Webデザイナーにとって、ポートフォリオは自分の培ってきたスキルや得意ジャンルをアピールする重要な資料です。ポートフォリオの出来栄えが採用や案件獲得に直結するため、ポイントを押さえて作成する必要があります。この記事では、駆け出しのWebデザイナーでも効果的なポートフォリオを作るためのポイントや、実際のポートフォリオの事例、おすすめの作成ツールなどを紹介します。これからWebデザイナーを目指す人や、ポートフォリオの作り方を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。Webデザイナーのポートフォリオの作り方Webデザイナーにとって、ポートフォリオは名刺以上に重要な存在です。クライアントや採用担当者に「この人にお願いしたい」と思ってもらうためには、単に作品を並べるだけでなく、見せ方にも工夫が必要です。ここでは、ポートフォリオを作る際の基本となる5つの手順を紹介します。ポートフォリオの方向性を決めるポートフォリオのデザインは、自分自身の第一印象にも直結します。そのため、自分らしさや自分のWebデザイナーとしての強みが伝わるよう、以下のように方向性を定めることが大切です。ミニマルデザインが得意な場合:シンプルで洗練されたデザインの作品を中心に掲載するイラストを活かしたデザインが得意な場合:イラストを活用したサイトやバナーを多めに掲載する方向性を決めることで、サイトの色味やデザインが定まります。また、応募企業の特徴や自分の得意ジャンルなどにあわせて、ポートフォリオの方向性を決めることも大切です。掲載する作品を決めるポートフォリオの方向性を決めたら、次に掲載する作品を決めます。ただし、これまで作成した作品を何でも載せればよいわけではありません。質の高い作品を厳選し、見せ方を工夫することが大切です。また、同じようなデザインの作品ばかりだと、スキルの幅が伝わりにくくなります。応募する企業のテイストに合わせつつ、LPやコーポレートサイト、ECサイトなど、異なるジャンルの作品を掲載すると、多様なデザインスキルをアピールできます。例えば、企業のインハウスデザイナーを目指す場合は、UI/UXデザインやコーポレートサイトの制作実績を中心にし、論理的なデザインプロセスを説明するとよいでしょう。広告やマーケティング分野のデザイナーを目指す場合は、バナー広告やLPの制作実績を充実させ、コンバージョン向上に貢献できるデザイン力をアピールするのがポイントです。作品の概要説明を書く作品を掲載する際は、画像とともに説明を加えることが重要です。制作の目的や期間、担当した範囲、デザインのコンセプトなどを記載して、ひと目で概要が分かるように心がけましょう。制作目的「このデザインはどのような課題を解決するために作られたのか」を簡潔に説明すると、作品の意図が伝わりやすくなります。例えば、「〇〇会社のサービス認知を向上させるために、視覚的に分かりやすいUIを設計した」といったように、デザインの目的を明示するとよいでしょう。制作期間作品ごとにどれくらい時間をかけて制作したかを記載しましょう。制作期間は、どのくらいのスピード感で作業を進められるかを企業が判断できる材料となります。日頃から、自分が1作品どのくらいで制作しているか把握しておくことも大切です。制作範囲作品の中で、自分が制作に携わった範囲も記載します。ワイヤーフレームの設計や、デザイン案の作成から関わったのかなど、作品ごとに何をどこまで担当したのか分かるように記載しましょう。なお、FigmaやAdobe XD、Photoshopなどのデザインに利用したツールや、制作過程の記載があると、具体的な業務イメージがつきやすいでしょう。こだわったポイント色使いやフォント選定の理由、レイアウトの工夫など、デザインの意図を明確にすると、作品の価値が伝わります。「ユーザーの視線を誘導するために〇〇を強調した」「ブランドの世界観を表現するために〇〇な配色を採用した」といったように、デザインの裏側を説明しましょう。作品を見てもらうだけでは伝わらないこだわりを、分かりやすく文章で伝えることが大切です。