近年、フリーランスコンサルタントとしてのキャリアを目指す人が増えています。この記事では、フリーランスコンサルタントとして働くことのメリットに焦点を当て、年収の可能性、案件の獲得方法、成功の秘訣などを探ります。フリーランスとして働くことの自由さ、高収入を得られる可能性、さまざまなプロジェクトでの経験、そして優秀な経営層との出会いなどが、多くの人にとって魅力的な選択肢となっています。フリーランスコンサルタントの成功の第一歩を踏み出すための情報として、参考にしてみてください。▼関連記事:フリーランスになるには?必要な手続きや仕事獲得の方法まで解説フリーランスコンサルタントとは?フリーランスコンサルタントとは、会社や組織に属さずに独立して個人でコンサルティングを行う人です。課題を抱えているクライアントの企業やビジネスを行う人に対して、個人事業主として、コンサルティングサービスを提供します。フリーランスコンサルタントは、特定の専門知識・スキル・経験を武器に、クライアントに対してアドバイスや戦略作り、プロジェクト管理、問題解決、業務改善などのさまざまな業務を行います。一般的には、コンサルティングファームで経験を積んだ後に独立する人が多いです。フリーランスコンサルタントの働き方コンサルタント職は会社員でもクライアントワークのため、自社の組織の一員という感覚は一般的な会社員より少ないかもしれません。そのため、フリーランスコンサルタントとして独立したとしても、自社への帰属意識という点では大きな変化はないでしょう。ただし、フリーランスの場合はプロジェクト単位で契約するので、プロジェクトが終了したり、個人の契約が切られると仕事を失います。一方で報酬に関しては、フリーランスで個人として案件に参画するため、より責任が大きくなり、その分報酬も上がります。フリーランスのコンサルタントは、常にリモートワークというわけではなく、クライアント企業に常駐することも多いです。ただし案件は自分で選べるため、スケジュール調整ができたり、クライアントを選べたり、という自由さはあるでしょう。フリーランスコンサルタントとしての働き方は、総じて会社員のコンサルタントよりも自由度が高く、自己決定権が強い一方、不安定な部分もあります。フリーランスコンサルタントの報酬形態フリーランスコンサルタントの報酬形態は、主に下記の3つです。タイムチャージ方式/稼働時間方式定額方式プロジェクト方式タイムチャージ方式/稼働時間方式タイムチャージ方式/稼働時間方式は、稼働した時間によって報酬が増減する報酬形態です。1時間あたりの料金があらかじめ決まっており、週5日稼働の案件では、基本的には8時間×5日間で計算されます。フリーランスコンサルタントとして独立したてのタイミングでは、タイムチャージ方式の案件に参画することが多いです。定額方式定額方式とは月額制のことで、稼働率やプロジェクトの内容にかかわらず、契約期間中は毎月一定の報酬が支払われます。定額方式で契約するフリーランスコンサルタントは、豊富な経験を持つハイレベルな人材が多く、中には年間で契約するフリーランスも存在します。顧問契約やアドバイザリー契約と呼ばれることもあります。プロジェクト方式プロジェクト方式はプロジェクト単位で報酬が決まっており、ひとつのプロジェクトに対して一定の報酬が支払われます。プロジェクトが終了すると契約も終了する形です。中には、1つの企業と複数のプロジェクトで契約を結ぶフリーランスコンサルタントもいます。プロジェクト方式は、実際の稼働時間には関わらず報酬が支払われますが、案件に参画する前に、目安の稼働時間や工数はある程度予想がついた状態で金額が提示されます。フリーランスコンサルタントの年収・単価相場高年収のイメージが強いコンサルタントの仕事ですが、フリーランスでも比較的高収入が得られます。フリーランス・副業向け仕事マッチングサービス「SOKUDAN」に掲載された求人案件(一部抜粋)の単価と稼働時間から平均時給を計算し、その平均時給から1日8時間、月21日稼働で想定月収と想定年収を試算しました。平均年収981万円・平均時給4,866円中央値年収932万円・中央値時給4,626円年収800〜1,200万円の割合が約40%と一番高い年収1,200万円以上が21%を占める一般的なコンサルタントの平均年収はこちら。経営コンサルタント:1,226万円総合コンサルタント:870万円ITコンサルタント :828万円シンクタンク :874万円建設コンサルタント:646万円医療コンサルタント:693万円一般的なコンサルタントの平均年収よりも、SOKUDANに掲載されているフリーランスコンサル案件の平均年収の方が概ね高い結果となっています。