会社員やアルバイトなどを退職して、フリーランスとして働き始める場合に、再就職手当が受給できるかは大切なポイントです。再就職手当は、一定の条件を満たして申請すれば、フリーランスに転身する場合も受給できます!この記事では、フリーランスへの転身を考えている方が、再就職手当をもらうまでの6ステップを解説します。再就職手当を最大限に活用して、安心してフリーランスとしてのスタートダッシュを踏み出しましょう。【基礎知識】失業保険・再就職手当とは?失業保険と再就職手当は、失業期間中の生活を支える制度です。これらの制度を理解して、フリーランスとしての新しいキャリアを始める際に、金銭的な不安を軽減しましょう。失業保険失業保険は、会社員やアルバイトを退職し、次の仕事が決まるまでの一定期間に給付金を受け取れる制度です。ただし、自己都合退職の場合には、給付が開始されるまでに「給付制限期間」(通常3ヶ月間)が設けられる点に注意が必要です。失業保険を受給するためには、以下の特定の条件を満たしている必要があります。【失業保険の受給条件】すぐに働ける状態だが、離職状態にある一定期間、雇用保険に加入していたこと自営業(フリーランスなど)を開始していない人▼参考:厚生労働省 雇用保険事務手続きの手引き受給額や受給期間は、雇用保険に加入していた期間や離職の理由などによって異なります。失業保険を利用することで、フリーランスとしての活動を始める前に、生活費を確保しつつ準備を進めることができるでしょう。フリーランスに関わる失業保険の詳細は、以下の記事で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。▼関連記事:フリーランスになるとき失業保険はもらえる?申請の流れや開業届の注意点などを解説再就職手当再就職手当は、失業保険の受給中に、再就職や自営業を開始した場合に支給される手当です。受給には、失業保険の支給残日数が全体の1/3以上残っていることが条件となります。支給額は残日数に応じて決まり、早期に再就職した場合ほど給付率が高くなります。例えば、支給残日数が2/3以上の場合は給付率が70%、1/3以上の場合は60%に下がります。再就職手当をスムーズに受給するためには、これらのルールをしっかりと理解し、必要な手続きを確実に行うことが大切です。後述で解説する各ポイントを1つずつ確認し、不備なく再就職手当を申請しましょう。フリーランスも再就職手当を受給できる!再就職手当は、退職後にフリーランスとして独立する場合も受給可能です!再就職手当は、会社員や契約社員、アルバイトなどの直接雇用の仕事に再就職が決まった人はもちろん、条件を満たした上で開業をした人も対象となります。そのため、これからフリーランスとして独立する人も、再就職手当を受け取り、駆け出し期間の貴重な収入を得ることができます。フリーランスの再就職手当の受給条件これからフリーランスになる方が、再就職手当をもらうための条件は次の通りです。受給手続き後、7日間の待機期間満了後に、事業を開始したこと事業開始の前日までの失業認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上あること離職した前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関わりがないこと▼参考:再就職手当のご案内離職したことを証明する待機期間満了後にフリーランスとして開業し、失業保険の支給残日数が1/3以上残っていることが主な条件となります。1つでも条件から外れてしまうと、再就職手当の受給ができなくなるので注意しましょう。フリーランスが再就職手当をもらうまでの6ステップここでは、フリーランスが再就職手当を受給するための6つのステップを解説します。手順をしっかりと踏み、手続きをスムーズに進めて、フリーランスとして安心してスタートを切りましょう。①離職票を提出するはじめに、離職票をハローワークに提出しましょう。離職票は、退職した企業が発行する、離職を証明する書類です。離職票を提出することで、失業保険の受給資格が認定されます。離職票の提出が遅れると、手続き全体が遅れてしまうので、退職後は速やかに提出しましょう。もしも、退職した企業から離職票がなかなか発行されない場合は、一度ハローワークに相談してください。ハローワークが離職の事実を確認した上で、企業へ離職票発行の督促をしてくれます。②求職手続きを行う離職票の提出後、ハローワークで求職手続きを行います。