自分のキャリアを考える中で、独立と転職どちらを選ぶか迷う方も多いでしょう。独立と転職には、メリット・デメリットがあるため、それぞれを理解した上で自分にあった選択をすることが大切です。この記事では、独立と転職どちらにするか迷ったときの3つの判断基準を解説します。それぞれの働き方の違いや、メリット・デメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。独立と転職の違いとは?はじめに、独立と転職の違いをみていきましょう。特に独立には複数の働き方があるので、それぞれの違いを確認してください。転職転職は、新しい会社へ移り、働くことを指します。これまでの経験を活かして、同業界・同職種の会社に転職する、もしくは心機一転して別業界・別職種の仕事に就くことも可能です。どちらにせよ、就業条件や仕事内容に納得した上で転職できれば、キャリアを一段階引き上げるチャンスを得られるでしょう。転職の詳しいメリット・デメリットは後述します。独立独立は、企業に属さず個人で仕事を請け負ったり、自分が代表となり会社を立ち上げたりする働き方です。独立には、大きく分けて4つの働き方があります。フリーランスフリーランスとは、企業とは独立して個人で仕事を請け負う働き方です。フリーランスの最大の魅力は、自分でスケジュールや仕事量をコントロールできる自由さにあります。自分の興味やスキルにあったプロジェクトを選び、仕事と私生活のバランスを自在に調整できます。例えば、在宅で働くWebデザイナーは、クライアントの要望に応じてデザイン業をしながら、納期に間に合うように自分で1日の仕事のスケジュールを調整可能です。自営業自営業とは、自分でビジネスを立ち上げ、直接顧客との関係を築きながらサービスや商品を提供する働き方です。内閣府では、「雇人のある業主」や「雇人のない業主」、「家庭内職者」が自営業と定義されています。自営業の代表的な職種は、次の通りです。医師や弁護士、税理士などの士業農林漁業飲食業▼関連記事:フリーランスと自営業の違いとは?働き方や報酬・収入の違いを分かりやすく解説起業家起業家は、法人・個人問わず、新しいビジネスアイデアを実現して事業を立ち上げることです。自身が考えた新しいアイデアをもとに、事業を通して収益を上げていきます。場合によっては資金調達なども行います。例えば、最新のテクノロジーを利用したアプリケーションを開発して、収益化を目指すのも、起業家といえます。▼関連記事:【徹底比較】フリーランスと起業はどちらがいい?収入の違いやメリット・デメリットを解説経営者会社を設立し、経営者として、企業の代表として会社・従業員を率いる役割を担います。事業の方向性や戦略の決定から、チームのまとめ方や事業計画の策定に至るまで、幅広い業務に関わります。経営者になるには、事業を引き継ぐ、フランチャイズに参画する、会社を買収するなど、さまざまな方法があります。ちなみに上記の起業も、経営者になる方法の1つです。▼関連記事:経営者になるには?具体的な方法や必要な経験・準備を紹介独立・転職を考えるために整理すべきポイント次に、独立・転職どちらがよいか考えるために、整理すべき3つのポイントを紹介します。ポイントを1つずつ整理して、自分の理想の働き方を考えましょう。理想のキャリア・ライフスタイルをイメージするまずは、自分が本当に望んでいる働き方や生活スタイルを思い描くことから始めましょう。例えば、時間に縛られずに働きたいと思っているなら、自宅で自由に業務をこなすWebデザイナーやWebライターのような仕事があっているかもしれません。また、家族と過ごす時間を大切にしたい場合は、フレキシブルな勤務条件を提供する職場を選ぶことが重要です。現在のキャリアに対する不満を整理する次に、今の仕事のどんな部分に満足できていないのかを明確にしましょう。よくあるキャリアの不満の例は、次の通りです。上司・同僚との人間関係にストレスを感じる業務量と給与が見合わない仕事にやりがいを感じないこのように不満を明確にすると、次に求める職場や働き方がどのようなものであるべきかが見えてきます。理想と現状の差を埋めるために必要なことを整理する自分の理想のキャリア・ライフスタイルを実現するためには何が必要かを考え、具体的な計画を立てましょう。理想と現状の整理の仕方の例は、次の通りです。