WebサイトやアプリのUI(ユーザーインターフェース)を構築するフロントエンドエンジニアは、企業からの需要が非常に高い職種の1つです。フリーランスのフロントエンドエンジニアとして独立することで、多様な案件に携われる機会が生まれることに加え、自由度の高い働き方が可能になります。しかし、フリーランスとして安定した収入を得て、長く活躍していくためには、個人で仕事を進めるスキルや準備が必要です。この記事では、フリーランスのフロントエンドエンジニアの需要が高まっている背景をはじめ、年収・時給相場や、実際の案件実例を詳しく解説・紹介します。また、仕事を安定して受注するために役立つスキルや、案件を探すポイントもお伝えします。「フリーランスのフロントエンドエンジニアとして、在宅で柔軟な働き方を実現したい」「自分のスキルを活かせる仕事がしたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。▼SOKUDANのフロントエンドエンジニアのフリーランス案件一覧フロントエンドエンジニアとは?フロントエンドエンジニアとは、WebサービスやWebアプリのなかで、ユーザーが直接見たり操作したりする部分の開発を行う職種です。具体的には、Webページの構造やデザインを作るHTML/CSSや、Webページに動きをつけるJavaScriptを活用して、ユーザーが快適に操作できるようにUIの設計や実装に携わります。上記のほかにも、TypeScriptやReact、SQL、GraphQLなど、多様な言語を使って幅広い業務を行います。▼関連記事:フロントエンドエンジニアとは?技術の基礎から最前線の動向まで徹底解説フリーランスのフロントエンドエンジニアの需要が高まっている近年、IT市場が急成長し、多くの業界で業務のDX化・IT化が進んでいるため、エンジニア全体の需要が高まっています。特に、現代のWebサイトやアプリは、ただ情報が表示されるだけではユーザビリティの面で不十分とされています。例えば、すぐに欲しい情報が見つけられるようにしたり、ボタンを押したらすぐに反応したりするなど、ユーザーがストレスなく使えるようにすることが重要視されているのです。また、リモートワークの普及などが追い風となり、フリーランスのフロントエンドエンジニアの需要は非常に高まっています。フリーランスのフロントエンドエンジニアの年収・時給相場フリーランス・副業向けの案件マッチングサイト「SOKUDAN」の調査では、フロントエンドエンジニアの平均年収は867万円、平均時給は4,303円です。年収の割合で最も多かったのは、約40%を占める601万〜800万円の層です。さらに、年収801万〜1,000万円の層は30%超、年収1,000万円を超える層も20%超で、経験やスキルによっては高収入も見込めることが分かります。一方で、時給で最も割合が多いのは、3,001~4,000円の層で40%超です。時給4,000円を超える層も約40%と、フロントエンドエンジニアは高時給の案件が多数あることが分かります。大手求人サイト「求人ボックス」の求人統計データ(2024年10月末時点)によると、正社員のフロントエンドエンジニアの平均年収は402万円です。全体の給与レンジは300万円台から900万円以上と幅広いため、勤務先やスキルセットによって大きな差が生じると予想されますが、フリーランスのフロントエンドエンジニアは正社員よりも年収が高い傾向にあることが分かります。▼関連記事:フロントエンドエンジニアフリーランスの平均年収867万円!98%がリモート可!フリーランスのフロントエンドエンジニアにはどんな案件がある?フリーランスのフロントエンドエンジニア向けの案件には、デザイン性が求められるECサイトやコーポレートサイトの制作、UI/UX改善のプロジェクト、Webアプリのフロントエンド開発などがあります。最近は、ReactやVue.jsなどのJavaScriptライブラリやフレームワーク、デザインツールの知識が求められる案件も多く、幅広い技術力が求められています。ここでは、SOKUDANに掲載された実際のフリーランスのフロントエンドエンジニア向け案件をピックアップして紹介します。携われる工程の範囲や、リモート対応、報酬形態など、多様な案件があるので、ぜひ参考にしてください。リーガルテック製品の開発【業務内容】Webフロントエンドを中心に、新規プロダクト開発における技術選定や全体設計、実装、レビュー、テスト、運用保守チームの生産性やプロダクトの品質向上を目的とした、各種自動化やObservabilityの向上、プロセスの整備、ドキュメントの執筆チーム状況に応じて、メンバーのメンタリング・コーチング【必須スキル】React、Next.js、TypeScriptなどを用いたWebフロントエンド開発実務経験3年以上のWeb系システム開発実務経験、もしくはそれに相当する経験GitやGitHub、GitLab、Bitbucketなどを用いたチーム開発経験5名程度のメンバーを持つリーダーとして1年以上携わった経験【報酬】月額:50万~70万円【稼働条件】勤務時間:10:00~19:00勤務曜日:月~金出社メイン(一部リモート可)▼案件詳細:リーガルテック製品のフロントエンドエンジニア!