求職手続きでは、ハローワークの職員と面談を行い、再就職に向けた活動計画を立てます。求職手続きを完了することで、失業保険の受給資格が正式に確定し、次の手続きに進めます。フリーランスとしての独立を目指す場合も、求職者としての登録が必要なので忘れずに行いましょう。③7日間の待期期間を過ごす求職手続きが完了した後、7日間の待期期間を過ごします。待機期間は、ハローワークが失業の事実を確認するための期間です。待機期間中は失業保険が支給されないため、収入が一時的に途絶えてしまいます。しかし、待機期間中に再就職やフリーランスとしての開業手続きを行わないよう注意しましょう。7日間の待機期間を過ぎると、再就職手当の申請資格が得られます。④雇用保険受給説明会に参加する待期期間が終了したら、次は雇用保険受給説明会に参加しましょう。雇用保険受給説明会では、雇用保険の受給方法や再就職手当の申請手続きの説明が行われます。指定された日時への参加は必須です。もし参加が難しい場合や予定が合わない場合は、事前に別日程への調整が必要です。説明会に参加しないと、再就職手当の受給ができなくなる可能性があるため、必ず出席するようにしましょう。参加後には、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が交付されます。これらの書類は、再就職手当の申請に不可欠なので、大切に保管してください。⑤開業届を提出するフリーランスとして開業し、再就職手当を受け取るためには、開業届の提出が必須です。お住まいの地域の税務署で直接申請、e-Taxもしくは郵送で開業届を提出しましょう。開業届の提出日が再就職手当の受給に影響を与えるため、提出のタイミングには注意が必要です。待機期間中に申請すると、再就職手当は受給できません。そのため、必ず待機期間が終了してから、開業届を提出しましょう。⑥再就職手当を申請する最後に、再就職手当を申請します。申請には、雇用保険受給資格者証や失業認定申告書、開業届などの書類が必要です。必要書類をハローワークに提出し、再就職手当の支給を申請します。申請が遅れると支給が遅れ、結果として支給額が下がる恐れがあります。必要書類が揃い次第、速やかに申請手続きを行いましょう。フリーランスの再就職手当の受給額ここでは、再就職手当の具体的な計算方法と、受給額の例を詳しく解説します。再就職手当の受給額を確認して、フリーランスとして安心してスタートできる状態にしましょう。再就職手当の計算方法再就職手当の受給額は、以下の計算式で算出されます。【再就職手当の受給額の計算式】基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率基本手当日額失業保険の受給者が1日に受け取ることができる金額支給残日数失業保険を受給できる残りの日数給付率再就職手当の給付率基本手当日額は、離職前の賃金の日額をもとに算出されます。在職時の給与と離職時の年齢などによって、基本手当日額は1人ひとり異なるので、詳しい金額はハローワークに確認してください。支給残日数は、失業保険を受給できる期間の残日数です。給付率は、再就職手当の給付額を決める比率です。早期に開業するほど割合が高くなります。再就職手当の受給額例再就職手当の受給額を具体的にイメージするために、受給額の計算例を紹介します例①基本手当日額が5,000円、支給残日数が50日、給付率が60%の場合【計算式】5,000円 × 50日 × 60% = 150,000円基本手当日額が5,000円、支給残日数が50日、給付率が60%の場合は、再就職手当の受給額が150,000円となります。例②基本手当日額が5,000円、支給残日数が80日、給付率が70%の場合【計算式】5,000円 × 80日 × 70% = 280,000円基本手当日額が5,000円、支給残日数が80日、給付率が70%の場合は、再就職手当の受給額が280,000円となります。例①と基本手当日額が同額でも、支給残日数が多く、給付率が高いため受給額が増えます。そのため、開業のタイミングをしっかりと見極めることが大切です。フリーランスが再就職手当を申請するときの注意点フリーランスとして再就職手当を申請する際には、次の5つのポイントに注意する必要があります。5つの注意点を理解した上で、再就職手当の手続きを進め、トラブルなく受給できるようにしましょう。