ChatGPTは、テキストで指示を出すだけでなく、音声会話機能を用いてAIと対話しながらも利用できます。仕事だけでなく、プライベートでも活用できるため、ChatGPTの音声会話機能の使い方を覚えておいて損はありません。この記事では、ChatGPTの音声会話機能の使い方をPC・スマホ別に解説します。さらに、音声会話機能の活用方法も5つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。ChatGPTの音声会話機能とは?ChatGPTの音声会話機能は、テキスト入力ではなく、音声でAIと対話できる非常に便利な機能です。ユーザーはマイクを通じて自然な会話形式で質問や指示を出すことができ、手を使わずに操作が可能です。特に最新版の「GPT-4o(ジーピーティーフォーオムニ)」では、音声認識の精度が大幅に向上し、より自然で正確な音声認識が実現されました。▼参考動画:Introducing GPT-4o有料版・無料版ともに利用可能ChatGPTの音声会話機能は、有料版・無料版ともに利用可能です。ただし、有料版と無料版では次のような違いがあります。有料版利用制限なし無料版連続10回/5時間※連続10回使用後、自動でChatGPT3.5に移行ChatGPTの有料版では、最新モデルのGPT-4oを、回数制限なしで利用できます。一方無料版は、体験版のような位置づけのため、最新モデルのGPT-4oの利用は連続10回までと制限があります。連続10回使用すると、旧モデルのGPT-3.5に移行し、5時間経過するとまたGPT-4oが使用可能になります。現時点で有料版を利用するか迷っている方は、まずは無料版で使用感を試してみるとよいでしょう。また、ChatGPTは音声会話機能だけでなく、画像生成や文字起こしなどもできるので、他機能を利用するかも含め、費用対効果を考えてみてください。【PC版】ChatGPTの音声機能の使い方2024年6月時点では、Google Chromeでのみ音声機能が利用可能で、ブラウザ版ではChatGPTの音声会話機能は利用できません。ここでは、Google Chromeを利用したChatGPTの音声機能の使い方を解説します。Chromeの拡張機能を入れるPCでChatGPTの音声機能を利用するためには、Google Chromeの拡張機能をインストールする必要があります。拡張機能は、ChatGPTへの音声入力を可能にするもので、Chromeウェブストアから無料でダウンロードできます。拡張機能をインストールする手順は、Chromeウェブストアにアクセスし、「ChatGPT音声拡張機能」を検索して「Chromeに追加」をクリックするだけです。これにより、音声機能が有効になり、音声でChatGPTに質問できるようになります。ChatGPTの音声会話設定をする拡張機能をインストールした後、ブラウザの拡張機能アイコンをクリックし、設定画面にアクセスします。ここで、使用するマイクの選択や音声認識の言語設定を行いましょう。特に重要なのは、マイクのアクセス許可をオンにすることです。これにより、ブラウザがマイクにアクセスできるようになり、音声入力が可能になります。設定が完了したら、必ず「保存」をクリックして変更を適用してください。チャット画面で音声会話の設定を行う拡張機能の設定が完了したら、ChatGPTのチャット画面に移動して、音声会話機能を有効にするための設定を行いましょう。ChatGPTの画面右下の設定マークをクリックすると、音声会話の設定画面が表示されます。言語の設定「音声言語」のタブを開くと、言語の設定ができます。自分がChatGPTで利用したい言語を設定しましょう。使用する言語はいつでも変更可能です。ショートカットの設定音声会話機能では、キーボードを使わず、全て音声で操作できるように設定することも可能です。例えば、「Enterと言うとEnterキーを押します」をオンに設定しておくと、音声入力が完了した時に「Enter」と言うだけで、自動的にEnterキーが押されます。これらのショートカットを利用すると、キーボードを打たずに、より自然な対話ができるようになります。ChatGPTに話しかける設定が完了したら、実際にChatGPTに話しかけてみましょう。チャット画面のマイクアイコンをクリックし、質問や指示を音声で入力します。例えば、「〇〇について教えて」や「画像を作成して」などと指示を出すと、ChatGPTが音声をテキストに変換して応答します【スマホ版】ChatGPTの音声機能の使い方次に、スマホでChatGPTの音声機能を使う手順を解説します。スマホでChatGPTを使用する場合は、専用アプリのダウンロードが必要です。