副業やキャリアアップを経て、フリーランスとして活躍する人は近年増加しています。総務省統計局が2022年に行った調査によると、「専門的なスキルを活かせるから」「自分の都合の良い時間に働けるから」といった理由で、本業としてフリーランスを選ぶ人が多いようです。フリーランスとして独立することを考えているものの、「そもそもフリーランスとはどのようなものなのか、ぼんやりしか分かっていない」という人も多いのではないでしょうか。この記事では、フリーランスとしての働き方を分かりやすく解説します。また、ほかの雇用形態との違いや、フリーランスとして働くメリット・デメリット、そしてフリーランスを長く続けるためのポイントなども紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。フリーランスとは?まずそもそも、フリーランスとは何を指すのでしょうか?フリーランスとして働くことがどういうことなのかを明確にするために、会社員やそのほかの働き方と比較してみましょう。フリーランスの定義厚生労働省などがまとめた「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」では、フリーランスを「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や1人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」と定義しています。つまり、フリーランスとは、特定の企業や組織に属さず、自身の経験やスキルを活かして1人で稼ぐ人を指します。会社員とフリーランスの違い具体的に、会社員とフリーランスの違いを見てみましょう。会社員フリーランス雇用形態雇用契約請負契約・業務委託契約収入給与所得事業収入働く自由度業務命令に縛られる個人の裁量社会保険健康保険:健康保険組合または協会けんぽに加入健康保険:基本的に国民健康保険に加入福利厚生住宅手当や通勤手当、有給休暇、特別休暇、特定施設の利用割引など、会社によって異なる各サービスを自分で探して加入する税金給料から天引き確定申告をして自分で納付する休日会社規定による基本的に自由会社員は「雇用契約」を結び、企業に直接雇われるのに対し、フリーランスは案件ごとに「業務委託契約」を結んで、成果の報酬を得ます。この契約の違いが、会社員とフリーランスの違いに大きく影響します。会社員は、基本的に業務命令に従わなければなりません。基本的に成果や業務量に関係なく、毎月一定額の給与をもらえ(残業代や成果報酬型などを除く)、社会保険や福利厚生も手厚いのが特徴です。フリーランスは、自分が働いた成果としての事業収入を得ます。どのような仕事をするか、いつ休むかは自分で決められます。その一方で、社会保険や税金の納付は全て自分で行わければならず、福利厚生は自分で適したサービスを見つけて加入しなければなりません。そのため、組織に縛られずに自身のスキルや経験を活かして働きたい人や、1人でもマネージメントや自己管理がしっかりできる人は、フリーランスに向いているといえるでしょう。▼関連記事:フリーランスと会社員の違いに驚愕!独立前に知っておくべき違いを解説個人事業主とフリーランスの違い基本的には、個人事業主もフリーランスにも大きな違いはありません。ただし、税法上では税務署に開業届を提出し、事業を営む人を個人事業主と呼んで区別しています。なお、家族や従業員を雇用していても、法人化しなければ個人事業主と呼ばれます。自営業とフリーランスの違い自営業は、企業に所属せずに自ら事業を営んで収入を得ている人の総称です。そのため、フリーランスも自営業に含まれますが、働き方や実店舗の有無で区別されることがあります。具体的には、以下の通りです。自営業フリーランス働き方・収益の得方商品を仕入れて販売することで収益を得る依頼された仕事をこなしたり、自分の作品や成果物を納品したりする対価として報酬を得る実店舗の有無実店舗を持つ実店舗を持たない職業の例八百屋エンジニア▼関連記事:フリーランスと自営業の違いとは?働き方や報酬・収入の違いを分かりやすく解説フリーターとフリーランスの違いフリーランスという働き方が普及する前は、自由な立場で働ける人といえばフリーターが代表格でした。しかし、フリーターとフリーランスでは、雇用形態や働き方に大きな違いがあります。フリーターは企業と雇用契約を結びます。一方で、フリーランスは業務委託契約を交わして働きます。フリーターは非正規雇用ではあるものの、条件を満たせば社会保険に加入できます。また、働き方や休みの取り方の面でも比較的会社員に近いのが特徴です。