フリーランスにおける高単価とは、どのくらいの金額を指すのでしょうか?フリーランスとして活動する際、最も重要な要素の1つは単価設定です。しかし、フリーランスの案件の中で、高単価の定義を設定することは容易なことではありません。なぜなら、業界や職種によって適切な価格設定が異なるからです。この記事では、様々な職種別における高単価の相場と、高単価案件の特徴を解説します。高単価を実現するための秘訣や注意点を理解し、フリーランスとしての成功に近づくヒントを見つけましょう。フリーランスの高単価はいくら?〜職種別の相場〜フリーランスにとって「高単価」とは、いくらくらいを指すのでしょうか?稼働時間換算の案件もあれば、1人/月換算の案件、はたまた年俸契約の案件もあります。複数案件を掛け持ちするフリーランスも多いです。この記事では、フリーランスの平均年収や時給を超えているものを高単価と呼ぶことにします。フリーランス・副業のプロ人材マッチングサービスである「SOKUDAN」の調査を元に、フリーランスの職種別の高単価の基準を紹介します。月収は1日8時間✖️21日とし、年収は月収を12ヶ月分とします。▼関連記事:フリーランス・副業案件の平均年収・時給が高い職種ランキングフリーランスエンジニアの高単価の相場フリーランスエンジニアの高単価は、月100万円〜くらいでしょう。SOKUDANの調査では、フリーランスエンジニアの平均時給が5,220円なので、月収にすると約88万円、年収にすると1,000万円を超えてきます。求人ボックス 給与ナビのデータによると、正社員のエンジニアの平均年収は、約481万円です。フリーランスエンジニアは会社員と比較するだけでも単価が高い職種ですが、エンジニアの中でも単価の相場は異なります。データサイエンティストの平均時給が6,417円というデータを元にすると、21日×8時間稼働とすると月給は100万円を超えます。▼関連記事:フリーランスエンジニア職種別の平均年収・時給レポートフリーランスデザイナーの高単価の相場フリーランスのデザイナーの中でも、WebデザイナーやUIUXデザイナーの案件は比較的高単価といえるでしょう。フリーランスデザイナーの平均時給を平均時給「3,517円」とすると、週3、4日稼働でも月給は30〜45万円程度の月給になる予想です。週5日稼働の案件の場合、月給50万円を目安に高単価案件かどうかを見定めるとよいでしょう。▼関連記事:フリーランスデザイナーの平均年収・時給レポートフリーランスマーケターの高単価の相場フリーランスマーケターの平均年収は「804万円」と、エンジニアに次ぐ年収の高さとなっています。フリーランスマーケターの単価の相場は、参画する案件の業界によって変わってきます。例えば、コンサルティングやSaas業界であれば年収1,000万円を目指すことも可能です。平均時給は「3,986円」なので、週3日稼働の案件で月給が40万円程度の案件であれば高単価といえるでしょう。▼関連記事:フリーランスマーケターの平均年収・時給レポート フリーランスWebディレクターの高単価の相場フリーランスのWebディレクターの平均時給は「3,245円」とのことなので、週5日×8時間稼働した場合、月給は50万円を超えます。Webサイトの企画や設計だけでなく、広告運用やSEO・コンテンツマーケティングのスキルがあると、より高単価の案件に挑戦できます。統計上、年収400万円よりも年収800万円のフリーランスマーケターの方が多いので、時給4,000円以上の案件を目指すのも十分に可能な職種です。▼関連記事:フリーランスWebディレクターの平均年収654万円!96%がフルリモート!フリーランスコンサルの高単価の相場フリーランスコンサルタントの案件は、フリーランスエンジニアの案件と肩を並べるくらいの高単価となっています。フリーランスコンサルタントの平均年収は981万円、平均時給は「4,866円」とされています。フリーランスコンサルタント向けの案件には週2〜3日稼働OKのものも多く、例えば週3日稼働で月給50万円の案件は一般的です。コンサルティング業務の中でも、経営コンサルタント・M&Aコンサルタント・ITコンサルタントなどさまざまな専門分野があります。フリーランスの経営コンサルタントだと、「平均年収1,200万円」となっており、高単価案件が多く存在していることがわかります。