フリーランスとは、特定の企業に属さず、自分のスキルや経験を使って個人で仕事を請け負う働き方です。仕事内容や働く場所、勤務時間、月収の目標など、ほとんどを自分で決められるのが大きな特徴です。ただ、自由な働き方というイメージばかりが先行し、具体的にどんな日常を過ごしているのかが掴みにくい人も多いでしょう。実際の働き方は、職種や居住地、クライアントとの契約条件によって大きく変わります。この記事では、SOKUDANで活躍するフリーランスの実例や1日のスケジュールを紹介しながら、メリットや注意点も解説します。フリーランスに興味がある方は、働き方のイメージづくりに役立ててみてください。フリーランスの働き方は職種や案件によって異なるフリーランスの働き方は、職種や案件によって異なります。大きく分けて3種類あるので、詳しく見てみましょう。【タスク型】タスクをさばいて多くの企業と仕事をするタスク型は、単発の仕事を数多くこなして収入を得る働き方です。数時間〜数日で完了する案件を受け、納品して報酬を受け取ります。タスク型の例として、フリーランスのライターの働き方を紹介します。仕事内容サイトに掲載するコラムやインタビュー記事の作成案件の獲得主にクラウドソーシングサイトで案件を探し、複数のクライアントと契約1記事ごとにスケジュールを確認して受注するかどうかを決める仕事場所自宅時々対面で取材する機会はあるが、基本的にオンラインで完結気分転換にカフェで仕事をすることもある仕事時間取材や納期に合わせて稼働するため、日によってまちまち遅めの時間に取材が入る日は、稼働開始を遅くさせたり休憩時間を長くとったりするなど柔軟に対応タスク型は、作業範囲が明確で、対応内容もシンプルなものが多いため、初心者でも取り組みやすい点が特徴です。基本的にはリモートで完結できるため、働く場所や時間の自由度も高くなります。代表的な案件には、バナー作成・データ入力・記事作成・翻訳・モニター業務などがあります。クラウドソーシングや案件マッチングサイト経由で受注するケースが主流です。また、フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2023」によると、「スポット(単発)」案件で働く人が最も多く、全体の32.9%を占めています。【プロジェクト型】パートナーとしてプロジェクトに深く関わるプロジェクト型は、あらかじめ決められた期間のプロジェクトに参加する働き方です。期間は企業や案件によって幅があり、数ヶ月〜数年にわたる中長期の案件も多く見られます。プロジェクト型の例として、フリーランスのエンジニアの働き方を紹介します。仕事内容新事業のWebシステムアプリケーション開発にかかる、機能追加や不具合の対応案件の獲得案件マッチングサイトで探し、1社とのみ契約契約期間の終了が近づいたら別のプロジェクト型案件を探して応募する仕事場所リモート(週に2日)と出社(週に3日)の組み合わせ仕事時間契約した企業の営業時間に合わせて10~19時プロジェクト型では、案件によっては週数日の常駐や、契約先企業の営業時間に合わせた稼働が必要になるケースもあります。そのため、働き方は会社員に近く、生活リズムが安定しやすい点がメリットです。契約期間中は継続的に仕事が確保できるため、収入の見通しも立てやすくなります。タスク型より業務範囲が広く、専門的なスキルが求められる分、報酬単価は高めです。主な案件として、Webサイト・アプリの開発やテスト、ホームページ制作、システムの運用・保守などが挙げられます。【ミッション型】企業のミッション達成にむけて経営にも関わるミッション型は、企業が掲げるミッション(目標)に共感し、その達成を目指して期限を決めずにじっくり取り組む働き方です。ミッション型の例として、フリーランスのコンサルタントの働き方を紹介します。仕事内容業務フローの設計や業務改善のコンサルティング案件の獲得案件マッチングサイトや過去の取引先からの紹介など仕事場所ほぼリモートで必要に応じて出社仕事時間契約した企業の営業時間に合わせて、9〜18時の間で月80時間ミッション型は、コンサルタントやマーケターといった専門職でよく見られます。具体的な業務には、人材開発の支援、商品の認知拡大を狙ったブランディング施策、新規販路の開拓などが挙げられます。