フリーランスは、在宅勤務やリモートワークが叶う自由な働き方だというイメージが強いですが、常駐型のフリーランスも少なくありません。フリーランスには、大きく3つの型があります。1つ目は「在宅型フリーランス」、2つ目は「サービス開発型フリーランス」、そして今回の記事で解説する「常駐型フリーランス」です。常駐型フリーランスには、メリットとデメリットがあり、自分のスタイルに合わせて働き方を選ぶことが重要です。この記事では、常駐型フリーランスが違法となる場合があることや案件選びでの注意点を解説します。これからフリーランスとして頑張っていこうと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。常駐型フリーランスとは?フリーランスには主に3つの型があり、同じフリーランスでも、その型によってそれぞれ働く時間や場所が違います。その中の1つが「常駐型フリーランス」です。常駐型フリーランスとは、クライアントの企業に一定期間常駐して働く方法です。通常、3ヶ月〜半年以上の案件に入ることが多く、長期案件になると数年間に渡って参画することもあります。その他フリーランスの働き方として、「在宅型フリーランス」「サービス開発型フリーランス」があります。今回は、「常駐型フリーランス」の働き方やメリット・デメリットを掘り下げていきましょう。在宅型フリーランスとの働き方の違い在宅型フリーランスは、主に自宅やコワーキングスペース、貸しオフィスなどで働くフリーランスを指します。クライアント先への出社義務はなく、リモートで働けます。オンライン会議やチャットツールを活用して、クライアントとコミュニケーションをとりながら仕事を進めます。一方、常駐型フリーランスはクライアント先に出社することが原則です。在宅型フリーランスは、自宅や好きな場所から働くことができて自由度が高い働き方ですが、スケジュール管理やコミュニケーション面などでデメリットも存在します。フリーランスの働き方はさまざまフリーランスの働き方はさまざまです。フルリモートの案件もあれば、一部出社・一部リモートというように組み合わせて働ける案件もあります。自分に合った働き方を選べる点もフリーランスの魅力でしょう。上述した「サービス開発型フリーランス」とは、自分でアプリやサービスを開発し販売するフリーランスのことを指します。サービスやアプリが流行れば、フリーランスとして多額の報酬を得ることが可能です。一方で、成功する確率が低い、難しい働き方ともいえます。このようにフリーランスの中でも、働き方や働く場所はそれぞれで、自分のパフォーマンスが発揮できる環境や理想とする生活に合わせて、案件や契約内容を選んでいくことが大切です。常駐型フリーランスの契約内容常駐型フリーランスの契約について解説していきます。常駐型フリーランスは、個人事業主なので、正社員とは異なる契約形態や待遇となります。正社員と常駐型フリーランスの違い正社員は会社と雇用契約を結び、会社の就業規則で決められた勤務時間や業務内容、福利厚生に基づいて働きます。一方で常駐型フリーランスは、クライアントの企業と業務委託契約を結びます。業務委託契約の内容は、フリーランスと企業の希望する契約期間や業務内容、報酬などを話し合って決めます。正社員の方が常駐型フリーランスと比べると、長期間雇用される前提で福利厚生などが手厚いですが、契約内容の自由度は低い働き方となります。契約社員・派遣社員と常駐型フリーランスの違い正社員と異なる社員の区分として、契約社員や派遣社員が存在します。契約社員は、正社員と同じく会社と直接契約を結び雇用されますが、契約期間が決まっています。正社員と同等ではありませんが、会社の給与制度や福利厚生などが適用されることが多いです。一方派遣社員は、会社と契約を結ぶのではなく派遣元となる人材会社と契約を結びます。派遣元の人材会社が労働派遣契約を結んでいる会社に派遣されて働きます。契約元が異なりますが、契約社員とほぼ同じ待遇を受けることができるでしょう。常駐型フリーランスは、正社員や契約社員、派遣社員と同じように出社して働いていますが、契約内容が異なるため、就業規則や福利厚生などは適用されません。常駐型フリーランスのメリット常駐型フリーランスとして働くメリットを紹介します。常駐型フリーランスとして働くことが多いのは、エンジニアなどの技術職です。チームで協力して作業を進めたり、クライアントのセキュリティの都合で常駐が必要となる点を理解しましょう。大型案件で経験値を高めることができる常駐型フリーランスが参画する案件は、大型案件であることが多いです。常駐型案件は大型案件で深くコミットする分、フリーランスとしての業務経験を高めることができるでしょう。自分以外のフリーランスが同時期に案件に参画している可能性も高く、フリーランスでありながら、周りからの刺激を受けながら成長していくことができます。