▼関連記事:フリーランスコンサルの平均年収・時給レポートフリーランスプロジェクトマネージャーの高単価の相場フリーランスのプロジェクトマネージャーの平均時給は、エンジニアと同程度の「4,668円」とされています。平均年収は941万円と高単価案件がたくさんあるのが伺えます。フリーランスのプロジェクトマネージャーの案件は他の職種と比べると稼働日数が多いものが多いです。週4〜5日稼働の場合、月給は「75万円」程度となります。案件単価が80万円くらいのものから高単価と言えるのではないでしょうか。▼関連記事:【平均年収941万円】フリーランスプロジェクトマネージャーの平均年収フリーランスの高単価案件の特徴高単価案件を獲得するためには、高単価案件の特徴をよく理解しておく必要があります。フリーランス向けの高単価案件の特徴を解説していきます。専門性の高いスキルや豊富な業務経験が求められるフリーランスとして高単価案件を獲得するには、人材市場において需要の高いスキルを持ち合わせている必要があります。例えば、エンジニアやコンサルティングなどが高単価案件の代表例です。専門性のあるスキルを持っていたり、特定の分野に関する業務の経験が豊富なことも高単価案件獲得への近道です。クライアントとなる企業としても、高単価じゃないと採用できないようなフリーランス人材を求めている、ということです。まずはスキルを磨いたり、経験を増やしていくことがフリーランスが高単価案件をゲットする方法でしょう。大型案件や長期案件が多いプロジェクトの規模が大きかったり、契約期間の長い長期案件は高単価案件の傾向があります。予算も大きく、多くの人が関わる案件なので責任も大きく、フリーランスが受け取る報酬も高い傾向にあります。クライアントとなる企業としても、大型案件や長期間の案件というのは、特に力をいれているサービスや事業の仕事である可能性が高いです。長期案件では、数ヶ月先まで収入の目処が経つので、収入が安定するでしょう。クライアントや他のフリーランスとの繋がりができることも、フリーランスにとっては今後の案件獲得につながる好機となります。稼働時間が長く常駐の可能性が高い大型案件や長期案件に参画するフリーランスは稼働時間が長く、クライアント企業に常駐する場合が多いです。フリーランスの業務負担に比例して、必然的に案件単価も高くなるでしょう。稼働時間が固定されていなかったり、リモート勤務ができる案件に絞ると、高単価の案件は少なくなる可能性があります。フリーランスが希望する働き方で高単価の案件は、より一層求められるスキルや成果が高くなる傾向にあります。高単価のフリーランスになる注意点単価が高い案件を獲得できれば、フリーランスとしては収入が増えて嬉しいことですが、その反面で注意しておくべきこともいくつか存在します。トラブルなどを防ぐために事前にチェックしておくとよいでしょう。大きな責任や高い成果が求められる高い報酬が得られるということは、つまり大きな責任を担うポジションだったり、それ相応の成果が求められる場合が多いです。スキルがしっかりとあること、報酬に見合ったアウトプットを出せることが前提になります。案件に入った後で、「必要なスキルを持ち合わせていなくて価値を提供できない......」ということがないように、事前にクライアントと期待値のすり合わせをしておくことをおすすめします。次の案件も高単価とは限らない一度高単価案件を獲得できたからといって、その案件が続いていくとは限りません。単発だったり、期間が決まっている高単価案件に参画している場合は、案件終了後に仕事が途切れないように注意しましょう。クライアントによって、フリーランスに求める期待値や予算は異なるため、次も同じ単価で案件がとれる保証はありません。常に自分の最高単価を更新し続けることは、難しいことを理解しておきましょう。自分の市場価値にあった価格の提示が必要新規のクライアントとフリーランスが契約する際は、自分の市場価値に基づいて、適正価格を提示できないと失注する可能性も高いです。以前のクライアントと同じだけの予算があり、同じだけのパフォーマンスができるとは限らないので、クライアントの規模や予算、求められているスキルに応じて適正価格を提示できるようにしましょう。フリーランス市場における、自身のスキルの需要を客観的に判断できる能力が必要です。