「自分の得意分野を活かして働きたい」「時間や場所にとらわれずに自由に働きたい」と考える人が増えたことで、フリーランスという働き方を選ぶ人は年々増加しています。ただし、いざ会社員からフリーランスになろうとすると、「何から準備する?」「収入は安定する?」「税金や社会保険はどう手続きする?」と不安が尽きません。タイミングを誤れば、生活が圧迫される可能性もあります。この記事では、会社員からフリーランスになる前に考えるべきことや、必要な手続き、最適なタイミングの見極め方などを解説します。よくある質問にも答えていくため、ぜひ参考にしてください。会社員からフリーランスになると変わること会社員からフリーランスになると、働き方や収入、税金など、以下のようにさまざまな場面で変化が生じます。 会社員フリーランス働き方会社に雇用され、雇用契約書に基づき業務を行う1つひとつの仕事ごとに企業と業務委託契約を結び、仕事内容や業務時間などは自分の采配で決められる収入の受け取り方年俸制または月給制で、ある程度収入は固定されている業務を遂行するごとに報酬を受け取る収入の安定性給料制により、安定継続的な収入が見込める自分で仕事を獲得する必要があるため、安定性は不安要素がある税金所得税と住民税は会社が毎月代行して納税するため、給料から源泉徴収される確定申告を行い、自分で税金を納める保険会社と折半で健康保険と厚生年金に加入するため、保険料は給料から天引きされる国民健康保険と国民年金に加入し、保険料は全額自分で支払う社会的信用安定継続的な収入が見込めるため、ある程度の信用があるとみなされる収入の安定性が低いため、会社員と比べて信用度が低い傾向にあるスケジュールの自由度会社の営業時間に合わせて働く必要があるため、自由度はあまり高くない自分の好きなタイミングで仕事をしたり休みを取ったりできるため、自由度は高い働く場所基本的にはオフィスに出社する必要がある自分で決められるまた、フリーランスには自由や収入アップの可能性がある一方で、リスクも存在するため、独立を検討する際は、よい面だけでなく課題も含めて両面を客観的に理解しておくことが大切です。そのため、まずは会社員からフリーランスになることで得られるメリットと、同時に直面する可能性のあるデメリットを整理しておきましょう。会社員からフリーランスになるメリットフリーランスになると、働く場所や時間を自由に選べるようになります。通勤が不要になり、自宅・カフェ・コワーキングスペースなど、自分に合った環境で仕事ができるため、生活の質が向上したと感じる人も多いです。また、始業時間や休日を自分で調整できるため、家族との時間を優先したり、平日にゆとりをもって用事を済ませたりと、ライフスタイルに合わせた働き方が実現します。収入面では、会社員のように固定給ではなく、自分のスキルや成果に応じて報酬が変わります。高単価の案件を獲得できれば、会社員時代を上回る収入を得ることも可能です。努力がそのまま報酬に反映されるため、やりがいを感じやすいという声も多く聞かれます。さらに、フリーランスとして活動することで、さまざまなクライアントやプロジェクトに関わる機会が増えます。会社員時代は特定の業務に集中することが多いですが、フリーランスでは営業・制作・納品・経理までひと通りを自分で担うため、実践的なビジネススキルが身につきます。自分の興味や目標に合わせて仕事を選べる点も、スキルアップの大きな後押しとなるでしょう。▼関連記事:フリーランスと会社員の違いに驚愕!独立前に知っておくべき違いを解説▼関連記事:【比較早見表あり】フリーランスと会社員の年収・手取りの違いを解説!会社員からフリーランスになるデメリットフリーランスは、会社員のように毎月決まった給料が振り込まれるわけではなく、案件の受注状況や契約内容によって収入が変動します。契約の打ち切りや案件の減少が続くと、生活に影響が出ることもあります。また、フリーランスは収入が安定していないとみなされるため、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りにくい傾向があります。特に独立直後は実績や収入証明が不足しており、契約手続きで苦労するケースも少なくありません。さらに、フリーランスは基本的に1人で仕事を進めるため、孤独を感じやすいという面もあります。会社員時代のように気軽に相談できる同僚がいないため、悩みを抱え込みやすく、メンタル面でのサポートが得にくいこともあります。仕事とプライベートの線引きが曖昧になり、休みの日でも仕事のことを考えてしまうなど、オンオフの切り替えが難しいという声もよく聞かれます。▼関連記事:フリーランスで働くデメリット11個を暴露!意外なメリットも解説会社員からフリーランスになる前に考えるべきこと会社員からフリーランスへ転身する際は、リスクを最小限に抑えるためにも、事前に自分の性格・スキル・生活環境を客観的に分析しておきましょう。