派遣とフリーランスの違い派遣は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業で指揮命令を受けて働きます。就業時間や休みの取り方は、派遣先の企業の規定に準じるほか、週20時間以上働くなどの条件を満たせば社会保険へも加入できます。そのため、会社員に近い雇用形態といえるでしょう。また、派遣は職種によっては未経験でも働ける場合もありますが、フリーランスはいずれの職種でも基本的に即戦力として活躍できる人材が求められる点も異なります。フリーランスのメリット続いては、フリーランスとして働く具体的なメリットを5つ紹介します。スキルを突き詰めて好きな仕事ができるフリーランスは、自分の得意なジャンルや好きなことを選んで仕事として突き詰められます。得意なことを活かして働くことで、モチベーションを高く保てるほか、スキルアップが苦になりづらい、ストレスが溜まりにくいなどのメリットが挙げられます。自分の頑張り次第で高い報酬が得られる会社員の場合、昇給のタイミングは年に1~2回と限られているうえ、必ずしも昇給するとは限りません。また、昇給しても数千円程度に収まることも少なくありません。一方で、フリーランスは、仕事を多くこなすほど高い報酬が得られ、頑張った成果として翌月の報酬にすぐ反映されます。「フリーランス白書2023」によると、45.9%が「会社員自体と比べて収入が増えた」と答えています。働く場所や時間に縛られず自由に働けるコロナ禍でリモートワークが広く普及し、自宅で仕事をする会社員は増加したものの、今では出社回帰する企業は少なくありません。しかし、フリーランスは、働く場所や時間に縛られず自分の裁量で自由に仕事ができます。また、平日に休んだり連休を取ったりと、いつ休むかも自由です。クライアントとのコミュニケーションもスムーズに取れるのであれば、地方はもちろん海外で働くこともできます。人間関係のストレスが少ないフリーランスは、特定の範囲の業務を自分1人で進められます。もちろん、業務を進めるうえでクライアントとのコミュニケーションは発生するものの、会社員と比べて周囲とコミュニケーションをとる機会は少なく、人間関係で悩むことは少ない傾向にあります。また、接待や飲み会などに参加する機会もなくなるため、会社員でそのような場に参加するのがストレスな人にとっては特に大きなメリットといえるでしょう。定年退職がないため生涯現役で働ける健康寿命の延伸などにより、定年退職後も働きたいと考える人が増加しています。会社員も再雇用されることで定年後も働けますが、それでも最長70歳まで(企業側の努力義務による)となっています。また、再雇用されると一般的に収入は下がるともいわれています。一方、フリーランスであれば、自分のスキルや体調次第で年齢の上限なく働くことが可能です。また、仕事量や時間を自身で調整できるのも大きなメリットでしょう。「何歳まで働きたいか」という価値観は人それぞれですが、自分で決められるのはフリーランスの特権です。老後の収入が不安な人にとって、スキルを身につけて長く働けるフリーランスは魅力的な働き方となるのではないでしょうか。フリーランスのデメリットフリーランスとしての働き方には、当然デメリットも存在します。独立してフリーランスへの転向を検討している人は、デメリットもしっかり比較検討しましょう。▼関連記事:フリーランスのデメリット11選!会社員との違いやメリットも理解しよう確定申告や経理などの手続きを自分で行う必要がある会社員や派遣社員などは、毎年会社が確定申告を行いますが、フリーランスは自分で行わなければなりません。もちろん税理士に依頼することもできますが、数万円から20万円程度のコストがかかるため、気軽に依頼するのは難しい人も多いでしょう。最近は会計ソフトを使って、素人でも簡単に確定申告ができるようになっているため、そうしたツールも積極的に使いこなす姿勢も求められます。収入に波が生じるフリーランスを目指す人にとって、最大の不安は収入面ではないでしょうか。フリーランスは、案件ごとに契約を結ぶため、事業の終了や予算の都合などによって案件が突然終了し、収入が落ち込む可能性があります。そのため、フリーランスは収入の差が大きくなりがちです。また、病気やけがで仕事ができなくなった場合、会社員であれば有給休暇や傷病手当金などがありますが、フリーランスは自分で用意しない限りそのような補償は受けられません。フリーランスは仕事がなくなる、またはできなくなる場合のこともしっかりと考えて対策をとる必要があります。