「会社員からフリーランスを目指したい!」と思ったときに、1番気になるのが年収・手取りではないでしょうか?「フリーランスは会社員より手取りが減る」「フリーランスは会社員の2倍稼がないと生活がきつい」という声もあり、不安を感じている方も多いと思います。そこで本記事では、フリーランスと会社員の年収・手取りの違いを解説します!各種税金や社会保険におけるフリーランスと会社員の違いや、それぞれの働き方のメリット・デメリットもお伝えします。ぜひ、自分に合った働き方を考えるヒントにしてください。▼関連記事:フリーランスになるには?必要な手続きや仕事獲得の方法まで解説▼関連記事:会社員からフリーランスになる際にやるべきことは?必要な手続きや退職前の準備を解説会社員からフリーランスになると年収は減る?はじめに、「正社員からフリーランスになると年収は減るの?」という疑問にお答えします。年収に関しては自分の努力次第なので、会社員からフリーランスになったからといって、必ずしも年収が下がるとはいえません。しかし、会社員とフリーランスを比較すると、同じ年収でもフリーランスの方が手取りは少なくなりやすいです。なぜならフリーランスと会社員では、支払う税金が異なり、社会保険の負担もフリーランスの方が大きいからです。ただし、フリーランスは節税対策をすることで、手取りを多く残すことができます。節税対策については、関連記事:フリーランス・個人事業主なら節税は必須!税金の基礎知識も解説で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。【早見表】フリーランスと会社員の年収・手取り比較ここで、フリーランスと会社員の年収と手取りの比較をお伝えします。同じ年収でも、手取りがいくら違うのか早見表で確認していきしょう。≪会社員の年収計算ルール≫・社会保険加入・20歳以上40歳未満※計算ツール:アカウントエージェント株式会社「【2023年12月最新】給与の手取り計算シミュレーションツール」≪フリーランスの年収計算ルール≫・青色申告65万円控除を適用・年齢20~39歳、配偶者なし、扶養家族0人の場合※計算ツール:個人事業主シミュレーション年収300万円400万円500万円600万円700万円800万円900万円1,000万円会社員の手取り2,478,120円3,306,156円4,116,864円4,890,480円5,609,256円6,331,212円7,111,260円7,880,736円フリーランスの手取り2,333,660円3,083,060円3,806,360円4,445,760円5,078,360円5,711,260円6,335,060円6,983,460円手取りの差額144,460円223,096円310,504円444,720円530,896円619,952円776,200円897,276円年齢や扶養人数によって税金額が変わるため、上記はあくまでも目安となりますが、年収が上がれば上がるほど、フリーランスと会社員の手取りの差額が大きくなることがわかりました。関連記事:年収別早見表:フリーランスの手取りとは?節税や手取りを増やす方法を解説年収に関わるフリーランスと会社員の違い次に、年収に関わるフリーランスと会社員の違いをお伝えします。フリーランスと会社員の年収の違いは、税金や社会保険などさまざまな要素が影響しています。主な違いは、次の5つです。フリーランス会社員各種税金・所得税・住民税・消費税・個人事業税フリーランス自身で確定申告を行った上で納税所得税住民税会社側で金額を算出し、給与から天引き加入できる社会保険・国民健康保険・国民年金保険・社会保険・厚生年金・雇用保険・労災保険有給休暇なしあり福利厚生福利厚生なし※フリーランス自身で福利厚生サービスへの加入は可能福利厚生が充実産休・育休健康診断住宅手当 など 退職積立金退職金制度なし退職金制度あり▼関連記事:フリーランスと会社員の違いに驚愕!独立前に知っておくべき違いを解説各種税金の違いフリーランスと会社員では、納税する税金が一部異なります。所得税と住民税の支払いは共通ですが、フリーランスは収入に応じて、消費税や個人事業税の支払も発生します。そのため、収入が増えるほど納税額が増えて、手取りが減りやすいです。またフリーランスは毎年2月16日〜3月15日の間に確定申告を行い、納税額を確定させます。確定した税金額は、自分で支払手続きをします。会社員の場合は、給与所得者として、毎月の給与から各種税金が天引きされます。毎月の給与や賞与から天引きされる税金を源泉徴収税といい、この過不足を調整するのが年末調整です。会社員は会社が年末調整を行なってくれるので、基本的に確定申告など自分で手続きをする必要はありません。社会保険の違いフリーランスと会社員では、加入できる社会保険が異なります。フリーランスが加入できる保険国民健康保険、国民年金保険会社員が加入できる保険社会保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険会社員が加入できる社会保険と厚生年金保険は、それぞれ会社が費用を半分負担してくれます。