ここでは、会社員からフリーランスへ踏み出す前に考えておくべき重要なポイントを整理します。フリーランスの働き方が自分に合うかフリーランスには強い自己管理力と責任感が求められます。会社員のように上司や同僚がサポートしてくれる環境ではないため、スケジュール管理・納期の調整・クライアント対応など、全てを自分の判断で進めなければなりません。孤独な状況でもモチベーションを保てるか、不安やプレッシャーをうまくコントロールできるかといった性格面も、フリーランスの適性を見極めるうえで重要です。また、フリーランスは自由に働ける一方で、仕事を優先しすぎて休息を取れなくなるケースも少なくありません。オンとオフの切り替えが苦手な人は、生活リズムが乱れたり、心身のバランスを崩したりする可能性があります。自分のペースを守りながら働ける環境づくりが、長く続けるための鍵になります。自分のスキルで仕事が取れるかフリーランスにとって、スキルはそのまま収入源になります。だからこそ、自分のスキルがどの程度市場で通用するのか、どんな仕事に価値を提供できるのかを冷静に見極めることが大切です。そのため、会社員時代に培った経験や実績を整理し、それらが独立後の強みとして活かせるかを確認しましょう。さらに、同業のフリーランスがどのようなスキルを持ち、どんな単価で仕事をしているのかを調べることで、自分の市場価値やポジションを明確にできます。こうした準備を通じて、独立後の仕事の方向性をより具体的に描けるようになるでしょう。会社員時代の経験・人脈が活かせるか会社員時代に培ったスキルや人脈は、独立後の大きな強みになります。これまで築いてきた取引先や同僚、上司との信頼関係を、どのように仕事につなげられるかを整理しておきましょう。特にフリーランスになりたての時期は、既存のつながりから案件を得るケースが多いため、退職前から関係を維持し、円満な形で独立することが大切です。また、会社員時代の業務経験が、そのままフリーランスとしての専門分野になる場合もあります。自分が携わってきたプロジェクトを振り返り、「どの経験が独立後に活かせるのか」「どんな強みとして打ち出せるのか」を考えることで、スムーズなスタートを切る準備が整うでしょう。▼関連記事:フリーランスこそ人脈が大切!人脈作りのコツ・案件獲得方法を解説収入の安定性と生活設計のシミュレーションフリーランスとして働くうえで、収入の変動に備えることは欠かせません。生活費だけでなく、税金や保険料も自分で負担する必要があるため、独立前に支出全体をしっかり試算しておくことが重要です。まず、現在の生活水準を維持するために必要な金額を具体的に算出しましょう。例えば、毎月の生活費が30万円であれば、少なくともその額を安定的に確保できるかを確認する必要があります。さらに、所得税や住民税、国民健康保険料、国民年金といった社会保険料を含めると、実際には手取り30万円を得るために40万円以上の売上が必要になる場合もあります。こうした金額を明確にしておくことで、独立後にどれだけの案件を継続的に受注すればよいかの目安が立ちます。最低限の生活費をまかなえる収入見込みがあるかどうかを事前に確認しておけば、精神的な不安を大きく減らせるでしょう。▼関連記事:【早見表】フリーランスの手取りを年収・月収別に紹介!計算方法や節税・手取りを増やす方法も社会的信用・生活環境への影響フリーランスになると、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなるケースがあります。結婚・出産・住宅購入などのライフイベントを控えている場合は、家計や将来設計への影響も含めて慎重に検討しましょう。特に、住宅や車の購入、大きなローン契約を予定している場合は、会社員のうちに契約を済ませておくのが賢明です。また、家族がいる場合は、独立によって生活や収入の仕組みがどのように変わるのかを事前に話し合っておくことが大切です。収入の波や社会保険の切り替えによる負担増を理解してもらうことで、家族全体で安心して新しい働き方に備えられます。▼関連記事:フリーランスの住宅ローン審査が厳しい理由とは?審査通過のポイントを解説会社員からフリーランスになる際に必要な手続き会社員を辞めてフリーランスとして働き始める際には、税金・保険・年金などの公的な手続きが必要になります。これらの手続きを適切に行わないと、後々トラブルになる可能性もあるため、事前に流れを把握しておくことが重要です。ここでは、会社員からフリーランスになる際に行うべき主要な手続きを解説します。退職手続きと会社への届け出を行うまずは、現在の勤務先に退職の意思を正式に伝えましょう。法律上は退職の2週間前までに申し出れば問題ありませんが、円満に退職するためには、できるだけ早め(1〜2か月前など)に伝えるのが理想です。退職届を提出した後は、引き継ぎスケジュールを立て、業務の整理を計画的に進めます。