保険料の負担が会社員より大きい会社員からフリーランスになる場合は、社会保険と厚生年金からそれぞれ国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。会社員時代に加入する社会保険と厚生年金の保険料は会社と折半しますが、フリーランスは全て自己負担になるため、保険料の負担が重くなります。国民健康保険の保険料はお住まいの自治体と年収によって異なります。例えば、東京都世田谷区に住む35歳のフリーランス(前年の年収は400万円)の場合、保険料は年間47万5,793円となります。また、国民年金の保険料は居住地や収入に関係なく、1ヶ月あたり1万6,980円です。なお、いずれの保険料も2024年度のもので、金額は毎年見直されます。収入が下がった場合には、家族の扶養に入ったり、保険料の減額・免除などの制度を活用したりするとよいでしょう。▼参考:令和6年度国民健康保険料早見表▼参考:国民年金保険料|日本年金機構クレジットカードや賃貸などの審査に通過しづらくなるフリーランスは収入が不安定なため、クレジットカードや不動産、自動車などのローンの審査も通りづらくなることがあります。フリーランス白書2023では、16.0%が「社会的信用を得るのが難しい」と答えています。大きな買い物や契約で不利に働くと、今後の生活に大きな影響を与える可能性があるため、念のため会社員である間に済ませておくのがよいでしょう。孤独を感じやすくなる人間関係のストレスから開放されるのはフリーランスのメリットです。その反面、個人で仕事を進めることが多いため、孤独を感じやすく、モチベーションを保つのが難しく感じることもあります。解決策としては、SNSやイベントを活用してフリーランス同士の交流を持ったり、元同僚との関係を保ったりするとよいでしょう。不安を打ち明けられる仲間がいると心強く、人脈を築くことで新しい案件を獲得するチャンスも広げられます。フリーランスだからこそ、孤立しない環境を作ることが大切です。生活リズムが乱れやすくなるフリーランスは、休みの日も働く時間も自由に決められます。しかし、それがデメリットとなり、生活リズムを崩してしまう人も少なくありません。繁忙期には、納期に間に合わせるために睡眠時間を削ったり、食事をゆっくりとれないケースが続いたりする場合もあります。体を休める時間をしっかり取れないと体調を崩すリスクが高まります。スケジュール管理を十分行い、自分が対応できる量を把握して生活リズムを整えることが重要です。フリーランスが多い職種一覧フリーランスと一言でまとめても、さまざまな職種があります。ここでは、フリーランスとして働きやすい職種とはどのような仕事か、またなぜそれらの職種がフリーランスに向いているのかを詳しくみてみましょう。▼関連記事:未経験からでもフリーランスになれる!目指せる職種・仕事獲得方法を解説▼関連記事:【一覧】フリーランスの仕事21選!職種ごとの年収・必要なスキルも解説エンジニア系フリーランスに多い仕事の1つが、さまざまなシステムの設計や開発、運用などを行うエンジニアです。エンジニアには、以下のように多様な職種があります。フロントエンジニアWebサイトやアプリのユーザーインターフェース(UI)の設計・実装を行うバックエンドエンジニアデータベースの設計やサーバーサイドのプログラムを開発するiOS/Androidエンジニアスマホ向けのアプリの開発を行う機械学習エンジニア大量のデータを解析し、アルゴリズムの実装や運用に携わるインフラエンジニア企業のサーバーやネットワークなどを管理・運営するエンジニアがフリーランスに向いている理由は、リモートワークがしやすいこと、またIT化が進み、需要が急激に増加していることが挙げられます。WebマーケターやWebデザイナーなどのクリエイティブ系Webマーケターは、Web広告による集客や分析、解析など、Web上のマーケティング全般に関わります。Webデザイナーは、Webサイトやアプリのデザインを作成します。また、Webサイト全体の配置やロゴのデザインなども手掛けます。クリエイティブ系の主な職種・仕事には以下が挙げられます。WebマーケターWeb広告による集客や分析、解析などのWebマーケティング業務を行うWebデザイナーWebサイトやアプリ、ロゴのデザインを作成するWebディレクターWebサイトやアプリの制作を管理するWebライターWeb上に掲載するコンテンツを作成する動画編集動画の編集や音声調節などを施すイラストレーターWebや書籍などに掲載するイラストを作成するアフィリエイトブログ運営ブログを運営し、商品やサービスを紹介して報酬を得るクリエイティブ系職種にフリーランスが多い理由も、エンジニアと同じくリモートワークがしやすい点が挙げられます。