新卒でフリーランスを目指す人も、いまや珍しくない時代です。社会人経験のない学生が、新卒でフリーランスになるにはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?この記事は、フリーランスに憧れがあるけれど、自分がフリーランスに向いているか分からない人新卒でフリーランスになってから悲惨な末路をたどりたくない人フリーランスの働き方やライフスタイルが気になる人などに向けて、新卒でフリーランスになるために必要なステップや成功の秘訣を解説します。新卒でフリーランスになるのはおすすめなのか?前提として、新卒や未経験でフリーランスになること自体は可能です。ただし、新卒でフリーランスになるのがおすすめかどうかは、その人のスキルや性格、目指すキャリアや理想とする人生設計によって異なるでしょう。高い志を持って新卒でフリーランスになる人もいれば、「スーツを着て毎日出勤したくない」という理由からフリーランスを目指す人もいます。今一度、自分のキャリアや人生を真剣に考えてみることで、自分が新卒でフリーランスになるのが向いているかどうかも見えてくるかもしれません。なんとなく決めるのではなく、この記事を通じてしっかり自分自身で考え、確信を持った上でどの道に進むのかを選択できるようにしましょう。また、未経験の人がフリーランスになるためには、いくつか知っておいた方がよい点があります。新卒でフリーランスになることを考えている人は、こちらの記事も読んでみるとよいでしょう。▼関連記事:未経験からでもフリーランスになれる!目指せる職種・仕事獲得方法を解説新卒でフリーランスになるメリットまずは、新卒でフリーランスになるとどんなメリットがあるのかを紹介します。会社に勤める場合との比較や、自分の理想のキャリアに近づけるのかどうかを考えながらみていきましょう。働く時間や場所を自由に選択できるフリーランスは、出社するという概念がないため、自分の好きなタイムスケジュールや場所で働けます。満員電車に乗って出勤することもなく、働き方の自由度が高いのが特徴です。また、転勤などもないため、人生設計もしやすいでしょう。仕事や一緒に働く人を選べるフリーランスは、自分で案件を獲得するため、仕事や働く人を選べます。相性のよい仲間やクライアントと一緒に働けるので、人間関係によるストレスが少ないでしょう。また、自分の適正やキャリアプランに合わせて仕事を選べるので、向いていない仕事や苦手な仕事に取り組み続ける必要もなくなります。新卒で配属される部署や上司に当たりはずれがあることを揶揄する「配属ガチャ」「上司ガチャ」という表現がありますが、フリーランスならそのようなこともなくなります。年齢や年次に関係なく活躍できるフリーランスは、自分のキャリアプランを自分で設計できます。そのため、社内の昇進時期を待ったり、人事異動に運命を委ねたりしなくても、自分の力で活躍していけます。スキルがあるフリーランスなら、年齢や経験年数などに関係なく、自分の力でキャリアを切り開いていていけるのが魅力でしょう。新卒の会社員よりも稼ぎやすい会社員の場合は、毎月決まった金額を給料として受け取る給与形態が多いです。それに対し、フリーランスの場合は、自分の稼働や活躍によって報酬が変わります。案件を多く獲得し、活躍の場が増えれば、新入社員の平均的な年収よりも高い年収を目指すことが可能です。新卒でフリーランスになるデメリットフリーランスは、自由なライフスタイルや、年齢・年次に関係なく活躍の可能性がある魅力的な働き方です。一方で、新卒でフリーランスになるデメリットもあるので、しっかり理解しておきましょう。収入が安定しないフリーランスは、自分の稼働によって収入が決まります。つまり、稼働が少なかったり、低単価の案件が続いたりしてしまうと、収入が減ります。案件を獲得できないと、収入がゼロになる可能性もあります。また、会社員なら期待できる傷病手当や失業保険、ボーナスや退職金などもありません。自分の活躍次第でどこまででも収入を伸ばしていける一方で、収入が安定しない点や会社という後ろ盾がない点は、フリーランスのデメリットとして理解しておかないといけません。周りに教えてくれる人がいない新卒で企業に就職すると、OJTや新入社員研修などで、基本的なビジネスマナーやスキルを教わる機会があることが多いです。一方で新卒でフリーランスになると、先輩や同期が存在せず、社会人としての基本的なマナーから実務で必要なスキルまで、全て自分で学んでいかないといけません。案件で困った時に、周りに相談できる人がおらず、路頭に迷ってしまう人もいるでしょう。スキルや実績を得にくい新卒でフリーランスになると、スキルを習得できる機会が少ないかもしれません。前提として、フリーランスが案件を獲得するには、一定以上のスキルが必要です。スキルがすでにある新卒のフリーランスであれば、案件を獲得して、それを実績としてどんどん活躍していけます。