採用活動を進めるうえで、「思ったように人が集まらないのに、コストばかりがかかる」と悩んでいる企業担当者は少なくありません。限られた予算で効果的に人材を確保するためには、採用コストの内訳を正しく理解し、見直しやすいポイントから改善していくことが重要です。本記事では、採用コストが高くなる原因や、コストを削減する方法を解説します。コスト削減に役立つサービスも紹介するので、自社の採用活動にぜひ役立ててください。採用コストとは?内訳と現状採用コストとは、企業が人材を採用する際にかかる全ての費用を指します。求人の掲載から面接対応、入社までのプロセスにおいて、さまざまな費用が発生します。採用プロセスにかかる費用を明確に把握しておかないと、無駄な出費が発生したり、費用対効果の低い施策を続けてしまったりすることもあります。そのため、採用コストを考える際は、総額だけでなく「1人あたりにかかった費用(採用単価)」にも注目することが重要です。主な採用コスト採用に関わる費用は、社内で発生する「内部コスト」と、社外に支払う「外部コスト」の2つに大別されます。種類内容内部コスト・採用担当者の人件費(面接・調整の工数)・人材管理ツールの利用料・応募者の交通費や会食費・内定者へのノベルティや支援費用外部コスト・求人広告の掲載費(Web媒体・紙媒体)・人材紹介会社への成功報酬・採用サイトやパンフレットの制作費・採用代行会社への委託費内部コストは、採用担当者の工数や応募者・内定者への対応費など、目に見えにくい費用が中心です。一方で外部コストには、求人広告費や紹介手数料など、金額が大きくなりやすい支出が含まれます。特に外部コストは、使用する媒体やサービスを見直すことで、コスト削減の効果が出やすいです。採用コストの相場株式会社リクルートが運営する就職みらい研究所が公表した「就職白書2020」では、新卒採用にかかる1人あたりの平均採用コストは約93.6万円、中途採用では約103.3万円という結果が出ています。企業規模や職種によって前後するものの、こうしたデータをもとに、自社の採用コストが高すぎないか、過去と比べて改善できているかなどを確認するとよいでしょう。採用コストが高くなる原因採用活動にかかるコストが想定以上に膨らんでしまう背景には、いくつかの共通した要因があります。企業側の戦略や運用方法に問題があると、成果が出ないまま広告費や人件費が増え続ける結果にもなりかねません。ここでは、採用コストが高くなる主な原因を紹介します。採用したい人材を明確化できていない採用で最も大切なのは、「誰を採るか」を明確にすることです。しかし、求める人物像が曖昧なまま採用活動を始めてしまい、結果として本当に必要な人材に届かず、無駄なアプローチが増えてしまっている企業は多いです。例えば、ターゲットに合っていない求人媒体に出稿していたり、求職者の心に響かない内容で掲載してしまったりと、ミスマッチの温床になりがちです。応募が多く集まっても、面接や選考の手間ばかりが増えて、内部コストが膨らむ原因になります。複数の採用チャネルに手を出しすぎている「とりあえず複数の媒体に出しておこう」という方針で動いていると、コストだけがかさみ、成果がついてこない状態に陥りやすくなります。採用チャネルごとの成果を検証しないまま運用を続けていると、成果の出ない媒体にも惰性で費用を払い続けてしまうリスクがあります。求人広告費が分散・重複し、費用対効果が見えにくい状態になるので注意が必要です。採用ブランディングが弱い求職者に対して「この会社で働きたい」と感じてもらうためには、自社の魅力や価値観を発信する必要があります。しかし、採用ブランディングが弱いと、求職者に企業の魅力が十分に伝わりません。結果として、応募数を確保するために求人広告などの外部施策に頼らざるを得なくなり、採用コストが慢性的に高くなる傾向があります。また、企業の情報が十分に届いていないことで、志望度の低い応募者が増え、辞退や早期離職のリスクも高まりがちです。中長期的に見ると、ブランディングの強化を怠ることで採用単価が上がり続けるという悪循環に陥ることもあるでしょう。採用業務が属人化している採用業務が特定の担当者に依存している状態だと、ノウハウが属人的になりやすく、業務全体の再現性や安定性が失われてしまいます。経験や勘に頼った運用は、個人によって成果にムラが出る原因にもなります。また、引き継ぎが難しくなることで業務のブラックボックス化が進み、改善や効率化がしにくくなる点も問題です。採用コストを削減する方法採用活動にかかる費用は、工夫次第で無理なく削減することが可能です。やみくもにコストを削るのではなく、採用の質を保ちながら効率化や改善を進めることがポイントです。ここでは、採用コストを削減するために企業が取り組める方法を紹介します。採用ターゲットを明確化する採用したい人材像を明確にすることは、無駄なコストを減らす第一歩です。スキルや志向性、価値観などを含めたペルソナを詳細に設計することで、訴求すべきポイントがはっきりし、媒体選定や求人内容の質が高まります。現場社員へのヒアリングや、活躍している社員の共通点の分析を行うことで、よりリアルなターゲット像を描けるでしょう。明確なペルソナ設計がミスマッチを防ぎ、選考にかかる工数や離脱リスクの軽減にもつながります。結果的に、採用コスト全体の最適化を図れます。無料・低コストの採用チャネルを活用する広告費をかけずに母集団を形成するには、無料・低コストで運用できる採用チャネルの活用が有効です。例えば、自社のSNSやメディアで情報発信を行えば、認知拡大と応募獲得の両方にアプローチできます。また、社員紹介によるリファラル採用は、マッチ度の高い人材と出会えるうえに、採用が決まった場合にかかるコストを比較的抑えられます。