経営領域に関わることも多いため、豊富な経験や高度な専門知識、柔軟な対応力が求められます。その分、報酬は高水準で、時給制や成功報酬制など契約形態もさまざまです。また、稼働時間が固定されないケースが多く、複数のクライアントを並行して担当しやすい点もメリットといえます。フリーランスのリアルな働き方・1日のスケジュール続いては、実際にフリーランスになるとどのようなスケジュールで働くのかイメージしやすいよう、SOKUDANに携わるフリーランスメンバーのリアルなスケジュールを紹介します。フリーランスディレクターの働き方・1日のスケジュールまずは、SOKUDAN Magazineのコンテンツ作成を統括するフリーランスディレクターのとある2日をピックアップします。【予定に合わせて自宅と外出先で柔軟に仕事をした日】7時~:起床8時〜:ジム9時〜:帰宅・準備10時〜:作業(自宅)11時〜:オンラインで打ち合わせ(自宅)12時〜:オンラインで打ち合わせ(自宅)13時〜:昼食14時〜:作業(カフェ)16時〜:通院17時〜:作業(カフェ)19時〜:帰宅・夕食21時〜:作業(自宅)23時〜:就寝【地元(実家)に帰省した日】7時〜:起床・準備8時〜:作業(カフェ)9時〜:移動・作業(新幹線)11時〜:昼食12時〜:作業(実家)14時〜:オンラインで打ち合わせ(実家)15時〜:作業(実家)18時〜:友達と遊ぶ2時〜:就寝フルリモートで稼働しているため、プライベートの予定に合わせて自宅や外出先のカフェのほか、実家や移動中の新幹線内で柔軟に仕事を進めています。SOKUDAN Magazineで複数のライターを統括している以外にも、複数のメディアに携わっているため多忙な印象ですが、スキマ時間をうまく活用し、メリハリをつけて働いているのがとても印象的ですね。フリーランスデザイナーの働き方・1日のスケジュール次は、海外在住で語学学校に通いながら柔軟に仕事を進めているSOKUDAN MagazineのWebデザイナーのとある2日を紹介します。【多忙な平日】7時~:起床・準備9時〜:語学学校13時〜:クラスメイトとランチ15時~:帰宅、タスク整理、夕飯18時~:A社の案件対応19時〜:B社の案件対応21時~:余暇0時~:就寝【休日】10時~:起床・家事12時~:仕事の事務作業(ポートフォリオ更新や営業など)15時〜 :友達と出かける23時~:帰宅1時~:就寝時差の都合で日本の企業とのやり取りにはどうしても一定のラグは生じますが、働く場所を問わず、自分のスキルを活かしながら働けるという、フリーランスのメリットを大いに生かしていますね。フリーランスライターの働き方・1日のスケジュール続いては、筆者(ライター)の直近のスケジュールです。現在、4社と取り引きし、完全リモート勤務で仕事をしています。打ち合わせや締め切りが重なって多忙だった日と、その翌日を紹介します。【予定が重なり多忙だったとある1日】5時半:起床、犬の散歩、朝食8時~:A社の案件(4本納品)13時~:B社とオンライン打ち合わせ14時~:C社とオンライン打ち合わせ15時~:昼食15時半~:D社の案件(1本納品)19時~:夕食19時半~:D社の案件続き(2本納品)2時~:就寝【多忙だった日の翌日】6時半~:起床、犬の散歩、朝食9時~:B社の案件(リサーチ、執筆)13時~:昼食、休憩14時半~:B社の案件続き(執筆)17時~:休憩、犬の散歩19時半~:夕食、家族と団らん22時半~:A社の案件(企画)24時半~:就寝締め切り前日や打ち合わせが重なる日は、まさに時間との勝負になります。常に時計を気にしながら作業を進め、食事のときもデスクと食卓を急いで往復するほど慌ただしい日もあります。納品翌日は多少ゆとりができますが、結局は夜にも作業することが多く、トータルではフルタイムと同じくらい働いている感覚です。ただ、打ち合わせが無い日は、自分の集中力が途切れたタイミングで休憩したり、天気のよいときに犬の散歩へ出かけたりと、柔軟に時間を使えます。この点は会社員よりも自由度が高く、結果的に効率よく仕事を進められていると感じています。▼関連記事:フリーランスと会社員を徹底比較!違いを理解して自分に合った働き方を探ろうフリーランスの働き方は自由度の高さが特徴フリーランスの具体的なスケジュールを紹介した際にも自由度の高さに触れましたが、ここでは改めて、フリーランスという働き方の特徴やメリットを整理してお伝えします。