フリーランスとして働く中で、収入の不安定さや案件が継続できるかの不安から、アルバイトを始めようと考える方も多いでしょう。フリーランスとして働きつつ、アルバイトを兼業することで、収入を安定させることが可能です。この記事では、フリーランスがアルバイトを兼業するメリット・デメリットを解説します。実際にフリーランスの仕事とアルバイトを兼業していた筆者が、おすすめのアルバイトや確定申告時の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。フリーランスとアルバイトの違いとは?兼業は可能!そもそもの前提として、フリーランスとして働きつつ、アルバイトを兼業することは可能です。フリーランスとアルバイトは雇用形態や働き方が異なるので、兼業することでそれぞれのメリットを活かしながら、安定した収入を得やすくなります。フリーランスとアルバイトの違いは、以下の通りです。フリーランスアルバイト雇用形態業務委託契約直接雇用勤務時間自由の場合が多い会社に指定された時間に働く勤務場所自由の場合が多い会社指定の場所で働く社会保険への加入不可可能社会的信用度低め高い仕事内容の決定権クライアントと相談の上決定する会社からの指示に従うフリーランスの場合は、基本的に時間や場所が自由のケースが多いです。一方で、社会保険の加入ができない、社会的信用度が低いなどのデメリットがあります。アルバイトの場合は、時間や場所の指定がありますが、社会保険へ加入できる、社会的信用度がフリーランスより高いなどのメリットがあります。フリーランスがアルバイトを兼業するメリットここからは、フリーランスとして働きつつ、アルバイトを兼業する5つのメリットを解説します。メリットを理解して、アルバイトを兼業する目的を明確にできるようにしましょう。安定した収入を得られるフリーランスがアルバイトを兼業することで、収入源が増え、安定した収入を得られます。フリーランスの収入は不安定になりがちで、プロジェクトの終了やクライアントの予算削減などで急に収入が途絶えることがあります。しかし、毎月決まった給料が得られるアルバイトをすることで、収入の安定が図れ、経済的な安心感を得られます。安定した収入があれば、突発的な出費にも対応しやすくなり、貯金を増やせるようになります。社会保険に加入できるフリーランスがアルバイトを兼業すると、社会保険に加入できる可能性が高まります。フリーランスとして働く場合は、社会保険に加入できません。しかし、アルバイト先で一定時間働くと、健康保険や厚生年金などの社会保険に加入できます。社会保険に加入できると、医療費の負担が軽減されるだけでなく、将来的な年金受給額の増加も期待できます。労災保険や雇用保険なども適用される場合もあるため、働く上での安心感を得ることが可能です。社会的信用度が上がるフリーランスの仕事は自由度が高い反面、社会的信用度が低く見られやすいです。しかし、アルバイトを兼業することで定職に就いていると見なされ、信用度が上がることがあります。例えば、賃貸の契約やクレジットカードの審査において、安定した収入源があることは重要なポイントです。アルバイトの給与明細を提示することで、信用度が高まり、審査が通りやすくなります。生活リズムが整いやすくなるフリーランスがアルバイトを兼業すると、生活リズムが整いやすくなります。フリーランスとして働くと、自分のペースで仕事を進めることができますが、生活リズムが乱れてしまうことも多いです。特に、夜遅くまで仕事をすることが多く、健康に悪影響を及ぼすこともあります。しかし、決まった時間に出勤する必要があるアルバイトを兼業することで、生活リズムが整いやすくなります。例えば、朝から勤務するアルバイトを選ぶことで、規則正しい生活を送ることができ、体調管理もしやすくなるでしょう。孤独感が薄れるフリーランスの仕事は1人で作業することが多く、孤独感を感じることがあります。一方で、アルバイトの職場で同僚とコミュニケーションを取る機会が増えることで、孤独感が薄れやすくなります。例えば、チームで働くアルバイトを選ぶことで、人間関係が広がり、社会的なつながりが増えます。定期的なコミュニケーションが生まれることで、ストレスの軽減や精神的な安定が得られ、仕事に対するモチベーションも高まるでしょう。フリーランスがアルバイトを兼業するデメリット次に、フリーランスがアルバイトを兼業する4つのデメリットをみていきましょう。デメリットも把握しておくことで、フリーランスとアルバイトを兼業する方法を考えやすくなります。時間の制約ができるフリーランスの魅力の1つは、勤務時間の自由度の高さです。