また、コンテンツの多様化が進み、効率よく質の良いコンテンツを作成したいという企業ニーズの高まりなども関係しています。コンサルタントやカスタマーサクセスなどの営業・企画系フリーランスとして、コンサルタントやカスタマーサクセスなどで働く人も増えています。コンサルタントは、企業や組織に対して専門的なアドバイスと解決策を示す役割を担います。カスタマーサクセスは、顧客満足度を高めるために、企業やユーザーに対して多様なサポートを行います。ユーザーが期待する成果を実現するために、積極的に多様な支援を行います。営業・企画系の主な職種・仕事には以下が挙げられます。コンサルタント企業や組織に対して、専門的なアドバイスや解決策を示すカスタマーサクセス企業やユーザーに対して多様なサポートを行う営業顧客のニーズに寄り添い、企業が売り出す商品やサービスを提案・販売する事業企画新しい事業の企画立案や推進を担う営業職は会社員が行うイメージが強いかもしれません。しかし、事業を早く成長させるために、時間をかけて社員を育てるよりも、即戦力となるフリーランスに依頼する企業が増加しています。フリーランスで高年収が狙える職種は?続いては、SOKUDANで実際に掲載されていた約5,000件の案件をもとに、フリーランスで高収入が狙える職種を紹介します。職種別の平均年収ランキング平均年収が高いフリーランスの職種は以下の通りです。順位職種年収1機械学習エンジニア1,115万円2エグゼクティブ・コンサル1,033万円3プロジェクトマネージャー992万円4データサイエンティスト991万円5iOS/Androidエンジニア943万円※2019年6月〜2024年1月2日に、SOKUDANに掲載された実際のフリーランス・副業案件(一部抜粋)の単価から、年収を計算して作成したランキングです。平均年収が最も高い職種は機械学習エンジニアです。平均年収は1,115万円です。AI技術の需要が高まっていることから、データ分析やアルゴリズム開発などを行う機械学習エンジニアの年収も上昇傾向にあるといわれています。そのほかの平均年収が高い職種は、1,033万円のエグゼクティブ・コンサル、992万円のプロジェクトマネージャーなどです。ランキング全体を見ると、エンジニア職種は全て10位以内にランクインしています。▼関連記事:【2024最新】フリーランス・副業の平均年収ランキング(職種別)年収1,000万円が狙いやすい職種年収1,000万円が狙いやすいフリーランスの職種は以下の通りです。順位職種1,000万円を超える割合1エグゼクティブ・コンサル46.9%2データサイエンティスト44.6%3プロジェクトマネージャー44.4%4機械学習エンジニア43.8%5iOS/Androidエンジニア32.9%※2019年7月1日〜2024年1月2日に、SOKUDANに掲載された求人案件(一部抜粋)の単価と稼働時間から平均時給を計算し、平均時給から1日8時間、月21日稼働で想定月収と想定年収を試算して作成したランキングです。年収1,000万円を超える割合が最も高い職種は、エグゼクティブ・コンサルです。企業の経営に関わる重要な役割を担い、高度な専門知識と経験が求められるため、高い報酬が得られます。また、エンジニア職種の全案件のうち、33.6%が1,000万円を超えています。▼関連記事:【2024最新】年収1,000万円が狙いやすいフリーランス職種ランキング案件数が増加している職種案件数が増加しているフリーランスの職種は以下の通りです。順位職種案件の増加率1インフラエンジニア66.7%2Webディレクター66.3%3データサイエンティスト66.0%4バックエンドエンジニア57.2%5プロジェクトマネージャー53.3%※2022年中にSOKUDANで掲載された求人と、2023年中に掲載された求人案件(一部抜粋)を職種別に比較し、作成したランキングです。案件数が最も増加している職種は、インフラエンジニアです。企業のDX化促進や、クラウドサービスの普及に伴い、インフラの設計から運用まで依頼できるインフラエンジニアの需要が高まっていると考えられます。Webディレクターやデータサイエンティストの案件数も増加しています。また、エンジニア職種の平均増加率は54%に上ります。▼関連記事:【2024最新】案件数が増加したフリーランス職種ランキング案件単価が上昇している職種案件単価が上昇しているフリーランスの職種は以下の通りです。