退職時には、会社から離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証などの重要書類を受け取ります。これらは失業給付や確定申告など、今後の各種手続きで必要になるため、必ず手元に保管しておきましょう。また、会社によっては、退職月の給与から住民税が一括で天引きされるケースもあるため、引き落としの有無や金額を把握しておくと後々のトラブルを防げます。健康保険・年金を切り替える会社員を退職すると、厚生年金や社会保険の資格は自動的に失効します。そのため、退職後は国民健康保険への加入や国民年金への切り替えなどの手続きを行う必要があります。国民健康保険への加入は、退職日の翌日から14日以内にお住まいの市区町村役所で手続きを行います。保険証が発行されるまでに時間がかかる場合もあるため、早めの申請がおすすめです。また、退職前に加入していた健康保険を最長2年間継続できる「任意継続制度」という選択肢もあります。任意継続制度を利用すると、同じ保険証を引き続き使えますが、保険料は会社負担分も含めて全額自己負担になります。国民健康保険と比較してどちらが負担が少ないかを確認し、条件に合ったほうを選びましょう。▼関連記事:フリーランスが加入できる健康保険は?国民健康保険料を抑えるコツやおすすめの制度も紹介国民年金への切り替えも退職日の翌日から14日以内に市区町村の窓口で手続きを行います。国民年金基金や付加年金の加入を検討することで、将来の年金額を増やすことも可能です。▼関連記事:フリーランスが加入する国民年金とは?将来の年金受給額を増やす方法も解説開業届を提出するフリーランスとして事業を始める際は、「個人事業の開業届出書(開業届)」を税務署に提出する必要があります。開業届は、国に「事業を開始しました」と報告するための届出で、開業日から1か月以内に提出するのが原則です。手数料はかからず、最寄りの税務署へ直接持参するほか、e-Taxを使ってオンライン提出することも可能です。開業届を出さなくても罰則はありませんが、以下で説明する青色申告の特典を受けるためには提出が必須です。▼関連記事:フリーランスが開業届を出すメリット!提出不要な場合や提出方法まで青色申告承認申請書を提出する節税を意識するなら、「青色申告承認申請書」の提出を忘れずに行いましょう。青色申告承認申請書は、開業届と同時に提出するのがおすすめです。青色申告を選択すると、最大65万円の控除が受けられるうえ、赤字の繰越(3年間)や家族への給与計上も可能になります。申請期限は、開業日から2か月以内または青色申告を行いたい年の3月15日までです。節税効果が大きく、長期的に見てもメリットが多いため、本格的にフリーランスとして活動するなら青色申告を選択するのが断然おすすめです。▼関連記事:フリーランスは青色申告で確定申告しよう!控除の活用や節税のコツを解説事業用口座・クレジットカードを用意する仕事用と私生活用のお金を分けることで、経理や確定申告がスムーズになります。事業用の銀行口座を開設しておくと、売上や経費の管理が明確になり、帳簿の作成も楽になります。また、経費精算や支出管理のために事業用クレジットカードを作っておくのもおすすめです。仕事に関する支出を事業用クレジットカードで決済することで、後から経費の集計をする際に手間が省けます。▼関連記事:フリーランスがクレジットカードで業務効率化するコツ|人気のビジネスカードも税金関連の準備をするフリーランスは、自分で所得税を納める「確定申告」が義務になります。1年間の収入・経費を記録し、翌年2月16日〜3月15日に税務署へ申告します。確定申告では、売上から経費を差し引いた所得に対して税金が計算されるため、日々の取引を正確に記録しておくことが重要です。会計ソフトを導入して日々の取引を記録しておくことで、後の手間を大幅に減らせます。確定申告の時期になって慌てることがないよう、早めに会計ソフトを導入して記帳の習慣をつけておきましょう。▼関連記事:フリーランスにおすすめの会計ソフト8選!選び方・比較ポイントを解説インボイス制度への登録を検討する2023年10月に始まったインボイス制度では、取引先が消費税の控除を受けるために、「適格請求書発行事業者」として登録しているかが重要になります。課税売上が1,000万円を超える見込みがある場合や、取引先から求められる場合は登録を検討しましょう。インボイス制度に登録すると、消費税の納税義務が発生するため、売上が少ないうちは負担が大きく感じられるかもしれません。しかし、取引先が課税事業者の場合、インボイスを発行できないと取引を避けられる可能性もあります。自分の事業規模や取引先の状況を考慮して、登録の要否を判断してください。▼関連記事:インボイスに登録しない選択はあり?フリーランスの判断基準を解説会社員からフリーランスになるタイミングの見極め方会社員からフリーランスになるには、準備とタイミングが重要です。独立後に安心して活動できるよう、いくつかの判断基準を満たしているかを確認しておきましょう。