①理想・好きな時間や場所で働きたい・文章を書くことが好きだから、ライターとして働きたい②現状・会社員として決められた時間・場所で働いている・自分が書いた文章を発信した経験がない③やるべきこと・ブログを立ち上げて、記事を書く経験を積む・ゆくゆくはクラウドソーシングでライターとして仕事請け負うこのように、理想と現状を書き出して、その上で理想に近づくためにやるべきことを整理すると、自分がいま取り組むべきことが見えやすくなります。独立するメリット・デメリットここでは、独立するメリット・デメリットをそれぞれ解説します。独立するメリット1:大幅な年収アップが期待できるフリーランスや自営業など、独立して働くと収入の上限がほぼなくなり、努力が直接収入に直結して、大幅な年収アップが期待できます。例えば、自分でWeb開発会社を立ち上げて、クライアントとの直接取引が始まれば、収入は大幅にアップするでしょう。大幅な年収アップは、新たな投資や事業拡大の機会、また今より良い家に住むなど、さまざまな可能性を広げてくれます。独立するメリット2:自分の好きな仕事に注力できる好きな仕事に就くことは、仕事のやりがいを大いに高めてくれるでしょう。例えば、写真撮影が好きな人が独立してフォトスタジオを開けば、自分の技術とセンスを生かして、日々写真撮影に没頭できます。また、独立すると自分で仕事の方針を決められます。そのため、個人の価値観や目標にあったやり方でビジネスを進めることが可能です。独立するメリット3:生活の自由度が上がる自分で仕事のスケジュールをコントロールできるようになるため、プライベートの時間も自由に管理できます。自分主導でスケジュール管理ができるようになるので、家族や趣味との時間を充実させるきっかけとなります。例えば、在宅勤務のフリーランスなら、クライアントのプロジェクトにあわせて働く時間を調整して、週末は家族とゆっくり過ごすことも可能です。独立するデメリット1:収入が不安定になりやすい独立初期は、特に安定した収入を確保するのが難しいケースが多いです。クライアントから継続案件を獲得できず、依頼が途切れがちになると、収入が不安定になる場合もあります。収入の不安定さを解消するには、複数のクライアントと契約したり、複数の事業を同時展開したりするなど、複数の収入源を確保する戦略が必要です。▼関連記事:フリーランスのデメリット11選!会社員との違いやメリットも理解しよう独立するデメリット2:社会保障が手薄になる会社員の場合は企業が提供する健康保険や退職金制度があります。しかし、独立して個人で働く場合は、これらの福利厚生がなくなります。そのため、自分で健康保険に加入したり、老後の資金を自己管理したりする必要があります。社会保障の手薄さは、老後の生活に大きく影響するので、あらかじめ計画を立てておくことがポイントです。一方で、会社を設立し、法人化した場合は、社会保険や厚生年金への加入が可能です。詳しくは以下の記事で解説しています。▼関連記事:フリーランスが法人化する7つのメリット!インボイス制度後の注意点も解説転職するメリット・デメリット次に、転職するメリット・デメリットをみていきましょう。転職するメリット1:充実した収入や福利厚生を得やすい転職すると、これまでの実績やスキルを評価されて、現在勤めている会社よりも充実した給料や福利厚生が得られる可能性があります。それによって、経済的な安心感が増し、生活の質の向上につながります。特に、大企業や公務員などに転職すれば、より一層安定した退職金や福利厚生が期待できるケースが多いです。転職するメリット2:新しい環境で心機一転できる新しい職場での勤務は、心機一転して改めて社会人としての基盤を築くチャンスを与えてくれます。異なる社内文化や新しい上司・同僚との出会いは、新たな視点を得て、個人の成長に大きな影響を与えることもあるでしょう。特に、前職で納得できなかった部分を変えて、再チャレンジしたい方には大きなメリットといえます。転職するメリット3:キャリアアップを図りやすい転職は、新しい環境でこれまでの経験を活かしてキャリアアップを目指しやすいです。新しい会社では、さまざまなプロジェクトや役職に就き、これまでの経験を活かして、より大きな責任を担うポジションを得るチャンスがあります。また、異なる業界や新しい職種に挑戦することで、スキルセットを広げて、専門知識を深めることができます。転職するデメリット1:人間関係やキャリアの再構築が必要になる新しい職場では、イチから人間関係を築き直す必要があります。