カスタマーサクセスと営業は、それぞれ顧客の課題や目標達成に向けて寄り添う仕事です。しかし、仕事の目的や業務内容、対応する顧客層などには大きな違いがあります。これから、カスタマーサクセスや営業の仕事をしたいと考えている人は、両者の違いを理解したうえで選ぶことが大切です。本記事では、カスタマーサクセスと営業の5つの違いを解説します!どちらの仕事が向いているかを考えるポイントも解説するので、これからの働き方を考えたい方は、ぜひ参考にしてください。カスタマーサクセスとは?カスタマーサクセスとは、顧客が自社のサービスや製品を最大限に活用し、売上増加や認知向上などの目標を達成できるようにサポートする仕事です。顧客に寄り添って、現在の課題の整理や目標設定を行い、どうしたら成功に近づけるかを一緒に模索したり、解決策を提案したりしていきます。また、顧客のパートナーとして成功に導き、自社の製品・サービスの満足度・継続率を向上させるのもカスタマーサクセスの役割です。▼関連記事:カスタマーサクセスとは?仕事内容・スキル・年収を分かりやすく解説カスタマーサクセスが広まった背景カスタマーサクセスは、2000年以降に徐々に広がりを見せた比較的新しい仕事の1つです。カスタマーサクセスが広まった背景には、SaaS(Software as a Service)の市場規模の拡大と、サブスクリプションサービスの普及が考えられます。Saasとは、インターネット上で利用できるサービスのことです。チャットツールのSlackやChatWork、会計ソフトのfreee会計やマネーフォワードなどが該当します。Saasは、顧客がサービスを継続して利用するサブスクリプション型のサービスが中心です。サブスクリプション型は、サービスの継続が収益に直結するため、解約防止や顧客満足度向上を担うカスタマーサクセスの重要性が高まっています。営業とは?営業とは、商品・サービスを顧客に提案し、企業の売上を拡大する役割を担う仕事です。主な仕事内容は、次の通りです。新規顧客開拓:電話やメール、訪問を通じて新たな取引先を見つける商品・サービスの提案:顧客のニーズを把握し、最適な提案を行う契約締結のサポート:商談を進め、契約に至るまでのプロセスを管理するアフターフォロー:契約後も顧客との関係を維持し、追加販売や紹介獲得を目指すカスタマーサクセスと営業の5つの違いカスタマーサクセスと営業は、それぞれ顧客と向き合う仕事でありながら、目的や業務内容、重視する指標など、5つの大きな違いがあります。カスタマーサクセス営業目的・顧客の目標達成の支援・満足度向上・解約防止・新規顧客の獲得・売上の最大化業務顧客の課題解決・目標達成のサポート・新規顧客へのアプローチ・商談・契約締結追う数字・NPS(顧客推奨度)・LTV(顧客生産価値)・解約率・売上・契約件数・商談成功率顧客既存顧客新規顧客スキル・コミュニケーションスキル・プロジェクト進行スキル・論理的思考力(ロジカルシンキング)・課題発見・解決スキル・プレゼンテーションスキル・交渉スキル・市場分析スキル・ストレス耐性これら5つの違いを1つずつ理解し、カスタマーサクセスと営業の違いを明確に理解しましょう。【目的】カスタマーサクセスと営業の違いカスタマーサクセスは、顧客が成功体験を得られるようサポートすることが主な役割です。一方、営業は、新しい顧客との取引を成立させることが目的となります。それぞれの仕事の目的の違いを詳しく見ていきましょう。カスタマーサクセスの目的カスタマーサクセスの目的は、顧客がサービスや製品を通じて、目標を達成したり、課題を解決したりできるように支援することです。顧客が抱える課題を理解したうえで、自社のサービス・製品を用いて、どのように目的を達成していくかをサポートします。顧客にとって、よき理解者や相談相手となり、長期的な信頼関係を築くことが求められます。顧客に寄り添い、結果を出せるかによって、解約率の低下や顧客の満足度向上につながり、事業の安定性や成長度が変わります。営業の目的営業の目的は、新たな顧客を開拓し、契約を成立させることです。