一方で、スキルや実績のない新卒フリーランスの場合は、そもそも案件が獲得できず、それによってスキルも得られない可能性があります。結果として、新卒でフリーランスになったはいいものの、仕事もスキルも実績も何もないという状況になりかねません。自分で仕事や案件を獲得しないといけない新卒でフリーランスになると、まずは案件を獲得するところから始まります。自ら企業に営業をかけたり、案件マッチングサービスを利用したりして、自己アピールをしていく必要があります。スキルや実績がある新卒フリーランスであればアピールポイントがあるかもしれませんが、強みがない状態で案件を獲得するのはかなり難易度が高いでしょう。会計・経理業務を全て自分で行わないといけない新卒でフリーランスになると、入金の確認や請求書の処理など、経理業務も自分で行うことになります。案件獲得のための営業活動・案件への対応・会計経理業務などを1人でこなすのが大変に感じる人もいるでしょう。事務作業が苦手な新卒フリーランスは、本業以外の作業に時間を取られて、案件に取り組む時間を削られてしまうこともあるかもしれません。新卒カードを失う日本の新卒一括採用システムでは、新卒であれば未経験分野にも挑戦しやすく、企業が提供してくれる研修などを経て、スキルを磨いていけます。新卒3年目くらいまでは、第2新卒枠などで比較的就職しやすい状況もあります。貴重な新卒の時期をフリーランスとして過ごすことで、会社に就職して守られた環境の中でスキルを着実に伸ばしていける機会を失ってしまう可能性があります。社会的信用が低いフリーランスは社会的信用が低いです。それに加えて、実績の少ない新卒フリーランスの場合は、さらに社会的な信用を得にくいかもしれません。フリーランスは、住宅ローンや賃貸、クレジットカードの申し込みなどの審査が通りづらいと言われています。社会的な信用が少ないために、不便な状況が発生するかもしれないことを頭に入れておくといいでしょう。新卒フリーランスと会社員の比較「会社員になりたくない」「好きな場所で働きたい」「スーツを着て働きたくない」など、さまざまな理由から新卒フリーランスに憧れる人は多いでしょう。実際には会社員だからこそ得られるメリットも存在します。ここまで紹介したメリット・デメリットを踏まえ、新卒フリーランスと会社員のそれぞれの違いを見ていきましょう。フリーランス会社員働き方働く場所や時間を自分で決められる働く場所や時間が定められている場合が多い契約形態クライアントと業務委託契約を結ぶ企業に所属して雇用契約を結ぶ税金自ら確定申告を行い、税務署に納税する毎月の給与から天引きされる社会保障健康保険料や国民年金は全て自分で支払う雇用保険や労災保険などはない健康保険料や厚生年金は会社が半額負担する雇用保険や労災保険などがある仕事内容自分で獲得する会社から業務が与えられる収入稼働や案件数によって変動する毎月一定の給与が支払われる休日自分で決められる会社に定められているマインド責任感や成長意欲が強い人が多い安定志向の人が多いフリーランスは、働き方や案件を自由に決められる一方で、社会保障が手薄で、案件の獲得や経理業務などを全て自分の責任で行う必要があります。会社員は、働く時間や仕事は会社によって決められているものの、社会保障は手厚く、給与も安定しています。そのような背景もあり、フリーランスは責任感や成長意欲が強い人が多く、会社員は安定志向の人が多い傾向があります。どちらが良い悪いではなく、それぞれにメリットとデメリットがあり、お互いを比較しながら選択することが重要です。▼関連記事:フリーランスと会社員の違いに驚愕!独立前に知っておくべき違いを解説新卒でフリーランスになるのが向いている人の特徴新卒でフリーランスになるのは、社会人経験を経て、フリーランスに転向するよりも難易度が高いです。一方で、向いている人にとっては最高の働き方ともいえます。以下の特徴に当てはまっているかどうかを確認してみましょう。個人で仕事を請け負えるスキル・実績があるフリーランスは、自分のスキルや能力をクライアントに提供することで、その対価を報酬として受け取ります。そのため、プロとして依頼を受けられるくらいのスキルや実績が必須となります。すでに個人で仕事を請け負えるスキルや実績がある場合は、新卒でフリーランスになっても十分活躍できるでしょう。向上心や目的意識がある向上心や目的意識がある人は、新卒でフリーランスになるのに向いています。学生であれば、周りが就職活動をする中で、自分はフリーランスになるための努力をしていくわけです。周りに流されずに自分のやりたいことに取り組むには、強い目的意識が必要でしょう。キャリアや人生の目標、野心がある人は、フリーランスとしてやっていく上でのモチベーションを維持しやすいでしょう。