育休(育児休業)とは、出産後に育児へ専念するため、一定期間仕事を休める制度です。育児休業給付金の支給や社会保険料の免除など、金銭的な支援を受けられる点が特徴です。一方で、手取り収入の減少やキャリアの中断に不安を感じ、収入補填やスキル維持を目的に副業を検討する人も少なくありません。この記事では、育休中に副業をしても問題ないのかという基本的な考え方を整理したうえで、給付金への影響や会社に知られるリスクについて解説します。あわせて、育休中でも取り組みやすい在宅副業も紹介するので、ぜひ参考にしてください。育休中に副業はできる?育休中の副業は法律で禁止されていないため、法的には問題ありません。ただし、企業によっては副業を認めていない場合があります。就業規則で副業禁止とされているにもかかわらず行った場合、懲戒処分の対象となる可能性もあります。トラブルを避けるためにも、事前に勤務先の就業規則を確認しておくことが重要です。【前提】育休の定義・役割大前提として、育休は子どもを育てるための制度であり、休業中は育児に専念することが原則です。厚生労働省も、育児休業は「労務提供義務を免除する制度」であり、休業期間中の就労は想定されていないと示しています。育児・介護休業法上の育児休業は、子の養育を行うために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる制度であり、休業期間中に就労することは想定されていません。▼引用:育児休業中の就労について|厚生労働省そのため、副業に取り組む場合は、基本的な育休の趣旨を理解したうえで、育児の合間など、子育てに支障が出ない範囲にとどめる必要があります。育休の目的を踏まえた慎重な判断が欠かせません。▼参考:育児休業|育児休業制度特設サイト|厚生労働省育休中の副業と育児休業給付金の関係育休中に副業を検討する際、特に気になるのが育児休業給付金への影響です。副業の内容や働き方によっては、給付金の支給要件に関わる可能性があります。ここでは、育児休業給付金の基本的な考え方と、事前に押さえておきたい注意点を解説します。育児休業給付金とは?育児休業給付金とは、育児休業を取得した労働者に対して、雇用保険から支給される給付金です。育休中の収入減を補い、安心して育児に専念できるよう設けられています。主な支給要件は次の通りです。1歳未満の子を養育するために育児休業を取得している被保険者であること休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(または80時間以上)の月が12か月以上あること1支給単位期間中の就業日数が10日以内(超える場合は就業時間が80時間以内)であること上記の支給要件を満たす場合、休業前賃金の67%(育休開始から6か月経過後は50%)が支給されます。副業を検討する前に、まずは育児休業給付金の基本ルールを理解しておくことが重要です。▼参考:育児休業等給付の内容と支給申請手続|厚生労働省勤務先で働く場合育休中に勤務先で働く場合でも、育児休業給付金の支給要件を満たしていれば給付は受けられます。具体的な基準は、1か月あたり就業日数10日以下、または就業時間80時間以下です。これを超えると、その月の育児休業給付金は支給されません。ただし注意したいのが、厚生労働省が示している「労使の話し合いにより、子の養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的に就労できる」という考え方です。あらかじめ稼働日数や時間を固定し、毎月10日以下・80時間以下で計画的に働く場合は、「一時的・臨時的」とはみなされず、原則NGとされる可能性があります。さらに、勤務先での就労収入が育休前の賃金月額の8割を超えると、超過分に応じて育児休業給付金は減額されます。具体的には、「休業開始時賃金日額×支給日数×80%」を上回った分だけ、給付金が調整される仕組みです。育休中に勤務先で働く場合は、日数・時間だけでなく、働き方の性質や収入額にも十分注意する必要があります。▼参考:育児休業中の就労について|厚生労働省▼参考:育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について|厚生労働省副業(業務委託・在宅ワーク)で収入を得る場合育休中に副業で収入を得ても、原則として育児休業給付金には影響しません。給付金の支給要件における「就労」は、あくまで育休を取得している勤務先での労働を指すためです。そのため、他社での業務委託や在宅ワークなどの副業は、育休中の就業制限の対象外と判断できます。ただし、育休や育児休業給付金は「育児に専念するための制度」である点は忘れてはいけません。副業に時間を割きすぎて育児がおろそかになるような働き方は、制度の趣旨に反する可能性があるため、注意しましょう。それでも給付金の減額対象にならず、働く時間を調整しやすい点から、育児に支障が出ない範囲で行う副業は、現実的な選択肢といえます。