大手コスメブランドのECサイト開発【業務内容】自社ECサイトのフロントエンド開発、コーディング、UI改善、コンテンツ制作・更新、システムの管理社内メンバーからの施策や提案をもとに、実現可能性の判断・実際の開発【必須スキル】フロントエンドエンジニアとして5年以上の実務経験ECサイトのプラットフォームの操作、カスタマイズに携わったことのある経験HTML/CSS、JavaScriptなどを用いてWebサイトの開発を行った経験新製品のリリースに応じ、その特性や売り方に応じて柔軟性やスピード感をもって作業ができる方チームメンバーとコミュニケーションを取りながら業務を行った経験【報酬】月額:44万~56万円【稼働条件】勤務時間:9:00~18:00勤務曜日:月~金週2日リモート・週3日出社▼案件詳細:大人気コスメブランドのフロントエンドエンジニアクライアントのSaaSプロダクト開発【業務内容】クライアントのSaaSプロダクト開発顧客管理・契約管理のSaaSプロダクト開発【必須スキル】TypeScriptを使ったフロントエンドの開発経験(2年以上)HTML/CSSでのモックアップ作成経験社内外と円滑なコミュニケーションが可能な方【報酬】時給:3,750~7,500円【稼働条件】平日週16時間~フレックスタイム制ありフルリモート▼案件詳細:SaaSプロダクト開発でTypeScriptエンジニア募集!幅広い業務に携われるプロダクト開発【業務内容】新規事業や新規プロダクト開発の開発ディレクション上流設計からプロダクト開発に参画【必須スキル】開発ディレクションおよび開発の実務経験がある方顧客折衝の実務経験がある方社内外メンバーと円滑にコミュニケーションできる方【報酬】月額:40万~80万円【稼働条件】平日週3~5日基本的に平日日中の稼働日中に連絡やMTGが随時セット可能な場合、部分的に平日夜・土日も相談可フルリモート▼案件詳細:顧客折衝が得意な開発ディレクターを募集!フリーランスのフロントエンドエンジニアに必要なスキルフリーランスのフロントエンドエンジニアには、自分で案件を獲得する営業力や、多様なクライアントと仕事を進めるコミュニケーション能力、仕事をスケジュール通りに進めるタスク管理能力などが欠かせません。そのほか、フリーランスとして長く活躍するためには、多様な専門知識を身につける必要があります。基本となるスキルから、最近の案件で多く求められるスキルまで集めたので、詳しく見てみましょう。HTML/CSSに関する十分な知識フリーランスのフロントエンドエンジニアには、HTMLとCSSに関する十分な知識が欠かせません。HTMLは、Webページの基本的な構造を決定するマークアップ言語で、見出しや段落、リンクなどの要素を定めます。CSSは、テキストの色やフォント、配置、背景のカラー、ボタンのデザインなどの見た目に関わるスタイルシート言語です。HTML/CSSの知識が豊富にあると、ページの見た目や操作性を細部まで調整できるため、ユーザーにとって使いやすいWebページを構築できます。JavaScriptやTypeScriptを活用したコーディングスキルJavaScriptとは、Webサイトに動きを付けるために使用されるスクリプト言語の1つです。TypeScriptは、JavaScriptをベースに拡張して作られたプログラミング言語で、JavaScriptが苦手とする型のエラー検出を得意としています。JavaScriptやTypeScriptを扱えると、ボタンをクリックした際のアニメーションや、フォーム送信後の確認メッセージなど、ユーザーの入力や操作に応じて動的に反応する機能を実装できます。特にTypeScriptを使用する案件は、単価が高めに設定される傾向にあるため、高単価の案件を継続して得るためにも知識や使用経験を積んでおくとよいでしょう。CMSの構築スキルCMS(コンテンツ管理システム)とは、Web制作に使うテキストや画像、デザインなどを保存・管理できるシステムです。フリーランスのフロントエンドエンジニアは、HTML/CSSスキルを活かしてWebサイトを新規構築する案件よりも、CMSを使って構築するケースを担うことが一般的です。主要なCMSとしては主に以下が挙げられます。WordPress:テーマやプラグインを柔軟にカスタマイズでき、最も広く使用されているJoomla:より高度なカスタマイズが可能で、複雑なサイトに向いているDrupal:開発者向けで、大規模かつ複雑なサイトに適しているShopify:Eコマースに特化したCMS特にWordPressは、汎用性や需要が高いため、WordPressのカスタマイズの経験を積むことに注力するとよいでしょう。