プロフィールを作成するポートフォリオには、自分自身の情報も掲載しましょう。プロフィールページに詳細なバックグラウンドを記載することで、「この人にぜひお願いしたい」と思われる可能性が高くなります。【掲載項目】名前顔写真生年月日学歴・職歴保有資格使用できるツール自己PR(一言メッセージ)自己PRでは、Webデザイナーとしてのこだわりや、仕事で大切にしている考え方など、自分らしさをアピールしましょう。また、顔写真があると、クライアントがどんな人と仕事をするのかイメージが湧きやすくなります。顔出しに抵抗がある場合は、似顔絵を掲載するのもおすすめです。コンタクトページを作成するポートフォリオは、採用面接の資料だけで使うものではありません。インターネット上で公開していれば、作品を見つけて「この人に仕事を依頼したい」と考える人もいるでしょう。仕事のチャンスを逃さないためにも、ポートフォリオサイトには連絡を取れるコンタクトページを作る必要があります。コンタクトページは、ただメールアドレスを記載するのではなく、Googleフォームなどの問い合わせフォームやSNSのリンクを埋め込みましょう。ユーザーの手間を省き、気軽にコンタクトを取ってもらいやすくなります。公開後も随時更新するポートフォリオは一度作ったら終わりではありません。新しい案件や自主制作の作品ができたら、積極的に追加し、最新のスキルや実績をアピールしましょう。定期的に更新することで、ポートフォリオの鮮度を保てます。また、時間が経つと、デザインのトレンドが変わることもあります。定期的に見直しを行い、必要に応じてポートフォリオのレイアウトや構成を改善しましょう。ポートフォリオに正解や完成はないため、随時更新してよりよいポートフォリオサイトを作り上げることが大切です。未経験・駆け出しのWebデザイナーはポートフォリオをどう作ったらよい?未経験や経験の浅いWebデザイナーは、「載せる作品がない」と悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、未経験でも工夫次第で質の高いポートフォリオを作れます。ここでは、未経験でも質の高いポートフォリオを作る方法を紹介します。架空のプロジェクトを作る実際のクライアントワークを想定して、架空のプロジェクトを作成します。例えば、「新しいカフェのWebサイト」や「地域イベントの告知ページ」など、ターゲットやコンセプトを明確にして、自分で企画・デザインをしましょう。スクールの課題や自主制作の作品を掲載するWebデザインスクールに通っている人や独学で学んでいる人は、学習過程で制作した作品を活用するのもおすすめです。スクールで作成した作品はそのまま掲載するのではなく、細部までこだわって仕上げ直しましょう。例えば、色のバランスを整えたり、余白を意識したりするだけでも、デザインの質が向上し、より完成度の高いポートフォリオになります。そのほか、学習過程を見せるのも効果的でしょう。学び始めた当時から学習を重ねた今まで、どのようにスキルが伸びたかプロセスを見せると、思考や成長の過程が伝わりやすくなります。既存のサイトをリデザインするインターネット上にある古いデザインのWebサイトを、自分なりにリデザインしてみることで、スキルを磨きながらポートフォリオに作品を追加できます。リデザインするサイトを選ぶ際は、「情報が分かりにくい」「レイアウトが古い」など、具体的な改善点を見つけましょう。また、リデザインの意図が伝わるように、元のデザインと比べながら課題と解決策を分かりやすく提示するのもポイントです。友人・知人の仕事を手伝う知人や友人の事業やプロジェクトを手伝うことで、実際のクライアントワークに近い経験を積めます。例えば、「知人のカフェのWebサイトを作る」「友人のYouTubeチャンネルのサムネイルをデザインする」といった形で、リアルな案件に取り組めます。また、実際に誰かの依頼を受けて制作を行うことで、クライアントとのやり取りの練習にもなります。要望をヒアリングし、それに応じたデザインを提案する経験を積むことで、実務にスムーズに移行しやすくなります。