フリーランスのコンサルタントの中でも、「コンサルティング」「人材サービス」「SaaS」の3つの業界の案件は、高単価のものが多い傾向があります。▼参考記事:フリーランスコンサルの平均年収・時給レポートフリーランスコンサルタントのメリットフリーランスコンサルタントは会社員と異なる点が多いため、メリットもあります。会社員よりも高い報酬が見込める会社員としてコンサルティングファームで働くよりも、フリーランスコンサルタントとして独立した方が高い報酬が得られる可能性があります。会社員のコンサルタントと違い、個人で案件を受けるため、案件の報酬が全て自分の取り分となるからです。フリーランスコンサルタントの案件単価は、月100万円を超えることも珍しくなく、スキルがあれば、年収3,000万円を目指すことも十分可能です。▼フリーランスコンサルタントの案件一覧ワークライフバランスがとれる会社員のコンサルタントだとアサインされる案件を自分では選べないことが多いです。フリーランスであれば、自分の裁量で案件を選んだり、業務量を調節することが可能です。クライアント企業に常駐する案件もありますが、勤務場所も自分で選ぶことができる案件もあるため、育児や介護などプライベートとの両立も、会社員として働くコンサルタントと比べると容易でしょう。ただし、責任を全て自分で負う必要があるので、スケジュールが遅延した場合やいわゆる案件が炎上した場合には、激務になることもあり得ます。キャリアの選択肢が広がるフリーランスのコンサルタントは、違う職種にチャレンジできたり、顧問のような立場で企業と関わったり、スポットコンサルで合間に働くなど、キャリアの選択肢が多様です。中には、コンサルティング業界での知見を活かして起業する人もいます。一方で会社員のコンサルタントの場合は、年収アップを求めて同業のコンサルティングファームへ転職するか、ワークライフバランスを重視して事業会社の企画などのポジションに転職するパターンが多いです。一般的に事業会社に転職する場合には、コンサルティングファームにいる時よりも年収は下がってしまいます。フリーランスコンサルタントの注意点フリーランスコンサルタントは、高年収で自分のスケジュールに合わせて働くことができる、理想的な仕事のようにも思えます。しかし一方で、フリーランスコンサルタントが求められるレベルは高く、注意しておかないといけないこともいくつか存在します。活躍できなければすぐに契約終了コンサルティングファームに所属しているコンサルタントと違い、フリーランスとしての個人契約なので、使えない人材はすぐに契約を切られてしまいます。コンサルティング業界は、実力主義がゆえに高収入が成り立つ「弱肉強食の世界」です。自分のコンサルタントとしての存在価値をしっかりアピールできるように、培ってきた経験やスキルをアウトプットとしてクライアントに提供できるように努力が必要です。不景気の時は案件獲得に苦戦する景気がいい時は企業も予算を潤沢に使うことができ、事業拡大に向けて人手やノウハウを求めてコンサルタントが雇われます。逆に、不景気の時は契約が打ち切られたり、案件がなかなか見つからない可能性があります。フリーランスになった後も、コンサルティングファーム内でいわゆる「available(アベイラブル)」と呼ばれる「プロジェクトに従事していない状態」になる可能性は0ではありません。会社員であればアベイラブル期間も給料はでますが、フリーランスの場合は、収入が0になります。専門スキルを磨き続けなくてはならない仕事ができるコンサルタントは山のようにいる中で、価値あるコンサルタントとしてクライアントから選ばれ、活躍できる人というのは「専門に特化したコンサルタント」です。業界や特定のスキルについて専門的な知識を持っていたり、自社にない知見を持っていたりするコンサルタントが求められてます。世界情勢やテクノロジーの変化にも素早く対応し、常に最新のスキルと情報を提供し続ける必要があります。大型の案件1つのみはリスクが高い大型のコンサルティング案件は、報酬が高いため一見魅力的に見えますが、1つの大型案件のみに注力するのはお勧めしません。収入源が1つだと、そのプロジェクトが終了した際に一気に収入がゼロになってしまいます。フリーランスのコンサルタントの理想的な働き方として、複数案件を同時並行で行い、リスクを分散させながら業務を行うのがよいでしょう。複数案件では業務量をコントロールするとはいえ、複数案件を同時にこなすのもなかなか大変なことです。プロジェクトの進捗が悪かったり、想定外のことが起きたりした場合、一気に激務となり、他の案件まで手が回らない、なんて状況もありえます。