フリーランスのフロントエンドエンジニアのキャリアパス例フリーランスのフロントエンドエンジニアとして長く活躍するためには、多様な知識や経験を身につけてキャリアアップを図ることが重要です。フリーランスのフロントエンドエンジニアから考えられる、主なキャリアパスには以下が挙げられます。シニアフロントエンドエンジニアフロントエンドエンジニアとして高度な技術を習得し、大規模なプロジェクトをリードするフルスタックエンジニアフロントエンドに加え、バックエンド技術も扱えるようスキルアップを図るUI・UXエンジニアユーザー体験を重視したデザインやプロトタイピングに特化するPM(プロジェクトマネージャー)開発プロジェクトの進行を管理し、チームを指導する役割に進む経済産業省の試算によると、2030年の時点でAIやIoTに関わる「先端IT人材」が54万5,000人不足する一方で、受託開発や保守運用を担う「従来型IT人材」は、9万7,000人余る可能性があると考えられています。先端IT人材とは、データサイエンスやAI、機械学習、IoTなどの最先端技術を習得して、第4次産業革命に対応できる人材といわれています。最先端技術の習得は容易ではありませんが、将来的に需要が非常に高い技術であることを念頭に置き、少しずつ知識を吸収することで、長くフリーランスとして求められる人材になれるでしょう。未経験でもフリーランスのフロントエンドエンジニアになれる?企業は、短期間でかつ少ないリソースで効率よく仕事をこなすために、即戦力となるフリーランスに仕事を依頼します。特にフロントエンドエンジニアは高い専門知識が求められるため、業務経験が乏しいうちにフリーランスとして独立するのは難しいでしょう。未経験でフリーランスのフロントエンドエンジニアを目指す場合は、実務経験を積めるスクールなどに通いつつ、クラウドソーシングサイトなどを活用して副業案件を獲得しましょう。ある程度、収入の目処が立った際に独立することがおすすめです。また、フロントエンドエンジニアの需要は高いものの、専門的な知識が求められるため、常に新しい技術情報のキャッチアップや研鑽が必要となります。自ら学習し続ける意欲の高い人であれば、フリーランスのフロントエンドエンジニアとして長く活躍できるでしょう。フリーランスのフロントエンドエンジニア案件を探す方法フリーランスのフロントエンドエンジニアの案件の探し方を紹介します。経験が浅い人から、より高単価を目指す人まで多様なチャネルがあるので、案件探しの参考にしてみてください。クラウドソーシングサイトを活用するクラウドソーシングとは、企業や個人がインターネット上で不特定多数のフリーランスに向けて業務を委託できるオンラインプラットフォームです。初心者向けの短期プロジェクトや簡単な作業から、中長期のプロジェクト案件まで、幅広い種類の仕事が掲載されており、初心者も応募しやすい案件が多く揃います。また、ユーザー登録にスキル審査などがないケースが一般的なため、登録後すぐに案件を探すことができ、受注までがスムーズに進むメリットもあります。支払い保証やトラブル対応などのサポートも充実しているため、初心者でも安心して仕事を見つけられるでしょう。▼関連記事:おすすめのクラウドソーシングを総まとめ!案件マッチングサイトを活用する案件マッチングサイトは、企業とスキルの高い求職者を直接結びつけるプラットフォームです。特に経験やスキルの豊富な人が対象で、クラウドソーシングサイトと比べて比べて高額な案件が多い点が特徴です。スポット案件から、中長期にわたるプロジェクト案件まで、幅広い案件が掲載されているほか、オンラインで完結する案件が多く揃います。スキルを活かして効率よく稼ぎたいフリーランスはもちろん、平日の夜や週末などの空き時間に副業から始めたいと考えている会社員にもおすすめです。▼関連記事:フリーランス向け案件マッチングサービスのおすすめ14選〜利用者の声もご紹介〜▼関連記事:フリーランスエンジニア向け案件サイト10選!案件獲得のコツも紹介エージェントを活用するエージェントと聞くと「正社員転職」をイメージしがちですが、フリーランス向けにスキルや実績に応じた仕事を紹介するエージェントもあります。高単価で長期案件が多いほか、交渉や契約手続きを一任できるため、自分で行う手間を省けます。また、エージェントはフリーランスの多い業界・職種、法律に精通しているため、仕事探しやキャリアアップ、トラブルの相談にも対応してくれます。特定の職種に強みのあるエージェントもあるため、自分の職種や希望する業界に強いエージェントを選ぶとよいでしょう。▼関連記事:フリーランスにおすすめのエージェント21選!案件を獲得するための強い味方▼関連記事:フリーランスエージェントおすすめ11選!