フリーランスにとって、レシートと領収書を適切に管理することは、正しく確定申告するために必要不可欠です。本記事では、フリーランスにおすすめのレシート・領収書の管理方法を紹介します。レシートと領収書の違いや、よくある疑問への対処法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。フリーランスはレシート・領収書の管理が重要フリーランスにとって、レシートや領収書は、日々の支出が業務に必要だったことを示す「証拠」として重要な書類です。レシートや領収書の管理ができていないと、経費として認められず、結果的に税金の負担が増えてしまいます。また、レシートや領収書は、虚偽の確定申告をしていないことを証明する意味でも役立ちます。しっかりと書類を整えておけば、万が一税務調査が入っても、慌てずに対応できるでしょう。加えて、青色申告をしている場合は7年間、白色申告でも5年間の保管義務があるため、日頃からきちんと整理しておくことが大切です。▼関連記事:フリーランス必見!領収書のルールや書き方、インボイス対応を解説レシートと領収書の違いレシートと領収書の主な違いは、宛名の有無です。共通する記載項目としては、発行日・商品やサービスの名称・合計金額・店名などがあります。領収書には、宛名や但し書き、「領収済み」の文言が含まれます。レシートは、日常的な経費の証明書としては十分な役割を果たします。一方で、領収書は、よりフォーマルな書類とされることが多く、高額な支出や取引先との関係性によっては、領収書の提出を求められることもあります。また、同じ支出に対してレシートと領収書の両方を保管するのは避けましょう。二重計上とみなされる可能性があるため、どちらか一方のみを残すのが基本です。クレジットカードの明細も代替として利用できるクレジットカードの明細も、取引内容が確認できれば経費の証拠として使えます。利用日や金額、店舗名などが記載されているため、特にオンラインでの購入ではレシート代わりにできるでしょう。ただし、クレジットカードの明細には品目の詳細が記載されていないこともあるため、内容によっては請求メールなどの補足資料を一緒に保存しておくと安心です。また、カード会社によっては明細のダウンロード期限が決まっているため、必要な情報は早めに保存しておくようにしましょう。保管するのはレシートより領収書のほうがよいのか?「経費の証明としては領収書のほうがよい」といわれることもありますが、必ずしもそうとは限りません。現在では、内容が詳しく書かれているレシートのほうが、証拠書類として信頼されるケースも多くあります。レシートには、購入日や品目、金額、店舗名、消費税率などが記載されており、税務署でも証憑として認められています。一方、領収書は「宛名」「但し書き」「金額」などが記載されますが、内容がざっくりしている場合もあります。そのため、支出の詳細を確認したい場面ではレシートのほうが適している場合もあります。クライアントに提出するのはレシートと領収書どちら?業務で発生した交通費や宿泊費をクライアントに請求する場合には、領収書やレシートの提出を求められることがあります。このような場合、レシートか領収書どちらがよいかはクライアントによって異なります。クライアントによっては、必ず領収書というケースもあるので注意しましょう。請求書と一緒にレシートや領収書を提出・請求する場合は、事前に確認しておくと安心です。フリーランスにおすすめのレシート・領収書の管理方法フリーランスがスムーズに確定申告を進めるには、日頃からのレシート・領収書の整理が欠かせません。ここでは、紙で保管する方法と、デジタルで管理する方法の両方から、おすすめの4つの管理方法を紹介します。月別・勘定科目別に封筒・ファイルに入れる紙のレシートや領収書を月ごとや勘定科目ごとに分けて、封筒やファイルにまとめる方法は、定番の管理方法の1つです。メリット:シンプルで誰でもすぐに始めやすいデメリット:紙がかさばる、確定申告の際に手入力が必要レシート・領収書を月や勘定科目別に分類しておくと、後からどの費用がどの月に発生したものかをすぐに把握でき、確認の手間も減ります。ただし、紙の枚数が増えると保管スペースを圧迫するため、領収書の量が多い人は注意しましょう。ノートに貼り付けるレシートや領収書をノートに貼り、横に日付や用途などを手書きでメモしていく方法もあります。メリット:紛失しにくい、使った内容をすぐメモできるデメリット:貼る・書く手間がかかる、量が多いと負担になる手書きメモで支出の背景を記録しておけば、数ヶ月後に見返したときも「何の費用だったか」が一目で分かります。また、ノートに貼る過程で支出内容を見返すことになるため、無駄遣いのチェックにもつながります。