順位職種増加額(時給)1インフラエンジニア+651円2カスタマーサクセス+491円3プロジェクトマネージャー+252円4iOS/Androidエンジニア+190円5事業企画+183円※2022年中にSOKUDANで掲載された求人と、2023年中に掲載された求人案件(一部抜粋)を職種別に比較し、作成したランキングです。案件単価の増加額が最も高い職種は、インフラエンジニアです。クラウドサービスの普及などに伴い、高度なスキルを持つインフラエンジニアの需要が増加したことが、案件単価の増加につながったと考えられます。▼関連記事:【2024最新】単価上昇中のフリーランス職種ランキングフリーランスになるために必要な準備と手続き続いては、会社員からフリーランスになるために必要な準備と手続きをはじめ、フリーランスになった後に行うべきことを説明します。▼関連記事:フリーランスになるには?必要な手続きや仕事獲得の方法まで解説▼関連記事:フリーランスとして独立するために必要な準備!会社員からの独立体験談も紹介フリーランスの案件を探すフリーランスの案件を探す方法としては、以下のようにクラウドソーシングサイトや求人検索サイト、案件マッチングサイト、SNSの活用が挙げられます。クラウドソーシングサイト企業や個人が不特定多数の人に業務を依頼するプラットフォーム求人検索サイト求人情報のみを提供しているため、自分の職種やスキル、条件などをキーワード検索することで、適切な案件を見つけることができる案件マッチングサイト企業が業務委託案件などを募集するために利用するプラットフォームSNSX(旧Twitter)などで業務委託案件を募集しているクライアントも意外と多い上記のほかにも、これまで自分が築いてきた人脈も最大限に活用しましょう。フリーランス白書2023によると、フリーランスの仕事獲得の手段は「人脈」と「過去・現在の取引先」がほぼ同率の1位・2位で、合わせて全体の約66%を占めています。案件探しと同時に、自分のポートフォリオもしっかり準備しましょう。ポートフォリオは一度作成しても、定期的に見直すことも大切です。あわせて、名刺や必要に応じて事業用の新しい口座も用意するとよいでしょう。税務署に開業届を出す仕事の目処が立ったら、フリーランスとして独立する準備に着手しましょう。フリーランスとして独立する際には、税務署に開業届を出す必要があります。開業届は、正確には「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、事業の開始から1ヶ月以内に管轄の税務署に提出します。【開業届に必要な書類】開業届青色申告承認申請書(青色申告を希望する場合)本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)マイナンバーが分かるもの(マイナンバーカード、マイナンバーが記載された住民票など)印鑑(書類の訂正が必要な場合)なお、開業届を提出しなかった場合でも罰則などはありません。しかし、開業届を提出して個人事業主として認められることで、以下のようにさまざまなメリットを享受できます。忘れないうちに提出するのがおすすめです。【開業届を提出するメリット】確定申告時に青色申告が可能屋号付きの事業用銀行口座を開設できる小規模企業共済に加入できる開業届の控えが個人事業主として活動している証明になる▼関連記事:フリーランスが開業届を出すメリット!不要な場合やインボイス対応も解説健康保険や年金の加入手続きを行うフリーランスになる際は、自分で国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。会社員からフリーランスになる場合は、国民健康保険も国民年金も、原則として退職してから14日以内の手続きが必要です。忘れずにお住まいの自治体で手続きをしましょう。【国民健康保険の加入に必要な書類】健康保険の資格喪失証明書マイナンバーカードなど、マイナンバーを確認できるもの本人の身元確認ができるもの【国民年金の加入に必要な書類】退職を証明できる書類(離職票、健康保険喪失証明書、退職証明書など)身分証明書(運転免許証やパスポート)年金手帳印鑑▼関連記事:フリーランスが加入する国民年金とは?将来の年金受給額を増やす方法も解説!毎年確定申告を行うフリーランスは、前年度の所得を確定させて納税金額を決めるために、毎年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行わなければなりません。確定申告には、白色申告と青色申告の2種類の申告方法があります。どちらにするかは自分で選択できます。