エンジニア案件に特化したサポートも紹介フリーランスのフロントエンドエンジニアに関するよくある質問最後に、フロントエンドエンジニアとして独立する際に押さえておきたいポイントを2つ、Q&A方式で解説します。フリーランスとして働くことは、実務はもちろん、契約周りやキャリアアップなどすべての責任を自分で負うことになります。独立前にしっかり把握して準備に臨みましょう。フリーランスのフロントエンドエンジニアになるために必要な手続きは?フリーランスのフロントエンドエンジニアになるためには、以下の流れに沿って手続きを行う必要があります。①開業届の提出事業を開始してから1ヶ月以内に、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出して個人事業主として登録する②青色申告承認申請書の提出節税のために青色申告を選択する場合は、開業から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出する③各種保険の加入手続き会社を退職してから14日以内に、国民健康保険や国民年金の加入手続きを行う④確定申告の準備経費や収入を管理し、確定申告を行うための準備を整える法律上では開業届の提出は義務化されていますが、開業届を提出しなくても直接的な罰則はありません。しかし、開業届を出さないことで、大きな節税効果が見込める青色申告ができなくなるほか、事業を行っている証明が難しくなるなど、さまざまなデメリットが生じます。独立後は各種保険の手続きもあわせて、期限内に忘れず手続きを行いましょう。また、手続き周りではありませんが、収入と支出の管理を容易にするため、事業用の事業用銀行口座やクレジットカードを作成するのもおすすめです。加えて、案件に応募する準備として、Webサイトやポートフォリオの作成も進めましょう。フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの違いは?どちらがいい?フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアは担当領域が大きく異なります。フロントエンドエンジニアは、ユーザーが操作する部分を担うため、デザインや視覚的な体験に興味がある人、ユーザーの視点に立って柔軟に工夫できる人が向いているといわれています。一方で、バックエンドエンジニアは、PythonやRuby、PHPなどを使ってデータベースやサーバーなどのWebサイトの裏側を担当します。問題解決能力が高く、システムのパフォーマンスや安定性を保つために細かい部分にまで気を配れる人が向いているといわれています。フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアいずれも重要な役割を担います。自分の興味や得意分野に合わせて選ぶとよいでしょう。▼関連記事:バックエンドエンジニアとは?仕事内容・年収・キャリアパスを徹底解説フリーランスのフロントエンドエンジニア案件探しにはSOKUDANがおすすめフロントエンドエンジニアの案件探しには、「SOKUDAN」の利用がおすすめです。SOKUDANは、フリーランス・副業向けの案件マッチングサイトで、大手企業からスタートアップまで、幅広い企業の案件を掲載しています。【SOKUDANの魅力】リモート案件率92%平均時給4,500円週1日〜フルタイムまで幅広い案件を保有SOKUDANに掲載されている案件のうち92%がリモート可能です。週1日から稼働できる案件や、フルタイム勤務の案件まで幅広くあるので、自分のワークスタイルやリソースの空き具合にあった案件を見つけられるでしょう。また、案件の平均単価が4,500円と高単価なので、収入アップを目指しやすい点も特徴です。フロントエンドエンジニアのフリーランス案件をお探しの方は、ぜひSOKUDANに登録してみてください。▼SOKUDANのフロントエンドエンジニアのフリーランス案件一覧まとめWebサイトやアプリのUI構築に関わるフロントエンドエンジニアは、フリーランスとして需要の高い職種です。フリーランスとして独立できれば、会社員よりも年収アップが見込めるほか、多様な開発案件に携わることができるため、知識や経験を広げることができるでしょう。長くフリーランスのフロントエンドエンジニアとして活躍するためには、HTML/CSSなどの基本となるスキルをはじめ、JavaScriptやTypeScriptなどの需要の高い言語の活用スキルが必要不可欠です。さらには、キャリアアップも目指してデータサイエンスやAIなどの最先端技術を習得することで、より企業から求められる人材となれるでしょう。フロントエンドエンジニアは、新しい言語の習得やユーザーに寄り添った構築など、日々研鑽が必要ですが、フリーランスとして広く活躍できる職種です。気になった方はぜひSOKUDANの案件もチェックしてみてくださいね。