休みや稼働時間を自分で決められるフリーランスは、働く時間や休日を自分で決められるため、生活スタイルに合わせて柔軟に調整できます。株式会社マイナビの「フリーランスの意識・就業実態調査2025年版」によると、フリーランスという働き方に「満足」と回答した人は59.6%でした。中でも「私生活との両立(65.7%)」「仕事内容(64.3%)」の満足度が高く、自由度の高さや柔軟な働き方が特に評価されています。「明日は家族と出かけるから休む」「今日は前倒しで作業を進める」といった調整がしやすく、ワークライフバランスを保ちやすい点は、フリーランスならではの大きな魅力です。好きな場所で働けるプロジェクト型のように案件によっては出社が必要な場合もありますが、多くのフリーランスは働く場所を自由に選べます。自宅はもちろん、旅行先や海外でも仕事ができ、「子どものお迎えまで保育園近くのカフェで作業する」といった柔軟な働き方も可能です。▼関連記事:フリーランスはどこで仕事している?仕事場選びの際に知っておきたいことを紹介人間関係に悩まされず仕事に集中できるフリーランスはクライアントと直接やり取りすることが多いため、一定のコミュニケーション力は必要です。ただし、基本的には個人で業務を進めることが多く、会社員ほど人間関係に悩まされにくいという側面もあります。株式会社マイナビの「フリーランスの意識・就業実態調査2025年版」でも、「仕事上の人間関係」に満足している人は57.5%に達しており、この傾向がデータにも表れています。また、接待や飲み会などの参加機会が少ないため、その分の時間を仕事に回したり、趣味や家族との時間に使ったりできます。結果として、より自分の時間を有効に使えていると感じやすい働き方だといえるでしょう。▼関連記事:フリーランスは楽しすぎる!リアルな実例やデメリットも徹底解説 フリーランスの働き方には責任が伴うここまでフリーランスの自由度について触れてきましたが、その裏には大きな責任が伴います。会社員であれば、営業部が獲得した案件をチームで進められ、クライアント対応も営業担当が担います。経費精算や年末調整といった事務作業は専門部署に任せられ、社会保険などの保障も整っています。一方、フリーランスは案件獲得の営業から、クライアントとのやり取り、業務遂行まで、全て自分1人で行います。経理作業や確定申告も自身の責任で処理し、保険料の支払いも全額自己負担です。フリーランスとして長く続けられるかどうかは、自分の行動と管理次第であり、あらゆる責任を自分で引き受ける働き方といえます。フリーランスは、「昼前に起きて、午後からゆっくり仕事をする」といった自由なイメージが注目されがちですが、決して“楽”な働き方ではないことは理解しておきましょう。▼関連記事:フリーランスで働くデメリット11個を暴露!意外なメリットも解説フリーランスの働き方に関するよくある質問最後に、フリーランスの働き方に関するよくある質問を取り上げます。フリーランスになるための準備や収入面についてもあわせて解説していきます。連休や長期休暇は取れる?フリーランスは、締め切りを守って納品さえできれば連休や長期休暇を取ることは十分可能です。その分、休暇前は作業を前倒しする必要があり忙しくなりますが、早めに業務を終えられれば、連休を思い切り楽しめます。また、旅行先で仕事を進める「ワーケーション」も取り入れやすく、気分転換しながら働ける点も魅力です。一方で、仕事とプライベートの線引きが難しく、これを負担に感じる人もいます。ただ、自分のペースで休憩を挟んだり、深夜に作業したりと、働く時間を柔軟に調整できるため、集中しやすい環境をつくれることはフリーランスならではのメリットといえるでしょう。▼関連記事:フリーランスに人気のワーケーションとは?魅力や成功のコツを紹介フリーランスとして独立するために必要なことは?まずは、副業としてフリーランス案件に挑戦する準備から始めるのがおすすめです。本業の収入や社会保険に守られた状態で経験を積めるため、リスクを抑えて独立の土台をつくれます。ただし、会社が副業を認めているかどうかは必ず確認しましょう。また、気になる案件が出たときにすぐ応募できるよう、履歴書・職務経歴書・ポートフォリオを整えておきます。