Webデザイナーは、一般的な作業よりも負荷の高い作業が発生することがあるため、パソコン選びが重要です。この記事では、Webデザイナーのパソコンに必要なスペックや選ぶポイントを紹介します。また、中古パソコン購入時の注意点やおすすめ製品など、パソコン選びで知っておきたい情報をお届けします。Webデザイナーが重視すべきパソコンのスペックWebデザイナーがパソコンを購入する際に確認しておきたいのが、CPUやメモリなどのハードウェアのスペックです。Webデザイン作業に必要なスペックを確認しましょう。CPUCPUは、パソコンの頭脳にあたる部分で、プログラムの実行やデータの計算など、あらゆる処理を行います。Webデザイナーは、PhotoshopやIllustratorなどのソフトを使う機会が多いため、ある程度の処理能力を持つCPUが必要です。WindowsならIntelのCore i5以上、またはAMDのRyzen 5以上が望ましいです。また、動画編集など負荷の高い作業が発生する場合はCore i7以上、Ryzen 7以上を目安にします。MacならM2チップ以上を選ぶようにしましょう。メモリメモリは、パソコン内にあるデータを一時的に保存しておく場所です。CPUが処理するデータやプログラムを、一時的に保存する役割を担います。メモリの容量が大きいほど、複数のプログラムをスムーズに実行でき、大容量のデータも処理しやすくなります。Webデザイナーは複数のソフトを同時に使用する機会が多いため、メモリは最低16GB必要です。動画編集などをする場合は、32GB以上を目安にしましょう。ストレージストレージは、パソコンのデータを長期的に保存する場所です。画像や動画などのほか、WindowsやmacOSなどのOS、PhotoshopやIllustratorなどのアプリもストレージに保存されます。Webデザイナーは、画像や動画などの容量の大きなファイルを扱うことが多いため、高速で十分な容量のストレージが必要です。そのため、512GB以上の容量は最低限必要になるでしょう。それでも容量が不足しそうな場合は、外部ストレージの併用も検討してもよいかもしれません。GPUGPUは、パソコンの画像や映像処理に特化した部品です。画像や映像を滑らかに表示させ、3Dグラフィックスの処理においてはCPUよりも高い性能を発揮します。また、画像編集ソフトや動画編集ソフトなどを使用する際の処理速度を高速化します。PhotoshopやIllustratorなどを使った、一般的なWebデザイン業務ならCPU内蔵のGPUで問題ありません。3Dグラフィックや動画も作成する場合は、NVIDIA GeForce GTX 1650以上、または同等の性能を持つパソコンを選ぶようにしましょう。ディスプレイディスプレイのサイズは、大きいほど視認性が向上し、デザイン作業の効率がよくなります。デスクトップパソコンなら24インチ以上、ノートパソコンなら15インチ以上の画面サイズが望ましいです。色域規格色域規格とは、ディスプレイが表現できる色の範囲を数値化したもので、色域が広くなるほど表現できる色が多くなります。sRGBやAdobe RGB、DCI-P3などの色域規格には種類があり、規格によって表現できる色の範囲が異なります。Webデザインに適しているのはsRGBで、sRGBのカバー率が高いパソコンだと色が正しく表示され、デザインも正確になります。sRGBカバー率90%以上のディスプレイを選ぶと、色を正確に表現できます。Webデザイナーのパソコン選びのポイントWebデザイナーがパソコンを選ぶ際には、OSの種類や、ノートパソコンかデスクトップパソコンかなど、いくつか迷うポイントがあります。メリット・デメリットを比較し、最適なバランスを見つけることが大切です。OSOSには、大きく分けてMacとWindowsの2種類があります。メリットデメリットMac・セキュリティの評価が高い・デザインが洗練されている・価格が高い・カスタマイズ性に乏しいWindows・価格が抑えられる・カスタマイズ性が高い・ウイルス感染対策が必要・アップデートやメンテナンスの機会が多いMacはクリエイティブ業務に適したソフトが安定して使えるため、デザインやクリエイティブ業界では好まれ、現在でもMacを使用している人が多いようです。しかし、近年はクリエイティブ業務に関する機能で、Windowsとの差はさほどありません。MacとWindowsで迷った場合は、メリットとデメリットを比較し、自分に合う方を選びましょう。ノートパソコンかデスクトップパソコンかノートパソコンかデスクトップパソコンかで迷う人もいるでしょう。メリットデメリットノートパソコン・持ち運びできる・スペースを取らない・ハードウェアの拡張性に乏しい・修理費用が高いデスクトップパソコン・負荷の高い作業に適している・ハードウェアの拡張性が高い・持ち運びが難しい・スペースが必要どちらもメリットデメリットがあるので、目的に合わせて適した方を選びましょう。1台目のパソコンを購入する際に迷った場合は、汎用性の高いノートパソコンをおすすめします。予算・スペック前述したスペックを全て満たすパソコンを探したら、予算がオーバーしてしまう可能性もあります。そのため、予算とスペックのバランスが重要です。予算内に収めるには、必要なスペックの優先順位をつけることが重要です。スペックを全て完璧に満たすパソコンを無理に探すのではなく、予算とスペックのバランスを考えながら、落としどころを見つけましょう。Webデザイナーにおすすめのパソコン5選これまでの内容を踏まえ、Webデザイナーにおすすめのパソコンを5つ紹介します。パソコン選びに迷ったら参考にしてみてください。MacBook ProMac派なら、MacBook Proがおすすめです。