「頑張っても収入がなかなか増えない」「業務量が増えてきたから、時給換算すると割に合わない」などと感じていませんか?フリーランスにとって、単価交渉はなかなか切り出しづらいものです。しかし、自分のスキルや成果をきちんと伝えて対価を正当に評価してもらえれば、フリーランスとして長く安心して働き続けられます。この記事では、フリーランスの単価交渉のコツや事前に準備するべきこと、実際に交渉する際の例文をケース別に徹底解説します。準備や言葉の選び方1つで、相手の印象も交渉の結果も大きく変わります。自分のスキルと実績にふさわしい単価で、納得のいく働き方を目指しましょう。フリーランスが単価交渉を成功させるための事前準備単価交渉は、ただ希望金額を伝えるだけではうまくいきません。準備が不十分なまま交渉を始めると、根拠がないと思われたり、最悪の場合は信頼を損ねたりしてしまうこともあります。単価交渉をするためには、日ごろの仕事の積み重ねやクライアントとの関係構築、相場の把握、交渉のタイミングなど複数の要素が大切です。ここでは、それぞれの準備ポイントを具体的に解説していきます。しっかりと業務をこなし成果を上げる単価交渉を成功させるためには、クライアントが納得してもらえるだけの成果を上げておくことが大前提です。実績がしっかりしていれば、自分自身の価値を自信を持って伝えられます。例えば、納期は必ず守る、ミスがない、追加の提案をするといった丁寧な対応は、クライアントからの信頼を高めます。さらに、実際の数値として「CV率が20%上がった」「問い合わせが3倍に増えた」といった成果があれば、説得力が格段に増します。見える形で価値を示せると、単価アップの理由として納得してもらいやすくなります。クライアントと信頼関係を築く業務をこなし、成果を積み重ねることで、クライアントからの信頼も高まります。単価交渉において重要なのは、「高い報酬を払ってでもこの人に頼みたい」とクライアントに思われる存在になることです。そのためには、普段のコミュニケーションや依頼時のヒアリングを丁寧に行うことが大切です。クライアントがどのような課題を抱えているのか、どういった部分でフリーランスの力を借りたいと思っているのかなどを理解する必要があります。自分の市場価値を把握するフリーランスが単価交渉をうまく進めるには、自分のスキルや仕事の価値がどれくらいなのかを調べておくことが大切です。「報酬をもっと上げてほしい」と伝えるだけでは説得力が弱く、クライアントも提案された報酬が適切なのか判断しづらいためです。あらかじめ自分の仕事内容に近い案件を探して報酬相場を把握し、その金額を踏まえて打診すると納得してもらいやすくなるでしょう。一例として、SOKUDANが調査した、フリーランスの職種ごとやエンジニアの言語ごとの案件単価の相場は以下の通りです。【職種別のフリーランスの月額報酬】職種月額報酬フロントエンドエンジニア約72.5万円バックエンドエンジニア約74.2万円インフラエンジニア約75.8万円機械学習エンジニア約92.9万円データサイエンティスト約82.6万円iOS/Androidエンジニア約78.6万円プロジェクトマネージャー約82.7万円マーケター約62.3万円デザイナー約58.3万円Webディレクター約55.7万円営業約58万円【言語別のフリーランスエンジニアの月額報酬】言語月額報酬C#約60~70万円Java約60~80万円JavaScript約60~80万円PHP約60~80万円Python約70~100万円Ruby約60~70万円▼参考:【2024最新】フリーランス・副業の平均年収ランキング(職種別)※平均年収を12ヶ月で割り月額報酬とするまた、報酬相場を調べる際は、仕事内容だけでなく業界の相場も把握することも大切です。医療や法律、経済など高い専門性が必要な業界は、近い仕事内容でも、ほかの業界よりも報酬が高くなる傾向にあります。クライアントの予算とニーズを理解するクライアントが外注費にかけられる予算はどれくらいあるのかも重要なチェックポイントです。いくら自分に高いスキルがあっても、クライアントが外注にあまり予算をかけていない場合は、単価交渉をしても単価が上がる可能性は低いでしょう。予算が少ない場合には、業務範囲を狭める提案をして実質的に単価を上げてもらう方法もあります。また、実績としてポートフォリオへの掲載許可を得たり、納期を柔軟に設定してもらったりするなど、報酬以外の条件でメリットを得るよう打診する手もあります。単価交渉するタイミングを見極める交渉の成否はタイミングで大きく左右されます。適切なタイミングで単価の話を持ち出すことで、相手に前向きに受け入れてもらえる可能性が高くなります。業務パフォーマンスが上がっていない段階や、契約してまだ間もないタイミングでは、単価交渉は成功しにくいでしょう。一度単価交渉に失敗すると、クライアントとの関係性にも影響を及ぼしかねないため、単価交渉を行うタイミングは慎重に見極める必要があります。