ですね。それでは最後に、 SOKUDANに今後期待することがあれば、教えてください。(谷川さん)今後もSOKUDANを使ってもっと採用したいなと考えています。次は営業を一緒にできるメンバー、ものを売るのではなくプランナーのような提案型の営業経験のある方にジョインしていただきたいですね。職種含めて使い方の幅がもっと広がればいいなと思います。【会社概要】会社名:株式会社MediBang設立 : 2014年URL :https://medibang.com/ https://medibangpaint.com/ 事業 :マンガ・イラストの総合プラットフォーム事業