案件の選択肢が広がるフリーランスの案件はリモート勤務可能な案件もありますが、出社を求められる案件も多いです。特に大型案件だったり、長期間の案件などの場合には、常駐できるフリーランスを求めている企業も多いです。フリーランスは案件を探す際に、リモート案件だけでなく常駐型の案件も選択肢に入れることで、より幅広い選択肢から優良案件を見つけることができるでしょう。コミュニケーションが取りやすい常駐することにより、直接コミュニケーションが取れて、クライアントとの人間関係や一緒に働くフリーランスとの繋がりができる点もメリットです。コミュニケーションを取りやすいことで、仕事仲間の人柄も理解でき、仕事もやりやすくなる可能性が高まります。さまざまな企業でリモートワークが引き続き行われていますが、出社することで、リモートワークでは行われない雑談やちょっとしたコミュニケーションが業務にもよい影響をもたらしてくれるでしょう。案件に深く関わることができる常駐型の案件では、出社することでコミュニケーションのタイムラグや認識の齟齬などが少なくなるため、より効率的に最大のパフォーマンスが発揮できる可能性が高いでしょう。日々、案件の関係者と直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることで、案件に深く関わることができます。コミュニケーションが円滑にできていると、ソフトスキルも分かりやすいため、フリーランスとしての評価も上がるでしょう。業務環境が整っている常駐型フリーランスは、出社することで、クライアント企業のネット環境やセキュリティ対策、デスク周りの設備、PC、モニターなどの備品を利用することができます。業務環境が整っていれば、作業もしやすく、パフォーマンスも上がるでしょう。自宅に全て完備しているフリーランスもいるかもしれませんが、クライアント企業が提供してくれる環境のなかで仕事ができれば、トラブルも少ないです。ただし、使い慣れない場合や壊さないように取り扱いには注意が必要です。継続案件は安定した収入が見込める常駐型フリーランスが参画する案件は、長期間なことが多いです。継続して案件に入ることになるため、安定した収入が見込めるでしょう。フリーランスが会社員とは違って不安な点の大きな要因が収入が安定しづらいことです。しかし、常駐型フリーランスであれば長期間1つの案件に入ることになるので、数ヶ月先の収入の見込みも立ちやすく安心です。高単価案件で収入アップが見込める常駐型フリーランスが参画する案件は、高単価案件であることが多いです。スキルのあるフリーランスであれば、収入アップが見込めるチャンスです。常駐型フリーランスとして刺激的な環境で経験を積んでいくことができれば、フリーランスとしての価値も高まり、次の案件獲得にもつながるプラスの循環が生まれていくでしょう。フリーランスとして年収を上げていきたい人は、常駐型案件で単価の上がる経験を積むことがおすすめです。人脈が広がり案件獲得のチャンスがある常駐型の案件では、毎日顔を合わせるクライアントや同じ案件に入っているフリーランスとの人脈が獲得できる点もメリットです。その人脈を活かして、次の案件獲得につなげることも可能です。在宅で仕事ができるフリーランスも自由な働き方ができて魅力的ですが、新しい人脈を求めていたり、次の案件につながるチャンスを得たい人にとっては、常駐型の案件はおすすめです。仕事のモチベーションがあがる出社することにより仕事の効率が上がったり、モチベーションが高まるでしょう。クライアントや他のフリーランスとの会話の中でひらめきがあったり、仕事の楽しさを感じる瞬間があるはずです。1人で黙々と仕事をしているイメージのあるフリーランスですが、常駐型フリーランスの場合には、さまざまな人と関わることができます。気の合うフリーランス仲間や尊敬できる先輩と巡り会えるかもしれません。生活リズムが整う常駐型フリーランスは毎日決まった時間に出社し、退勤することになるため、生活リズムが整います。フリーランスの特徴として、自分の好きな場所で好きな時間に働ける、といった点が挙げられますが、自己管理ができなくなる人もいます。常駐型フリーランスの場合には、常駐先で勤怠の管理やチームでのタスク管理が行われるため、規則正しいスケジュールになります。通勤の際に外の空気を吸ったり、軽い運動にもなるため、健康によい影響があるでしょう。常駐型フリーランスのデメリット常駐型のフリーランスとして働くのには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?案件獲得に際して、常駐型案件に応募するか悩んでいるフリーランスの方は参考にしてみてください。働く場所が決められている常駐型の案件は案件が続く間、同じクライアント先に出向いて働くことになります。