Webデザイナーが副業を始めようと思った時「やめとけ」という声を聞くことがあると思います。実際にネット上では、「Webデザイナー 副業」と検索すると、次に「やめとけ」という単語が出てきます.......。Webデザイナーで副業を目指している方は「やめとけ」と言われる理由を理解する必要があります。この記事では、Webデザイナーとして副業が難しいとされている理由や実際の失敗談を紹介します。実際の副業案件の内容なども解説しているので、参考にしてみてください。▼関連記事:フリーランスデザイナーになるには?独立後の年収や仕事探しの方法もご紹介「Webデザイナーの副業はやめとけ」といわれる理由Webデザイナーの副業が「やめとけ」と言われている最大の要因は「薄利多売な仕事であるという印象が強い」ことでしょう。しかし、一概にはいえない部分もあるので、それぞれ理由の具体的な内容をみていきましょう。Webデザイナーの副業案件は単価が低いWebデザインの副業案件というのは、会社員をやりながらでもできる、小規模な案件が多いです。クライアントがWebデザインを外部に委託する状況とは、社内でWebデザイナーを雇う予算が無かったり、本当に人手が足りず困っている場合が多いようです。そのようなクライアントから受ける案件は、すなわち報酬単価も低い傾向にあります。Webデザイナー未経験は案件獲得が難しいWebデザインの経験がない人が副業に挑戦するのは、より難易度が高いでしょう。クライアントがデザインを外注するからには、デザインセンスやクオリティの高い成果物を求められます。未経験では、その期待値に応えられるWebデザインのスキルを持ち合わせていなかったり、そもそも実績やスキルが少ないため、なかなか案件を獲得できないこともあるでしょう。Webデザイナーが増えすぎていて競争率が高い近年では働き方が多様化して、Webデザイナーの経験者が副業をしていたり、未経験でもWebデザイナーになる人が増えているため、案件の競争率が高くなっているのが現状です。副業案件に応募する際は、ポートフォリオで自分のデザインスキルやセンスをアピールしたり、一度受注したクライアントから継続して依頼してもらえるように工夫が必要になってきます。例えば下記のように、1つの案件に対して多くのWebデザイナーが応募するコンペ形式での受注となる場合、特に未経験Webデザイナーには競争率が高くなるでしょう。●クラウドソーシングサイト(Lancers)での案件例1案件に対して、「55名」のWebデザイナーが応募しているのがわかります。副業案件はクライアントに振り回される社内でWebデザイナーを抱えておらず、副業でWebデザインを依頼するクライアントの多くは、資金が乏しく、人手が足りていないことが多いです。社内にデザインの知見がある人がおらず、それゆえに成果物への期待値と報酬が見合っていない、といった傾向があるでしょう。何度も修正依頼をされたり、タイトなスケジュールでの納品を求められたりすることもあるでしょう。ポートフォリオ準備やSNS活動が必要Webデザイナーとして副業をしようとするときに、自身のデザインの実績や、デザインセンスをアピールするためのポートフォリオが必要になってきます。ポートフォリオはWebデザイナーの顔となる部分なので、丁寧に作成することが重要です。また最近では、SNS上でWebデザイナーとして副業の仕事を得るケースもあるので、SNS活動が必要になる場合もあるでしょう。成果物納品は労働時間が長くなりがちWebデザイナーは、成果物を納品することで報酬を得られるため、完成までにどれだけ時間がかかっても報酬には関係してきません。つまり、いいものを作ろうとたくさん時間をかけても、報酬があがるわけではないのです。報酬に見合わない長時間労働にならないように、クライアントの要望と自分の作りたいデザインのバランスをみながら仕事をする必要があります。AIとの共存ができる強みが必要最近では、AIが瞬時にオリジナルのデザインを行える技術も普及しており、人間のWebデザイナーにしかできないことをアピールしていかないといけなくなりました。独創性や人間だからこそできるマルチなスキル、自分ならではの強みなどがないと、Webデザイナーとして生き残っていくことはできない時代になりつつあります。▼関連記事:Webデザイナーはなくなる?将来性と生き残るために必要なスキルを解説【悲惨】Webデザイナーの副業失敗事例Webデザインを新たに学んで副業に挑戦しようとする人や、本業の傍ら副業を始めようとしているWebデザイナーの方に向けて、Webデザイナーの副業失敗事例を紹介していきます。