いまこの記事を見てくださっているのは、「フリーランスになってから健康診断に一度も行っていない」「フリーランスは健康診断の費用が実費だから、ずっと後回しにしている」という方ではないでしょうか。会社員と異なり、フリーランスは健康診断の受診が義務付けられていないため、気がついたら何年も健康診断を受診していないという方も多いでしょう。そこで本記事では、フリーランスが健康診断を受ける4つの方法を紹介します!自分自身の健康状態を把握して、フリーランスとして活躍していくために、ぜひ参考にしてみてください。フリーランスこそ健康診断を受けるべき3つの理由はじめに、フリーランスこそ健康診断を定期的に受けるべき3つの理由を紹介します。健康状態を把握できるフリーランスは、日々の仕事に没頭して、つい身体や心の健康を見落としがちです。そのため「身体の節々が痛い」「最近なんとなく元気が出ない」など、気がついた時には既に支障をきたしているケースも少なくありません。また1人で仕事をしている時間が多いフリーランスだからこそ、周りの人がちょっとした変化に気付いてくれる……ということがなく、知らぬ間に悪化していることも。だからこそ、定期的に健康診断を受けて健康状態を把握することが大切です。健康だと分かれば安心して仕事に取り組むことができ、万が一「要注意」「要再検査」などの結果が出た場合は、病気の早期発見にもつながります。収入ゼロになるリスクに備える2つ目に、健康診断を受けて、自分の心身の状態を把握することで収入ゼロになるリスクに備えられます。フリーランスは会社員と異なり、傷病手当や有給休暇などがないので、病気で倒れてしまうと収入がゼロになりかねません。病気で長期間案件に穴をあけることになると、最悪失注につながる場合も。またその後、病み上がりの状態でイチから営業して案件を取るのも大変です。だからこそフリーランスは、より一層自分の健康に意識を向ける必要があります。セルフメディケーション税制(医療費控除)で節税できる3つ目のフリーランスが健康診断を受けるべき理由は、セルフメディケーション税制(医療費控除)の制度を活用して節税できることです。セルフメディケーション税制とは、健康診断や人間ドックなどを受診して、12,000円を超えた部分が控除対象となる制度です。例えば、健康診断で2万円の費用が掛かった場合、8,000円分の控除が受けられます。【例】健康診断受診費用20,000円 - 12,000円 = 控除額8,000円フリーランスの場合、健康診断の費用が自己負担になることから、健康診断を受けるのが億劫になってしまう人も多いと思います。けれども、セルフメディケーション税制を活用すれば、自分の健康状態を確認した上で、さらに節税対策もできて一石二鳥といえるでしょう。フリーランスが健康診断を受ける4つの方法ここからは、フリーランスが健康診断を受ける4つの方法を具体的に紹介していきます。お住まいの自治体の健康診断を受診する各自治体では国民健康保険加入者を対象とした健康診断を実施しています。費用は無料~数千円程度のため、気軽に受けやすいです。例えば新宿区では、年に一度無料で健康検査を受診でき、次の項目を検査してもらえます。【検診項目】問診・身体測定・身体診察・血圧測定・尿検査・血液検査・胸部X線検査※参考:令和5年度 新宿区 健康診査・がん検診のご案内これらの基本的な検査で、高血圧症や糖尿病など、20以上の病気の兆候を確かめられます。またプラス料金数百円~2,000円ほどで、がん検査なども追加検査できる自治体が多いです。自治体によって費用や検査項目は異なりますが、まずは基本的な項目を検査したい、費用負担を抑えたいという方は、まずは自治体の健康診断の受診をおすすめします。特定健診を受診する特定健診とは、40~74歳の方を対象とした、生活習慣病の前段階であるメタボリックシンドロームの予防を目的とした健診です。血液検査や尿検査などを通して、メタボリックシンドロームや生活習慣病の発症リスクの有無を検査してもらえます。万が一発症リスクが高いと判断された場合は、保健師や管理栄養士の方が生活習慣を見直すサポートをしてくれる特定保健指導の案内があります。