自宅を仕事場としているフリーランスの中には、なかなか作業に集中できないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そんな時は、コワーキングスペースの利用を検討してみるのもいいかもしれません。この記事では、コワーキングスペースの概要や、フリーランスが利用するメリット・デメリット、選び方などを紹介します。近年はさまざまなコワーキングスペースが登場しており、選択肢も増えています。自分に合ったコワーキングスペースを選ぶためにも、コワーキングスペースへの理解を深めていきましょう。コワーキングスペースとは?コワーキングスペースとは、Co(共同)と Working(仕事をする)が意味するように、フリーランスや会社員、学生など、さまざまな人が空間を共有しながら仕事や勉強をする環境を指します。コワーキングスペースの多くは、フリーアドレス制を採用しており、空いている席で作業をします。フリーランスの利用経験・割合▼出典:自営業・フリーランスの21.8%がコワーキングスペースの利用経験あり | コワーキングスペースおよびワーケーション利用に関する調査(2023年9月)|Utillyビジネスパーソン向けWebメディアのUtillyが行った調査によると、自営業・フリーランスでコワーキングスペースの利用経験がある人は全体の約2割です。割合から見ると多くはありませんが、一定数のフリーランスがコワーキングスペースを利用している、過去に利用した経験があることが分かります。▼関連記事:【東京編】Web会議ができるコワーキングスペース14選!リモートワーカー必見!シェアオフィスとの違いコワーキングスペースと似ているのがシェアオフィスです。明確な定義の違いはありませんが、シェアオフィスの方がオフィスとしての側面が強く、他の企業や個人とオフィスを共有しているイメージです。オフィスを丸々借りるよりも費用が抑えられたり、契約期間がフレキシブルだったりと、スタートアップや少人数企業にとってはよい選択肢になります。コワーキングスペースの基本的な設備・機能コワーキングスペースでは、利用者が快適に作業ができるように、デスクやチェア、Wi-Fi、コンセントなどが整備されています。個室ブースや複数人で使える会議室を備えたコワーキングスペースも多く、さまざまな用途で利用できます。ほかにも、フリードリンクを楽しめたり、コピー機やロッカーなどが備わっていたりするコワーキングスペースもあります。コワーキングスペースの利用方法・料金形態コワーキングスペースの多くは、月額利用かドロップイン利用のどちらかです。毎月費用が発生する月額制に対して、ドロップインは1時間〜1日単位で料金が発生します。お試し的な利用やふらっと立ち寄りたい場合は、ドロップイン利用の方が使い勝手がよいでしょう。一方で、本格的に利用したいなら月額制で利用した方が、コワーキングスペースのあらゆる機能を使えるのでおすすめです。フリーランスがコワーキングスペースを利用するメリット会社員のようにオフィスを持たないフリーランスは、コワーキングスペースで働くことで、作業に集中できてオンとオフの切り替えがしやすくなるのが大きなメリットです。また、それ以外にもさまざまなメリットがあります。オンとオフを切り替えやすくなるフリーランスの中には、自宅を仕事場にしている人は多いでしょう。しかし、自宅では仕事に集中できなかったり、仕事と生活の境界線が曖昧になって働きすぎたりすることもあるでしょう。コワーキングスペースを利用すれば、オンオフの切り替えがしやすくなり、仕事に集中しやすくなります。フリーランスで仕事とプライベートの切り替えが上手くできないと感じている人は、コワーキングスペースで仕事をしてみると改善するかもしれません。人との交流が生まれる自宅で仕事をしていると、人と接する機会が少なくなりがちです。人と話す機会がオンラインミーティングの時のみといったこともあるかもしれません。コワーキングスペースの中には、利用者が交流できるイベントや、人が集まりやすい休憩スペースを設けているところもあり、自然と人との交流が生まれます。会社のように利害関係なしで気楽に話せる人や、同じようにフリーランスとして働いている人との交流は貴重です。孤独を感じやすいフリーランスは、人とのつながりを広げるつもりでコワーキングスペースを利用する人も多いようです。インスピレーションが得られる仕事部屋の環境は、仕事の能率に影響を与えます。コワーキングスペースの中には、リラクゼーションスペースがあったり、本屋が併設されていたりして、集中力や知的好奇心を刺激してくれるものがあります。自宅では触れることのない情報や人に自然とアクセスできる環境は、さまざまなインスピレーションを与えてくれます。特にクリエイティブな仕事をしている人は、環境から得られるインスピレーションが仕事に活きるケースもあるでしょう。設備が整っているコワーキングスペースには、仕事に必要な設備が整っています。Wi-Fiなどの最低限必要なものはもちろん、コピー機やシュレッダーなど、たまに必要となる設備があるのも嬉しいポイントです。予約制のミーティングスペースがあるコワーキングスペースなら来客対応もできます。また、ブレインストーミング用にホワイトボードを使いたい場合も使い勝手がよくて便利です。毎日必要なわけではないから自宅に備えるかは迷うけれど、あると便利で仕事の効率が上がる設備が整っているのは大きなメリットといえるでしょう。