育休中の副業で所得が発生した場合は税金の申告が必要育休中に副業で所得が発生した場合、内容に応じて税金の申告が必要です。年間20万円を超える場合:確定申告副業の所得が年間20万円を超える場合は、所得税を確定するために確定申告を行わなければなりません。ここでいう所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額を指します。例)副業収入が年間30万円、通信費や交通費などの経費が5万円かかった場合30万円 − 5万円 = 所得25万円上記のケースでは所得が20万円を超えているため、確定申告が必要になります。▼関連記事:副業で確定申告が必要なケース|やり方・手順や注意点を紹介年間20万円以下の場合:住民税の申告一方で、住民税の申告には、年間所得のボーダーラインは設けられていません。そのため、副業の年間所得が1万円であっても、原則として住民税の申告が必要です。住民税の申告は、居住している自治体の申告書を入手し、必要事項を記入して提出します。なお、確定申告を行っている場合は、税務署から自治体へ情報が共有されるため、別途住民税の申告を行う必要はありません。▼関連記事:副業所得20万円以下で必要な手続きは?申告忘れのリスクやインボイスへの影響育休中の副業が勤務先にバレない方法確定申告で育休中の副業所得を申告すると、本業と副業の所得が合算され、その結果に基づいた住民税額が確定します。この住民税額は、通常、本業の勤務先に通知されます。副業によって所得が増えると住民税も増加するため、勤務先の経理担当者が税額の変化に気づき、副業の存在を推測される可能性があります。そのため、育休中の副業を勤務先に知られたくない場合は、確定申告時に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択しましょう。普通徴収を選べば、副業分の住民税は自分で納付するため、勤務先に副業分が合算された住民税額は通知されません。なお、「確定申告をしなければそもそもバレないのでは?」と考える人もいますが、副業の年間所得に応じて確定申告は義務です。申告を怠ると、延滞税や重加算税などのペナルティが科される可能性があるため、確定申告は必ず行いましょう。▼関連記事:副業が会社にバレないための対策!バレる原因と確定申告のやり方を解説育休中の副業の社会保険料への影響育休中に副業をしても、健康保険料や厚生年金保険料の免除には影響しません。社会保険料の免除要件は「育休を取得していること」であり、副業の有無は関係ないためです。免除期間は、育休開始月から、育休終了日の翌日が含まれる月の前月までと定められています。例えば、4月15日から12月15日まで育休を取得した場合、4月分から11月分までの社会保険料が免除されます。育休中に在宅でできるおすすめの副業ここからは、育休中でも在宅で取り組みやすい副業を紹介します。ライフスタイルやスキルに合った副業を見つけるための参考にしてみてください。データ入力データ入力は、顧客情報や商品情報、アンケート結果、手書き資料などを、指定されたフォーマットに正確に入力する仕事です。基本的なPC操作やタイピングができれば始めやすく、作業ペースを自分で調整しながら黙々と進められる点から、在宅副業として人気があります。アンケートモニターアンケートモニターは、商品やサービスの利用感想、消費者意識などについて、企業や調査機関が実施するアンケートに回答して報酬を得る仕事です。多くはスマホやPCから自宅で回答でき、報酬相場は1件あたり数十円〜数百円程度と手軽なのが特徴です。時間や場所を選ばずに取り組めるため、育休中の副業としても人気があります。内職(シール貼り・組み立てなど)シール貼りや組み立てなどの内職は、手作業が中心で、自宅でスキマ時間に取り組めるのが特徴です。簡単な作業が多く、経験や特別なスキルを必要としない点も魅力といえます。代表的な仕事内容は以下の通りです。シール貼り:化粧品や家電、文房具などの製品・パッケージにシールやラベルを貼る組み立て作業:アクセサリーや雑貨、玩具などのパーツを組み立てて完成品を作る封入・封緘作業:チラシやカタログを折り、封入・封緘する検品作業:商品に汚れや傷、破損がないかを確認する単純作業をコツコツ進めるのが得意な人や、育児の合間に少しずつ働きたい人に向いている副業です。Webライティング・編集Webライティングと編集は、Web上に掲載するコンテンツを制作する仕事です。コラムやニュース、インタビュー記事など、扱うジャンルは幅広いです。Webライティングでは、特定のテーマについて情報収集を行い、読者の関心を引く原稿を執筆します。一方、編集はコンテンツの企画立案に加え、原稿のチェックや修正、進行管理などを担います。検索エンジンで上位表示を狙うために、SEO(検索エンジン最適化)を意識したコンテンツ設計が求められる点が特徴です。カスタマーサクセス・カスタマーサポートカスタマーサポートは、顧客からの問い合わせに対応し、商品やサービスをスムーズに利用できるよう支援する仕事です。