フリーランスとして働きつつ、子育てを両立させたい方も多くいるでしょう。フリーランスが子どもを保育園に入園させる場合は、「就労証明書」を自分で記入しなければなりません。この記事では、これから子どもを保育園に入園させたいフリーランスに向けて、就労証明書の書き方や準備すべき書類を解説します!余裕を持って準備を始め、保育園の入園手続きをスムーズに進めましょう。フリーランスの子どもも保育園に入園できる?フリーランスで働いている方も、子どもを保育園に入園させることは可能です!ただし、フリーランスの場合は、保育園の入園可否を決める点数制度である「基準指数」が、会社員より低く設定されている地域もあります。そのため、お住まいの地域によっては、入園の審査が不利になる場合がある点を理解しておきましょう。保育園の入園手続きに必要な「就労証明書」とは?就労証明書は、保護者が就労していることを証明する書類です。保育園の入園手続きに必須で、保護者の氏名などの基本情報をはじめ、業務内容や就労時間、復職予定日などを記入します。会社員・パートなど、企業に直接雇用されている場合は、企業側に就労証明書を記入してもらえます。しかし、フリーランスの場合は、自分自身で就労証明書を記入しなければなりません。就労証明書の内容をもとに入園審査が行われるため、正確に記入することが大切です。内容に不備があると修正を求められるため、早めに準備をしておきましょう。また、収入を証明する追加書類の提出が求められることもあるため、確定申告書類などもあわせて準備しておくと安心です。2024年4月から全国でフォーマットが統一化2024年4月から、就労証明書のフォーマットが全国で統一されました。どの地域でも同じフォーマットを使用することになったため、手続きがより簡素化されました。就労証明書のフォーマットは、子ども家庭庁や各自治体のホームページからダウンロード可能です。ダウンロードして、必要な項目を正確に記入するようにしましょう。フリーランス(個人事業主)の就労証明書の書き方例ここからは、フリーランスの就労証明書の書き方を解説します。実際のフォーマットの上部から順に書き方を解説するので、手元に就労証明書を用意した上で、確認していきましょう。証明日・事業所名・代表者名などはじめに、就労証明書の証明日を記入します。地域によって、証明日から2ヶ月以内の証明書しか使用できないなどの規定があります。そのため、証明日は提出するタイミングに合わせて、記入しましょう。事業所名の欄には、屋号を記入しましょう。屋号がない場合は、自分の名前を記入すれば問題ありません。その他にも、代表者名などのフリーランス(個人事業主)としての基本情報を記入します。業種自分の職種が該当する業種にチェックを入れます。在宅のWeb系フリーランスの場合は、該当する業種がない可能性が高いです。該当する業種がない場合は、「その他」にチェックを入れて、自分の業種や職種を記入しましょう。氏名・生年月日保護者の氏名と生年月日を記入します。生年月日は西暦で記入しましょう。雇用(予定)期間等雇用期間について記入する欄です。就労期間に定めのない案件を請け負っている場合は、「無期」を選択しましょう。期間の欄は、事業を始めた日を記入します。本人就労先事業所最初に記入した事業所名や代表者名の欄に記載した住所と、実際の就労場所が異なる場合に記入します。例えば、開業届に記載している住所と、実際の就労場所が異なる場合は、この欄に就労場所の住所を記入してください。雇用の形態該当する雇用形態にチェックを入れます。フリーランスの場合は、基本的に「自営業主」の欄にチェックを入れましょう。ただし、家族が営む事業に従事している場合は、自営業専従者や内職の欄に該当する可能性があります。詳しくは、お住まいの自治体の担当者に確認してください。就労時間勤務時間・日数の合計を記入します。出社型の案件やシフト制の案件を請け負っている場合は「固定就労の場合」の欄に、勤務時間の指定がない場合は「変則就労の場合」の欄に記入してください。就労実績直近3ヶ月の1ヶ月あたりの就労日数・就労時間数を記入する項目です。妊娠・出産に伴い、直近3ヶ月間働けていなかった場合は、休業期間前の実績を記入します。産前・産後・育児休業などの取得予定フリーランスは、会社員と異なり、産前・産後・育児休業の取得制度はありません。そのため、この欄は空欄にしておきましょう。復職(予定)年月日復職を予定している日を記入します。すでに、フリーランスとしての活動を再開している場合は、「復職済み」にチェックを入れて、復職した日を記入してください。育児のための短時間勤務制度利用有無育児に伴い、短時間勤務を始める場合は記入しましょう。保育士等としての勤務実態の有無保育士やベビーシッターなど、保育関係の仕事に従事した経験がある場合は、「有」にチェックしましょう。備考欄指定の欄に書ききれない補足の情報などがある場合は、備考欄に記入しておきます。フリーランスが就労証明書以外に準備する書類フリーランスが保育園の入園手続きを進めるには、就労証明書のほかにも書類の準備が必要です。ここでは、フリーランスとして働いていることを証明するために準備すべき書類と、収入を証明する書類を解説します。フリーランスとして働いていることを証明できる書類フリーランスであることを証明するためには、公的に認められた書類を提出することが求められます。