自社の製品・サービスに興味を持っている顧客に、メールや電話、アポイントを取って訪問し、アプローチをして契約につなげていきます。また、新規顧客を紹介してもらえるように、既存顧客との関係を築いていくことも重要です。【業務】カスタマーサクセスと営業の違いカスタマーサクセスは主に顧客との契約後、営業は顧客と契約前の業務を担当します。それぞれの業務の違いを見ていきましょう。カスタマーサクセスの業務カスタマーサクセスの業務は、顧客との継続的な関係を構築しながら、課題解決をサポートすることです。主に、次の業務を担当します。導入支援オンボーディングの支援利用期間中の支援社内へのフィードバック利用継続・更新の提案契約後に製品・サービスの導入方法や使い方を伝え、スムーズに活用できるように支援します。利用期間中には、顧客から課題をヒアリングしてサポートしたり、顧客からの意見を社内に伝えて製品の改善につなげたりする役目を果たします。また、一定期間利用した顧客に対して、継続や更新を提案するのもカスタマーサクセスの仕事です。営業の業務営業は、以下のように、新規顧客を開拓し、取引を成立させるプロセスを担います。新規顧客へのアプローチ(メール・電話・訪問)製品やサービスのデモンストレーション契約の締結カスタマーサクセスへの引き継ぎ顧客の課題に合わせた提案を行い、契約の締結を目指します。導入後のイメージを体験してもらうために、デモンストレーションを行い、契約につなげることもあります。契約後は、顧客の情報や課題をカスタマーサクセスに共有し、業務を引き継ぎます。【追う数字】カスタマーサクセスと営業の違いカスタマーサクセスは解約率や継続率など、顧客との長期的な関係を反映する数字を追います。一方、営業は売上や契約件数など、目に見える成果を重視するのが大きな違いです。それぞれの違いをより詳しくみていきましょう。カスタマーサクセスが追う数字カスタマーサクセスは、現在顧客がどの程度製品・サービスを活用しているのか、満足しているのかを測る数字を追います。NPS(顧客推奨度)LTV(顧客生涯価値)NRR(売上継続率)アクティブユーザー数解約率NPSやLTVは、顧客の満足度と企業への貢献を示す指標です。NPSは顧客が製品を他者に推奨する可能性を、LTVは顧客が生涯で企業にもたらす総収益を測ります。アクティブユーザー数や解約率は、製品の利用状況と顧客の継続意向を表す数値です。カスタマーサクセスは、これらの数字を参考にしながら、顧客のニーズに寄り添い、継続的なサポートを行っていきます。営業が追う数字営業では、売上や利益率、商談成約率などが主な指標となります。契約件数売上利益率商談成功率新規顧客獲得数売上金額や契約件数は、営業活動の結果を最も分かりやすく示す数字です。商談成功率や利益率などの指標は、営業プロセスや提案の質を評価する際に役立ちます。また、新規顧客獲得数は、新たな市場や顧客層を広げているかを示す指標です。新しい顧客の増加は売上拡大だけでなく、事業成長の基盤となります。【顧客】カスタマーサクセスと営業の違いカスタマーサクセスは既存顧客を中心にサポートし、継続利用や満足度向上を目指します。一方、営業は新規顧客や潜在顧客にアプローチするのが大きな違いです。それぞれが関わる顧客の特徴を詳しく見ていきましょう。カスタマーサクセスの主な顧客カスタマーサクセスが対応するのは、主に契約後の既存顧客です。製品を導入したばかりの顧客や、長期的に利用している顧客まで、幅広い層に対応します。例えば、初期段階の顧客にはオンボーディング支援を、継続利用中の顧客には課題解決や利用促進の提案を行います。顧客ごとに異なる状況や課題に応じた対応が求められる点が特徴です。営業の主な顧客営業が向き合うのは、主に新規顧客です。まだ契約に至っていない顧客の課題やニーズを深く理解し、適切なアプローチを行います。また、過去に取引のあった顧客を再び契約に結びつける取り組みも行う場面もあります。積極的に行動し、データや顧客からの紹介を通して、新規顧客を開拓していきます。