最初は無料で手伝うこともあるかもしれませんが、実際に作ったデザインが世に出ることで、ポートフォリオとしての価値が高まります。さらに、依頼主が満足すれば口コミで仕事につながることもあります。未経験・駆け出しのWebデザイナーがポートフォリオを作る時のポイント未経験や経験の浅いWebデザイナーの場合、作品を並べるだけでは、実務経験のあるデザイナーと比べて印象が薄くなります。ここでは、駆け出しのWebデザイナーがポートフォリオを作る際に意識すべきポイントを紹介します。作品数よりも質を重視するポートフォリオに掲載する作品は、数よりも質を優先することが大切です。経験が豊富なWebデザイナーは10~15作品ほどを掲載するのが一般的ですが、未経験の場合は無理に数を揃える必要はありません。特に駆け出しのうちは、掲載する数を増やそうとしてクオリティの低い作品を含めてしまいがちです。しかし、完成度の低い作品を掲載すると、デザインスキルが十分でない印象を与えてしまう可能性があります。数が少なくても、1つ1つの作品を丁寧に仕上げることで、質の高さを伝えられます。見てほしい作品を前半に入れる企業の採用担当者やクライアントは、ポートフォリオの作品全てをじっくり見るとは限りません。特に多くのWebデザイナーのポートフォリオをチェックする場合は、最初の数作品で興味を持てるかどうかが決まりやすい傾向にあります。そのため、最も自信のある作品を前半に配置することが大切です。意図や考え方を明確にするポートフォリオには、作品を掲載するだけでなく、「なぜこのデザインにしたのか」を説明することで、考え方やスキルを伝えやすくなります。例えば、ターゲットユーザーやクライアントの要望に対してどのように応えたのか、どのような工夫をしたのかを記載すると、単なる見た目のよさだけでなく、思考力や課題解決力を伝えられます。その際、ワイヤーフレームやデザインカンプも掲載すると、よりプロセスが伝わりやすくなるでしょう。ポートフォリオのデザインにも力を入れるポートフォリオ自体も、作品の1つとして捉え、見やすく魅力的にデザインしましょう。ポートフォリオが雑然としていると、作品のよさが十分に伝わりません。作品を引き立てる、または調和するようなデザインにすると、洗練された印象を与えられるでしょう。また、見ている人の立場に立ち、操作しやすいよう意識することも大切です。ナビゲーションを分かりやすくし、スマートフォンでも快適に閲覧できるようにすると、ユーザビリティの高さをアピールできます。プロフィールを丁寧に記載する未経験者はスキルや経験の証明が難しいため、プロフィールをしっかり書いて補完することが大切です。Webデザイナーを志した背景や、デザインに興味を持った出来事、今後の目標などのように、人となりが分かるようなことを記載すると、ほかのWebデザイナーとの差別化につながります。そのほか、Adobe PhotoshopやFigmaなど、学んだスキルやツールも明記することで、実務に活かせるスキルを持っていることをアピールできます。SNS・ブログを活用するポートフォリオに加えて、SNSやブログを活用することで、継続的に作品を発信できるため、採用担当者やクライアントの目に留まりやすくなります。近年はSNS経由で仕事を受注する機会も増えているため、制作したデザインや学んだことはSNSで積極的に発信するとよいでしょう。また、同じ分野のWebデザイナーとつながるきっかけにもなり、モチベーションの向上にもつながります。ブログでは、デザインの勉強方法や制作過程、使用ツールの解説などを書けば、ポートフォリオだけでは伝えきれない知識や熱意をアピールできます。文章力をアピールできれば、Web制作の仕事の幅が広がる可能性もあります。また、掲載する作品をアップデートしていなくても、ブログをこまめに更新することで現在も活動していることをアピールできます。SOKUDANで活躍するフリーランスWebデザイナーのポートフォリオここでは、SOKUDAN Magazineで活躍するフリーランスWebデザイナーTさんのポートフォリオを紹介します。