未経験ではお小遣い稼ぎにもならず本業にも支障が普段は企業で営業として働いているTさん。Webデザインには以前から興味があり、独学でPhotoshopなどの基本的なデザインツールを使えるまでになりました。本業の傍ら、クラウドソーシングで見つけたWebデザイン案件を副業として始めました。しかし、基本的なWebデザインのスキルしか身に付いていないため、案件単価が低く、週末の時間は副業に費やしているのに、結局月に1万円しか稼げず......。土日に疲れを取ることができないので、本業の勤務中にウトウトしてしまうことも。副業とはいえ、プロのWebデザイナーとしてのスキルやマインドをもっておかないと、思うような成果には繋がりません。修正依頼やダメ出しに疲弊。。。本業でもWebデザイナーとして企業に勤めているKさん。スキルを活かして、副業で収入を増やしたいと思っていたので、知り合いから紹介してもらったクライアントからWebデザインの副業を始めることに。いざ副業を始めてみると、何度も修正依頼があったり、理不尽なダメ出しが多かったりと、想像以上の業務量だったり心理的負担があり疲弊してしまいました。紹介の案件であっても、事前に修正回数を確認したり、業務の進め方を相談する必要があります。スクールに通ってもスキルが身につかないWebデザイン未経験の主婦Yさん。インスタグラムの広告で見かけた、Webデザインのオンラインスクールに通い始めて3ヶ月が経ちます。手に職をつけて、自分の好きな時間に、自宅で働くことを目標にWebデザインのスクールに通い始めましたが、なかなかデザインスキルが上達しません。そろそろ副業にも挑戦して、お小遣いを稼ぎたいと思っていましたが、スキル不足のために案件の獲得もできていません......。スクールに通えばスキルが身につくとは限らず、案件で実績をつくったり、派遣社員やアルバイトでもデザイン会社で経験を積む選択が必要なこともあります。Webデザイナーの副業案件の報酬相場Webデザインの副業を始めたら、月にどのくらい稼ぐことができるのでしょうか?「低単価で稼げない、やめとけ」と言われることもある、Webデザインの副業の現実を見ていきましょう。〜1万円レベルのWebデザインの副業案件「バナー作成」の副業の単価相場は2千円〜5千円が相場です。バナー作成とは、既存の画像ファイルを用いて、テキストや画像を配置して、画像を作る作業です。基本的なPhotoshopやIllustlatorのスキルがあれば対応可能で、早い人ですと数時間で納品できる内容です。単発ではなく、月に何本かバナーを作成する副業案件ですと、月3万〜5万円程度稼ぐことも可能です。1万円〜5万円のWebデザインの副業案件「ロゴデザイン制作」の副業の単価相場は、4万円程度です。ロゴデザイン制作の主な業務内容は、Webサイト、チラシ、名刺、看板などに用いるための店舗やサービスのロゴを制作することです。Photoshopなどの基本的なデザインツールの他に、ロゴをオリジナルで作れるデザインセンスや他社のロゴと被らないようにするリサーチスキルが必要です。必要な稼働時間は1案件につき、数時間〜10時間程度を見込んでおくのがよいでしょう。コンペなどで案件を獲得すれば、月に数10万円稼ぐことも可能です。5万円〜10万円のWebデザインの副業案件「ランディングページ(LP)作成」の副業の単価相場は、5万円〜10万円程度です。ランディングページ(LP)作成の主な業務内容は、ランディングページのデザインやスタイルシートの作成です。受注するページ数により単価や稼働時間が異なります。Webデザインのスキルだけでなく、コーディングなどのエンジニアの知識が多少必要になるでしょう。月に数件受注することができれば、数10万円稼ぐことも可能です。ただし、1枚のランディングページ(LP)を制作するのに、数十時間かかるため、本業に支障がでないようにスケジュール管理をする必要があります。▼関連記事:LP制作で案件獲得!フリーランスに必要なスキルや相場を解説10万円〜100万円のWebデザインの副業案件「Webサイトの制作」の副業の単価相場は、40万円程度です。Webサイトの制作の主な業務内容は、クライアントが運営するWebサイトの制作です。Webサイトの規模や実装内容にもよりますが、大掛かりなものであれば副業月収は100万円を超えるでしょう。Webデザインのスキルの他に、コーディングのスキルが必要だったり、ディレクターやエンジニアとやりとりが発生するため、コミュニケーションスキルも必要になってきます。