事業内容や働き方など、フリーランスとして働いていることを証明する、代表的な書類は次の通りです。開業届業務委託契約書営業許可書履歴事項証明書特に、開業届は税務署に提出するものであり、フリーランスとしての信頼性を示す証拠になります。開業届を提出していない場合は、最新の確定申告書類などで代用も可能です。収入額を証明する書類保育園の入園手続きには、フリーランスとして収入を得ていることを証明する書類も欠かせません。収入額を証明する書類の一例は、次の通りです。最新の確定申告書源泉徴収票納税証明書報酬の振込が確認できる通帳のコピーできる限り、確定申告書や源泉徴収票など、公式な収入証明となる信頼性の高い書類を用意しましょう。フリーランスが就労証明書を準備するときのポイントここでは、フリーランスが就労証明書を準備するときに覚えておきたい3つのポイントを紹介します。3つのポイントを確認し、期日までにスムーズに準備できる体制を整えましょう。スケジュールに余裕を持って準備するフリーランスは、就労証明書を自分で記入する必要があるため、準備にはある程度の時間がかかります。自治体によっては、追加の書類や証明書の提出が求められる場合もあるため、余裕を持って準備することが大切です。慣れない作業で、必要な書類の収集や記入には想像以上に時間がかかる可能性が高いです。提出の締切日から逆算して、できるだけ早めに取り掛かり、焦らず準備を進めましょう。誤字脱字・記入漏れがないように気をつける就労証明書の記入時には、誤字脱字や記入漏れがないよう、慎重に書き進めましょう。保育園の入園手続きは、書類の内容に不備があると再提出を求められる場合があり、結果として手続きが遅れてしまうことがあります。提出前には、全ての項目に目を通し、誤字脱字や記入漏れがないかチェックすることが大切です。一度確認した後、日をあけて再確認するか、家族にダブルチェックしてもらうことで、記入ミスを防ぎやすくなります。自治体指定の提出書類がないか確認する自治体によっては、就労証明書以外にも独自の提出書類を求められることがあります。例えば、神奈川県相模原市では「自営業等及び居宅内就労における就労状況報告書」という、自営業と在宅勤務に関する就労状況を報告する書類の提出が必要です。事前に自治体のホームページを確認したり、担当窓口に問い合わせたりすることをおすすめします。【Q&A】フリーランスの就労証明書に関するよくある質問最後に、フリーランスが就労証明書を準備する際によくある4つの質問にお答えします。事前に疑問を解消し、入園手続きの準備を進められるようにしましょう。親がフリーランスの場合、子どもの入園審査は不利になる?親がフリーランスであることを理由に、子どもの入園審査が不利になることはありません。ただし、自治体によっては保育園への入園を決める「基準指数」の点数が低くなる場合もあります。基準指数の点数は、自治体によって異なるため、保育園への入園を検討し始めたり、子育てを視野に入れた引っ越し先を探したりする際に、確認しておきましょう。開業届を出していなくてもフリーランスとして就労証明書を提出できる?開業届を出していなくても、フリーランスとして就労証明書を提出することは可能です。ただし、開業届を提出していない場合は「内職」扱いとなるため、入園審査時の点数が低くなることがあります。そのため、開業届を提出したほうが、就労状況をより正式に証明でき、保育園の入園審査において有利になる可能性が高いでしょうまた、今後フリーランスとして本腰を入れて活動する場合は、開業届を提出した方が、信頼性を高めたり、節税効果を得られたりするなどのメリットもあります。開業届をまだ提出していない場合は、今後の事業拡大も考慮して、できるだけ早めに手続きを済ませることをおすすめします。▼関連記事:フリーランスが開業届を出すメリット!不要な場合やインボイス対応も解説子どもが保育園に入れなかった場合はどうすればいい?もしも、子どもの保育園の入園が難しい場合は、認可外保育園や幼稚園への入園を検討しましょう。認可外保育園は、自治体の基準にもとづかない運営をしているため、空きがある場合が多く、保育園に入れなかった場合の選択肢としておすすめです。また、幼稚園も保育園と比較すると保育時間は短いですが、日中は面倒を見てもらえるため、仕事に集中する時間を確保できます。希望の保育園に入れなかった場合も考慮して、早めに複数の選択肢を調べておくと安心です。自治体によって必要な書類が違うのはなぜ?自治体によって必要な書類が異なるのは、各自治体が独自の基準やルールを設定しているからです。保育園の入園に関する審査基準は地域によって異なるため、必要とされる証明書類も変わります。そのため、事前に自治体のホームページを確認したり、担当窓口に問い合わせたりして、必要な書類を確実に把握することが大切です。特にフリーランスは、就労証明書以外にも追加の書類を求められる場合があるので、注意が必要です。まとめフリーランスでも、子どもを保育園に入園させることは可能です!ただし、保育園の入園審査に必要な「就労証明書」を自分自身で記入する必要があります。また、フリーランスとして働いていることや、収入を得ていることを証明する書類も用意しなければなりません。企業側が就労証明書を記入する会社員と比較すると、フリーランスの方が準備の負担がかかるため、早めに準備を進めましょう。余裕を持って準備することで、フリーランスとしての業務と並行して、保育園の入園手続きを進められます。