支払いに便利でポイントも貯まるクレジットカードは、フリーランスにとっても持つメリットが大きいです。特に、プライベートの支払いと事業での支払いを分けるために、事業用のクレジットカードであるビジネスカードを作ることをおすすめします。この記事では、フリーランスがビジネスカードを作るメリットや、クレジットカードの選び方を紹介します。ビジネスカードの審査を通すポイントも解説するので、フリーランスとして働いている方やこれから開業する予定の方はぜひ参考にしてください。フリーランスだとクレジットカードが作れない?フリーランスでも審査さえ通れば、クレジットカードを作ることはできます。収入が安定していて信用情報に問題がない場合は、問題なく審査に通ることが多いです。しかし、収入が安定していない場合は、クレジットカードの審査に落ちる可能性が高く、会社員と比べるとクレジットカードが作りにくい傾向があります。特に、フリーランスとして独立した直後は収入が安定しにくいでしょう。また、信用情報の履歴がまったくないと審査が通りにくくなります。そのため、できればフリーランスとして独立する前に、クレジットカードを作成しておくと安心です。▼関連記事:フリーランスとして独立するために必要な準備!会社員からの独立体験談も紹介フリーランスはビジネスカードを作るのがおすすめフリーランスは、ビジネスカードを作っておくと便利です。ビジネスカードとは、法人用のクレジットカードの一種です。個人事業主(フリーランス)も審査が通ればビジネスカードを作成できます。個人向けのクレジットカードに加え、ビジネスカードを持っていれば、プライベートの支払いと事業での支払いを分けられるのでおすすめです。ちなみに、法人用のクレジットカードには、コーポレートカードとビジネスカードがあります。コーポレートカードは、20名以上が使うことを前提としたカードです。対して、ビジネスカードは、使用者が20名以下の中小企業または個人事業主を対象としたカードです。そのため、フリーランスが法人用クレジットカードを作る場合は、ビジネスカードに類するものを選びましょう。フリーランスが個人カードとビジネスカードを分けるメリットクレジットカードを2枚以上持つのは面倒に感じるかもしれません。しかし、フリーランスは、個人カードとビジネスカードを分けて使用した方が、経費管理や資金繰りなどの面でメリットを得られます。どのようなメリットがあるのか詳細を説明するので、参考にしてください。経費管理が楽になるビジネスカードを持っていると、経費管理が格段に楽になります。個人カードでプライベートの支払いと、事業の経費の支払いを行っていると、クレジットカードの明細から経費を抜き出して帳簿をつけなければいけません。手間がかかる上に、経営状態を把握しづらくなります。一方、個人カードとビジネスカードを分けて、ビジネスカードで経費の支払いを行えば、経費をいくら使っているのかが簡単に把握できます。クレジットカードを連携させて、簡単に帳簿付けができる会計ソフトもあります。ビジネスカードを活用して、帳簿付けの手間を省けるのもメリットです。限度額の枠が大きい個人カードに比べて、ビジネスカードは限度額の枠が大きいため、事業での大きな出費にも対応できます。フリーランスとして働いていると、仕事で立て替えが発生する場合や、PCなどの仕事道具を一式購入する場合など、大きな出費が発生することは珍しくありません。個人カードでは、大きな出費の際に限度額を超えてしまい、支払いができない恐れがあります。ビジネスカードの限度額は、カード会社によって異なりますが、10〜500万円程度に設定されていることが多いです。個人カードは10〜100万円が限度額の相場なので、ビジネスカードを持っておくと事業で大きな出費が発生する際に対応できるでしょう。また、大きな買い物をクレジットカードで支払えるとポイントがつくため、現金で支払うよりもお得になります。特典やサービスが充実しているビジネスカードは、特典やサービスが充実していて、事業に役立てることができます。会計ソフトとデータの連携ができるカードや、商品が破損した際に修理代の補償をしてくれる「ショッピング保険」がつくカードなど、サービスの内容はカードによりさまざまです。個人カードにも特典やサービスが充実しているものはありますが、ビジネスカードはビジネス向けの付帯サービスが多い傾向があります。ビジネスカードの特典やサービスを上手に利用すれば、業務の効率化や経費の節約につながるでしょう。経費の支払いを安心してできる個人カードで経費の支払いをするのはリスクがありますが、ビジネスカードなら安心して経費の支払いができます。個人カードは、規約で「現金化のためのショッピング」を禁止しているものが多いです。多重債務者がカードのショッピング枠を使用して品物を購入し、それを販売してお金を作る事例があり、このような事態を防ぐために規約を設けています。仕入れなどで大量の品物の購入をすると、「現金化のためのショッピング」であるとカード会社に疑われてしまう恐れがあるのです。