雇用保険は、失業時の生活保障や再就職支援制度を利用できます。労災保険は仕事中にケガや病気を患った場合、医療費や休業手当を受け取ることが可能です。一方フリーランスは、雇用保険と労災保険に加入できません。また国民健康保険と国民年金保険は、全額自己負担になります。保険料の負担と万が一の保障範囲の狭さから、フリーランスは会社員と比較すると社会保険が手薄です。保障がない部分は、自分でカバーする必要があります。有給休暇の違い会社員の場合、労働基準法によって有給休暇の付与が義務付けられています。有給休暇を利用した際も給与が発生するので、体調を崩した際や急用でどうしても出勤できないときも、収入の不安を抱える必要はありません。対して、フリーランスは法的な権利として有給休暇がありません。万が一病気などで長期的に仕事が出来なくなったときに給与保障がないので、収入がなくなる恐れがあります。福利厚生の違いフリーランスと会社員では、福利厚生の充実度が大きく違います。会社員の場合は、健康診断や住宅手当、産休・育休制度など、さまざまな福利厚生を企業が提供してくれます。レストランやホテルの優待サービスなども利用できる場合もあるので、プライベートも充実させやすいです。フリーランスは会社員のような福利厚生はありません。ただし、福利厚生サービスを提供している案件サイトやエージェントサービスを利用すれば、次のようなフリーランス向けの福利厚生を受けることができます。コワーキングスペースの利用料優待サービス健康診断費用を一部負担税務・法務相談サービスフリーランスも工夫次第で、会社員と同じような福利厚生サービスを利用することが可能です。フリーランス・副業向けのマッチングサービス「SOKUDAN」に登録すると「SOKUDAN PLUS+ 」という福利厚生サービスを無料で利用できます。ぜひ、チェックしてみてください。▼関連記事:フリーランスも利用できる福利厚生サービス13選!選ぶポイントや注意点を解説退職積立金の違い企業にもよりますが、会社員の方は退職金制度が設けられている場合が多いです。退職金制度を導入している企業であれば、退職時に一定の金額を受け取れるので今後の生活の足しにできるでしょう。一方、フリーランスは企業勤めではなく、「退職」という考え方がないため退職金制度がありません。そのため将来に備えて、フリーランス向けの退職金制度「小規模企業共済制度」や私的年金制度である「iDeCo(イデコ)」を活用して、日頃から自分で積み立てておく必要があります。これらの制度は、将来への備えにつながるだけでなく、節税対策にもつながるのでフリーランスの方は積極的に利用することをおすすめします。年収以外のフリーランス・会社員のメリット・デメリット同じ年収だけで考えるとフリーランスは負担が多そうに感じますが、重要なのは年収だけではありません。フリーランスと会社員のメリット・デメリットを解説します。フリーランスのメリットフリーランスとして働くメリットは、自由度の高さです。具体的な理由は、次のとおりです。好きな時間・場所で働ける仕事やクライアントを自分で選べる人間関係のストレスを軽減しやすいライフステージに合った働き方ができるフリーランスの場合、在宅で勤務できる案件が多いため、好きな時間・場所で働きやすいです。自分で仕事やクライアントを選べるので、興味があるジャンルの仕事に励みながら、同じ価値観を持つクライアントと成長していくこともできます。また仕事や働く時間場所を自分で選べる分、家庭や子育てとの両立がしやすいのもフリーランスならではのメリットです。例えば、お子さんが小さい間は週2〜3日稼働の案件を請け負い、大きくなって手が掛からなくなってきたらフルタイムで働くといったこともできます。フリーランスのデメリットフリーランスのデメリットは、収入や保証が不安定な部分です。収入が不安定になりやすい社会保険や福利厚生が手薄社会的信用が低い確定申告を行わなければならないまず、フリーランスは案件ごとに契約を結ぶ業務委託契約で働くため、急に仕事がなくなる恐れがあります。毎月必ず収入があるとは限らないので、金銭面での不安を抱えやすいです。会社員と比較すると、社会保険や福利厚生が手薄で、社会的信用度も低いため、将来設計を立てにくい側面もあります。住宅ローンが組めない、クレジットカードが作れないということもあります。また確定申告を自分で行わなければならないので、事務作業の負担も発生します。▼関連記事:フリーランスのデメリット11選!会社員との違いやメリットも理解しよう会社員のメリット会社員のメリットを一言で表すと、安定性です。安定した収入を得られる社会保険や有給など保障がある社会的信用度が高い経理関係の事務作業が発生しない会社員として働く最大のメリットは、安定した収入を得られることでしょう。毎月一定の収入を得られる環境の中で、ケガや病気をした際の保障や有給休暇などの福利厚生も充実しているので、安心感を得やすいです。