高スペックでありながら、デザイン性や操作性にも優れています。最新のMacbook Proに搭載されているCPUはM4で、PhotoshopやIllustratorなどの負荷の高いデザインソフトを使用しても快適に使えます。Appleが開発した高解像度ディスプレイRetinaは、画質がよく、色彩表現も優れています。これにより、デザインの細部まで確認でき、高品質なデザイン作業が可能です。また、iPhoneやiPadなどのiOS製品との連携がスムーズなので、Webデザインの検証作業や、モバイルアプリのデザインなどを行う際にも便利さを実感するでしょう。Microsoft Surface Laptop Studio 2Microsoft Surface Laptop Studio 2は、タッチペンによる手描き入力も可能なパソコンです。タッチスクリーンとタッチペンを使ってキャンバスに絵を描くように使えるので、直感的な操作でデザイン作業を行えます。また、最新CPU・GPUを搭載しているので、デザイン作業に必要なPhotoshopやIllustrator、Figmaなどの負荷の高いデザインソフトウェアもスムーズに使用できます。性能はもちろんのこと、シンプルで美しい見た目と角度調整ができるディスプレイも、他のWindows搭載パソコンとは一線を画します。ラップトップモード、ステージモード、スタジオモードと気分や作業内容に合わせて、最適な形状で仕事ができます。ASUS TUF Gaming A15ASUS TUF Gaming A15は、高性能なグラフィック処理能力と携帯性を兼ね備えたゲーミングパソコンです。ゲーミングパソコンは、その名の通りゲームを快適にプレイするために設計されており、性能が高いため、ゲーム以外にもさまざまな用途で活用できます。Webデザインでは、画像編集や動画編集など、グラフィック処理能力を必要とする作業において、特にメリットを実感できるでしょう。画像編集ソフトで高解像度の画像処理や複雑なフィルタ処理を行う際に、搭載されているGPUが高速処理し、作業効率を大幅に向上させます。また、複数のソフトを同時に使用する際には、搭載されている高性能CPUと大容量メモリによって、フリーズすることなくマルチタスク処理を快適に行えるでしょう。負荷の高い作業を行う人や、処理能力を最優先に考える人におすすめです。mouse DAIV R6-I7G50SR-Aパソコンの修理や困った時のサポートなど、購入した後のことが気になる人は、サポートの評判のよい国産メーカーを選ぶと後悔が少ないでしょう。mouseはサポートに定評があるため、サポート機能に期待を寄せる人におすすめです。24時間365日無償で電話サポートが可能で、3年間無償保証が付いています。mouse製品の中でも、DAIV R6-I7G50SR-Aは、クリエイター向けでWebデザイナーに最適です。搭載されているCPUとGPUによって、Webデザインに必要なソフトを使った画像編集や動画編集などの負荷のかかる作業も快適に行えます。また、トリプルファンが搭載されているため、CPUやGPU、メモリを強力に冷却し、長時間の編集作業を行ってもパフォーマンスが落ちにくいです。そのため、作業時間が長くなりやすい動画編集や開発作業、ビジュアライゼーションソフトを使っても安定してこなせます。MacBook Airなるべく価格を抑えてMacのパソコンを使いたい人は、MacBook Airを検討してみるとよいでしょう。性能はMacBook Proよりも劣りますが、重たいソフトを同時に使用しなければ、特に問題なく作業できます。最新のMacBook AirにもM4チップが搭載されており、アプリやタブを複数開いても快適に動作します。10億色に対応するRetinaディスプレイは、写真や動画を細部までくっきり表示してくれるので、より正確なデザイン作業ができます。また、内蔵されているバッテリーは最大で18時間駆動し、わずか30分で最大50%の高速充電も可能です。バッテリー残量を気にせず、パワフルに作業をこなせます。Webデザイナーが中古パソコンを選ぶ際の注意点目ぼしい製品はあるものの、予算内では購入できない場合は、中古パソコンを検討してみるのも1つの手です。ただし、新品を買う時と違い、注意する点がいくつかあります。発売時期中古パソコンは、お目当てのモデルがあったり、価格が安かったりしても、必ず発売時期を確認しましょう。古いモデルは最新のOSが使えない、アップデートができないモデルもあります。そのため、発売から3〜5年以内のモデルを選ぶと安心です。CPUの世代中古パソコンの性能は、CPUの世代で判断できます。最初に説明したCPUのスペックを備えていれば問題ありません。負荷の高い作業が想定される場合は、できるだけ最新の世代に近いCPUが搭載されているパソコンを選びましょう。バッテリーの消耗具合中古パソコンのバッテリーは、新品よりも劣化しています。劣化は避けられませんが、極端にバッテリー駆動時間が短いと作業に支障をきたします。事前にバッテリーの消耗具合を確認し、できるだけバッテリーの消耗が少ないパソコンを選びましょう。サポート制度中古パソコンの場合は、修理や交換が必要になる可能性も視野に入れておかなければなりません。その際に重要なのが、修理や交換サービスのサポートです。保証期間や保証内容、修理や返品の条件などもあわせて確認しましょう。まとめWebデザイナーがパソコンを選ぶ際は、各ハードウェアのスペックを確認しておくことが大切です。特に、CPUやメモリは購入後に変更できないため、慎重に検討してください。また、中古パソコンを購入する際には、発売時期やサポート制度などを確認しておきましょう。さまざまな選択肢の中から自分に最適なパソコンを見つけて、Webデザイナーとしてのキャリア形成に役立ててください。