まだダウンロードしていない方は、以下の記事を参考に、ダウンロードと初期設定をしてください。▼関連記事:【PC・スマホ別】ChatGPTの始め方!AI初心者も使いこなせる丁寧解説ChatGPTのマイクへのアクセスを許可するまず、スマホでChatGPTの音声機能を利用するためには、アプリがマイクにアクセスできるように設定する必要があります。iOSやAndroidの設定メニューから、ChatGPTアプリの設定画面へ移動します。ここで、マイクへのアクセスを許可するオプションをオンにします。これにより、ChatGPTが音声入力を受け付ける準備が整います。また、アプリの初回使用時には、アプリ側からもマイクのアクセス許可を求められることがあるため、その際には「許可する」を選択してください。対話用の音声とメイン言語を設定する次に、ChatGPTアプリ内で対話用の音声とメイン言語を設定します。アプリを開き、設定メニューにアクセスしましょう。ここで「スピーチ」を選択し、使用する音声の種類(男性・女性など)と、音声認識に使用する言語を設定できます。これにより、ユーザーの声が正確に認識され、適切な返答が得られるようになります。多言語対応しているため、母国語以外の言語を学習する際にも便利です。ChatGPTに話しかける設定が完了したら、実際にChatGPTに話しかけてみましょう。アプリのチャット画面でマイクアイコンをタップし、質問や指示を音声で入力します。例えば、「明日の予定を整理して」と話しかけると、ChatGPTが音声をテキストに変換し、適切な返答を行います。このようにして、手を使わずに情報を取得したり、タスクを実行したりすることが可能です。ChatGPTの音声会話の活用方法5選ここでは、ChatGPTの音声会話機能の具体的な活用方法を5つ紹介します。アイデアの壁打ち相手になってもらうChatGPTの音声会話機能は、アイデアの壁打ち相手として非常に有効です。新しいプロジェクトの構想を考える際、自分の考えを音声でChatGPTに伝えることで、客観的なフィードバックや追加のアイデアをもらうことができます。特にフリーランスや在宅で働いている人にとっては、迅速な意見交換の手段として利用できます。自分のアイデアを整理し、さらに発展させるために活用してみましょう。必要な情報の検索サポートとして使うChatGPTの音声会話機能は、質問をするだけで、関連する情報を迅速に提供してくれます。例えば、料理のレシピや特定の情報について知りたい場合に、音声で尋ねるとすぐに必要な情報を取得できます。手を使わずに情報を得ることができるため、忙しいときや手が離せない状況でも便利です。ミーティングの文字起こし・議事録作成する音声会話機能ではミーティングの内容をリアルタイムで文字起こしし、議事録を作成することが可能です。会話をそのままテキストに変換してくれるため、手動でのメモ取りが不要となります。ミーティング中のメモ書きの時間や議事録作成の時間を短縮できるので、より会議に集中できるようになります。▼関連記事:ChatGPTで議事録を自動作成しよう!プロンプトや作成手順を分かりやすく解説語学学習に活用するChatGPTの音声会話機能は、語学学習のツールとしても優れています。例えば、英会話の練習相手として使用することで、発音やフレーズの確認ができます。音声で質問を投げかけ、返答を聞くことで、リスニング力とスピーキング力を向上させることができます。また、英語や中国語など、100以上の言語に対応しているため、異なる言語の学習にも役立ちます。旅行での翻訳ツールとして使用する旅行時における翻訳ツールとして、ChatGPTの音声会話機能は非常に便利です。現地の言葉がわからない時、音声で質問を入力することで、瞬時に翻訳された返答を得られます。翻訳用の端末をレンタルしたり購入したりしなくても、言葉の壁を越えて現地の人々とコミュニケーションを取ることができ、旅行をより快適に過ごせるようになるでしょう。ChatGPTの音声会話機能が利用できないときの原因次に、ChatGPTの音声会話機能が使えないときの主な原因と対処法を4つ解説します。マイクの設定がオフになっている音声入力を使用する際、デバイスのマイクが正しく設定されていないと、音声が認識されません。特に新しいPCやスマホを使い始めた時や、システム更新後にマイクがオフになってしまっているケースが多いです。「マイクがオフになっています」と表示される、またマイクが反応しない場合は、デバイスの設定メニューにアクセスし、マイクの設定がオンになっているか確認しましょう。拡張機能がオフになっているPCでChatGPTを使用する際は、ブラウザの拡張機能がオフになっていると音声会話機能が利用できません。