自分の強みを生かしたポートフォリオで、クライアントからも高い評価を得ているそうです。視認性の高いレイアウトやブランディングを意識したデザイン、実績の見せ方など、学べるポイントは多いため、詳しく見てみましょう。ポートフォリオのポイントを教えてくださいモダンアートやポップなテイストなど、トレンディーなデザインが好きで、ファッションやエンターテイメント業界向けのデザインを得意としています。また、イラストを活かしてオリジナリティを出せることが強みなため、自分の強みを強調しつつ、シンプルで見やすいデザインになるよう心がけました。ポートフォリオの上部に掲載しているハートは、私自身を描いています。ピアスや八重歯、厚底シューズなどで特徴を表しました。「ハート=心」「花=皆を魅了する」という意味を込めて、どんなプロジェクトにも情熱と魅力を与えるデザインを提供したい、というメッセージを伝えています。これまで、印刷物とWebの両方でデザイン経験を積み重ねてきました。ポップなデザインだけでなく、アイソメトリックイラストやピクトグラムの制作や、ビジネス向けのデザインにも対応できるため、ポートフォリオには幅広いジャンルの作品を掲載して多様なスキルをアピールしています。また、どのように問題を解決したかも簡潔に伝えて、デザインの意図やビジネスへの効果なども伝わるよう意識しています。そのほか、自己紹介ページで自分の強みと連絡方法を明確に記載して、興味を持ってくれたクライアントがスムーズにアクションできるようにしました。これまでポートフォリオを見たクライアントからは、デザインのクオリティや表現力、レイアウト、配色のセンスについて「バランスが取れていて見やすい」「色使いが魅力的」などと評価されています。未経験・駆け出しのころはどうやってポートフォリオを作っていましたか?フリーランスになる前は、ファッション雑誌の出版社を目指して就職活動をしていました。その際は、架空のファッション雑誌を10ページほど制作して、ポートフォリオに掲載していました。駆け出しの頃は、自分の個性やスキルや実績を分かりやすく伝えられるよう、デザインの構成やレイアウトに特にこだわりました。グリッドシステムを使ってバランスを取り、タイポグラフィや余白にも気を使いながら、視覚的に分かりやすくすることを意識していました。また、重要な情報を目立たせるために、シンプルで効果的な配置となるよう心がけていました。利用したことのあるポートフォリオ作成サービスを教えてくださいポートフォリオ作成サービスは、駆け出しの頃にBehanceを使用し、いまはStudioを使っています。Studioを選んだ理由は、ノーコードでイメージしたデザインを簡単に作成できるからです。デザインから実装までスムーズに進められ、コードに関する専門知識がなくても、自分のアイデアをそのまま形にできるところが魅力でした。もちろん、モバイル対応のレスポンシブデザインにも対応済みです。ちなみに、全てリモートワークで仕事を行っているので、紙のポートフォリオは作ったことがありません。ポートフォリオは定期的に更新し、最新の状態を保つよう心がけています。今後も改善を重ね、より魅力的なものにしていきたいと考えています。未経験・駆け出しWebデザイナーが参考にしたいシンプルなポートフォリオ実例上記のTさんの実体験からも分かるように、未経験・駆け出しでもポートフォリオの作り方を工夫すれば、自分のスキルやデザインセンスを十分にアピールできます。学習中の作品やコンテストへの応募作品なども、工夫すれば十分にアピール材料になります。ここでは、駆け出しのWebデザイナーが参考にしたいポートフォリオの実例を紹介します。Sachiko OgataSachiko Ogataさんのポートフォリオサイトは、白を基調としたクリーンなレイアウトで、無駄のないデザインが印象的です。全体的に落ち着いた雰囲気ながら、さりげなくパステルカラーを取り入れ、優しい印象を演出しています。また、シンプルで直感的に操作できるほか、作品一覧もスムーズに閲覧できるように配置されており、ユーザーのストレスを感じさせない設計も特徴です。