フリーランスの醍醐味である自由さを味わえない点は、常駐型フリーランスのデメリットでしょう。毎日クライアントとなる企業のオフィスに出社することになるので、通勤や満員電車を避けたくてフリーランスになった人や、自宅で働く方がパフォーマンスが上がるタイプの人には常駐型フリーランスはおすすめしません。働く時間が決められている働く場所が定められているのと同時に、常駐型のフリーランスは勤務時間も定められていることが多いです。一般的な会社員と同じように朝出社して、夕方以降に退勤するスケジュールになるでしょう。生活リズムが整うという点ではよいかもしれませんが、自由さという点ではやはりフリーランスの利点を味わうことができないでしょう。自分でスケジュールを決めて働きたい人にとっては、働く時間が決められている常駐型フリーランスはおすすめしません。通勤のストレスが増える働く場所や時間が決められている常駐型フリーランスは、当然勤務先まで通勤する必要が出てきます。時間が定められているので、満員電車やバスに乗らなくてはいけない場合もあるでしょう。事故や遅延に巻き込まれることもあるかもしれません。在宅で仕事ができるフリーランスであれば味わうことのないストレスを抱えることになります。そういった通勤のストレスをあまり感じない人や、常駐先が自宅から近い場合でないと、常駐型フリーランスは余計なストレスが増えるでしょう。人間関係のストレスがある常駐型フリーランスは会社員と同じように、決められたクライアントや他のフリーランスと一定の期間仕事をすることになります。なかには、コミュニケーションが取りづらかったり、苦手なタイプのクライアントや関係者がいるかもしれません。それでも、毎日顔を合わせることになるので、在宅型のフリーランスなどと比べると、人間関係のストレスを受けやすい環境であることは否定できないでしょう。黙々と1人で働きたいタイプのフリーランスの方は、常駐型の案件はデメリットとなるでしょう。仕事の成果や能力が分かりやすい常駐型フリーランスは、身近にクライアントや他のフリーランスがいる状況で勤務するため、スキルが足りていないと誤魔化しが効きません。コミュニケーション能力などのソフトスキルに不足があると、すぐに周りの人にバレてしまう状況です。在宅型のフリーランスであれば、能力不足でも深夜まで身を削って対応することもできますが、常駐型のフリーランスは限られた時間と環境で仕事をこなします。自分のスキルに自信がない場合は、背伸びをしないことが重要です。服装が自由でないこともある常駐型フリーランスはクライアント企業のオフィスに出社するため、服装にも規定がある場合があります。ビジネスカジュアルやスーツでの出社を求められることもあるでしょう。職場の雰囲気に合わせた服装や立ち振る舞いは、社会人の基本です。在宅型のフリーランスであればどのような服装でも問題ありませんが、常駐型フリーランスの場合は、そういった不自由さもあります。自分の好きな格好で働きたい、というフリーランスの人には服装に縛りがある常駐型フリーランスはおすすめできません。フリーランスの常駐は違法?フリーランスはクライアントとなる企業と業務委託契約を結び、その契約内容に基づいて働く存在です。しかし、近年フリーランス人口が増えるにつれて取り沙汰されているのが「偽装請負」という違法行為です。偽装請負とは、クライアントとなる企業がフリーランスに対して勤務時間や勤務場所を指定し、一般的な会社員と同じように拘束した状態で雇用している状態を指します。常駐型フリーランスはクライアント先に長期間、決められた時間の中で働くフリーランスなので、偽装請負とみなされることがあります。事前の契約内容には、雇用主となる企業と雇われるフリーランスの双方の認識が一致していることが重要です。勤務を開始してからトラブルにならないように、事前に条件をすり合わせて置きましょう。常駐型のフリーランス案件を選ぶときの注意点常駐型のフリーランス案件は高単価で長期間のものが多く、案件を探しているフリーランスにとって優良な案件であることが多いです。自分に合った常駐型フリーランス案件を見つけられるように、選ぶ際の注意点をまとめました。偽装請負の契約になっていないか先程解説した「偽装請負」の契約になっていないか、契約書やクライアントの説明をよく確認しましょう。極端に単価が低かったり、フリーランス側に不利な内容が盛り込まれていないか、契約書にサインする前に確認しておくことが重要です。勤務場所や勤務時間に無理がないか勤務地が自宅から離れていたり、勤務時間に無理がないかなどを確認しましょう。常駐先には毎日通う可能性もあるので、通勤時間が長くてストレスになったり、勤務時間が過度に長くて体調不良になるかもしれません。