変化やチャレンジを楽しめる新卒でフリーランスになると、新卒で会社員になる場合と比べ、経済的にも社会的にも安定がなくなります。自分が獲得できる案件次第で毎月の収入も変わります。決められたスケジュールで会社に出社したり、定期的な昇格や昇給が保証されていたりするわけでもありません。特に新卒でフリーランスになる場合は、積極的に案件を獲得し、スキルアップを図る必要があるので、チャレンジ精神がある人が向いています。雇用が保証されている会社員と比べると、環境や経済面での変化も多いため、変化に強いというのも新卒フリーランスに向いている人の特徴です。▼関連記事:フリーランスに向いている人とは?自由な働き方に隠された注意点を解説新卒でフリーランスになるのが向いていない人の特徴フリーランスには向き不向きがあり、向いていない人にとっては大変に感じるでしょう。新卒でフリーランスになるのには、より一層向き不向きがあるので、自分の性格や目指す働き方と照らし合わせて、キャリアプランを明確にしていきましょう。自己管理ができないスケジュールやタスクなどの管理や、お金周りの管理などが苦手な人は、新卒でフリーランスになるのは危険かもしれません。会社員であれば、社内で分業したり、上司が指示してくれたりするため、大きな問題になることは少ないでしょう。しかし、フリーランスは全ての仕事を自分でこなす必要があります。自己管理ができないと、案件がうまく進まずにクライアントに迷惑をかける上に、そもそも仕事を受注することも難しくなるでしょう。自走力がないフリーランスは自分で動かないと何も始まりません。自ら案件を獲りに行ったり、スキルアップのために情報をキャッチアップしたりする必要があります。自分に足りないスキルを身につけたり、案件獲得のためにコミュニティに加入したりと、自分で考えて行動できない人には、新卒でフリーランスで活躍するのは難しいでしょう。人とのつながりや縁を大切にできない人とのつながりや縁を大切にできない人は、新卒でのフリーランスには向いていません。「人間関係がめんどくさい」「指図されたくない」と思っている人こそ注意が必要です。「フリーランス=1人で自由に作業できる」というイメージを持たれがちですが、実際にはフリーランスこそコミュニケーション能力が重要です。クライアントと良好な関係を保ち、仕事を獲得したり、関係者と協業したりする必要があります。「この人とは一緒に仕事がしにくい…」と思われたら、継続的な仕事も得にくいでしょう。紹介によって仕事をもらえる場合もあるため、人とのつながりや縁を大切にしなくてはいけません。▼関連記事:フリーランスこそ人脈が大切!人脈作りのコツ・案件獲得方法を解説新卒フリーランスで人気の職種新卒フリーランスに人気の職種を紹介します。働き方の自由度が高かったり、稼ぎやすかったりと、それぞれの職種の特徴やメリットがあるので、自分に合っている職種を見つけてみてください。エンジニアエンジニアは、人材市場の中でも給与水準が高く、需要が高い職種です。フリーランス向けの案件も豊富なので、スキルがあるフリーランスは仕事に困らないでしょう。▼関連記事:フリーランスエンジニアになるには?稼ぐコツや必要なスキルをメリットとともに解説WebデザイナーWebデザイナーも新卒でフリーランスを目指す人に人気の職種です。フリーランス向けのWebデザイン案件も多くあるため、デザインなどのクリエイティブ領域に関心がある人におすすめです。▼関連記事:フリーランスのWebデザイナーになるには?独立後の年収や案件獲得方法もご紹介WebマーケターフリーランスのWebマーケターとして活躍する人も増えています。企画力や発想力、トレンドのキャッチアップ能力など、潜在的な能力が活かせる職種です。案件数も多く、スキルを身につければ、新卒でも十分活躍できる土壌が整っています。▼関連記事:フリーランスWebマーケターとは?必要なスキルや案件の探し方などをご紹介!動画編集者動画編集者も新卒フリーランスに人気の職種です。YouTubeや動画を使用したマーケティングが普及し、案件数も年々増加しています。スキルさえあれば、新卒でも目指せるフリーランスの職種です。▼関連記事:動画編集でフリーランス成功の道!案件獲得方法や単価・年収を解説新卒でフリーランスになるステップと在学中に行うべきことこれから大学などを卒業してフリーランスになりたいと思っている人は、卒業までにいくつか準備しておくことがあります。新卒でフリーランスになるためのステップを解説します。▼関連記事:フリーランスになるには?必要な手続きや仕事獲得の方法まで解説 強みとなるスキルを身につけるまずは、フリーランスとして案件を獲得できるくらいのスキルを身につけましょう。クライアントに提供できるものがなければ、フリーランスとして活躍することはできません。自分の強みや得意なことを深堀り、向いている職種や身につけられるスキルを考えてみましょう。