アルバイトを始めるとその自由度が大幅に減ってしまいます。例えば、決まったシフトに縛られることで、自分のペースで仕事ができなくなる可能性が高いです。その結果、フリーランスとしての仕事の効率が下がる場合があります。時間の制約が増えることで、新しい案件に挑戦したり、スキルアップを図るための勉強時間を確保したりするのが難しくなるので、スケジュールのバランスを取ることが大切です。通勤時間が発生する通勤時間が発生することもアルバイトを兼業するデメリットの1つです。フリーランスの仕事は自宅で完結することが多いため、通勤時間が不要です。しかし、アルバイト先への通勤が必要になると、その分の時間が失われます。例えば、片道1時間の通勤時間がかかる場合は、往復で2時間が消費され、毎日となると大きな時間の浪費となります。通勤時間が増えると、疲労も蓄積しやすくなり、結果としてフリーランスの仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性が高まります。通勤時間のロスを減らすためには、在宅勤務ができるアルバイトや、家から近いアルバイト先を探すのがおすすめです。フリーランスの仕事に支障をきたしやすいアルバイトを兼業すると、フリーランスの仕事に支障をきたしやすいというリスクもあります。アルバイトの時間が固定されることで、フリーランスの仕事に充てる時間が減り、柔軟な対応が難しくなりやすいです。例えば、急な依頼や締め切りに追われるときに、アルバイトのシフトが入っていると対応できなくなります。場合によっては、クライアントとの信頼関係が損なわれる可能性も出てくるので、余裕を持ったスケジュール管理を心掛けましょう。大幅な収入アップは難しいアルバイトに多くの時間を割くと、フリーランスの仕事に注力できず、結果として大幅な収入アップの機会を逃しやすくなります。アルバイトは時給や日給で働くことが多いため、働いた時間に比例して収入が決まります。例えば、1時間あたり1,000円の時給で1日8時間働けば、1日あたり8,000円の収入になります。しかし、それ以上の収入を得るためには、さらに働く時間を増やす必要があります。対して、フリーランスはスキルや経験によって高額な報酬を得ることが可能です。フリーランスとして高単価の案件を獲得することで、短期間で大きな収入を得ることができますが、アルバイトで大きな収入を得るのは難しい点を覚えておきましょう。フリーランスがアルバイトをするときの注意点フリーランスがアルバイトを兼業するメリット・デメリットを踏まえて、兼業するときに覚えておきたい3つの注意点を解説します。いつまでアルバイトを続けるか決めるフリーランスがアルバイトをする際には、いつまでアルバイトを続けるかを事前に決めることが重要です。目標や期限を設定せずにアルバイトを続けると、フリーランスの本業に集中できなくなる可能性があります。「収入が安定するまで」「特定の金額を貯めるまで」といった具体的な目標を設定すると、フリーランスの本業に戻るための計画が立てやすいです。目標を明確にすることで、アルバイトとフリーランスの仕事のバランスを保ちやすくなり、最終的にはフリーランスとしての収入アップや自立を目指すことができます。心身に負担がかからない範囲で働くフリーランスがアルバイトをする際には、心身に負担がかからない範囲で働くようにしましょう。フリーランスの仕事とアルバイトの両立は、肉体的にも精神的にも大きな負担になる場合があります。過労やストレスが溜まると、どちらの仕事のパフォーマンスも低下する恐れがあるので注意してください。心身に負担を掛けないように、事前に週に何日・何時間働くかを事前に決め、無理のないスケジュールを組むことが大切です。健康を第一に考え、必要に応じて休息を取ることで、長期的に安定した働き方が実現できます。効率よく稼げるか考えるフリーランスがアルバイトをする際には、効率よく稼げるかを考えることもポイントです。時間と労力をかけてアルバイトをする以上、その報酬が見合ったものであるかを見極める必要があります。例えば、同じ時間働くなら時給が高いアルバイトや、交通費がかからない近場の仕事を選ぶといった工夫が求められます。また、自分のスキルや経験を活かせるアルバイトを選ぶことで、仕事の効率が上がり、より少ない時間で多くの収入を得やすいです。フリーランスにおすすめのアルバイトここで、フリーランスが兼業する時におすすめのアルバイトを3つ紹介します。本業のスキルアップにつながるアルバイトフリーランスにおすすめのアルバイトの1つは、本業のスキルアップにつながるアルバイトです。