単価交渉を行う具体的なおすすめのタイミングは、次の見出しで説明します。フリーランスが単価交渉するおすすめのタイミング前述した通り、フリーランスの単価交渉はタイミングを見極めることが非常に重要です。ここでは、単価交渉の成功確率が上がるタイミングを解説します。「言い出すのが怖い」「忙しそうだから後回しにしよう」と迷っているうちに、適切な機会を逃してしまうケースも多いため、タイミングを見極めて、高単価案件をゲットしましょう。プロジェクトの成果が出たタイミング自分が携わった仕事で大きな成果が出た直後は、単価交渉の絶好のチャンスです。クライアントが働きに対して満足しているタイミングでは、報酬の見直しも前向きに受け入れてもらいやすくなります。成果が出たタイミングの例としては以下が挙げられます。新商品のパッケージデザインが採用され、販売数が前年比120%に伸びた記事経由での問い合わせ数が格段に増加したと報告があった制作したプロモーション動画が10万回以上再生されて収益につながった上記のほか、クライアントから「今回とても助かりました」「またお願いしたいです」といった高い評価を受けた際も、信頼と実績をもとに「今後はより成果に見合った報酬で取り組みたい」と切り出しやすくなります。交渉の際には、具体的な数値や成功事例を示すことで説得力が増します。業務内容が増えたタイミング業務量が増えたり、より専門的なスキルを求められるようになったりした際も、単価交渉するべきタイミングです。仕事の負担が増えたにもかかわらず報酬が変わらない状態が続くと、モチベーションの低下や不公平感につながるため、早めに話し合うことが大切です。Webライターを例に挙げてみると、当初は記事作成だけだったものの、途中から取材や構成案作成、SEO分析まで担当するようになった場合は、単価の見直しをするべきでしょう。また、求められるスキルレベルが上がった場合も、スキルアップに見合う報酬設定が必要です。こうした変化はクライアント側が気づいていないこともあるので、自分から丁寧に伝えることが大切です。契約更新するタイミング契約の更新時期は、自然に単価交渉を持ちかけやすいタイミングです。契約更新をするということは、クライアントもフリーランスのスキルや成果を評価し、「次の案件も任せたい」と期待をしているため、単価交渉のタイミングとして適切です。これまでの実績や業務内容を踏まえて、報酬を再検討したい旨を切り出せば、ビジネスとしてもフェアな提案になります。特に継続案件は、毎回同じ単価で続けてしまいがちですが、定期的に契約条件を見直すことで、自分にとってもクライアントにとっても納得できる関係を築きやすくなります。交渉前には、過去の成果や対応した業務の幅などを整理しておくとスムーズです。市場の相場が変動したタイミングフリーランス市場の相場が変化した時は、単価を見直すよい機会です。外部環境の変化を交渉のきっかけにすることで、主張に正当性を持たせやすくなります。同じようなスキルや内容で請け負う案件の単価が上がっていると気づいた場合は、「最近は同じ業務でも、◯万円前後が相場になっているようです」とクライアントに伝えることで、相手にも納得してもらいやすくなります。また、生成AIのように新しい技術が普及することで特定スキルへの需要が急増するなど、市場のニーズが変わる場面もチャンスとなるタイミングです。フリーランスが単価交渉を成功させるためのコツここでは、フリーランスが単価交渉をよりスムーズに、かつ成功に導くための具体的な工夫や心構えを紹介します。単価交渉は、やみくもにお願いするだけではうまくいかず、相手の立場や交渉の流れを考慮することが重要です。ポイントを押さえてしっかり準備しましょう。メールと口頭のセットで伝える単価交渉に限らず、何か契約をする際は、後で「言った・言わない」のトラブルにならないようにするために、メールで証拠を残すことが原則です。また、メールは相手に考える時間を与える手段として有効です。いきなり対面で単価交渉を切り出すと、相手がその場で答えを出せずに戸惑う可能性があります。まずは、メールで「お時間のあるときに一度、単価についてご相談できればと思っています」「現在の業務内容や成果に応じた報酬について、お話ししたい点がございます」などと伝えましょう。前向きかつ柔らかいトーンで事前に伝えることで、相手も心の準備ができます。その後、打ち合わせや定例ミーティングなどで、直接補足や詳細を説明します。文章で伝えるよりも直接話す方が、誠実な印象を与えることができるでしょう。メールの例文は後述します。理由と根拠の妥当性を伝える単価を上げてほしいことだけでなく、理由をしっかり説明しましょう。今まで上げた成果や市場相場も伝えつつ、単価を上げることへの妥当性を説明するのがおすすめです。以下のように、単価を上げることによってクライアント側に生じ得るメリットをアピールできるとよいでしょう。