特定健診は無料で受けられるので、自治体から案内が届いたらぜひ受診してみてください。国民健康保険組合の健康診断を受けるフリーランスで特定の業種や職種の方が加入できる「国民健康保険組合」に加入している場合、加入者を対象とした健康診断を受診できる場合があります。国民健康保険組合は、日本国内在住のフリーランスを中心に、特定の職種の人が加入できる組合です。国民健康保険とは別の制度なので、混同しないように注意しましょう。2023年4月時点で、全国に159の国民健康保険組合が設立されています。組合の一例は次のとおりです。文芸美術国民健康保険組合東京美容国民健康保険組合東京芸能人国民健康保険組合全国土木建築国民健康保険組合国民健康保険組合の会費は収入に関わらず一律のため、収入が高ければ高いほど、国民健康保険料より費用負担を抑えられます。また組合によっては、指定の医療機関で健康診断を無料、もしくは費用一部負担で受けられる場合もあります。加入している、もしくはこれから加入できそうな国民健康保険組合のホームページを一度確認してみましょう。病院やクリニックの健康診断を受診する健康診断プランを取り扱う病院や、クリニックが実施している健康診断を受診する方法もあります。費用は数千円~1万円前後かかりますが、会社員の方と同じ内容の検査を受けられ、自分で場所・時間を選んで受診できる点がメリットです。場所や予算に応じて好きな病院・クリニックを選んで、ホームページもしくは電話にて予約しましょう。精密な検査を希望する方には人間ドックがおすすめ健康診断より具体的に精密な検査を受けたいという方には、人間ドックがおすすめです。人間ドックでは、自治体の健康診断や特定健診などよりも検査項目が多くなっています。CT検査やMRI検査、胃カメラなど、より精密な検査を受けることが可能です。そのため、人間ドックでは健康診断で発見しきれない疾病リスクを見つけられる可能性が高いです。疾病を早期発見できれば、早期に治療を行い、健康な体を取り戻せますし、治療にかかる費用も少ないでしょう。フリーランスとして働いていくにあたり、より安心感を得たい方は、人間ドックの受診を検討しましょう。フリーランスが健康診断を受ける時の3つのポイント次に、フリーランスが健康診断を受ける時にチェックしておきたい3つのポイントを紹介します。必要に応じて検査項目を追加する自治体や病院で受けられる健康診断は、検査できる項目が指定されています。もちろん指定された項目を確かめるだけでもよいですが、年齢や家族の疾病経歴から気になる部分があった場合、検査項目を追加しましょう。【検査項目の追加例】30歳以上の女性の場合:子宮頸がん検診を追加するがんを患った家族がいる場合:大腸がん検診や胃がん検診などを追加する女性特有のがんである子宮頸がんは30歳以降から発症リスクが急激に増加します。また、がんを患った家族がいる場合、体質的にがんを患いやすい傾向にあります。このように必要に応じて検査項目を追加して、安心感を得られるようにすることをおすすめします。忙しい人は自宅でできる健康診断を行う「健康診断を受けたい気持ちはあるけれど、忙しくて病院に行く時間がない……」という方は、自宅でできる健康診断を行いましょう。自宅で血液検査や尿検査を行うだけで、病院と同等の検査ができる「おうちでドック」や「スマホdeドック」など、自宅で検査をできるサービスの利用がおすすめです。自宅で検査ができる上に、検査結果はパソコンやスマートフォンで確認できるので、スキマ時間を活用して健康診断を受けられます。クレジットカードの特典を確認するクレジットカードの特典で、健康診断をお得な価格で受けられる場合もあります。事業用のクレジットカードを持っている方は、公式サイトの特典に健康診断関連のサービスがあるか確認してみましょう。また、これから事業用のクレジットカードを作る方は、健康診断関係の特典が付帯しているか確認して、カード会社を選ぶ際の参考にするのもおすすめです。▼関連記事:フリーランスがクレジットカードを作るならビジネスカードがおすすめ!選び方や審査を通すポイントを紹介健康診断は経費にできないので注意!「健康診断の費用を経費にして節税につなげよう!」と考えている方は、注意が必要です。