例えば、Webデザイナーがデザイン会社でアルバイトをすることで、最新のデザイン技術やトレンドを学び、自分のスキルを向上させることができます。その結果、フリーランスとしての仕事の幅が広がり、より高単価の案件を受注できる可能性が高まります。アルバイトとして働きつつ、スキルアップを目指すことで、長期的なキャリア形成にも役立つでしょう。単発で働ける派遣のアルバイト単発の仕事は、短期間で完結するため、フリーランスの仕事との両立がしやすいです。イベントスタッフやデリバリーの宅配などの仕事は、1日だけや数日間の仕事が多く、フリーランスの業務が少ないときに効率的に稼げます。単発派遣のアルバイトを活用することで、フリーランスの仕事に支障をきたさず、収入を安定させられます。好きな時間に働けるギグワークギグワークは、短期間の仕事や単発の仕事を自分の都合に合わせて選ぶ働き方で、フリーランスの柔軟な働き方と相性がよいです。例えば、UberEatsの配達員やクラウドソーシングの簡単なタスクなど、自分の空いた時間に働ける仕事があります。フリーランスの仕事が忙しい時期にはギグワークを控え、余裕がある時期にはギグワークを積極的に請け負って働くことが可能です。フリーランスにおすすめのアルバイト求人サイト次に、フリーランスにおすすめのアルバイト求人サイトを5つ紹介します。長期アルバイトや単発、ギグワークなど、それぞれのおすすめサイトをみていきましょう。タウンワークタウンワークは、幅広い業種や職種の求人情報を提供している大手求人サイトです。短期や単発のアルバイトから長期のパートタイムまで、さまざまな仕事が掲載されています。フリーランスとして働きながら、自分の都合に合わせて働ける仕事を見つけるのに適しています。求人数も多いため、登録しておいて損はありません。マッハバイトマッハバイトは、業種や勤務地を絞って検索でき、特に短期や単発のアルバイトが充実している求人サイトです。エンジニアやプログラミングなど、一部フリーランスで人気の職種も扱っています。また、採用されると「マッハボーナス」というお祝い金がもらえるサービスが特徴です。条件を満たすと、給与とは別に5,000円〜1万円が最短で申請した翌日にもらえます。タイミータイミーは、スマホアプリを使って簡単にアルバイトを探せる求人サイトです。「スキマ時間を活用する」をコンセプトにしており、事前面接なしで働けるため、忙しいフリーランスでも時間を有効に使えます。飲食店や小売業、イベントスタッフなどの仕事が掲載されており、勤務修了後に即日で給与が振り込まれるのも嬉しいポイントです。ショットワークスショットワークスは、短期・単発のアルバイトに特化した求人サイトです。1日だけの仕事や週末のみのアルバイトが多く掲載されているため、フリーランスの仕事と両立しやすいです。イベントスタッフや軽作業、データ入力など、さまざまな職種が掲載されているので、自分のスケジュールや得意な業務を選んで働けます。GiGWorks BasicGiGWorks Basicは、ギグワークや単発の仕事を探すのに特化した求人サイトです。仕事の内容や報酬、働く場所などを詳細に確認でき、フリーランスのライフスタイルに合わせた仕事を見つけやすくなっています。「在宅のギグワーク」や「時給が高いスポットワーク」など、自分の希望条件のキーワードを入れて検索できるので、より条件に合った案件を探しやすいのが特徴です。特に、リモートワークが多く掲載されているため、スキルを活かしながら自由な働き方を追求できます。フリーランスがアルバイトしたときの確定申告の注意点フリーランスとアルバイトを兼業した場合、確定申告時に両方の給与を反映させて申告する必要があります。ここで、フリーランスがアルバイトを兼業したときの確定申告の注意点を3つ解説します。アルバイト先から源泉徴収票をもらうフリーランスがアルバイトをしたときは、アルバイト先から必ず源泉徴収票をもらいましょう。源泉徴収票には、給与として受け取った金額や、源泉徴収された所得税の額が記載されています。源泉徴収票をもとに確定申告を行うことで、所得税を正確に計算できます。源泉徴収票をもらい忘れると、正確な申告ができず、税務署から指摘を受ける恐れがあるため注意が必要です。▼関連記事:フリーランスにとって源泉徴収は重要!計算方法・確定申告のポイントを解説事業所得と給与所得を分けて計算するフリーランスがアルバイトをする場合は、事業所得と給与所得を分けて計算する必要があります。フリーランスとしての収入は事業所得、アルバイトとしての収入は給与所得として扱われるため、それぞれの所得を正確に分けて申告しましょう。