量が多いと大変ですが、日々の記録や支出を丁寧に確認したい人におすすめの方法です。クラウドに保存するレシートや領収書をスマホで撮影して、GoogleドライブやDropboxなどに保存しておく方法は、紙を残さず管理したい人にぴったりです。メリット:省スペース、紛失リスクがない、いつでも確認できるデメリット:スキャン・アップロードに手間がかかるレシートを撮影してすぐにフォルダ分けすれば、どこにいても確認できて便利です。紙の整理が面倒な人、出先で管理を完結させたい人は、クラウドに保存するのがよいでしょう。フリーランス向けの会計ソフトを利用するfreeeやマネーフォワード、弥生などの会計ソフトを活用すれば、レシート・領収書管理も確定申告も一気にラクになります。メリット:仕訳が自動化できる、確定申告がスムーズに進むデメリット:利用料金がかかる、初期設定にやや時間がかかるアプリでレシートを撮影すれば、科目の自動仕分けや集計もできるため、日々の入力作業が大幅に減ります。経理にかける時間を減らしたい人や、毎年の確定申告に時間がかかっている人は、早めに導入しておくのがおすすめです。▼関連記事:フリーランスにおすすめの会計ソフト8選!選び方・比較ポイントを解説フリーランスがレシート・領収書を管理する際の注意点レシートや領収書は、いざ提出が必要になったときに使えない状態では意味がありません。特に気をつけたいのは、保存期間と印字の劣化です。ここでは、レシート・領収書を管理するときに気をつけるべきポイントを2つ紹介します。保存期間を守るレシートや領収書には、法律で定められた保存期間があります。青色申告をしている場合は7年間、白色申告でも5年間の保存が必要です。この期間内に税務調査が行われることもあるため、必要な書類をすぐに提出できるようにしておくことが重要です。「もう使わなさそうだから」と処分してしまうと、あとから困ることになりかねないので注意しましょう。印字が消えないようにするレシートの印字は、時間が経つと薄くなったり、熱や湿気で読めなくなったりすることがあります。特に感熱紙で発行されたレシートは劣化が早く、数ヶ月で文字が見えなくなることもあります。経費の証明として提出しようとしても、印字が消えていれば無効扱いになる可能性があります。このようなトラブルを防ぐためには、次の対策がおすすめです。コピーを取って一緒に保管しておくスキャンしてクラウドに保存する印字面を内側に折って保管する自分にとって負担が少なく、すぐにできる方法を取り入れておきましょう。フリーランスのレシート・領収書管理に関するよくある質問最後に、レシートや領収書の管理について、フリーランスからよく寄せられる質問にお答えします。レシート・領収書をなくした場合の対応や、管理しやすい便利グッズを紹介します。レシート・領収書をなくしてしまったら?レシート・領収書をなくしてしまったら、まず発行店舗に相談してみましょう。購入記録が確認できれば、レシートの再発行や購入証明書を出してもらえるケースもあります。購入記録の確認が難しい場合は、「出金伝票」を使って手書きで記録を残す方法もあります。内容・日付・金額を記入し、メモや関連書類を添えておきましょう。また、クレジットカードで支払っていれば、利用明細を証拠として使うことも可能です。レシートと領収書は両方発行してもらったほうがよい?レシートと領収書の両方を保管・提出してしまうと、経費の二重計上と見なされる恐れがあります。どちらも経費の証拠になりますが、基本的には「どちらか一方だけを残す」ようにしましょう。内容の詳細が細かく記載されているレシートを優先し、宛名が必要な場面では領収書をもらう、というように使い分けるのがおすすめです。100均で買えるレシート・領収書管理に便利なアイテムはある?レシートや領収書の整理に便利なアイテムは、100円ショップでも揃えられます。【100均で買える便利アイテム】アイテム用途封筒・仕分けフォルダ・クリアポケットファイルレシート・領収書を月別や勘定科目別に分類して保管するノート・のりレシート・領収書を貼って保管する付箋支出のメモや補足を書き添えるレシート・領収書の管理に使用するアイテムは、事業に必要な備品として「消耗品費」で経費計上できます。まとめフリーランスは、確定申告を適切に進めるために、レシート・領収書を管理することが非常に大切です。レシートや領収書があれば、万が一税務調査が入った際も、経費が発生したことを証明できます。また、青色申告の場合は7年、白色申告の場合は5年の保管義務があることも覚えておきましょう。レシート・領収書の管理は、紙ベース・デジタルどちらでも大丈夫です。自分のワークスタイルや性格に合わせて、保存期間を守りつつ、印字が消えないように管理してくださいね。