ここでは、会社員からフリーランスになる最適なタイミングを判断するためのポイントを解説します。スキルや実績が一定レベルに達しているかフリーランスは、自分のスキルが仕事の評価基準になります。そのため、即戦力として案件を受けられるスキルや実績があることが重要です。会社で担当したプロジェクトや成果物をポートフォリオ化しておくと、独立後の営業にも活用できます。可能であれば、副業や個人プロジェクトで公開可能な実績を作っておくと、独立後のアピール材料として役立ちます。継続的に仕事を受けられる見込みがあるかフリーランスになってから仕事を探すのでは遅いため、退職前に一定の案件を確保できるかが重要です。理想的なのは、副業や知人経由で仕事の依頼が継続的に入っている状態です。少なくとも1〜2か月先までの案件予定があると、初期の不安を軽減できます。また、定期的に取引できるクライアントがいると、収入の安定性が増します。単発の案件だけでなく、継続して依頼をもらえる関係性を築けているかどうかも、独立の判断材料になります。会社員のうちから副業で実績を積み、クライアントとの信頼関係を構築しておくことが、スムーズな独立につながります。最低限の生活費と運転資金を確保できているかフリーランスは初期数か月、収入が安定しないケースが多いため、生活費6〜12か月分+事業用資金を目安に貯蓄しておくのが理想です。さらに、仕事用の機材購入費や営業活動にかかる費用なども見込んでおくと安心です。また、クレジットカードの支払いやローンの返済がある場合は、それらも含めた支出を計算に入れておきましょう。資金的な余裕があることで、焦らずに案件を選べるようになり、結果的に良い条件の仕事を獲得しやすくなります。▼関連記事:フリーランスは貯金が重要!独立前のお金準備や将来の資産形成についてフリーランスとしての方向性が明確になっているか会社員からフリーランスになる際は、どの分野・どんなクライアントに対して、どのようなサービスを提供するのか、自分の専門領域や得意分野が定まっていると、ブランディングや営業がスムーズに進みます。方向性が曖昧なままフリーランスになると、営業活動で何をアピールすればいいかが分からず、案件獲得に苦労する可能性があります。また、専門性が明確であれば、クライアントからも「この分野ならこの人に頼もう」と認識されやすくなり、紹介案件が増えることもあります。自分の強みや提供価値を整理し、それを明確に伝えられる状態にしておくとよいでしょう。精神的に独立への覚悟ができているかフリーランスは自由な反面、孤独やプレッシャーも伴います。会社のサポートがなくても自力で問題を解決できる自信があるか、プレッシャーを前向きに変えられるメンタルが整っているかを見極める必要があります。また、収入が不安定な状況でも、前向きに努力を続けられるかどうかも重要です。会社員時代のように毎月安定した給与が入るわけではないため、不安を感じることもあるでしょう。しかし、その不安をバネにして行動できるかどうかが、フリーランスとして成功するための鍵になります。副業で手応えを感じているかいきなり会社員を辞めてフリーランスになるのではなく、副業として一定の成果を出せた段階が理想的なタイミングです。副業でクライアントとのやり取り・納期管理・報酬受取などの流れを体験し、「これなら本業でもやっていける」と感じた時が独立の好機といえます。副業では、自分のスキルがどの程度評価されるのか、どのくらいの時間で案件をこなせるのかを把握できます。また、クライアントとのコミュニケーションや契約の進め方など、フリーランスとして必要な実務経験も積めます。副業で月5万円〜10万円程度の収入を安定的に得られるようになれば、独立後も一定の見通しが立つでしょう。会社員からフリーランスになる際によくある質問会社員からフリーランスになることを検討している人の多くが、収入・税金・保険・働き方など、さまざまな疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問をQ&A形式でまとめ、それぞれのポイントを解説します。フリーランスになるには資格や特別な許可が必要?フリーランスになるために特別な資格や免許は不要です。エンジニアやデザイナー、ライター、マーケターなど、多くの職種ではスキルと実績があれば誰でも始められます。ただし、士業(税理士・行政書士など)や医療系など国家資格が必要な業種では、所定の資格や登録が必要になります。一般的なエンジニア・マーケティング・デザインなどの仕事は、スキルと信頼があれば始められます。資格よりも、実務経験や実績の方が重視される傾向があるため、まずは自分のスキルを磨くことに注力しましょう。開業届は必ず提出しなければならない?法律上の罰則はありませんが、提出することを強く推奨します。開業届を出すことで正式に「個人事業主」となり、青色申告による65万円控除などの節税メリットを受けられます。