例えば、事業所得は経費を差し引いた後の利益として計算されますが、給与所得は源泉徴収された額をもとに申告します。2つの区別を正確に行うことで、税金の過不足を防ぎ、適切な税務申告が可能となります。延滞税や無申告加算税に注意する確定申告を期限内に行わなかったり、申告を怠ったりすると、延滞税や無申告加算税が課されることがあります。特にアルバイトと兼業している時は、通常より確定申告の準備に時間が掛かりやすいので、早めの対応を心掛けましょう。▼関連記事:確定申告はフリーランスに必須!やり方や必要書類と経費管理のコツフリーランスの仕事のみで稼げるようになるための3ステップ「今はアルバイトを兼業しているけれど、将来的にはフリーランスの仕事だけで生計を立てたい」と考えている方に、フリーランスの仕事のみで稼げるようになる3ステップを紹介します。①スキルアップを図るフリーランスとして安定して稼ぐためには、まずスキルアップを図ることが重要です。専門的なスキルを磨くことで、クライアントからより高い評価を得られるようになり、高額案件の受注につながります。例えば、フリーランスのWebデザイナーは、新しいデザインツールや、トレンドに対応できるスキルの習得が求められます。スキルアップを続けることで、クライアントからの信頼が増し、リピート依頼が増える可能性も高まるでしょう。▼関連記事:フリーランスのスキルアップの方法!稼げるフリーランスになるコツとは②実績を積む次に、フリーランスとしての実績を積むことが大切です。実績が増えることで、自身のポートフォリオが充実し、新規クライアントへのアピールポイントが増えます。例えば、小さな案件から始めて、徐々に大きなプロジェクトに挑戦していくことが考えられます。初めは低単価でも、実績を積むことで信頼度が上がり、高単価案件の受注につながります。また、実績を積む過程で得られる経験や知識は、今後のキャリアに大いに役立つでしょう。③高単価案件の獲得を目指す最後に、高単価案件の獲得を目指すことが、フリーランスとして稼ぐために大切なステップです。高単価案件を受注できると、少ない案件数でも安定した収入を得られるようになります。例えば、大手企業との直接契約や、専門性が高いプロジェクトは案件の単価が高いケースが多いです。高単価案件を獲得するためには、たしかなスキルと信頼性のある実績が必要です。自身のブランディングや、フリーランスやクライアントとの人脈も重要なポイントとなります。▼関連記事:フリーランスこそ人脈が大切!人脈作りのコツ・案件獲得方法を解説また、高単価案件を扱うフリーランス向けのサービスを活用するのもよいでしょう。「SOKUDAN」は、平均時給4,500円の求人を取り扱うフリーランス・副業向けマッチングサイトです。自分の実績やスキルにあった案件が見つかるため、ぜひ活用してみてください。【体験談】フリーランスとアルバイトを兼業してよかったことこの記事の筆者は、フリーランスライターとして活動しつつ、アルバイトとして求人原稿の執筆専門のライター業も兼業していた経験があります。フリーランスとアルバイトを兼業してよかったことは、次の3つです。経験が浅いジャンルの執筆にチャレンジできたライター仲間ができた毎月安定した収入が入るようになったもともと筆者は求人原稿の執筆経験がありませんでしたが、これまでの実績を評価して採用されました。求人原稿の書き方をイチから学ぶことができ、仕事の幅が広がったと感じています。また、同じライターとして活動する仲間ができたことも嬉しかったです。何より1番よかったことは、毎月安定した収入が入るようになったことです。フリーランスの場合、案件の進行具合によって、予定していた月に売上が立たないことがあります。しかし、アルバイトは働いた分だけ収入につながるので、毎月確実な収入が入るようになり、精神的な安心感を得られました。その結果、金銭的な不安の解消、またスキルアップや新しい案件にチャレンジする気持ちの余裕ができて、とてもよかったと感じています。まとめフリーランスの仕事をしつつ、アルバイトを兼業することは可能です。アルバイトを兼業することで、収入源を増やして生活を安定させたり、社会保険に加入できたりするなどのメリットを得られます。一方で、兼業すると時間の制約や通勤時間が発生するため、心身に負担がなく、フリーランスの仕事に影響を及ぼさないように仕事量を調整することが大切です。また、フリーランスの仕事だけで稼げるようになるには、スキルアップや実績を積むことを意識して日々行動していきましょう。フリーランスの仕事とアルバイトを兼業するのは大変な場面もあると思いますが、安定した収入を得ながら、安心してチャレンジできる環境を整えやすくなるでしょう。