案件が途絶えたら収入が大きく下がる高単価の案件を持っていると、1つの案件で安心してしまいがちです。しかし、突然その仕事を失注したり打ち切りになった場合に収入が途絶えることになるので、フリーランスは案件を複数掛け持ちしておく方がよいでしょう。例えば、高単価の案件を1つ、単発の案件を1つと組み合わせて仕事をすることで、1つの案件が終わったとしても、残りの案件で収入が途絶えることを防げます。最低限の収入を確保しつつ、常に次の案件へのアンテナを張っておくとよいでしょう。▼関連記事:フリーランスは複数案件を掛け持ちすべき?注意点や案件獲得方法を解説所得が増えると税金が増える高単価案件を獲得して、年収が上がることはフリーランスにとって素晴らしいことでしょう。ただし、年収が増える=所得が上がる=支払う税金が増える、ということを頭に入れておきましょう。住民税は前年の所得に対して課税額が決定します。そのため、高単価案件を獲得して年収が上がった年の翌年は税金が上がることを考慮しておく必要があります。所得が800万円を超えたら法人化も選択肢の一つです。▼関連記事:フリーランスが法人化する7つのメリット!インボイス制度後の注意点も解説 フリーランスの高単価案件の獲得方法フリーランスが高単価を獲得する方法を紹介します。1つ目の高単価案件を獲得することができればコツが掴めてくるので、まずは以下の方法を試してみて、高年収のフリーランスを目指しましょう。フリーランス向けの案件マッチングサービスを利用するエージェントを利用すると仲介手数料を取られてしまい、その分フリーランスの報酬が減ってしまいます。月100万円の案件を獲得しても、エージェント経由だと手数料が差し引かれフリーランスの報酬が80万円ほどになっていることも少なくありません。(手数料が20%の場合)一方、フリーランス向けの案件マッチングサービスは、クライアントと直接契約ができるので、報酬の全てを受け取ることができます。例えば、フリーランス向けのマッチングサービス「SOKUDAN」では、高単価案件も豊富に取り扱っています。92%以上がリモートで勤務できる案件なので、案件を掛け持ちしているフリーランスの人でも応募可能です。即戦力のプロ人材を求めているクライアント企業が多く、単価も高めとなっています。その他にも、おすすめのフリーランス向け案件マッチングサービスをこちらの記事で紹介しています。▼関連記事:フリーランス向け案件マッチングサービスのおすすめ8選〜利用者の声もご紹介〜フリーランス自ら直接営業する気になる会社が求人募集しているか直接問い合わせてみたり、周りの人に案件を探していることを伝えてみたりと、営業活動をするのもおすすめです。クライアントの課題をしっかり把握した上で、課題に応じて積極的に提案をすることで、報酬も高く提示することができます。ただし、高い営業スキルと適切な金額の提示が重要なので、自分の市場価値を客観的に見極める能力も必要です。自分から企業に連絡する場合には、自分の興味のある事業内容や経営者に直接アプローチする形になるので、入ってみてやっぱり違った...というミスマッチも起きづらいでしょう。フリーランスは個人の名前で仕事を獲得していくことが求められるので、案件獲得に際しても、営業を上手にできると今後のキャリア形成にも役立つはずです。既存の案件で単価交渉をするクライアントとの間にしっかりと信頼関係が築けていて、現在の業務で成果を上げられていることが前提ですが、すでに持っている案件の単価を上げていくことで高単価案件を獲得するという方法もあります。課題に対して業務の追加や施策の提案をしていくことで、自分の金額を上げていくことが可能です。新規で高単価案件を獲得するよりも、段階を踏んで単価を上げていくことになるのでおすすめの方法です。クライアントとの信頼関係やスキルの期待値の調整もできている状態であれば単価交渉をしてみるのもありでしょう。まとめフリーランスの高単価は、職種によって異なります。業界の相場や経験年数、企業の予算などを踏まえて、単価を理解しましょう。フリーランスが高単価の案件を獲得することができれば、収入も安定し、高いスキルを身につけていくことができるので、段階を踏んで高単価案件に挑戦するのはおすすめです。自分のフリーランスとしての市場価値を見極めながら、フリーランス向け案件マッチングサービスを活用したりして、高単価案件をゲットしていきましょう。