住所利用・登記できる場合もあるフリーランスで働いていると、自分の住所を明記しなくてはならないシーンに遭遇します。人によっては、住所を公開したくない人もいるでしょう。そんな時に、住所利用ができるコワーキングスペースを利用していると便利です。また、将来的に法人化を視野に入れている人も、登記ができるコワーキングスペースの利用はメリットが大きいでしょう。法人化の手続きを円滑にするとともに、都内のコワーキングスペースで登記すれば、一等地の住所を名刺に載せられるため、インパクトも強くなります。フリーランスがコワーキングスペースを利用するデメリット集中して仕事ができるコワーキングスペースは、さまざまなメリットがありますが、人によってはデメリットに感じる側面もあります。ここでは、コワーキングスペースの利用がデメリットに感じやすい特徴を紹介します。利用する前にデメリットを把握しておき、後悔しないようにしましょう。費用がかかるコワーキングスペースを利用する際には、施設利用料と交通費などの費用がかかります。自宅で仕事をする分には発生しない費用なので、コストを気にする人にとってはデメリットに感じられるでしょう。コワーキングスペースの月額費用は、5,000〜30,000円程度です。安いととるか高いととるかは人によって異なりますが、月に数回しか通わないのであればもったいないと感じるかもしれません。コストが気になる人は、大まかに月の利用回数を予測して、それでもコスパがよいと思えるコワーキングスペースを利用するようにしましょう。座席が確保できるとは限らない座席がフリーアドレス制のコワーキングスペースだと、混んでいるときは座席が確保できない時もあります。せっかくコワーキングスペースまでやってきても作業ができないとなると、作業へのモチベーションも下がってしまいます。入会する時点で混雑具合を聞いておいたり、混み始める前に来て席を取ったりするなどの対策が必要です。セキュリティが気になる場合もあるコワーキングスペースは、不特定多数の人が出入りする場所なので、セキュリティが気になる人もいるでしょう。一般的に、会員制のコワーキングスペースなら、ある程度の安全性が確保されていると考えられます。しかし、オンラインミーティングや電話で周りに聞こえるように話していて、意図せず競合他社などに情報が漏れる可能性もあります。会員制だからといって油断せず、危機意識を持って行動する意識を忘れないようにしましょう。フリーランスのコワーキングスペースの選び方コワーキングスペースを決める際には、考慮するべき項目がいくつかあります。自分が何を優先させたいかによりますが、確認しておくとよい事項を紹介します。コワーキングスペースを選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてください。利用目的コワーキングスペースを利用する際には、利用目的の優先事項をはっきりさせておくと満足度が高くなるでしょう。例えば、フリーランス同士の交流を求めている場合は、定期的にイベントがあったり、他の利用者と話しやすかったりするコワーキングスペースを選びましょう。自分が何を期待してコワーキングスペースを利用するのか、一番優先させたい事項は何かを明確にしておくことが重要です。費用ドロップインで利用できるコワーキングスペースもありますが、本格的に利用するなら会員登録をして利用するのが一般的です。多くのコワーキングスペースが月額制で毎月施設利用料が発生し、あまり行けなかった月も同額の費用がかかります。そのため、コワーキングスペースにどれだけの費用をかけられるか、どのくらいの頻度で通うのかを決めておくとよいでしょう。毎日コワーキングスペースで仕事をしたい人もいれば、基本的には自宅で仕事をして、週に何回か利用できればいいという人もいます。費用が負担に感じてしまうと長続きしません。アクセスとても気に入ったコワーキングスペースがあったとしても、家から遠い場所になるなら、即決せずに一度考える時間を設けた方がよいでしょう。移動を面倒に思わない人なら問題ありませんが、会社員でもないのに混雑している電車に乗り、雨の日や猛暑の日も遠い場所に通うとなると、憂鬱な気持ちが湧き上がってこないでしょうか。また、家から遠いと交通費も高くなりがちです。通い続けられるかという観点で考えると、アクセスのよい場所にあるコワーキングスペースを選んだ方が後悔が少ないでしょう。利用時間自分が利用したい時間帯に営業しているかどうかも重要です。早めに閉まってしまうコワーキングスペースもあるので、夜に利用したい人は何時までやっているのか確認しましょう。また、週末も仕事をしたいフリーランスは、土日祝日が休みのコワーキングスペースだと利用したい時に開いていないため、ストレスに感じるでしょう。まとめフリーランスの中には、自宅やカフェ以外に仕事場として集中できる環境がほしいと思っている人もいるでしょう。近年は、さまざまなコワーキングスペースが登場しており、自分に合った場所を選べば、満足度の高い働き方ができるようになります。コワーキングスペースは、集中して作業ができたり、他の利用者との交流ができたりとフリーランスにとって多くのメリットがあります。一方で、なんとなく選んでしまうと、後で後悔する可能性もあります。この記事を参考にして、自分に合ったコワーキングスペースを見つけてみてください。