社会的信用度が高いのも、会社員のメリットです。クレジットカードや住宅ローンの審査にも通りやすいので、将来設計を立てやすいです。また会社員の場合、年末調整など経理関係の事務作業を全て会社側が行ってくれるので、仕事だけに集中しやすいというメリットもあります。会社員のデメリット会社員のデメリットは、自由度の低さといえます。勤務場所・時間を指定される指定された仕事を行う自分の意見やアイデアが通らない場合があるまず、基本的に会社員は企業が指定した勤務場所・時間で働くのが一般的です。相談できるケースもありますが、必ずしも希望が通るとは限らないので、柔軟なワークスタイルの実現は難しいです。会社員の場合、自分が興味のある業務に就けるとは限りません。会社が指定した部署や案件に携わるので、思うようにキャリアを積み上げられない場合もあります。また企業内での意思決定は、一部の上層部に委ねられることが一般的です。そのため自分の意見やアイデアが通らないこともあり、モチベーションを維持しにくいと感じる場面もあります。会社員からフリーランスになった年収のリアルここで、会社員からフリーランスになった人の年収に関する体験談を紹介します。そもそも年収という概念がなくなった私は、フリーランスになって年収という概念がなくなりました。年単位ではなく、月単位で報酬が変わりますし、経費の精算を考えると毎日自分の事業に関わる数字が動きます。例えば、案件が増えて来月から月の報酬が数十万円上がることもありますし、スポットの案件を受注することでボーナス月を作ることもできます。会社員の頃は、「来年職位が上がるから年収が数十万円増える」と喜んでいましたが、今では年単位ではなく、月単位で収入をコントロールすることができます。もちろん、確定申告をする際に1年間の売上や所得、手取りを改めて確認しますが、日々自分の事業を経営している感覚はとても刺激的です。年収大幅ダウンから着実にステップアップ私はフリーランス1年目のとき、会社員時代より年収が100万円以上ダウンしました。「会社で週5日間、決められた時間に働くのがつらい!」という理由で、ほぼ準備なしで勢いで会社員からフリーランスになったからです。フリーランスに転向したことに後悔はありませんでしたが、年収が大幅にダウンした上に、毎月安定した収入が入らなくなり、精神的につらかったです。けれども、いつまでも落ち込んではいられないので、フリーランス向けのオンラインサロンに入ったり、書籍を読んだりしながらスキルアップに励みました!クライアントとのつながりも大切にしていく中で、着実に仕事が増え、徐々に単価もアップしていくように。結果、いまでは個人で会社員時代と同等の年収を稼げるようになりました!大変な時もありますが、自分の力で稼ぐというスキルが身についてよかったなと感じています。フリーランスとして年収を上げるためのポイントここからは、フリーランスとして年収を上げていくために意識して生きたいポイントを4つ紹介します。スキルアップして単価アップを図るフリーランスとして年収を上げるために、スキルアップして単価アップを図っていきましょう。「年収を上げるなら、仕事量を増やせばいいのでは?」と思った方もいるかもしれません。仕事量を増やせば年収を上げられますが、心身への負担が大きいです。けれども、スキルアップして単価アップを図れば、効率よく年収を上げやすくなります。またフリーランスは自分自身が商材です。だからこそ、常にスキルアップを測って、市場価値を高めておくことが、長く活躍できるフリーランスになることへも直結します。稼働に見合った報酬の案件を受ける案件を請け負う時は、「稼働量に見合った報酬か」を考えるようにしましょう。フリーランスの場合、収入が途切れる不安から、安請け合いしてしまうケースも少なくありません。けれども、自分の働きが年収に直結するからこそ、稼働に見合った報酬の案件を受けることを意識する必要があります。案件を受ける時は、業務量から想定される稼働時間に対して、時給換算でいくらになるか考えてみるのがおすすめです。自分の希望時間単価より低い場合は、納得のいく報酬で案件を請け負えるように、クライアントへ交渉しましょう。▼関連記事:フリーランス・副業案件の平均年収・時給が高い職種ランキングクライアントと良好な関係を築く年収アップを目指すためだけでなく、フリーランスとして働く上で、クライアントと良好な関係を築くことはとても大切です。クライアントと良好な関係を築くことで、長期的な案件の継続にもつながります。期待以上の成果物を納品して、スムーズなコミュニケーションを心掛けていくことで、単価アップが見込めるでしょう。またクライアントと信頼を築くことで、さらに別のクライアントを紹介してもらい年収アップを目指せます。節税対策をする自分で節税対策ができるのは、フリーランスの特権です。必要経費をしっかり計上したり、所得控除や税額控除を活用したりしながら、手元に残る金額を増やしていきましょう。