【スキル】カスタマーサクセスと営業の違いカスタマーサクセスでは顧客サポートや分析に関するスキルに重点が置かれ、営業では提案力や交渉力が求められます。業務に適したスキルを磨くことで、成果を上げるだけでなく、仕事へのやりがいも感じられるようになります。それぞれで求められるスキルの違いを確認していきましょう。カスタマーサクセスに求められるスキルカスタマーサクセスが求められるスキルは、主に次の4つです。コミュニケーションスキルプロジェクト進行スキル論理的思考力(ロジカルシンキング)課題発見・解決スキルカスタマーサクセスには、顧客が認識している課題や、潜在的な悩みを引き出すためのコミュニケーションスキルが不可欠です。加えて、課題の解決方法を考えていく解決スキルやロジカルシンキングも求められます。また、カスタマーサクセスは同時並行で複数の顧客を担当するため、各案件を並行して進めるプロジェクト進行スキルもあるとよいでしょう。営業に求められるスキル営業に求められるスキルは、次の4つです。プレゼンテーションスキル交渉スキル市場分析スキルストレス耐性営業には、顧客に魅力的な提案を行い、商談を成功させるためのプレゼンテーションスキルが必要です。また、契約交渉を進めるスキルや、市場を理解した上で顧客にとって最適アプローチするための分析力も欠かせません。さらに、売上目標の達成に向けて成果を求められる仕事であるため、プレッシャーに対応できるストレス耐性も必要でしょう。カスタマーサクセスと営業の仕事の流れカスタマーサクセスと営業は、顧客と企業をつなぐ仕事です。ここでは、営業とカスタマーサクセスの仕事内容と、どのように連携して仕事を進めるのかを解説します。仕事の流れを理解し、働くイメージを掴むヒントにしてださい。営業が新規契約を獲得する営業が、市場調査やテレアポリストなどをもとに、メールや電話、訪問などのアプローチを通して、商談の場を設けます。商談では、顧客が抱える課題に応じた提案を行い、契約条件の調整を経て、最終的に契約を締結します。営業からカスタマーサクセスへ業務を引き継ぐ契約後に営業が、サポート体制や利用開始後のポイントを顧客に説明して、カスタマーサクセスへの引き継ぎ準備を進めます。カスタマーサクセスは、営業から顧客が抱える背景や目標などの情報を聞きます。加えて、CRMツールを活用して必要な情報を記録し、スムーズに対応を開始できるよう準備を整えます。その後、営業が顧客に新しい担当者としてカスタマーサクセスを紹介し、カスタマーサクセスは初回ミーティングやオンボーディングの計画を進めます。カスタマーサクセスが顧客をサポートするカスタマーサクセスは、顧客がサービスや製品を最大限活用できるよう、サポートを行います。初回ミーティングでは、顧客の課題や目標の確認・すり合わせを行い、設定した目標に向けて具体的なサポート計画を立てます。また、導入や初期設定のサポートを行い、顧客がスムーズにサービスを利用開始できるよう支援します。その後、利用状況をモニタリングしながら、課題を発見したり、定期的なミーティングやフォローアップを通じて進捗を確認したりしつつ、最適なアドバイスを継続的に行っていきます。カスタマーサクセスと営業どちらに向いているかを考えるポイントカスタマーサクセスと営業は、求められるスキルや働き方に違いがあります。どちらの業務に向いているかを見極めるには、自分の性格や強みをしっかりと振り返ることが大切です。ここでは、自分に合う選択肢を見つけるための3つのポイントを紹介します。短期目標と長期目標どちらの実現が得意かを考えるカスタマーサクセスと営業では、成果を追求するスタイルに違いがあります。カスタマーサクセスは、顧客との長期的な関係構築を重視する仕事です。継続利用や満足度向上を目指し、顧客の成功をサポートすることにやりがいを感じる人に適しています。一方で、営業は、短期間で目に見える成果を追い求める仕事です。新規契約の獲得や売上達成といった短期目標にモチベーションを感じる人に向いています。これまでの学生生活や社会人生活の中で、短期目標と長期目標どちらの実現が得意だったかを振り返ってみるとよいでしょう。