【白色申告】手続きがシンプルで簡単適用される控除は基礎控除(38万円)のみ【青色申告】複式簿記で作成しなければならない基礎控除に加えて、青色申告特別控除で最大65万円の控除が受けられる赤字の繰り越しができる家族への給与を全額経費計上できる青色申告は書類作成の手間がかかるデメリットこそあるものの、税制上で大きなメリットがあります。そのため、青色申告で確定申告するのがおすすめです。青色申告は、事前に税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があるので、開業届と一緒に用意しましょう。▼関連記事:確定申告はフリーランスに必須!やり方や必要書類と経費管理のコツ▼関連記事:フリーランスは青色申告で確定申告しよう!控除の活用や節税のコツを解説フリーランスとして長く活躍するためのポイント最後に、フリーランスとして長く活躍するためのコツや大切なポイントを4つ紹介します。どれもフリーランスにとって不可欠なので、ぜひ参考にしてください。クライアントが求める以上の成果を出すクライアントの期待を上回る成果を出すことで、継続的な案件の受注や、別の案件の獲得にもつながります。意識するべきポイントは以下です。指定された締め切りよりも早く納品する質の高い成果物を提出するクライアントの希望に沿った納品物を仕上げるクライアントが社内ではなくフリーランスに仕事を発注するのは、人手不足なだけではなく、その道のプロに依頼してレベルの高い納品を期待しているためです。そのためには、クライアントのニーズをしっかり把握することも重要です。クライアントとコミュニケーションを丁寧に行うクライアントと丁寧にコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築け、継続案件を獲得しやすくなります。連絡を取る際は、以下の点を意識しましょう。連絡が来たらできるだけ早く返信をする疑問点が生じた場合は早期にクライアントに相談する相手の立場や考えを尊重する結論から分かりやすく伝える適切な敬語や挨拶を心がける▼関連記事:ビジネスコミュニケーションの重要性とは?フリーランスに役立つテクニックを紹介仕事をしながら営業も怠らないフリーランスはどうしても仕事が不安定になりがちです。そのため、仕事をこなしながら、常に次の案件を受注するための営業活動を行ないましょう。具体的な営業活動としては、こまめに新しい案件をチェックする・気になる企業に営業メールを送付する・ポートフォリオを定期的に更新する・スキルアップを続けることなどが挙げられます。即日スタートできる案件はそう多くありません。今担当している仕事が終了になった場合でも焦らないよう、日頃から営業を行う習慣を身につけましょう。▼関連記事:難易度別フリーランスの営業方法!安定して稼げるコツを徹底解説自己管理を徹底するフリーランスは仕事の時間や仕事量を自分で決められるため、いわゆる“セルフブラック”に陥りやすい側面があります。セルフブラックとは、自分を追い込んでブラック企業に勤めているかのように、過重労働・長時間労働に陥る状態です。体調を崩すリスクがあるため、体調管理やスケジュール管理をしっかり行って無理のない働き方を意識しましょう。フリーランスの案件探しはSOKUDANがおすすめ!フリーランスの案件探しには、マッチングサイト「SOKUDAN」がおすすめです。SOKUDANには、次の3つの特徴があります。週1日~3日稼働の案件多数リモート案件率92%平均時給4,500円SOKUDANは、ほかの案件と掛け持ちしやすい週1日から稼働OKの案件が豊富で、リモート案件率92%のため、時間を活用できる案件を見つけやすいです。また、フリーランスとして幅広い経験を積んできた上級者向けの案件はもちろん、スキルが浅めの方も応募できる案件も扱っています。「フリーランスを目指したいけれども経験不足が心配」という方や「まずは副業からスタートしてみたい」という方は、ぜひチェックしてみてください。▼フリーランス・副業の案件・求人を探すならSOKUDAN▼SOKUDANのフリーランス案件一覧▼SOKUDANの経験少なめOK案件▼SOKUDANの高単価案件▼SOKUDANのリモート案件まとめフリーランスとは、企業と案件ごとに業務委託契約を結び、個人で仕事を進める働き方です。近年は、働き方の多様化やリモートワークの普及などに伴い、フリーランスとして働く人や企業からの需要は増加しています。しかし、フリーランスとして働くことにはメリットだけでなくデメリットがあるのはもちろん、注意するべき点や必要な準備なども多くあります。これからフリーランスを目指す人は、それらをしっかり踏まえたうえで、フリーランスという選択肢について一度じっくり検討してみてはいかがでしょうか。