ビジネスカードは、品物の仕入れなどの経費の支払いを前提としているため、仕入れと現金化が混同されるリスクは低いでしょう。フリーランスのクレジットカードの選び方ビジネスカードは、会社やランクなどにより、サービスの特徴やカードを作るためにかかる費用が異なります。ここでは、どのクレジットカードを選べばいいか迷った際に比較するべきポイントを4つ紹介します。カード選びの参考にしてください。年会費ビジネスカードは、基本的に年会費がかかります。特に収入が不安定なときは、数万円の年会費でも大きな負担となるため、年会費がかからないカードを選ぶのがおすすめです。なお、後述する特典やサービスと年会費のバランスを比較することも大切です。年会費が多少高くても、よく利用するサービスがあれば結果的にお得になる場合もあるでしょう。ちなみに、ビジネスカードの年会費は経費にできます。利用限度額利用限度額もカードによって異なるため、経費の支払いで使用するのに十分な額かを確認しましょう。どれくらいの限度額であれば十分かを判断するには、月々の経費がいくらかかっているかをきちんと把握することが重要です。最大で月にいくら利用する可能性があるのかを考え、余裕のある利用限度額のカードを選びましょう。また、利用限度額を引き上げるための方法も確認し、予定外の出費にも対応できるビジネスカードを持っておくとより便利です。ポイント還元率還元率が高いカードを選ぶとよいでしょう。カードで支払った額がポイントに還元され、支払いに充てられたり、備品の購入ができたりします。ビジネスカードの使用額をマイルに還元できるカードもあり、出張が多い場合におすすめです。ただし、ポイント還元率が高いと年会費が高い場合もあるので、どちらがお得なのかも検討しましょう。特典やサービス特典やサービス内容は、カードによって大きく異なります。ポイント還元率同様、特典やサービスが豊富なカードは、その分年会費も高くなる傾向にあります。利用する機会がなければ、年会費の払い損となってしまうため、自分にとって必要な特典やサービスがあるビジネスカードを選びましょう。例えば、出張が多い場合は、空港のラウンジサービスや宿の割引、旅行傷害保険サービスなどが付帯しているカードがおすすめです。また、営業車を所有する方は、ETCカードを作れるビジネスカードを選ぶと、高速料金に対してポイントがつくのでお得です。フリーランスがビジネスカードの審査を通すポイントフリーランスは収入が安定しないケースも多く、会社員よりクレジットカードの審査が通るハードルが高い傾向があります。特にビジネスカードは個人カードよりも審査が厳しいと言われています。クレジットカードの審査落ちは、信用情報にも登録され、一定期間残ります。事前にビジネスカードの審査を通すポイントを押さえて審査落ちを防ぎましょう。個人事業主である証明ができる状態にしておく仕事をしていることや定期的な収入があることを証明できないと、審査に落ちる可能性が高くなります。そのため、開業届を提出し、個人事業主であると証明できる状態にしておきましょう。また、事業用の口座を開設しておくと、信用度が上がります。事業用の口座は屋号付きにしておくと、事業に真剣に取り組んでいる姿勢を示せるでしょう。自分の信用情報を把握しておくクレジットカードの審査では、信用情報が確認されます。信用情報とは、過去のクレジットカードやローンの利用状況や支払い状況の履歴です。過去に支払いの遅延などがあると、信用情報に登録されます。一定期間記録が残り、審査に通りにくくなります。また、クレジットカードやローンを利用したことがなく、信用情報がまったくない状態でも審査に通りにくいと言われています。信用情報を把握し、自分の状況でどのカードの審査に通過できるのかを検討しましょう。キャッシング枠は利用しない設定にするクレジットカードには、現金を借入するキャッシング枠が利用できるものがあります。キャッシング枠は、利用しない設定にした方が審査に通りやすくなります。カード会社は貸付したお金を回収できないリスクを避けたいため、キャッシング枠を設定すると審査のハードルが上がります。特に、ビジネスカードでキャッシング枠を利用する設定にしている場合は、資金繰りのためにクレジットカードを作ろうとしていて、返済の遅延や延滞が起こるリスクが高いと判断される可能性が高いです。一度に何枚も申し込まないクレジットカードの申し込みは、一度に何枚も申し込まないようにしましょう。クレジットカードの申し込みをすると、信用情報を照会する段階で、過去6ヶ月に他のクレジットカードに申し込みをしているかどうかがカード会社に開示されます。直近で他のクレジットカードにも申し込んでいると、複数のカードを使って返済能力を超える金額を使おうとしていると疑われる恐れがあります。そのため、審査に落ちる可能性が高くなるのです。クレジットカードを作る際は、一度に1枚だけ申し込み、次のカードを作るのは前回の申し込みから6ヶ月程度経過してからにしましょう。フリーランスにおすすめのビジネスカード5選ひと口にビジネスカードと言っても、さまざまな特徴を持つカードが豊富にあります。