一方、カスタマーサクセスは、導入後の顧客が成果を出せるよう、継続的に伴走する役割を担います。いずれも顧客とのコミュニケーションが中心ですが、営業が契約前の提案を担うのに対し、カスタマーサポート・カスタマーサクセスは契約後のフォローを通じて関係性を深める点が大きな違いです。テレアポテレアポ(テレフォンアポインター)は、見込み顧客に電話で商品やサービスを紹介し、商談やアポイントにつなげる仕事です。用意された顧客リストをもとに架電し、相手の興味関心に合わせて会話のトーンや内容を調整します。アポイント獲得後の商談は、営業担当へ引き継ぐのが一般的です。特別な資格が不要で、シフト調整がしやすく、リモート対応可能な案件も多いため、副業として選ばれやすい職種です。ハンドメイドハンドメイドは、アクセサリーや小物、アート、インテリア雑貨など、自作した作品を販売して収入を得る仕事です。デザインの考案から材料の仕入れ、制作、オンライン販売、発送までを一貫して行います。趣味や得意分野を活かしながら、自分のペースで取り組める点が特徴です。ものづくりやクリエイティブな活動が好きな人に向いている副業といえるでしょう。せどりせどりは、安く仕入れた商品を高く販売し、その差額で利益を得る仕事です。需要のある商品や利益が出やすい価格帯をリサーチし、安く仕入れられる仕入れ先を見つけることが重要になります。商品・市場リサーチや仕入れ作業はオンラインで完結するものも多く、時間や場所に縛られにくい点が特徴です。空き時間を活用して効率よく稼ぎたい人や、ネットショッピングが好きな人に向いている副業といえるでしょう。▼関連記事:【簡単診断】おすすめの副業30選!安全に自分に合う副業を見つけよう育休中の副業に関するよくある質問最後に、育休中に副業を行う際に押さえておきたいポイントを整理します。特に、勤務先に副業が知られる可能性に焦点を当てて解説するので、トラブルを避けながら副業に取り組むためにも、事前にしっかり確認しておきましょう。給料手渡しの副業だと会社にバレない?給料が手渡しの副業でも、会社にバレる可能性はあります。主な理由は次の2点です。①給与支払報告書による住民税の反映副業が給与所得の場合、支払事業者は法律により「給与支払報告書」を、従業員が1月1日時点で居住する自治体へ提出します。手渡しかどうかに関係なく、この情報は住民税に反映され、結果として勤務先に通知される可能性があります。②確定申告による住民税額の変化副業の年間所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。住民税は前年の総所得を基に算出され、原則として勤務先の給与から天引きされます。そのため、副業収入があると住民税額が増え、勤務先に副業の存在を察知される可能性があります。給料が手渡しであっても安心とはいえないため、税務上の仕組みを理解したうえで対応することが重要です。副業NGの会社で育休中の副業がバレたらどうなる?副業禁止の会社で、育休中の副業が発覚した場合は注意が必要です。勤務先が副業を禁止しているにもかかわらず副業を行い、それが知られた場合は就業規則違反となります。会社の判断次第では、懲戒処分の対象となり、場合によっては懲戒解雇に発展する可能性も否定できません。こうしたトラブルを避けるためにも、事前に就業規則を確認し、副業が認められているかを把握したうえで、必要であれば勤務先に申請・相談してから副業を始めることが重要です。育休中の副業を探すなら「SOKUDAN」がおすすめ育休中の副業案件を探すなら、「SOKUDAN(ソクダン)」の活用がおすすめです。SOKUDANは、フリーランス・副業人材と企業をつなぐ案件マッチングサイトで、柔軟な働き方ができる案件を多く取り扱っています。SOKUDANの主な特徴週1日〜稼働OKの案件が豊富リモート案件率92%平均時給4,500円の高単価SOKUDANでは、週1日から無理なく始められ、在宅で取り組める案件も多いため、育休中のスキマ時間を活かしやすいのが魅力です。短時間でも収入を確保しやすいため、育休中の副業探しの1つの手段として、ぜひ活用してみてください。育休中の副業は慎重に判断すれば選択肢になり得る育休中の副業は、制度の仕組みや勤務先のルールを正しく理解することが重要です。就業規則に問題がなく、給付金への影響も把握でき、育児との両立が現実的であれば、副業が選択肢になるケースもあるでしょう。スキルアップや復職後のキャリア形成につながる内容であれば、育休期間を有効に活用できます。一方で、育休は本来、子どもを育てるための制度であり、育児に専念することが原則です。育休期間は、子どもと向き合う時間を集中的に確保できる貴重な時期でもあります。そのため、副業に時間や意識を取られすぎないよう、「何を優先すべき期間なのか」を改めて考えることが大切です。育児とのバランスを見極めながら、無理のない範囲で検討していきましょう。