失業手当の受給残日数に気をつける再就職手当を申請する際は、失業手当の受給残日数が重要なポイントです。受給残日数が多ければ多いほど、再就職手当の受給額も増えるため、残日数を随時確認するようにしましょう。また、再就職手当は、受給残日数が最低でも1/3以上残っている場合に支給されます。そのため、失業手当を受給している間に、再就職や開業のタイミングを慎重に検討する必要があります。開業届を提出するタイミングに気をつける開業届を提出する日が再就職手当の支給開始日となるため、必ず失業手当の待期期間が終了した後に提出してください。失業保険の申請前や、7日間の待機期間中に開業届を提出すると、再就職手当の受給資格を失ってしまいます。なるべくアルバイトはしない再就職手当を申請する前後の期間は、なるべくアルバイトをしないようにしましょう。失業保険申請中は、7日間の待機期間を終了すると、原則1日4時間未満、週20時間以下の雇用で働くことが可能です。ただし、誤ってこの条件から外れてアルバイトをしてしまうと、再就職手当の支給条件を満たさなくなるリスクがあります。そのため、なるべく申請前後はアルバイトをせず、開業の準備に取り組むことをおすすめします。副業としてのフリーランス活動は一旦休む会社員やアルバイトなど、前職のときから副業としてフリーランス活動をしている場合は、再就職手当を申請する際には、活動を一旦休止することを検討しましょう。副業としての収入があると、再就職手当の支給条件に影響を与える可能性があり、受給額が減少するか、受給自体ができなくなる恐れがあります。そのため、再就職手当を受け取るまでの間は、副業を一時的に中断し、問題なく再就職手当を受給できるように進めることが賢明です。不正受給は罰則がある再就職手当を申請する際や申請後に、不正受給とみなされる行為がある場合は、再就職手当や失業保険の返金が求められますまた、悪質な不正受給とみなされた場合は、不正受給分の約3倍の金額を支払う義務が発生することもあるため、注意が必要です。不正受給とみなされるケースの一例は、次の通りです。離職票の捏造事前に開業していたことを隠す失業保険受給期間中のアルバイト収入の隠蔽少しでも多くの金額を得たいからといって、不正受給を行うことは犯罪です。必ずハローワークの指示に従い、ルールを守って受給しましょう。副業からフリーランスを目指すのも1つの手段「フリーランスになりたいけれど、まだ実力や実績が浅い」「当面の生活費の貯金が少ない」という方もいるでしょう。フリーランスになりたいものの、まだ不安要素がある場合は、正社員・派遣社員・アルバイトなどで働きつつ、副業でフリーランス経験を積んでから独立がおすすめです!正社員やアルバイトなどで安定した収入を得つつ、副業に取り組むことで、金銭的な不安を軽減しながらフリーランス経験を積むことができます。一定の経験を積み、フリーランスとしての人脈を作り、貯金をためた上で独立を目指すと、安心感を得られるでしょう。今すぐフリーランスとしての独立に不安を感じる場合は、まずは副業からスタートすることを検討してみてください。フリーランス・副業におすすめのマッチングサイト「SOKUDAN」開業届を提出してフリーランスとして独立する方や、まずは副業を通して経験を積んでいきたい方におすすめのマッチングサイトが「SOKUDAN」です。【SOKUDANの魅力】週1日の案件からフルタイムの案件まで豊富リモート案件率92%平均時給4,500円経験が浅めの方も応募できる案件多数SOKUDANでは、週1日から勤務できる案件や、フルタイム勤務できる案件まで幅広く掲載されています。リモート案件率92%で、平均時給も4,500円と高単価なので、効率よくしっかりと稼げます。また、経験浅めの方も応募できる案件もあるので、フリーランス・副業としてのスタートダッシュを切りたい方にもおすすめです。SOKUDANは無料で利用できるため、ぜひ登録してみてください。▼フリーランス・副業の案件・求人を探すならSOKUDAN▼SOKUDANのフリーランス案件一覧▼SOKUDANの経験少なめOKの求人▼SOKUDANのリモート案件まとめフリーランスとして再就職手当を受給するためには、所定の手順を踏んで、漏れなく申請作業を行うことが不可欠です。失業保険の受給残日数や開業届の提出タイミングなどに注意しながら申請を進めることで、再就職手当を最大限活かして、フリーランスとしてのスタートができます。不明点がある場合は、ハローワークに確認しながらきちんと申請を進めましょう。