報酬が安定することで、継続的に高品質なサービスを提供しやすくなる細部に時間をかけられるため、完成度の高いアウトプットを提供できる報酬に見合った優先順位をつけやすくなるため、対応スピードが上がる一方で、契約終了を示唆するなど、単価を上げないことによるデメリットや脅しをちらつけせるのは悪い印象につながるため、避けた方が無難です。慎重に希望金額を提示する希望金額は、事前にリサーチしたうえで慎重に提示しましょう。高すぎると拒否されやすく、安すぎても自身の価値を下げることになります。まずは、SNSやクラウドソーシングサイト、同業の求人などを踏まえ、自分のスキルや業務内容に見合う市場相場を調べます。単価アップに成功した後に、成果を上げたタイミングでクライアント側から再度単価を上げる提案をしてくれる可能性もあるので、1度目の交渉では欲張りすぎないことも重要です。代替案や譲歩を準備しておく単価交渉は一度でスムーズに決まるとは限りません。断られる場合を想定して、あらかじめ代替案や譲歩の準備をしておくことが大切です。交渉中に柔軟に対応できる姿勢を見せることで、信頼関係を保ちながら、着地点を探れます。代替案の例として以下が挙げられます。納期に余裕を持たせていただくことで対応可能です交通費の支給や一部業務の調整をご相談できれば助かります今回は難しいとのことでしたら、次回の更新時に再度相談させていただければ幸いですこうした代替案を示すことで、一方的な要求ではなく、クライアントとフリーランス双方が納得できる関係を築くための対話として捉えてもらいやすくなります。譲れない部分を明確にしつつも、柔軟な姿勢を見せることで、交渉全体がスムーズに進みます。【ケース別】フリーランスの単価交渉で使えるメール例文ここでは、「単価を上げてほしいけれど、どう伝えたら失礼にならないか不安」「きちんと理由を説明したいけれど、文章にまとめるのが難しい」と感じているフリーランスのために、状況別の単価交渉のメール例文を紹介します。交渉の場面ごとに伝え方のポイントが異なるため、自分のケースに合った例文をもとにアレンジすれば、より納得感のある形で依頼できます。誠実さを大切にしながら、自分の価値を正しく伝えるための参考にしてみてください。自身のスキルアップや成果を理由に単価交渉する場合スキルの向上や明確な成果が出た場合は、付加価値が高まっていることを前面に押し出しましょう。直近の成果や実績、スキル向上や新たに習得した技術をアピールして、さらに今後も貢献したい意志を忘れずに伝えます。件名:報酬条件についてご相談のお願い〇〇様いつも大変お世話になっております。〇〇業務を担当しております、〇〇です。これまで継続してお仕事をご依頼いただき、誠にありがとうございます。おかげさまで、先月納品させていただいた記事が貴社の平均PVの2倍を記録したとのご報告をいただき、大変嬉しく思っております。また、最近では△△(例:SEO対策やアクセス解析など)のスキルを新たに習得し、より幅広いご対応が可能となりました。つきましては、今後のご依頼につきまして、報酬条件を以下のように見直しのご相談をさせていただければと思います。【現行】〇〇円/記事【希望】△△円/記事ご負担にならない範囲で構いませんので、一度ご検討いただけますと幸いです。ご不明な点などがございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。今後とも変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。業務量の増加を理由に単価交渉する場合業務量が増えた場合は、その分の労力や時間がかかっていることを明確かつ丁寧に伝えましょう。「継続的に品質を保つために必要な調整である」と伝えることがポイントです。件名:報酬条件についてのご相談〇〇様いつもご丁寧なご対応をいただき、ありがとうございます。フリーランスの〇〇です。ご依頼いただいております〇〇業務につきまして、最近、当初の業務範囲よりも対応内容が増えてきたことを受け、報酬条件について一度ご相談させていただきたくご連絡差し上げました。具体的には、下記のような追加対応が発生しております。・△△の対応(例:編集・構成チェック、監修指摘対応)・納品件数の増加(例:月3本→月6本)これらに伴い、作業時間も大幅に増えており、今後も品質を維持していくためには、適正な対価のご相談が必要と感じております。【現行】〇〇円/件【希望】△△円/件ご都合のよいタイミングでご一読いただけましたら幸いです。もちろんご相談ベースで構いませんので、ご検討のほどどうぞよろしくお願いいたします。契約更新時に単価交渉する場合契約の更新時は、報酬を見直す自然なタイミングです。お互いの関係も整理されるため、交渉もしやすくなります。これまでの信頼関係に対する感謝を伝えつつ、今後もパートナーとしてよい関係を築いていきたい旨を添えましょう。件名:契約更新と報酬条件のご相談〇〇様いつもお世話になっております。フリーランスの〇〇です。