福岡を拠点にデータ分析やAI技術を活用し、DX推進を行う企業「NOB DATA」。日本トップクラスのデータサイエンティストが在籍するプロフェッショナル集団として、企業の課題解決に取り組んできました。そんなプロフェッショナル集団の中でも専門領域に長けた業務委託の人材を最大限生かしている同社 代表取締役社長の大城さんと、人事担当の河西さんに、SOKUDANを活用して業務委託人材を採用するに至った経緯や、採用後の成果について話を聞きました。デジタル系人材の採用母集団や実績の多さが導入の決め手に── まず、貴社が取り組まれている事業内容や特徴、強みについて教えてください。(大城さん)私は2009年にヤフーへ入社し、データ解析に特化したR言語の東京コミュニティ「Tokyo.R」を2010年〜16年まで主催するなど、データ分析の経験を積んできました。その後、LINE Fukuokaへ転職し、2018年にNOB DATAを立ち上げました。今期で5期目を迎え、主な事業としては、企業のデータ分析やデータ活用を成功させるために必要なすべてをサポートしています。その他分析チームの立ち上げ支援、データ分析に関連する受託開発、企業向けのデータ分析ハンズオン講座など、あらゆる角度からデータビジネスの戦略策定、データ利活用のアドバイスを行っており、企業のDX推進に貢献しています。最近では、ChatGPTを筆頭にした生成系AIにも着目していて、どのようにビジネスや実務に活かせるかを日々考えながら、事業に取り組んでいます。弊社の強みとしては、AI・データ分析企業のプロフェッショナル集団として、経験年数5年以上のトップデータサイエンティスト多数とのネットワークを持っていること。それぞれが各専門領域を得意とし、企業案件のニーズに応じて分析組織の立ち上げから、プロジェクトの実行、データ分析の最適化など、幅広いご支援ができるのが特徴となっています。── 貴社は業務委託として関わっているメンバーが多い組織体だと伺いました。普段はどのような形で仕事を進めているんでしょうか。(大城さん)採用や営業、広報やマーケティングなど、各職種は業務委託の人材が活躍していて、今日のインタビューに参加している河西も、人事担当として業務委託で参画していただいていますね。組織体としては、社内と外部クライアント向けの2つのチームで運用しています。社内であれば、経理やPR業務、社内開発を行うメンバー中心に業務を行っていて、外部向けに関してはクライアントの案件ごとにチームを編成し、プロジェクトを回していくような体制を取っています。── SOKUDANを検討したきっかけや、その当時の人的課題についてお聞かせください。(河西さん)まず、SOKUDANを導入した経緯から話すと、以前は他社のサービスを1〜2年ほど利用していたんですが、採用データベースに登録しているデータサイエンティストにはひと通りアプローチしていて、契約更新のタイミングで別のサービスに移行を考えていたんです。そして、ちょうど社内でも法人向け研修サービスを新規事業としてリリースしたこともあり、新たな業務委託の人材を採用していくタイミングでもありました。こうしたことが重なり、サービスを検討していくなかで、以前から知っていたSOKUDANに問い合わせさせていただいたという経緯がございます。プロフェッショナル集団に見合う人材獲得のための取り組み── SOKUDANで複業人材を活用しようと思ったのはどのような理由からですか?(河西さん)SOKUDANは業務委託の即戦力人材を採用できる複業系のサービスとして認知しており、登録人数や実績などはとても有力視していました。また、「デジタル系人材の採用に強いか」も決め手としてみていましたね。エンジニア特化の採用媒体にはあまり登録していない、データサイエンティストやDX推進スペシャリストといった人材の母集団を多く抱えているかも鑑みて、最終的に選んだのがSOKUDANでした。先ほども触れましたが、新規事業の法人向け研修サービス以外にも、企業からのAI開発およびデータ分析の受託、DXにおける自走支援のコンサルティングなど、多種多様な案件が常時入ってくるので、継続的にデータサイエンティストのネットワークを強化する必要性がありました。そのため、優秀なデータサイエンティストを採用することをメイン目的で、SOKUDANを活用しています。 ── 採用した人材の業務内容や選定時に重視した点について教えてください。(河西さん)さまざまなクライアントの要望に応え、成果の最大化に貢献していくためには、即戦力で入っていただく人材のスクリーニングに注力しました。いわば、プロ人材としてプロジェクトを回し、推進していけるポテンシャルや素養が求められますので、データサイエンティストとしての経験が5年以上、かつ企業案件のプロジェクト参画経験を必須条件に定め、採用を進めていきました。(大城さん)スクリーニングは河西の方で行い、私は最終選考を担当していましたが、弊社がプロフェッショナル集団と標榜しているゆえ、データサイエンティストとしてのスキルに加え、「自分の言葉で解決策を見出し、提案できる力があるかどうか」を見極めていました。クライアントの案件に関しては、全く分析の知見がないところからの相談や、2~3年ほど分析組織をやっているもののスペシャリストがおらず、テコ入れを図りたいというニーズが多い状況です。そうしたなかで大切になってくるのが、分析組織やプロジェクト推進の指南役です。