1つのWebサイトをデザインから公開まで副業で行うと、月の稼働時間は数十時間を超えるでしょう。Webデザイナーの副業が向いていない人「Webデザインの副業はやめとけ。」というフレーズを目にして、尻込みしている人もいるかと思います。実際にやめておいた方がいい特徴を持っている人を紹介していきます。自分の性格や適性と照らし合わせて、Webデザインの副業に挑戦するかどうか、考えてみましょう。副業でガッツリ稼ぎたい人Webデザイナーの副業案件は単価の低いものが多いので、副業でガッツリ稼ぎたい人には向いていないでしょう。より報酬の高い職種にするか、フリーランスでWebデザイナーになるか、選択肢の幅を広げてみるのがよいでしょう。未経験でもWebデザイナーとして活躍できると思っている人最近インターネットの広告で増えている「未経験でもWebデザイナーになれる」という文言を簡単に捉えている人は、注意してください。実際にWebデザインの勉強を始めてみると挫折する人は多くいます。「これからWebデザインのスキルを身につけて頑張るぞ!」「低単価の案件からでもコツコツ実籍を作るぞ!」という根性がないと、未経験者にとっては難しいのがWebデザインの副業です。 どんな仕事にも、簡単に稼げるものはありません。Webデザインの仕事が好きではない・興味がない人そもそもWebデザインの仕事は簡単に稼げるものではないので、Webデザインが好きでない人には難しいでしょう。デザインに興味があったり、自分のセンスをデザインで表現したい、という気持ちがない人にはWebデザインの副業はおすすめしません。初期投資の時間や費用がない人Webデザインの副業で稼げるようになるまでには、Webデザインのスクールに通ったりWebデザインに必要なデザインツールを契約したりポートフォリオを作成したり案件を獲得したりと想像以上に時間やお金がかかります。本業が忙しくて時間を作れない人や、必要な資金が捻出できない人は、副業を始める前に環境を整えるのが先でしょう。Webデザイナーとして副業する目的を明確にしようWebデザインの副業を始める前に、副業する目的を明確にしましょう。本業以外にお小遣い程度を稼ぎたいなんでもいいから副業にチャレンジしたい手に職をつけることができるスキルが欲しいWebデザイナーとして将来的に独立したいなどと、副業をする目的は人によってさまざまです。目的が明確でないと、副業のために費やした時間やお金が無駄になり、後になってやめておけばよかった......と後悔することになるかもしれません。目的に対して「本当にWebデザイナーの職種がいいのか」「何から始めればいいのか」今一度考えてみましょう。本気でWebデザイナーを目指すステップここまで読んでみて、「それでもWebデザイナーを目指したい!」と思った方に向けて、本気でWebデザイナーになるためのステップを紹介します。Webデザインスクールや独学でスキルを身につけるWebデザインのスクールに通うか、独学で学ぶなどでWebデザインの基本的なスキルを身につけましょう。Webデザインのスクールに通えば、スクールから案件を紹介してもらえたり、自分が作った成果物のフィードバックをもらうことができたりするのでおすすめです。副業案件をたくさん経験して実績を作るWebデザインの知識を一通り学んだ後は、実際に副業案件に応募して、制作実績を作っていきましょう。クライアントとのやりとりの中で、Webデザイン案件の流れを掴んだり、自分の得意とするデザインの方向性も定まっていくはずです。▼関連記事:【厳選】副業マッチングサービス・サイトのおすすめ30選を紹介フリーランスとして独立してWebデザインのプロ人材になる副業でWebデザインの実績を作った後は、継続して依頼してもらえるクライアントを見つけたり、SNSで発信するなどして、フリーランスとしてWebデザイナーの道を模索するのもよいでしょう。プロのWebデザイナーとして独立することができれば、時間を好きなだけWebデザインの仕事に費やすことができるので、収入も今以上に伸ばすことができるかもしれません。▼関連記事:フリーランス向け案件マッチングサービスのおすすめ8選〜利用者の声もご紹介〜▼関連記事:フリーランスデザイナーの平均年収・時給レポートまとめ「Webデザインの副業はやめておいた方がいい。」というネガティブな言説に関する理由や、実際の失敗事例をみてきました。Webデザイナーが向いている人にとっては、Webデザインの副業は、将来のキャリアが広がる素晴らしいものです。自分の性格ややる気と照らし合わせて、挑戦するべきか、やめておくべきかを考えてみるのがよいでしょう。