現在の契約期間が◯月末で満了を迎えるにあたり、更新のご検討をいただいているとのことで、ありがとうございます。継続のお声がけをいただけたこと、大変光栄に思っております。このタイミングで恐縮ですが、報酬条件についても一度ご相談させていただければと思います。これまでの業務内容や〇〇の成果(例:CV率アップなど)を踏まえ、下記のような見直しをご提案させてください。【現行】〇〇円/月【希望】△△円/月ご予算の関係もあるかと存じますので、柔軟にご相談できればと思っております。引き続き、より良い形でご一緒できることを楽しみにしております。他社相場を引き合いに単価交渉する場合競合他社の単価を引き合いにする場合は、あくまで比較情報として提示し、強い主張にならないよう配慮しましょう。また、他社への乗り換えではなく、現クライアントとの継続を望む姿勢を見せることで、今後も良好な関係を続ける一助となります。件名:報酬に関するご相談〇〇様いつも大変お世話になっております。フリーランスの〇〇です。これまで継続してご依頼をいただき、誠にありがとうございます。今後のご依頼について、1点ご相談させていただければと思いご連絡いたしました。最近、同業の案件に関する相場調査を進めており、同等のスキル・内容に対してやや高めの単価が一般的となってきている印象を受けております。具体的には、同様の業務内容で〇〇〜△△円程度が平均的な金額となっており、自身の業務内容とも照らし合わせたうえで、下記のような条件のご相談をさせていただければと思っております。【現行】〇〇円【希望】△△円貴社からのご依頼は非常にやりがいがあり、今後もぜひ尽力させていただけますと幸いです。ご多忙のところのご相談となり大変恐れ入りますが、ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。手数料やコスト増加を理由にする場合手数料やコスト増加を理由にする場合は、負担が増えた根拠やコスト、内訳を分かりやすく説明します。継続的な対応や品質維持に必要な調整であることを強調しつつ、お願いベースで柔らかく交渉する文調を意識するのがポイントです。件名:報酬見直しのご相談について〇〇様いつも大変お世話になっております。フリーランスの〇〇です。長きにわたりお仕事をご一緒させていただき、誠にありがとうございます。今後も変わらぬご信頼に応えられるよう努めてまいります。この度、継続的な業務に関して、報酬条件のご相談をさせていただきたい件がございます。最近の情勢により、使用しているツールの月額利用料や取引時のプラットフォーム手数料が上昇しており、業務を維持するうえでのコスト負担が大きくなってきております。こうした背景から、以下のような報酬条件の見直しをご提案できればと考えております。【現行】〇〇円/件【希望】△△円/件大変恐縮ではございますが、引き続き高品質なご提供を続けるためにも、一度ご検討いただけますと幸いです。高単価案件を獲得するならSOKUDAN「現在の案件で単価交渉が難しい」「だけど単価を上げてもっと稼ぎたい」という場合は、新たに案件を探して、自分に合った高単価案件を獲得することも選択肢の1つです。フリーランス向けの案件マッチングサービス「SOKUDAN」を活用すれば、さまざまな職種の高単価案件を探せます。【SOKUDANの特徴】リモート案件が92%週1日から稼働OK・土日OKの案件多数平均時給4,500円SOKUDANでは、専門分野での経験が長いミドルクラス向けの案件が多いです。そのため、「スキルに自信はあるけれど、現在の案件でなかなか単価交渉がうまくいかない」というフリーランスは、一度登録してみるとよいでしょう。無料で登録・利用できるため、副業案件を探している場合は、ぜひ気軽に登録してみてください。▼SOKUDANのフリーランス・副業案件一覧▼SOKUDANの副業歓迎の案件一覧▼SOKUDANの土日OKの案件一覧▼SOKUDANのリモート案件一覧まとめフリーランスにとって、単価交渉はハードルが高く、クライアントが気を悪くしないか、今後の契約に響かないかと心配になる人も多いでしょう。しかし、単価交渉は、対立ではなくお互いに納得できる関係を築くための話し合いです。スキルや成果が上がったとき、あるいは業務の負担が増えたときに報酬の見直しをお願いするのは、プロとして自然なことです。その際は、実績や数字など、相手が納得しやすい材料を使って伝えるのがポイントです。希望の金額を伝えるときは、言い回しやタイミングに気を配りながら、相手の事情にも配慮することが大切です。すぐに答えが出ない場合もありますが、あらかじめ譲れる部分や別の提案を用意しておけば、柔軟に対応できるでしょう。単価の交渉は緊張するものですが、フリーランスとして収入を増やしていきたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考に単価交渉にトライしてみてください。