自分がどのように評価されて、どのようにキャリアを積んでいくのかは、実際に働いてみないと分からない部分も多いです。そのため、一時的にキャリアパスが不透明になり、不安を感じやすい場面もあるかもしれません。また、異なる業界や職種に転職した場合は、新たな業務や人間関係に慣れる過程で、不安や精神的負担が大きくかかる場合もあります。転職するデメリット2:仕事の満足度が下がる恐れがある期待と現実のギャップによって、仕事の満足度が低下する恐れがあります。面接や内定後の面談を通して仕事内容を確認していても、「働いてみたら思っていたのと違った」と感じるケースは少なくありません。新しい職場の業務内容や職場の雰囲気があわない場合は、日々のモチベーションの低下につながります。また、自分にあっていない職場に勤めることは、スキルや経験が思うように積めず、長期的に見てキャリアに悪影響を与えることもあるので注意が必要です。独立と転職どちらか迷ったときの3つの判断基準独立と転職、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、どちらがいいか迷ったときの判断基準を3つ紹介します。独立を選ぶ場合は、企業という後ろ盾や社会保障がなくなります。そのため、独立を軸に考えると判断しやすいでしょう。独立に必要なスキル・実績があるか独立を検討する場合、重要なのは自分の持っているスキルや実績です。現時点で、次のスキル・実績が備わっているか考えてみましょう。自分の専門分野における知識・スキル・資格新規顧客を獲得するための交渉力タスク管理やモチベーション維持などの自己管理能力これまで参加したプロジェクトやクライアントからの高評価これらのスキルや実績が十分にあるかを確認することで、独立後に新規案件を順調に獲得できるかの判断がしやすくなります。独立と転職のどちらが適しているかを考えるときは、この点をしっかり見極めましょう。最低6ヶ月分の生活費が確保できているか独立を考える際には、初期の収入が安定しないことが多いです。また、金銭的な余裕がないと、仕事に集中できず、やりたくない仕事を引き受けざるを得ない状況に陥ることもあります。そのため、最低でも6ヶ月分、できたら1年分の生活費を確保しておくことが安心です。長期間の生活費を確保できていれば、急な出費があっても対応でき、売上が伸び悩んでいる時期も安心して仕事に取り組むことができます。経済的な余裕を持つことは、独立の判断基準として非常に重要なポイントです。どちらが理想のライフスタイル・キャリアを実現できるか自分が望むライフスタイル・キャリアはどんなものか、そして理想を実現するためには独立と転職のどちらが適しているかを考えましょう。例えば、家族との時間を重視するなら、自分でスケジュールや仕事管理がしやすい独立が向いている可能性が高いです。一方、安定した収入を得て、仕事とプライベートのオンオフを分けて働きたい場合は、転職が適しているかもしれません。自分の価値観にあった選択をすることで、長期的に満足できるキャリアを築けます。独立か転職か迷ったら副業から始めてみるのがおすすめここまで読んで「独立か転職かまだ決められない」という方もいると思います。まだ独立か転職か決めかねる場合は、まずは副業から始めて見るのがおすすめです!ここで、副業からチャレンジしてみる3つのメリットを解説します。スキルが身につく副業を始めると、新しいスキルを身につける機会が増えます。例えば、副業を通して本業では使わない技術やツールを学べれば、キャリアの幅を広げることができるかもしれません。実際に手を動かしながら学ぶことで、理解が深まり、より実践的なスキルが身につきます。個人で働く経験ができる副業として、自分でビジネスアイデアを考えたり、フリーランスとして働いたりすることによって、「個人」で働く経験ができます。自分でスケジュールを管理したり、プロジェクトを遂行したりする経験は、将来的に独立を考えている人にとっても必ず役に立ちます。会社員ではなく個人で働く経験は、自信を育て、自分の強みと弱みそれぞれを理解する手助けにもなるでしょう。独立と転職どちらがよいか考える判断材料になる副業を通して得られる経験は、将来的に独立を目指すか、別の会社へ転職するかの判断材料になります。例えば、副業で実績を積んで行く中で、自分のペースで働いたり、自分のスキルやアイデアが直接的に評価されたりすることにやりがいを感じたら、独立が適しているかもしれません。