また、屋号付きの銀行口座を開設する際にも開業届の控えが必要になることが多いため、事業を本格的に展開するなら提出しておくべきです。税務署への提出は無料で、e-Taxを使えばオンラインでも簡単にできます。開業届を出すことで、税務上の手続きがスムーズになるだけでなく、社会的な信用度も高まります。会社員を続けながらフリーランスの仕事をしてもよい?副業が会社の就業規則で禁止されていなければ可能です。ただし、会社の仕事に支障が出たり、同業他社の案件を請け負うと利益相反になったりする場合があるため、注意が必要です。また、確定申告や住民税の申告方法によっては副業が会社に知られることもあるため、事前に確認しておくと安心です。副業を行う場合は、年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。住民税は所得額にかかわらず申告が必要なため、副業収入があることを市区町村に申告する必要があります。会社に副業を知られたくない場合は、住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」にすることで、会社に通知が行かないようにできます。▼関連記事:会社員とフリーランスの掛け持ちを成功させるコツ!必要な準備や手続きもフリーランスはどのくらい稼げる?フリーランスとしてどのくらい稼げるかは、自分のスキルや実績、そして職種によって大きく異なります。フリーランス・副業向けの案件マッチングサイト「SOKUDAN」が行なった調査では、経営・戦略寄りの職種が高年収の傾向があり、エグゼクティブ/コンサル、プロジェクトマネージャーは年収1,000万円前後と高い水準となっています。また、実務職種の中では、エンジニアが年収892万円と最も高い結果が出ています。事業企画やマーケティングも高年収の部類で、テクノロジー領域や事業成長を直接担う役割が高い単価を得ていることが分かります。ただし、これらはあくまで平均値であり、実際の収入は個人のスキルや経験、案件の内容によって変動します。▼関連記事:フリーランス職種別、平均年収・案件数ランキング|フリーランス副業調査フリーランスは仕事をどのように見つければいい?フリーランスの多くは、案件マッチングサイトやエージェントサービスを活用して仕事を獲得しています。また、人脈や紹介で仕事を得ているフリーランスも多くいます。会社員時代の取引先や知人からの紹介、SNSでの発信を通じた案件獲得など、複数のルートを併用しながら、安定的に案件を獲得していくのが理想です。特に単価の高い案件は、信頼関係に基づく紹介経由で生まれることが多いため、日頃から人脈を大切にしておくことが重要です。▼関連記事:フリーランスにおすすめのマッチングサイト|直接契約できるサービスを厳選▼関連記事:フリーランスが利用すべきエージェントを紹介!おすすめの活用方法も会社員からフリーランスになる際に失業保険や再就職手当はもらえる?フリーランスになるために退職した場合でも、条件を満たせば失業保険や再就職手当を受け取れます。失業保険:退職して次の仕事に就くまでに国から手当が支給される制度再就職手当:失業保険を受給中、早期に就職先が決まった方に給付される手当「再就職」という名称ですが、事業を開始した場合も再就職と同義に扱われるため、条件を満たせばフリーランスになる場合も受給できます。ただし、受け取るためには、それぞれ以下の条件を満たす必要があります。【失業保険の主な受給条件】開業届を提出していないすぐ働く意思があるハローワークで失業保険の申請を行う求職活動を行う(求人に応募する、ハローワーク主催のセミナーに参加するなど)▼参考:ハローワークインターネットサービス - 基本手当について【再就職手当の主な受給条件】待機期間の満了後に就職した、または事業を開始した就職または事業を開始する日の前日までで、基本手当が受け取れる日数が所定給付日数の3分の1以上残っている就職先に1年以上勤務することが見込まれる退職前の事業主に再び雇用されていない受給資格が決定される前から就職が決まっていない▼参考:再就職手当のご案内▼関連記事:フリーランスになるとき失業保険はもらえる?申請の流れや開業届の注意点などを解説まとめ会社員からフリーランスへの転身は、自由な働き方や収入アップの可能性がある一方で、収入の不安定さや社会的信用の低下といった課題も伴います。そのため、メリット・デメリットを客観的に理解し、自分の適性やスキル、経済状況を冷静に見極めることが不可欠です。退職前には、必要な手続きを漏れなく行いましょう。また、独立のタイミングは、スキルや実績が十分に積み上がり、継続的に案件を受けられる見込みがある状態が理想です。フリーランスとしての働き方は、自己管理能力や覚悟が求められますが、準備を整えて臨めば、充実したキャリアを築けます。この記事で紹介した内容を参考に、自分に合った独立のタイミングと方法を見つけてください。