実際に通勤して働き続けることが現実的か、通勤ラッシュの時間や乗り換えのルートを把握することが重要です。契約期間や報酬が適切か常駐型案件なのに、契約更新のタイミングが曖昧だったり、逆に年単位で縛られる契約になっていないかを確認しましょう。稼働時間を時給換算したとき、低すぎる報酬になっていないか、なども確認が必要です。契約期間や報酬に疑問や変更希望がある場合にはクライアントやエージェントに交渉するのも1つの手です。プロジェクトの体制やスケジュールに無理がないかどのような体制でプロジェクトが進んでいるのか、協力会社やマネージャー、リーダー、メンバーなどの役割を把握しておきましょう。体制が整っていないと常駐先で急な業務が飛んできたり、責任の所在がなく炎上したりする可能性もあります。あまりにもタイトなスケジュールのプロジェクトだったり、スケジュールに無理があるような案件にも気をつけましょう。常駐型案件は長期間に渡るので、スケジュール的に元から破綻している案件やフリーランスにとってストレスが多いような内容の案件になっていないかどうかを確認するようにしましょう。交通費や備品の支給があるか常駐型案件は毎日出社することになるので、その際の交通費が支給されるかどうかを確認しましょう。出社時に勤務において必要となる備品の支給があるかどうかも重要です。なかには、交通費や備品代がフリーランス負担の案件もあるかもしれないので、こちらについても事前に契約書に盛り込んでもらうように交渉するのがおすすめです。フリーランスが常駐型案件で働くときの注意点フリーランスが常駐型案件を獲得して働き始めるとき、どのような点に注意するとよいでしょうか。大型案件・長期契約・深いコミットなど負担も大きくなる可能性が高いので、注意点を事前に確認してトラブルを防ぎましょう。常駐先に合わせた働き方をする仕事の進め方や服装、コミュニケーションの取り方など、クライアント企業ごとに色があります。案件が始まった最初は特に、そういった企業のお作法に合わせてうまく馴染む努力も必要です。案件が進むうちに徐々に、自分の意見や仕事の進め方なども提案できるようになってくるので、時間をかけて常駐先での信頼を勝ち取っていきましょう。機密情報が外部に漏れないようにする常駐型案件では、在宅型フリーランスには依頼できないような機密情報が多く含まれていることが多いです。外部に漏洩すると大問題なので、情報の管理には気をつけましょう。仕事が終わらないからとこっそり自宅に持ち帰ったり、外で作業したりしてはいけません。機密情報が漏れることがあれば、損害賠償を請求される可能性もあります。報連相を徹底する報連相とは「報告・連絡・相談」の3つをまとめたビジネス用語です。常駐型のフリーランスも一般的な会社員と同様に、この報連相を徹底するようにしましょう。クライアントはフリーランスにとっての上司のようなものなので、自分の成果をアピールするという意味でも、報連相を定期的に行うことで、信頼関係を構築することにつながります。自己管理を徹底する常駐型のフリーランスは毎日クライアント先に出社して仕事をすることになるので、体調管理やスケジュール管理、タスク管理などの自己管理を徹底しましょう。在宅型のフリーランスであれば、自身の体調やスケジュールに合わせていくらか柔軟に対応することができます。一方で、常駐型フリーランスは出社して勤務することが条件となっているので、より一層自己管理が必要とされます。リモート案件も魅力がたくさん!常駐型の案件はクライアントとのつながりが深く、高単価だったり、長期的な収入の目処がつく、という点で魅力的です。一方で、せっかくフリーランスになったのだから、自分の好きな場所で好きな時間に働けるリモート案件にも挑戦してみたくありませんか?案件を探す際に活躍する案件マッチングサービスでおすすめの「SOKUDAN」では、92%以上がリモート案件となっています。リモート勤務が可能でありながら、単発案件よりも中長期的な案件を多く取り扱っています。常駐型案件のメリットやデメリットを踏まえて、自分にあった働き方を選びましょう。実際の利用者が調査したSOKUDANの評判はこちらの記事をチェック!▼関連記事:【利用者が調査】SOKUDANの評判・口コミを徹底分析!まとめこのように、常駐型フリーランスの案件にはメリットとデメリットがあり、常駐型案件が向いている人もいます。一方でリモート勤務を希望しているフリーランスにとっては、なかなかハードルの高いものかもしれません。常駐型案件に入る際の注意点も確認しつつ、選択肢の1つとして常駐型フリーランスになることも視野に入れておくとよいでしょう。リモート勤務可能な案件も増えているので、自分のライフスタイルや働き方に合わせてフリーランスとして活躍していきましょう!▼関連記事:【体験談あり】フルリモートでフリーランスとして働くメリット・デメリット!