スクール時代の作品を中心に多様な作品を掲載することで、幅広い対応力をアピールしています。フクイジュリフクイジュリさんのポートフォリオサイトは、ナチュラルで温かみのあるデザインが特徴で、落ち着いたトーンのなかにも個性が光ります。文字数を抑えたシンプルなスタイルを意識しつつ、随所に手書き風の文字やイラストがちりばめることで、得意なテイストや人柄が伝わるポートフォリオになっています。イラストをスクロールで流すことで、多くのイラストのイメージもひと目で伝わり、見ている人を飽きさせない作りです。作品の紹介ページでは、ターゲットや課題をはじめ、制作の目的やデザインプロセスなどを丁寧に記載している点も魅力です。Yuka KannoYuka Kannnoさんのポートフォリオサイトは、アニメーションを駆使したクリエイティブなデザインです。大胆なレイアウトとスクロールに応じた視差効果を活用することで、見る人に大きなインパクトを与えています。作品紹介のページでは、写真とグラフィックデザインを組み合わせ、視覚的にも伝わりやすい工夫がされています。さらに、ターゲットや情報設計、デザインの経緯なども詳しく記載されている点も特徴です。Webデザイナーのおしゃれなポートフォリオ実例続いて、ポートフォリオを作る際に参考にしたい、おしゃれなポートフォリオの実例を紹介します。Webデザイナーとして第一線で活躍する、洗練されたポートフォリオからヒントを得てくださいね。UNDERLINEUNDERLINEは、フリーランスWebデザイナーとして活躍する徳田優一さんのポートフォリオサイトです。白で洗練されたデザインと徳田さんの顔写真、そしてWebデザイナーとしての思いが記載されたトップページは、シンプルながら印象に残るデザインとなっています。また、これまでの作品だけでなく、トップページにブログも掲載することで、パーソナルな部分も自然と伝わる設計も勉強になるでしょう。S5StudioS5Studioは、アートディレクター田渕将吾さんのポートフォリオサイトです。青を基調としたサイトには、全てアニメ―ションが設定されており、まるで海や異空間に入り込んだような没入感があります。自分の世界観を伝える面で、参考にしたいポートフォリオサイトといえるでしょう。MAKOTO HIRAO PORTFOLIOMAKOTO HIRAO PORTFOLIOは、Webデザインやコンサルティング事業を行う株式会社アルテガの主宰である平尾誠さんのポートフォリオサイトです。黒を背景にしたインパクトの大きいデザインと、トップページの操作性に特徴があります。スクロールをすると画面は縦ではなく横に動くデザインが印象に残るとともに、「Code is Design」の文字とこれまでの実績が大胆に視界に飛び込んできます。Mana’s Portfolio WebsiteMana’s Portfolio Websiteは、Webデザイナー界隈で有名なブログ「Webクリエイターボックス」を運営するManaさんのポートフォリオサイトです。英語ページも用意されており、海外からの受注も想定して作られています。サイトの雰囲気や語りかける文面など、まるでManaさんと直接対話しているような距離感を感じられるデザインとなっています。maima.memaima.meは、アートディレクター兼Webディレクションを行うMAI IMAKITAさんのポートフォリオサイトです。洗練されたミニマルなデザインと、遊び心のある要素が融合した、視覚的にも機能的にも魅力的な構成になっています。特に印象的なのは、サイトにアクセスした際のファーストビューのデザインです。視線を引きつけるよう作品を大きく配置し、テキスト量を適度に抑え、視覚的な情報がメインになっています。デザインそのものをしっかりと見せる工夫が見て取れます。hasegawahiroshi.jphasegawahiroshi.jpは、フリーランスでWebサイト制作を行っている長谷川寛さんのポートフォリオサイトです。黄色などのアクセントカラーが映える、シンプルかつ洗練されたデザインです。余計な装飾を省いたミニマルなレイアウトにより、作品そのものの魅力が際立つ構成になっています。