業界の知識や社内状況を的確に把握し、適材適所のアドバイスをしていくためには、それ相応の経験や知見が必要で、選考時では実際に「こういったプロジェクトの場合はどのように対処していくか」などのロールプレイを織り交ぜるように心がけています。SOKUDAN経由では、データ分析実務と研修講師のそれぞれで1名ずつマッチングし、うち1名はすでに非常に満足度の高いパフォーマンスを発揮してくださっていて、採用できてよかったと感じています。もう1名はこれからの稼働となりますが、クライアントワーク含めて一緒に業務に取り組めることを楽しみにしております。「いちゃりばちょーでー」の精神で複業人材と仕事をする── 業務委託の複業人材を活かすために工夫されていることは何かありますか。(大城さん) これといって何か意識していることはないんですが、少なくとも人材においては契約形態によって何かを変えているわけではありません。プロフェッショナル人材としてお互いにリスペクトし合いながら業務の責任範囲も広げていって業務を遂行していってもらっています。各自の責任範囲で、適宜Slackなどでコミュニケーションしながら、案件をこなしていってもらっているので、メンバーの裁量に任せているケースは多いです。最近では半期に一度「All Hands」という事業の目標や表彰、オンラインでの飲み会など行っています。「All Hands」によって、全社で共通認識を持つようにはしています。一方、最近思っているのは「オンラインの意思疎通だけでは足りない」ということ。弊社は福岡本社とは別に東京に出張用のオフィスを構えているんですが、クライアントやメンバーとリアルで接点を持ち、関係性を構築していくのが、あらためて重要だなと感じていてます。コロナでリモートワークが普及しましたが、リアルで会う大切さも実感しているので、今後は対面コミュニケーションの機会も増やしていければと考えています。── 業務委託のメンバーに長く働いてもらうために留意していることがあれば伺いたいです。(大城さん) 実を言うと、そこまで求めているわけではないんです。案件ベースのご相談になるので、もし参画いただく場合は、最大限コミットしてもらうような働きかけをしますが、案件を通していろんな経験を積んでいただき、それぞれのフィールドで活躍していってもらいたいという考えが根底にあります。沖縄の方言に「いちゃりばちょーでー」(一度会えば兄弟)という言葉があるんですが、私自身もAIやデータサイエンスのコミュニティに約15年ほど関わっているので、またどこかで縁があえば一緒に仕事できるかもしれない。そんな思いで、業務委託のメンバーと接しています。業務委託の複業人材は自立していて、自分で生活を成り立たせることができるため、会社とコミュニティの間の立ち位置で、会社経営に取り組んでいます。「ChatGPT x DX」で企業の業務効率化を支援したい── SOKUDANの導入後、価値を感じているポイントや使っていてよかった点はありますか?(河西さん)クライアント案件の状況や求職者のステータスごとに、フレキシブルに課金形態を変えられるのがメリットに感じています。また、求職者の1次対応やスクリーニングといった前捌きも、CSチームにお手伝いいただいてとても助かっていますね。ケースに応じて、CSか弊社の方で管理画面を使い分けて求職者対応をするなど、臨機応変に関わっていただけるのも、配慮の行き届いたサービスだと感じている点です。チャットなどでカジュアルにやりとりができ、迅速に対応いただいているおかげで、求職者とのコミュニケーションロスも減らせ、効率的な採用の運用が回せていると思っています。(大城さん)SOKUDANの採用データベースに登録している新たな候補者と接点を持てるのが、サービスを導入してよかったと感じている点です。データサイエンスは、ややニッチな層といいますか、普通に採用するのも割と難易度が高いので、そういった意味ではこれからもSOKUDANを活用して、クライアントの案件に応じた業務委託の複業人材を採用できればと思います。── SOKUANのサービスを評価いただき嬉しく思います。それでは最後に貴社の今後の展望についてお聞かせください。(大城さん)既存の事業を成長させていくことはもとより、目下注目すべきはChatGPTだと考えています。弊社も「ChatGPT x DX」のサービスを提供し始めましたが、やはりイノベーティブなサービスが隆盛する初期は、どう扱えばいいか悩む場合が多く、そこを弊社がわかりやすく翻訳していく必要があると思っています。AIにおける大規模言語モデルを何十年も経験している専門家でさえ、ChatGPTの性能の高さに驚いており、このサービスをどううまく活用し、企業のDX推進に繋げられるかが肝になってくるでしょう。ChatGPTが普及すれば、人員削減が進むのでは。AIに取って代わられるのでは、という意見もありますが、今後は企業の人事設計や制度設計のアドバイスも求められると考えているので、AI・データ分析企業のプロフェッショナル集団として、ChatGPTをどう実務に活用していくかを思案し、クライアントに提案していきたいですね。【会社概要】会社名:NOB DATA株式会社設立 :2018年9月URL :https://nobdata.co.jp/事業 :データ活用に関するコンサルティング、受託分析、人材育成、セミナー、ITサービス開発、AI活用支援、記事や書籍の執筆など