業務量が増えてパンクしないように、スケジュール調整や体調管理に気をつける必要があります。フリーランスコンサルタントの案件獲得方法フリーランスのコンサルタントとして独立したいけれど、仕事の見つけ方がわからない......という方に向けて、案件の獲得方法をいくつかご紹介します。知人や友人からの紹介フリーランスが仕事を得るきっかけとして、実は1番多いのが知人や友人、前職の同僚などからの紹介です。よく知っている間柄からの紹介であれば安心ですし、自分の人柄も理解してくれているのでやりやすいでしょう。周囲の人に案件を紹介してもらったり、困った時に協力してもらえるように、日頃から人間関係を構築しておくことが重要です。前職の繋がりや過去のプロジェクトからの誘い前職の繋がりや過去のプロジェクトからの誘いで仕事を得るケースも多いのが、フリーランスの実情です。コンサルティング業界内で優秀なコンサルタントは、以前一緒に仕事をしたコンサルタント仲間やクライアントから誘いを受けて、仕事を得ることができます。プロジェクトの内容や体制など勝手が分かっているので、お互いやりやすいのがメリットです。報酬に関しても、以前と同じ内容の案件だったとしても、会社経由の時よりもフリーランスとして請ける方が報酬も上がります。フリーランスコンサルタント向けのエージェントコンサルタントの案件は報酬が比較的高い分、責任も大きく、稼動期間が長期に渡ったり、ハードワークになったりと、万が一トラブルになった際の損害が大きいため、エージェントを挟んだ方が安心です。エージェントを利用して案件を獲得した場合、仲介手数料が引かれるため、自分がクライアントと直接契約するより報酬は低くなります。しかし、案件紹介だけでなく、エージェントによってはさまざまなサポートがあるため、フリーランスになったばかりの人には特におすすめです。フリーランスのコンサルタント向け案件サイトエージェントとは異なり、自分でコンサルタント向けの案件を探せるサイトも存在します。自分の希望する稼働条件や報酬などで検索をかけて、理想的な案件を見つけることができます。仲介手数料がかからないサイトもあるので、まずは登録してどのような案件があるかを見てみるのもよいでしょう。こちらの記事では「コンサルタント業の副業マッチングサービス3選」として案件サイトを紹介しています。副業以外にもフリーランスコンサルタントが活用できるサイトを紹介しているので参考になるでしょう。▼関連記事:【厳選】副業マッチングサービス・サイトのおすすめ30選を紹介 直接営業する最後に紹介する案件獲得方法は、自ら営業活動をする方法です。最近ではSNS上でビジネスにつながるような発信をしたり、コネクションを作っている人もいます。また、ビジネス系のコミュニティに参加するなどして人脈を作り、そこで営業活動をするのもありでしょう。自分の実績やスキルが伝わるように、名刺やホームページなどを準備して、セルフブランディングを怠らないようにしましょう。フリーランスコンサルタントにおすすめの案件サービスフリーランスコンサルタントが案件を探すのに役立つサービスを紹介します。サービスごとに特徴があるのでそれぞれ確認していきましょう。SOKUDAN(ソクダン)「SOKUDAN」は、フリーランス・副業など業務委託のプロ人材と企業を結びつけるマッチングサービスです。エンジニア、マーケター、営業、事業企画の職種がボリュームゾーンで、コンサルタントの案件も豊富にあります。「即戦力のプロ人材」を求めている企業が多いので、レベルの高い案件や特定のスキルを発揮できるような、お宝案件にも巡りあえるでしょう。現在、コンサルタント向けの案件は40件程度掲載されており、どれも報酬単価が高かったり、フルリモートでの稼働OKだったりと魅力的な内容です。まずは、こちらからSOKUDANに登録してみてください。ハイパフォーマーコンサルタント(High Performer Consultant)「ハイパフォーマーコンサルタント」は、30代、40代の若手のフリーランス・コンサルタントを中心として30,000名以上が登録している、コンサルタント業の案件マッチングサービスです。プロジェクト案件を紹介して19年目という安心の実績があるため、フリーランス向けのコンサルタント案件を探している人は、まずは登録してみるとよいでしょう。フリーコンサルタント.jp(みらいワークス)「フリーコンサルタント.jp」は、登録数日本最大級を誇るコンサルタント業のマッチングサービスです。大手優良・中規模・ベンチャーなど、さまざまな企業との取引があり、850社以上の実績を誇ります。営業担当から案件を紹介してもらえるため、自分で1から探す手間も省けます。