健康診断を受けるに当たり、健康診断や人間ドック、また検査項目の追加分は経費にできません。ただし、次の内容に該当する場合、一部費用を控除することは可能です。セルフメディケーション税制を活用する発見された疾患の治療で医療費が10万円を超えた場合医療費控除を活用する検診費用の12,000円を超えた部分をセルフメディケーション税制を申請して一部控除したり、万が一健康診断で疾患が発見されて治療を行い医療費が10万円を超えた場合は、医療控除が適用されます。健康診断の費用自体を経費にすることはできませんが、条件が当てはまれば各種制度を活用して控除が適用される点を覚えておきましょう。フリーランス必見!お得に健康診断を受けられるサービスフリーランス協会フリーランス協会は、「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へ」をコンセプトにした、フリーランス向けの福利厚生の提供やキャリア支援などを行うサービスです。一人ひとりが安心してフリーランスとしてチャレンジしていけるように、経歴やポートフォリオを掲載して案件受注を目指したり、同業・同エリアのフリーランスとつながりをもてるオンラインコミュニティサービスなどを無料で利用できます。また年会費1万円を支払い一般会員になると、次のサービスを利用できます。福利厚生サービス「WELBOX」所得保障制度賠償責任保険弁護士費用保険福利厚生サービス「WELBOX」では、健康診断をはじめ、旅行やグルメなどの割引を受けられます。また病気やケガで働けなくなってしまった場合の所得保障制度、クライアントとトラブルがあった際には賠償責任保険や弁護士費用保険を利用できるので、フリーランスとして安心して働いていく土台を整えられます。一般財団法人あんしん財団一般財団法人あんしん財団は、フリーランスや中小企業を対象に、ケガや病気を患った際の補償、労災事故における賠償責任の補償などを行うサービスを提供しています。業界・職種・売上高・年齢問わず、毎月2,000円で保障を受け取れるのが魅力です。一般社団法人あんしん財団では、健康診断費用・人間ドックの受診費用の補助を行っています。それぞれの補助金額は、次のとおりです。人間ドック:6,000円 定期健康診断:2,000円それぞれ年1回まで補助を受けられるので、健康診断の費用負担を軽減できます。また福利厚生サービス「WILBOX」も利用できるので、こちらから自分に合った健康診断を選び、割引サービスを利用することも可能です。健康診断を受けたフリーランスの声私は、フリーランスとして仕事をしています。以前勤めていた会社では、年に2回ほど健康診断の案内があり、会社負担で受診することができていました。フリーランスになってから1年たった頃、長らく健康診断に行っていないことに気づき、近くの病院で基本的な項目の健康診断を受けました。フリーランスなので業務を調整して平日に受診し、費用は1万円ほどでした。その健診で分かったことは、なんと「高血圧」!!20代の私は大変ショックでしたが、自覚症状もなかったことにさらに恐怖を感じました。デスクワークによる運動不足やストレスが原因とのことで、毎日散歩をするとみるみる改善されました。早期に発見できたことで病気に繋がることもなく、健康な運動習慣もできました。今後も定期的に健康診断を受け、安心して仕事にのめり込むことができそうです!自覚症状がなくても、どんな病気が潜んでいるか分かりません。フリーランスだからこそ自己管理のプロ意識を持って、健康診断に行きましょう!(フリーランス Sさん体験談)まとめフリーランスは、自分自身が働けなくなってしまうと収入が途切れてしまうため、日頃の健康管理が重要です。まず、今の自分の身体の状態を把握するために、健康診断を受診しましょう。健康診断は、自治体の健康診断やお近くの病院やクリニックの健康診断など、さまざまな場所で受診できます。またどうしても忙しくて時間が取れないという方は、自宅で行える健康診断キットの購入がおすすめです。日頃フリーランスとしてお仕事を頑張っていて忙しいかと思いますが、これからも活躍していくために、健康診断を受診してくださいね。