最後に、フリーランスにおすすめのビジネスカードを紹介するので、自分に合うカード選びの参考にしてください。三井住友カード ビジネスオーナーズ年会費永久無料利用限度額〜500万円ポイント還元率0.5〜1.5%※1.5%は個人カードとの併用が条件特典・サービス・ETCカード(年会費550円)・海外旅行損害保険(最高2,000万円)・請求書支払い代行サービス・福利厚生代行サービス・ビジネスサポートサービス三井住友カード ビジネスオーナーズは、年会費が永久無料(一般カードの場合)のビジネスカードです。ポイント還元率は、ビジネスカードのみの使用だと0.5%ですが、対象の三井住友カードと2枚持ちすることによって、Amazonなどの対象サービスの利用で1.5%になります。その他にも、手元にある請求書をなんでもカード決済できるサービスや、クラウド会計ソフトやレンタカーなどの支払いがお得になるビジネスサポートサービスなどもあります。NTTファイナンス Bizカードゴールド for owners年会費11,000円利用限度額〜300万円ポイント還元率1.0%特典・サービス・海外旅行傷害保険(最高1億円)・国内旅行傷害保険(最高5,000万円)・ショッピング保険(年間補償限度300万円)・国内主要空港ハワイ・ホノルルラウンジ無料・ETCカード発行無料・ビジネス用品の優待割引・福利厚生サービスNTTファイナンス Bizカードゴールド for ownersは、ポイント還元率が高く、海外・国内旅行傷害保険が充実しているビジネスカードです。Web明細を月毎ではなく、分割して作成したりメモを記入できたりする仕組みも便利です。年会費が発生するゴールドカードのみ、空港のラウンジサービスや海外アシスタントサービスが利用できます。海外に行くことが多いフリーランスにに特におすすめのカードです。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード年会費13,200円利用限度額一律の制限なしポイント還元率0.5〜1.0%特典・サービス・海外旅行傷害保険(最高5,000万円)・国内旅行傷害保険(最高5,000万円)・国内空港ラウンジ無料ショッピング保険(年間補償限度500万円)・ETCカード発行無料・セキュリティソフト特別価格・会計ソフトとの連携サービス・ビジネス情報サービス・福利厚生サービスアメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カードは、登記してすぐの事業主でも申し込みが可能なビジネスカードです。セキュリティソフトの「ノートン」を初年度は特別価格で購入できたり、国内最大級のビジネス情報データベース「ジー・サーチ」を登録・月会費無料で利用できたりするのが特徴です。また、会計ソフトと連携すれば、自動で安全にカードの利用情報を会計ソフトに取り込めます。JCB Biz ONE年会費永久無料利用限度額〜500万円ポイント還元率1.0%特典・サービス・ETCカード発行無料・クラウド会計ソフトとの連携サービス・請求書支払い代行サービス・ポイント優待サービスJCB Biz ONEは、法人の本人確認が不要で、オンラインでの申し込みなら最短5分で即時発行できるビジネスカードです。ポイント還元率が1.0%と、一般カードの中では高水準です。加盟店の利用でポイントが最大10.5%還元されたり、入会後3ヶ月の利用金額に応じてポイントのプレゼント(2025年3月31日まで)がされたりと、ポイントをお得にためられます。セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード年会費無料利用限度額一律の制限なしポイント還元率0.5〜2.0%特典・サービス・ETCカード発行無料・レンタルサーバの利用特典・会計・給与クラウドソフトの無料体験・特定サービスでポイント還元率2.0%・特定サービスの優待割引セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、特定のサービスで利用すると、ポイント還元率が2.0%になるビジネスカードです。対象サービスには、クラウド会計ソフトやクラウドワークスなど、フリーランスが利用することが多いサービスが含まれます。レンタルサーバーの初回利用割引や、クラウド会計ソフトの2ヶ月無料優待などがあり、特にIT・Web系のフリーランスにおすすめです。まとめフリーランスでも、審査に通れば問題なくクレジットカードを作れます。フリーランスがクレジットカードを利用する場合は、ビジネスカードを作成し、個人カードと使い分けるのがおすすめです。ビジネスカードは、ビジネスシーンで使えるサービスを利用できたり、経費管理が楽になったりします。申し込む際は、開業届を出して、個人事業主であることを証明しましょう。また、一度に1枚ずつ申し込みすることや、自分の信用情報を把握して審査が通りそうなカードに申し込むことも大事です。