加えて、複業人材を募集できるサービスを活用すれば、即戦力を短期間だけ確保したい場合にも柔軟に対応できます。ただし、無料・低コストの採用チャネルを活用する場合でも、情報の一貫性や更新頻度が維持されていなければ、十分な効果は期待できません。▼関連記事:リファラル採用とは?デメリットを理解して頼りすぎには要注意!採用ブランディングを強化する求人広告に頼らずに人を集めるためには、採用ブランディングの強化が欠かせません。オウンドメディアや採用ページを活用し、企業の価値観や働く魅力を自分たちの言葉で発信していきましょう。社員インタビューや現場の様子を紹介することで、求職者が実際に働くイメージを持ちやすくなります。「この会社で働いてみたい」と思ってもらえれば、応募の質・量ともに向上し、広告費に依存しない採用体制が築けます。採用ブランディングの強化は、中長期的に見ると、辞退や早期離職の防止にもつながり、安定した採用活動の実現に直結します。採用管理を効率化する選考フローのムダを見直すことも、コスト削減に直結する手段の1つです。例えば、採用管理システム(ATS)を導入することで、応募〜内定までのプロセスを一元化し、進捗の可視化や業務の自動化が可能になります。スケジュール調整や面接評価のテンプレート化により、担当者の負担を大幅に減らせるほか、業務の属人化も防げます。浮いた工数は、採用戦略の見直しや候補者フォローといった「本当に必要な対応」に使えるようになります。結果として、対応品質を高めながら、効率的に採用を進められるようになるでしょう。採用コスト削減に役立つサービス4選採用コストを抑えるには、自社の体制や目的に合わせて、適切なサービスを選び、効率的に活用することが重要です。特に、初期費用をかけずに使えるサービスや、担当者の負担を減らすツールを取り入れることで、コストを抑えながら、効率的な採用活動を進められます。ここでは、採用活動の最適化に役立つ4つのサービスを紹介します。採用管理システム(ATS)採用管理システム(ATS)は、応募者情報や選考ステータスを一元管理できるシステムです。面接日程の調整や評価共有などを自動化できる機能があり、担当者の工数を大幅に削減できます。また、書類選考から内定までのプロセスが可視化されるため、抜け漏れの防止や対応のスピードアップにもつながります。属人化も防げるため、採用体制全体の安定化を図りたい企業にとっては、有効な手段の1つです。無料・低コストの求人媒体コストを抑えて応募を集めたい場合は、無料や低価格で利用できる媒体の活用が効果的です。例えば、Indeedは自社の採用ページと連携させることで無料掲載が可能で、広く求職者にリーチできます。初期費用をかけずにスタートできるため、予算に制限のある中小企業にも適しています。掲載後は、応募数や経路を分析するなど、効果検証を行うことで、費用対効果の高い採用活動につなげられるでしょう。▼関連記事:求人を無料で掲載できる求人広告・サイト19選!採用コストを抑えるコツも紹介採用代行採用代行とは、採用業務の一部を外部に任せることです。例えば、書類選考や面接日程の調整、候補者対応などを代行してもらうことで、社内の工数や人件費を削減できます。また、採用に関するノウハウを持った外部パートナーに任せることで、業務の属人化を防ぎ、質の安定も図れます。繁忙期など一時的な依頼にも対応できるため、必要な時だけ活用する柔軟な使い方も可能です。採用代行は、担当者の負担を減らしながら、全体の採用コストを抑えたいときに役立ちます。複業マッチングサービス複業マッチングサービスは、フリーランスや副業として活動する複業人材と企業をつなぐマッチングプラットフォームです。フルタイム採用と比べて採用コストを抑えやすく、即戦力人材とスピーディーにマッチングできるのが特徴です。業務内容や期間が限定されている案件の人材確保にも適しています。採用コストを削減しながら即戦力を探すならSOKUDAN採用コストを削減しながら、即戦力となる優秀な人材を確保したい企業におすすめなのが「SOKUDAN」です。SOKUDANは、「即戦力人材」を探す企業と、フリーランス・副業向け案件を探す「プロ人材」をつなぐマッチングサービスです。業務委託として働くフリーランス・副業人材をメインとしていますが、将来的に正社員登用を前提とした採用も可能で、企業・求職者双方のニーズに柔軟に対応しています。【SOKUDANの特徴】初期費用0円で導入できる成果報酬型なので採用コストがかさみにくい求人原稿の作成や人材提案などのサポートが手厚い業務委託から正社員登用まで柔軟に対応しているSOKUDANでは、エンジニアやデザイナー、マーケターをはじめ、事業企画や営業まで、実務経験豊富な人材が登録しており、さまざまな業務ニーズに対応可能です。また、企業の採用課題に応じた求人原稿の作成サポートや、適切な人材の提案も実施しています。採用ターゲットを明確にし、アプローチしたい層へ自社の情報が届くようにサポートします。さらに、フリーランス・副業から正社員採用へと進める仕組みも整っています。採用コストを削減しながら、自社のニーズにマッチする人材を採用したい場合は、ぜひSOKUDANを活用してみてください。まとめ採用コストを抑えるには、単に広告費を削るのではなく、採用活動全体を見直すことが大切です。採用ターゲットの明確化や適切な採用チャネルの選定、選考フローの効率化といった工夫を積み重ねることで、ミスマッチや無駄な工数を減らせます。また、無料・低コストの求人媒体や複業マッチングサービス、採用管理システムの活用なども有効な手段です。自社の採用状況やリソースに合わせて適切な方法を選び、コストと成果のバランスがとれた採用活動を目指しましょう。