ポートフォリオを作成するスキルを身につけたら、次にポートフォリオを作成します。テストで受けた案件や、自主的に制作した制作物などがあれば、ポートフォリオとしてまとめます。フリーランスにとってポートフォリオは、自己紹介のようなものです。ポートフォリオを通して自分の強みやスキルを伝えることができれば、案件の獲得にもつながります。▼関連記事:Webデザイナーにポートフォリオは必須!制作のコツ・NG例を解説学生の間に案件を獲得する学生の間に、フリーランスのような働き方を経験しておくとよいでしょう。クラウドソーシングを使って実際に案件を獲得したり、フリーランスと契約している企業でインターンをしたりするのがおすすめです。実際に1人で案件を獲って、仕事をこなしていく流れを経験することで卒業後の新卒フリーランスの働き方のイメージも湧くでしょう。▼関連記事:クラウドソーシングとは?副業や在宅ワークで稼ぐための始め方ガイド▼関連記事:フリーランスの仕事の探し方11選!初心者向けの基本編から上級編まで解説継続案件を獲得するフリーランスの働き方を体感し、さらに継続して案件を獲得できるようになると安心です。卒業後も継続して依頼をもらえるクライアントが1つでもあると、経済的にも精神的にも安心でしょう。長くやりとりをしているクライアントであれば、双方の信頼関係も築けます。フリーランスとして信頼を得られれば、紹介などで別のクライアントや案件を紹介してもらうこともあるでしょう。継続案件を探すときは、案件マッチングサービス「SOKUDAN(ソクダン)」を利用するのがおすすめです。高単価案件が豊富で、92%はリモート案件となっています。新卒でフリーランスとして成功するための秘訣新卒でフリーランスとして案件を獲得して、活躍するには秘訣があります。以下の秘訣を取り入れて、新卒フリーランスの働き方を楽しんでいきましょう。自己研鑽をしてスキルアップする強みとなるスキルを伸ばしていくことはもちろんのこと、付随するスキルを身につけることで、獲得できる案件の幅が広がっていきます。例えばフリーランスエンジニアの場合は、新しいプログラミング言語を習得するなどです。▼関連記事:フリーランスのスキルアップの方法!稼げるフリーランスになるコツとは案件を獲得する力や営業力を身につけるフリーランスは案件を獲得できないと始まりません。案件獲得のための営業力を身につけると、新卒フリーランスとしても活躍の幅が広がるでしょう。▼関連記事:フリーランスの案件が決まらない原因と案件獲得のコツを徹底解説!▼関連記事:難易度別フリーランスの営業方法!安定して稼げるコツを徹底解説ビジネス戦闘力や人間力を鍛えるタスクやスケジュールの管理方法を効率化したり、人との接し方やコミュニケーションの取り方を工夫したりするのもおすすめです。結局仕事は人と人との関わり合いの中で生まれるものです。クライアントや関係者が気持ちよく仕事ができるようにコミュニケーションを取ったり、連絡の方法を工夫したりなど、細かな気遣いや心掛けが自分のフリーランスとしての評価を上げてくれます。新卒でフリーランスを目指すために必要な心構え最後に、新卒でフリーランスを目指すために必要な心構えをお伝えします。人間はないものねだりの生き物です。新卒でフリーランスに挑戦して、少しでもうまくいかなかったら、「会社員になっておけばよかった…」と絶望することもあるかもしれません。逆に、目指していたフリーランスの道を諦めて会社員になったらなったで、「やっぱりフリーランスに挑戦すればよかった…」と思う場合もあるでしょう。新卒でフリーランスになる新卒で会社員になるどちらも間違った選択ではありません。新卒でフリーランスを目指すためは、自分の選択に責任や自信を持ち、選んだ道を正解にする覚悟と行動が重要です。うまくいかないことがあってもめげずに、案件を獲得できるようにスキルアップしたり、行動したりできる人が、フリーランスとして活躍できます。新卒でフリーランスになるという選択よりも、その後の行動が最も重要です。仮に新卒でフリーランスに挑戦してみて、うまくいかない場合には、そこから就職することも不可能ではありません。▼関連記事:フリーランスから会社員に戻っても大丈夫!年収やキャリアの不安を解消自分がフリーランスに向いているのか、会社員として組織の中で働くことが向いているのかを、今一度考えてみるとよいでしょう。その上で、自分が選んだ道を正解にする覚悟を持ち、前向きに行動していきましょう!まとめ新卒でフリーランスを目指すことは現代において全く珍しいことではありません。スキルがあったり、明確なキャリアビジョンがあったりする場合、フリーランスは素晴らしい働き方です。仮に、新卒でフリーランスになってみたけれどしっくりこなかった…という場合には就職することも十分可能です。まずは自分のスキルや適性を深掘りしてどんな働き方が向いているのかを分析することから始めてみましょう!