コンサルティング業界の基礎知識ここでは、コンサルティング業界の基本となる業界区分や役職について解説します。他の職種にはないコンサル特有の用語もあるので、理解しておきましょう。コンサルティングの業界区分コンサルタントの業界と役職は多岐にわたり、さまざまな分野で専門知識やスキルが必要とされます。一般的なコンサルタントの業界と役職をいくつか説明します。戦略系コンサルティング経営戦略、新規事業戦略、M&A戦略などトップテーマを扱うコンサルティングの分野です。グローバル展開している企業や、知名度の高いトップ企業がクライアントになることもあります。総合系コンサルティング課題の上流にあたる戦略立案のフェーズから、業務改善、システム導入、そしてアウトソーシングまであらゆる分野を幅広く手掛けます。プロジェクトの規模もさまざまで、ベンダーを巻き込んで業務を行うこともあります。IT系コンサルティング大企業だけでなく中堅~中小・ベンチャー企業へのIT戦略策定や業務改革支援など、ITに特化した課題を取り扱います。システム導入支援やソフトウェアの開発、ネットワーク設計、サイバーセキュリティ戦略の策定など、現場作業が発生することも多いです。シンクタンク系コンサルティング経済調査、リサーチ、ITコンサル、マネジメントコンサルなど幅広い課題を扱いますが、民間企業や官公庁がクライアントになることが多いです。近年ではグローバルな大規模プロジェクトも扱います。その他にも、さまざまな業界に分かれており、専門分野に合わせて案件を選ぶ必要があります。業界の区分に明確な定義はないため、クライアントの求める稼働に自分のスキルがマッチするかという点を重視するとよいでしょう。その他のコンサルティング業界の参考医療・ヘルスケア系コンサルティング人事組織コンサルティング財務アドバイザリー系コンサルティング監査法人系コンサルティング企業再生・事業再生系コンサルティング環境コンサルティングヘルスケアコンサルティングコンサルタントの役職コンサルタントには、業界独自の役職の区分が存在します。一般的に4つの主要な段階に分けることができますが、コンサルタントファームごとにポジションの名称は異なります。アナリスト(スタッフ/アソシエイト/ジュニアコンサルタント/リサーチャー)通常、新卒者または初心者向けのポジションで、経験が浅いコンサルタントをアナリストといいます。プロジェクトのデータ収集、調査、分析、レポート作成などの基本的なタスクを担当します。上級コンサルタントから指導を受けながら、チームで協力して業務を行うことが多いでしょう。コンサルタント業界は実力主義のため、昇格の期間に明確な決まりはありませんが、一般的には3年〜4年で次のポジションに昇格することが多いです。コンサルタント(リーダー/シニアアナリスト/シニアアソシエイト)コンサルタントの役職における、2番目の段階がコンサルタントです。一定の裁量を持ち、1つ下のポジションのアソシエイトに指示を出しながら、クライアントとの直接の関係を築くことが増えます。分析や戦略開発の主要な役割を果たし、より高度な問題解決とプロジェクト管理のスキルを磨いていくポジションです。次のポジションに上がるまでの期間の目安としては、3〜5年です。マネージャー(プロジェクトマネジャー/シニアマネジャー)コンサルタントの役職における、3番目の段階がマネージャーです。コンサルティング業界における経験が豊富で、プロジェクトのリーダーシップを取ることが一般的です。1つ下のポジションのコンサルタントよりもさらに強固な関係をクライアントと構築し、プロジェクトの成功に貢献します。パートナー(ディレクター/ヴァイスプレジデント)4番目の段階は、コンサルタントとしての最高職位であるパートナーです。プロジェクトのビジョンと方向を決定し、新規ビジネスの開拓やクライアントの獲得に重要な役割を果たします。パートナーは、コンサルティングファームの経営責任をも追うポジションで、市場の動きや国際情勢にも目を張り巡らせて、クライアント企業の経営者や幹部と関係性を構築していきます。このポジションまで到達すると、1億円以上の報酬を得るパートナーも珍しくありません。まとめフリーランスのコンサルタントは、専門的な知見やスキルを生かし、上手く案件が獲得できれば、高年収を実現できるハイリターンの職種です。一方で、求められるスキルレベルや業務負荷が高く、フリーランスとして独立するまでにどれだけ実力をつけられるか、という点が勝負になってきます。実力をつけた後は、こちらの記事で紹介した案件獲得方法を駆使して、自分の専門性にあった案件を見つけてみてください。▼関連記事:フリーランス向けマッチングサービスのおすすめ14選〜利用者の声も紹介〜