また、ユーザーが迷わずサイト内を遷移できるよう、実績やサービス内容などを分かりやすく配置しているため、ポートフォリオ自体がUI・UXスキルを持つアピールとなっています。フクシマナオキWebデザイナーのフクシマナオキさんのポートフォリオサイトは、ファーストビューが名前のみと、ユーザーにインパクトを残すデザインです。余白を活かした構成ながら、単調にならずポップな印象を与え、遊び心のあるデザインとユニークなレイアウトが特徴的です。クリックすると、各作品の詳細がスムーズに表示され、快適に作品を閲覧できます。Webデザインにかける思いも掲載されており、仕事に対する真摯な人柄が伝わってきますね。佐藤タカアキアートディレクター兼WebWebデザイナー佐藤タカアキさんのポートフォリオサイトは、ファーストビューに自身のイラストを配置し、柔らかい印象を与えています。これまで担当した幅広い業界のデザインを掲載することで、対応力の高さをアピールしています。各作品ページでは、画像をふんだんに掲載しているほか、課題やデザインのポイントなどを詳しく解説しており、見ている人がイメージしやすいよう工夫が施されています。KATOSHUN.comKATOSHUN.comは、Webデザイナーの加藤俊司さんのポートフォリオサイトです。PCやタブレット、スマホそれぞれのデザインを掲載しているため、ひと目で把握でき、ユーザー目線に立ったポートフォリオサイトといえるでしょう。これまで担当した作品が1ページに収まるよう配置されており、クライアントや担当業務、そしてWebデザインにかける思いも綴られています。Kazuki Noda Portfolioビジュアルデザイナー兼アートディレクターとして活動するKazuki Nodaさんのポートフォリオサイトは、木漏れ日や霧が晴れるような演出や、カードを組み合わせたようなおしゃれなレイアウトなど、目を奪うデザインが特徴です。随所にホバー演出もかけることで、ついカーソルを合わせてみたくなるような工夫が施されています。フォントや配色など細部までセンスが光るポートフォリオサイトです。tashi designtashi designは、フリーランスのイラストレーター・デザイナーとして活動するたしさんのポートフォリオサイトです。トップページに大きく表示される手書き風のイラストが印象的で、サイト全体に温かみのある雰囲気を演出しています。作品はWebデザインだけでなく、グラフィックデザインやイラスト、アニメーションまで幅広く掲載されており、柔軟な対応能力をアピールしています。MOMOTAROMOMOTAROは、WebデザイナーのShotaro Momoiさんのポートフォリオサイトです。「桃太郎」というサイト名の通り、桃をモチーフにしたアートや色合いが特徴ではありますが、ノイズをかけた黒い背景や、太字のゴシック体をかけ合わせ、甘くなりすぎないデザインに仕上がっています。直感的に操作できる設計のうえ、スクロールやホバー時のエフェクトが滑らかで、ストレスなく操作できる点も大きな魅力です。BUROKI designBUROKI designは、Webデザイナーの黒木大輔さんのポートフォリオサイトです。多様な作品を掲載しているだけでなく、デザインに関するブログ記事をこまめに公開しているのが特徴です。専門性の高さのアピールにもつながるほか、積極的に情報発信することでSEOや集客効果も見込めるでしょう。さらに、お客様の声が記載されているため、仕事ぶりがイメージできるようになっています。Webデザイナーにおすすめのポートフォリオ作成サービスここからは、Webデザイナーのポートフォリオを作成できるサービスを紹介します。手軽に作れるものから、本格的にカスタマイズできるものまで、さまざまなサービスがあります。WordPress(ワードプレス)WordPress(ワードプレス)は、プログラミングの知識がなくても、簡単にWebサイトを設計できるサービスです。自由度が高く、オリジナリティのあるサイトを作れることから多くの人が利用しています。