Google Chromeを使用している場合は、音声認識に必要な拡張機能がインストールされていても、拡張機能がオフになっている場合もあります。拡張機能がオフになっている場合は、次の手順で設定を変更しましょう。画面右上の拡張機能のマークをクリックする「拡張機能を管理」を選択する対象の拡張機能をオンに変更するインターネット回線が不安定な場所にいる音声データはリアルタイムで処理されるため、安定したインターネット接続が必要です。回線が不安定な場合は、音声データが正しく送信されず、会話が途切れたり認識されなかったりします。インターネット回線が原因で音声機能を利用できない場合は、Wi-Fi環境が安定している場所に移動するか、回線速度を確認してインターネット環境の状態を確認してみましょう。周囲の騒音で音声が識別できないChatGPTの音声会話機能は周囲の音を拾うため、雑音が多い環境では音声認識が困難になります。例えば、カフェや駅などの騒がしい場所では、正確に音声が認識されないことが多いです。周囲の騒音が原因の場合は、静かな場所でChatGPTを使用するか、ノイズキャンセリング機能のあるマイクを使用しましょう。ChatGPTの音声会話機能を利用するときの注意点ここでは、ChatGPTの音声会話を利用する際に、覚えておきたい3つの注意点を解説します。会話の返事に誤情報が含まれる場合があるChatGPTの音声会話機能は非常に便利ですが、返答に誤情報が含まれる場合があります。ChatGPTは、広範な情報に基づいて応答するものの、その情報が常に正確であるとは限りません。例えば、最新のニュースや技術情報について尋ねた場合は、古い情報を提供することもあります。そのため、自分自身で複数の情報源を確認することが重要です。誤情報によるトラブルを避けるために、ChatGPTの回答はあくまで参考として使用しましょう。情報漏洩のリスクがあるChatGPTの音声会話機能を使用する際には、情報漏洩のリスクにも注意が必要です。音声での会話内容がクラウドに保存されるため、機密情報や個人情報を話す際には慎重になりましょう。例えば、ビジネス上の機密事項や個人のプライバシーに関わる情報は、別の手段で伝達することが望ましいです。安全に利用するためには、ChatGPTに話す内容を適切に選び、重要な情報は共有しないように心掛けましょう。▼関連記事:ChatGPT導入によるリスクとは?セキュリティ対策や活用術を解説iOS 16.1以降の端末でしか利用できないChatGPTの音声会話機能は、iOS 16.1以降の端末でしか利用できないという制約があります。そのため、Phone 8以降のモデルでなければ、この機能をフルに活用することができません。したがって、古いiPhoneを使用している場合は、機能を利用するために端末の買い替えを検討する必要があります。最新のiOSに対応したデバイスを使用することで、ChatGPTの音声会話機能を快適に利用できるようになります。この点を理解して、デバイスの選択に注意してください。ChatGPTの音声会話機能を利用してみた感想本記事の筆者も、これまでChatGPTではテキストでの指示出ししか利用したことがありませんでしたが、初めて音声会話機能を利用してみました。今回筆者は、新しくブログを立ち上げると仮定して、音声で「ブログのコンセプトを一緒に考えて」と伝えたところ、これまでの履歴をもとに、フリーランスライターである筆者にあったコンセプト案を提示してくれました。テキストでのやり取りと比べて、音声で指示を出すことで即座に応答を得られ、作業がスムーズに進みました。また、声に出して指示を出すことで、自分の考えが整理されて、クリアになりやすかったです。音声で返答してくれるため、内容が頭に入りやすく、実際に自分をサポートしてくれるパートナーと打ち合わせしている感覚で利用できました。現時点で、まだ日本語音声は機械音感が強かったですが、自然な対話感を提供し、作業効率を高めるツールとして非常に便利であると実感しました。まとめChatGPTの音声会話機能は、仕事やプライベートどちらでも活用できる便利な機能です。仕事ではアイデアの壁打ちやミーティングの文字起こし、プライベートでは語学学習や旅行先での翻訳ツールとして活用できます。ただし、ChatGPTの回答には誤情報が含まれていることもあり、情報漏洩のリスクもゼロではありません。情報の精査やセキュリティには、細心の注意を払うようにしましょう。一方で、これらのリスクは、AIを使う場合に避けては通れない問題です。優秀な音声会話機能も使えるAIツールとして利用しつつ、最終的な判断や確認を自分で行うことを徹底しながら活用していきましょう。