手間はかかりますが知識を身につけて、使える制度を活用していくことで、着実に手取りを増やせるのはフリーランスの魅力のひとつです。フリーランスが活用すべき節税対策は、関連記事:フリーランス・個人事業主なら節税は必須!税金の基礎知識も解説にて解説しているので、ぜひご覧ください。年収アップを目指したいフリーランスにおすすめのマッチングサイトフリーランスとして年収を上げるには、マッチングサイトを活用して良い案件を獲得することが大切です。ここで、年収アップを目指せるおすすめのマッチングサイトを3つ紹介します。SOKUDANSOKUDANは、「プロ人材」と企業をつなぐことをコンセプトとしたマッチングサービスです。掲載案件の平均単価32.1万円と高単価であることから、年収アップを目指したいフリーランスにおすすめです。その他にもSOKUDANには、年収アップにつながりやすい魅力があります。週1日~フルタイムまで、幅広い案件を掲載企業と直接契約できる収入源を増やすために週1日から稼働できる案件を探したり、収入の柱となるフルタイムの案件を探したりするなど、自分に合った案件が見つかりやすくなっています。またSOKUDANは利用料無料で、企業と直接契約ができます。そのため、収入が全てフリーランスの手元に残るので、年収アップを目指しやすいです。▼関連記事:【利用者が調査】SOKUDANの評判・口コミを徹底分析!WorkshipWorkshipは、フリーランス・副業の方をターゲットにしたマッチングサービスです。エンジニアやマーケター、デザイナーや人事など、幅広い職種の案件を扱っています。Workshipでは、複数の案件を掛け持ち、年収アップを目指しやすい環境が整っています。週1日、土日のみOKの案件多数時給1,500円~1万円の高単価案件のみ掲載福利厚生サービスや損害賠償保険あり週1日や土日のみOKの案件が多数あるので、「あともう1件案件が欲しい」という方におすすめです。時給1,500円以上の案件のみのため、最低賃金以上の収入を確実に得て、年収アップを目指せます。またホテルやレストランなどの優待サービスを利用できる福利厚生サービス、万が一トラブルが起きた時も安心できる損害賠償保険を無料で利用できます。プライベートを充実させながら、フリーランスとして安心できる環境を整えることが可能です。▼関連記事:【利用者が調査】Workshipの評判・口コミを徹底分析!にてさらに詳しく解説しています。ランサーズ日本最大級のマッチングサービスであるランサーズでは、2つの働き方とエージェントサービスを活用することで年収アップを目指せます。「選んで働く」:クライアントとが募集している案件に応募して案件獲得「選ばれて働く」:自分が得意なスキルを販売して、オリジナルの案件を購入してもらうLansers Agent:エンジニア・デザイナー・マーケター向けエージェントサービス募集中の案件に積極的に応募して案件獲得を目指しつつ、自分の得意なスキルをオリジナルの案件として販売できます。さらに、自分の条件やスキルに合った案件を紹介してもらえるエージェントサービス「Lansers Agent」も利用可能です。3つの軸から案件獲得を目指せるので、年収アップを目指したい方は活用していきましょう。▼関連記事:【利用者が調査】ランサーズの評判・口コミを徹底分析!【正解は人それぞれ】自分に合った働き方を選ぶべき理由「頑張り次第で年収アップを目指せるから、フリーランスにチャレンジしたい」「安定した収入を得たいから会社員として働こうかな」など、1人ひとりさまざまな考えを抱いていると思います。フリーランスと会社員、どちらがいいかはひとそれぞれです。安定した収入を得られなくても働き方の自由度が高いフリーランスがよい人もいれば、勤務場所や時間に制限があっても安定した収入を得やすい会社員がよい人もいます。正解は人それぞれです。だからこそ周囲の意見に惑わされず、自分に合った働き方を選びましょう。またフリーランスか会社員どちらか決めつけず、それぞれの働き方を経験したり、普段は会社員として働きつつ休日にフリーランスとして副業に励んだりすることも可能です。実際にそれぞれの働き方を経験し、自分にとって大切にしたいことを整理して、自分に合った働き方を見つけていきましょう。まとめフリーランスと会社員では、支払う税金が異なるため、同じ年収でも手取りが異なります。これからフリーランスを目指す方は、会社員の時と比較して、いくら稼げば同等の手取りを得られるか確認しておきましょう。また年収以外にも、フリーランスと会社員ではそれぞれメリット・デメリットが異なります。フリーランスは働き方の自由度が高い一方、収入の不安定さや社会的信用が低いなどのデメリットがあります。また会社員は、安定した収入を得られるため将来設計を立てやすいですが、基本的に企業が定めた時間・場所で働くので働き方の自由度は低いです。年収をはじめ、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、自分に合った働き方を選んでいきましょう。