また、誰かと働くことや安定性を重視したいと感じた場合は、副業を通して培ったスキルや経験を転職活動の際にアピールするのもよいでしょう。このように副業を通して、個人で働く経験をすることで、自分に最適な働き方が見えてきます。独立・転職どちらにも役立つおすすめの副業ここでは、独立・転職どちらにも役立つおすすめの副業を4つ紹介します。どの副業もスキルを身につけて、経験を積めば、独立・転職どちらでも年収アップを目指しやすいので、ぜひ参考にしてください。▼関連記事:おすすめの副業30選!安全にはじめるコツと副業のメリット・デメリットWebエンジニアWebエンジニアは、Webサイトやアプリケーションを開発する仕事です。副業のWebエンジニアとして活動することで、プログラミングのスキルが向上し、最新のテクノロジーを学ぶことができます。Webエンジニアとしての経験は、将来自分でビジネスを始めたいと考えている人にも、技術職への転職を考えている人にも大きな強みになります。▼関連記事:【2024最新】フリーランスエンジニア6職種の平均年収・時給WebデザイナーWebデザイナーは、Webサイトやバナーやアイコンなどのデザインを手がける仕事です。オリジナリティな作品を作れるようになったり、視覚的に見やすいデザインを手掛けられるようになったりすることで、活躍の場をどんどん広げていけます。未経験でも、Webデザインスクールに通ったり、独学でスキルを身につけたりすることで、案件獲得を目指せます。▼関連記事:Webデザイナーの副業成功への道!必要スキルから案件選びまで完全ガイド▼関連記事:最新2024年おすすめWebデザインスクール10選|フリーランス・副業向けWebマーケターWebマーケターは、オンライン上でのマーケティング活動を通して、製品やサービスの魅力を広く伝える仕事です。SNSやWeb広告の運用など、多岐にわたるスキルを身につけることができ、これらのスキルはどんな業界でも非常に重宝されやすいです。副業を通してマーケティングスキルを磨けば、自分のビジネスに活かすことも、Webマーケターとして転職する際の強力な武器にもなります。▼関連記事:SNSマーケティングは副業に最適!働き方・収入アップのコツを解説WebライターWebライターは、インターネット上で読まれる記事を執筆・編集する仕事です。Webライターの仕事を通して、文章力やSEOライティングを学び、自分の専門分野を持って需要の高いライターを目指すことも可能です。副業としてWebライター業を始めることで、将来的にはフルタイムのフリーランスライターとして独立、もしくはライターとして企業へ転職する道も開けます。▼関連記事:フリーランスのライターが語る!働き方のリアルや年収を上げるコツ副業におすすめのマッチングサイト「SOKUDAN」副業に取り組む際には、「SOKUDAN」を利用するのがおすすめです。SOKUDANは、プロ人材と呼べるスキルを兼ね備えた人材と企業を結ぶことをコンセプトとしたマッチングサイトです。一定のスキル・実績を求める案件から、経験浅めの方も歓迎の案件まで、幅広い案件を保有しています。【SOKUDANの魅力】週1日~勤務可能な案件ありリモート案件率92%平均時給4,500円以上週1日から勤務できる案件をはじめ、リモート案件率が92%を超えているので、本業と両立しながら働きやすいです。また、平均時給4,500円以上と高単価のため、着実に収入アップも目指しやすくなっています。登録も簡単に行えるので、ぜひチェックしてみてください。▼フリーランス・副業の案件・求人を探すならSOKUDANまとめ独立と転職には、それぞれメリット・デメリットがあります。独立は、自分の好きな仕事に注力しながら大幅な年収アップが目指しやすい半面、収入が不安定になりやすいデメリットがあります。一方転職は、安定した収入や福利厚生を得やすいですが、必ずしも自分の希望条件に当てはまる職場に就けるとは限らないので、仕事の満足度が下がるリスクがあります。独立と転職、絶対にどちらかがよいということはありません。独立と転職で悩んだら、自分の理想のライフスタイル・キャリアが実現できるのはどちらなのかを考えてみましょう。今すぐ判断できない場合は、副業で「個人で働く」経験を通して、自分にあった働き方をゆっくり考えてみてください。