経歴や強みを棚卸しすることで、案件応募時のアピールもしやすくなります。準備と並行して、クラウドソーシングや案件マッチングサイトで定期的に案件をチェックするとよいでしょう。継続案件を複数確保し、収入の見通しが立ってきたら独立のタイミングです。独立時には、開業届を税務署へ提出し、健康保険と年金の切り替え・加入手続きを行います。税制面で有利になる青色申告を利用したい場合は、開業届と同時に「青色申告承認申請書」を提出するのがベストです。独立後は、毎年2月16日〜3月15日の期間に確定申告を行います。納税額が確定し、場合によっては還付金を受け取れるため、忘れずに手続きを進めましょう。▼関連記事:フリーランスとして働くための準備リスト!7つの観点から必要なものを紹介▼関連記事:会社員からフリーランスになる際にやること|退職前後の手続きを徹底解説フリーランスになると収入が上がるって本当?フリーランスは年収が上がりやすいと言われますが、実際には人によって大きく差があります。単価が高くなりやすい理由としては、専門性の高い業務を依頼されることが多い点や、正社員のような保証や手当がない分、報酬に上乗せされやすい点が挙げられます。さらに、複数案件を同時に受けられるため、収入源を増やしやすいことも収入アップにつながる要因です。しかし、フリーランス白書2023を見ると、収入が上がった人と下がった人の割合はほぼ同程度です。会社員から独立した人のうち、「収入が上がった」は45.9%、「下がった」は41.2%、「変わらない」は12.9%となっており、結果は大きく分かれています。つまり、フリーランスは収入が伸びる可能性もあれば、そうでないケースもあり、自身のスキルや営業力、案件の選び方によって大きく変わるといえます。▼関連記事:【比較早見表あり】フリーランスと会社員の年収・手取りの違いを解説フリーランスの収入を安定させるために意識すべきことは?フリーランスが収入を安定させるうえで重要なのは、取引先を1〜2社に絞らず、複数のクライアントと関係を持つことです。取引先が少ないと、コミュニケーションや納期調整はしやすくなる反面、急な契約終了や事業縮小が起きた場合、収入への影響が大きくなります。一方でクライアントを複数確保しておけば、1社との契約が途切れても収入の落ち込みを抑えられ、人脈が広がるため新たな案件の紹介につながる可能性も高まります。中長期的に意識したいポイントとしては、次の3つが挙げられます。案件が安定しているときこそ、継続的に取り組むことが大切です。スキルアップを続け、市場価値を高める質の高い納品や納期遵守を徹底し、クライアントからの信頼を積み重ねる継続的に営業活動を行い、新しい案件の種を絶やさないこれらを意識して行動することで、収入の安定性は大きく向上します。▼関連記事:フリーランスは複数案件を掛け持ちすべき?注意点や案件獲得方法を解説フリーランスの案件探しには「SOKUDAN」がおすすめ「フリーランスの働き方に興味はあるけれど、いきなり独立するのは不安」という方は、本業を続けながら副業でフリーランス活動を始めるのがおすすめです。その際におすすめなのが、フリーランス・副業向けの案件マッチングサイト「SOKUDAN」です。【SOKUDANの特徴】週1日〜稼働OKの案件が多数リモート案件率92%初心者向けから上級者向けまで幅広い案件を保有取扱案件の平均時給は4,500円SOKUDANには週1日から挑戦できる案件やリモート案件が多く、会社員として働きながら副業に取り組みたい方に最適です。高単価案件が豊富なため、在宅で短時間でも効率よく収入を得られます。副業としてまずは始めたい人から、経験豊富なプロのフリーランスまで幅広く活用できるサービスなので、ぜひチェックしてみてください。▼SOKUDANのフリーランス・副業案件一覧まとめフリーランスは、「いつ・どこで働くか」「どんな案件を受けるか」「いつ休むか」などを自分で決められるため、自由度の高い働き方といえます。ただし、その裏には大きな責任があり、あらゆることを自分で背負わなければならない点は忘れてはいけません。自由なイメージだけで独立すると、現実とのギャップに戸惑い、「こんなはずではなかった」と後悔する可能性もあります。そうならないためには、フリーランスの実際の働き方を知ったうえで、独立の準備を少しずつ進めていくことが大切です。