自分に合ったコミュニケーションスタイルを考える業務でのコミュニケーションの取り方も、カスタマーサクセスと営業どちらが向いているかを考えるポイントの1つです。カスタマーサクセスは、顧客の話に耳を傾け、課題を一緒に解決していく丁寧なコミュニケーションが求められます。営業では、プレゼンテーションや交渉スキルなど、対外的なコミュニケーションスキルが求められます。人前で話すことが得意で、初対面の方とも打ち解けるのが得意な人に向いているでしょう。自分の強みを活かせる環境を考える仕事の中でスキルを最大限に発揮させるためには、自分の強みを活かせる環境を選ぶことが大切です。カスタマーサクセスは、既存顧客の課題を解決したり、利用データを分析して提案を行ったりすることが得意な人に向いています。営業は、新しい顧客にアプローチし、契約を獲得するプロセスにやりがいを感じる人に向いています。目標達成志向が強く、結果が求められる環境を楽しめる人に向いているでしょう。カスタマーサクセス・営業はフリーランスや副業でもチャレンジできる!カスタマーサクセスや営業は、正社員として働く以外にも、フリーランスや副業でチャレンジすることが可能です!経験者は、これまでの経験を活かしながら、平日夜や週末に対応できる案件を探して取り組めます。未経験の場合は、未経験者歓迎の案件に応募する、もしくは一度正社員として働いてスキルを身につけてから副業にチャレンジするのがおすすめです。副業は、基本的にクライアントが求めるスキルを身につけているのが前提となるため、基本的な業務スキルや経験があったほうが有利になります。また、副業に取り組むことで、本業以外の収入を得られるので、金銭的な安心感を得やすくなります。加えて、副業を通して経験を積んで、将来フリーランスとして独立する選択肢も得られます。▼関連記事:フリーランスでカスタマーサクセスの仕事をする方法!年収・スキル・案件獲得を解説▼関連記事:営業フリーランスの働き方とは?年収や成功のポイントも解説フリーランス・副業向けのカスタマーサクセス・営業案件を探すなら「SOKUDAN」がおすすめ「フリーランスでカスタマーサクセス・営業の仕事をしたい」「まずは副業にチャレンジしたい」という人は、フリーランス・副業向けの案件マッチングサイト「SOKUDAN」の利用がおすすめです。SOKUDANは、プロ人材と呼べるスキルを兼ね備えたフリーランス・副業人材と企業を結ぶことをコンセプトとしたマッチングサイトです。【SOKUDANの特徴】案件の平均時給4,500円週1日〜稼働できる案件多数「経験少なめOK」の案件あり副業から正社員雇用ありSOKUDANに掲載されている案件の平均時給は4,500円と高単価のため、やりがいや収入アップを目指しているフリーランスにぴったりです。週1日から稼働できる案件や「経験少なめOK」の案件も多く掲載されているため、副業から始めたい人にもおすすめです。また、正社員化を前提とした案件もあるので、クライアントや業務内容の相性を確かめたうえでの転職も実現できます。SOKUDANは無料で利用できるので、ぜひ活用してみてください。▼SOKUDANのカスタマーサクセスのフリーランス・副業案件一覧▼SOKUDANの営業のフリーランス・副業案件一覧まとめカスタマーサクセスと営業は、顧客に寄り添う仕事という共通点がありますが、目的や対応する顧客層が異なります。カスタマーサクセス:契約後の顧客を支援し、目標達成や課題解決をサポートする営業:新規顧客を開拓し、契約を成立させる自分に合った仕事を選ぶ際は、短期目標と長期目標どちらが得意か、また、自分のコミュニケーションスタイルを考えることが大切です。カスタマーサクセスは、顧客と伴走しながら丁寧に支援を続けたい人に向いています。一方、営業は、積極的に新しいつながりを生み出し、目標を達成することにやりがいを感じる人に適しています。カスタマーサクセスも営業も、正社員だけでなく、副業からスタートすることが可能です。ぜひ、自分に合った働き方で、興味を持った仕事にチャレンジしてみてください。