デザインから機能まで細かくカスタマイズできるため、ポートフォリオサイトそのものを作品としてアピールしたい人におすすめです。また、Webサイトの約4割がWordPressを使用したサイトであるため、WordPressを使用してサイトを作れることは、1つのスキルアピールポイントにもなります。BRIK PORTFOLIO(ブリック ポートフォリオ)BRIK PORTFOLIO(ブリックポートフォリオ)は、Webデザイナーをはじめとしたクリエイター向けのポートフォリオ作成サービスです。必要項目を入力し、掲載したい作品を選ぶだけで簡単に作成できるため、手軽に洗練されたデザインのポートフォリオを作りたい人にぴったりです。また、BRIK PORTFOLIOは、クリエィティブ業界向けの求人サイトBRIK JOBとも連動しています。ポートフォリオを見た企業からスカウトを受け取ったり、専門のキャリアカウンセラーに就職相談をしたりすることも可能です。Adobe Portfolio(アドビ ポートフォリオ)Adobe Portfolio(アドビポートフォリオ)は、PhotoShopやIllustratorなど、クリエイター向けの製品を多数提供しているAdobeが提供するポートフォリオ作成サービスです。作品をアップロードして配置やフォントを決めていくだけで、手軽にポートフォリオサイトを作成できます。Adobe CCの会員であれば、追加料金なしで利用可能です*。Adobe Portfolioでは、独自ドメインの設定やスマートフォン対応のサイトを作れるほか、背景を動画に設定することもできます。よりオリジナリティあふれるポートフォリオサイトを手軽に作りたい人におすすめです。*Adobe Portfolio個別の料金形態はなしNotion(ノーション)Notion(ノーション)は、クラウド型のドキュメントツールです。議事録やマニュアルの作成などで使用されていることが多いものの、実はポートフォリオの作成にもおすすめのサービスです。Notionを無料で使用する際は、サイトデザインのカスタマイズに制限があるため、基本的に白を基調としたシンプルなポートフォリオサイトになります。まだ方向性が決まっていないけれど、とりあえずポートフォリオサイトを作ってみたい人や、シンプルなデザインのサイトを作りたい人におすすめです。なお、SuperやWraptasのように、NotionをWebサイト化できるツールを使用することで、デザインの自由度が上がり、本格的なサイトを作成できます。Jimdo(ジンドゥー)Jimdo(ジンドゥー)は、簡単にホームページやポートフォリオサイトを作成できるサービスです。直感的にサイトを作成でき、テンプレートを活用すれば、デザイン知識がなくてもプロ仕様のサイトを作れます。手間をかけずに本格的なポートフォリオを作りたい人や、サイト構築の知識・スキルが浅い人におすすめです。無料プランがありますが、独自ドメインや広告非表示などは有料プランが必要です。Ameba Ownd(アメーバ オウンド)Ameba Owndは、シンプルでスタイリッシュなデザインテーマが用意されている無料のホームページ作成サービスです。ポートフォリオサイトの作成はもちろん、ブログの作成やSNSとの連携機能なども搭載されています。SEOにも強く、検索エンジンに評価されるポートフォリオサイトを作りやすい点が大きな魅力です。foriio(フォリオ)foriio(フォリオ)は、シンプルで使いやすいクリエイター向けのポートフォリオ作成サービスです。登録後、画像をアップロードするだけで簡単にポートフォリオを作成できます。シンプルな構成で、閲覧者に作品をストレートに伝えられるのが特徴です。画像のほか、動画やWebサイトのURL、音源、3DCGなど多様な作品を投稿できます。とにかく短時間で完成させたい人におすすめのサービスです。Canva(キャンバ)Canva(キャンバ)は、デザインに自信がない人でも簡単におしゃれなポートフォリオを作成できるサービスです。プロ仕様のテンプレートが多数用意されており、ドラッグ&ドロップで直感的に編集できます。PDFや画像としてダウンロードできるため、ポートフォリオを印刷する際にも便利です。デザイン初心者や、簡単に洗練されたポートフォリオを作りたい人におすすめです。評価されないWebデザイナーのポートフォリオここでは、絶対に避けるべきWebデザイナーのポートフォリオの事例を3つ紹介します。せっかくポートフォリオを作っても、評価されないポイントがあると採用にはつながらないため注意しましょう。作品やイメージが応募企業・業界にミスマッチ作品が応募企業とミスマッチの場合は、いくら作品の出来がよくても、得意ジャンルが違うと判断されて見送りになる可能性が高くなってしまいます。例えば、美容系の企業に対して、食品系の作品ばかり掲載されたポートフォリオを送っても、採用側は活躍のイメージがつきにくいでしょう。応募する企業が採用したいと思うポートフォリオはどのようなイメージなのかを考え、掲載する作品を選びましょう。作品をただ羅列しているだけ作品を羅列しているだけで、制作期間や使用したツールなどの情報を記載していないと、見ている人に対して判断を投げてしまうことになります。作品を見るだけでは伝わらないこだわりを伝えることで、見え方も変わります。自分のスキルや思いを適切に伝えることを忘れないようにしましょう。見た目に統一感がないページによってデザインの統一感がない、フォントが読みにくい、作品の画質が粗いなど、見栄えが雑多な印象のポートフォリオは、採用側に「業務に支障をきたすのでは?」と不安を与えてしまいます。また、ポートフォリオサイトの表示速度が遅い、パソコンでの表示は問題なくても、スマートフォンで見た時に装飾が崩れているなどもマイナスポイントです。Webデザイナーは紙のポートフォリオも必要?Webデザイナーにとって、紙のポートフォリオを活用する場面は多くありません。ただし、対面での面接や商談では、紙のポートフォリオを準備しておくことで、安心できることもあります。例えば、面接や商談会場のネット環境が不安定で、ポートフォリオサイトをスムーズに表示できない場合です。保険として紙のポートフォリオを用意しておくことで、作品のビジュアルやイメージを掴んでもらうことができます。Webデザイナーが紙でポートフォリオを作る際のコツWebデザイナーが紙のポートフォリオを作る際は、ただ印刷するだけではなく、見せ方やデザインを工夫することが重要です。ここでは、紙のポートフォリオを作る際に押さえておきたいポイントを紹介します。目を引く表紙デザインを作るポートフォリオの表紙は、第一印象を決める大切な部分です。シンプルでありながら、印象に残るデザインを心がけましょう。要素を詰め込みすぎると、ごちゃごちゃした印象になってしまうため、色使いやフォントの選び方で自分らしさを表現すると効果的です。また、表紙にキャッチコピーを加えると、自分の強みを伝えやすくなります。作品のレイアウトとデザインを考える紙のポートフォリオでは、作品の配置やページ構成が重要です。ページごとにデザインのバラつきがあると見づらくなるため、余白の取り方やフォントを統一し、スッキリとした印象にします。特にインパクトのある作品は冒頭に配置し、興味を引きつける工夫をしましょう。見開きデザインを意識し、適宜中扉を入れると、よりプロフェッショナルな仕上がりになります。紙の質感やサイズにもこだわる紙の質感やサイズにも気を配ると、ポートフォリオ全体の完成度が高まります。例えば、光沢のある紙は、発色が鮮やかになるため、色彩にこだわったデザインを引き立てます。マットな紙や柔らかい紙質を使うと、上品で落ち着いた印象を与えられます。また、サイズは持ち運びやすさを重視し、A4またはB5サイズにしましょう。サイズが大きすぎると持ち歩きにくく、小さすぎるとデザインの詳細が伝わりにくくなります。まとめポートフォリオは、Webデザイナーとしてのスキルをアピールする大切な資料です。第一印象を決めるため、方向性を決めて、細部にこだわって丁寧に作成する必要があります。最初から完璧なものを作る必要はなく、実際の案件や学習を通じてブラッシュアップしていくことが大切です。少しずつ作り始め、自分らしさを存分に表現できるポートフォリオを作ってくださいね。