ChatGPTで議事録が作れるのを知っていますか?ChatGPTを活用すれば、今まで人の手で書き起こしていた議事録を自動で作成できるようになります。手順は簡単で、いくつかのステップを踏むことで、誰でも簡単に作成できます。ChatGPTに実際に入力するプロンプトの例や、議事録作成時の注意点なども解説します。ChatGPTで議事録を作成する方法ChatGPTを使って議事録を作成する方法を解説します。ChatGPTや音声書き起こしのAIツールを使って議事録作成業務を効率化していきましょう。ChatGPTについての知識を深めたい方はこちらの記事もご覧ください。▼関連記事:【PC・スマホ別】ChatGPTの始め方!AI初心者も使いこなせる丁寧解説※まだChatGPTのアカウントを持っていない人は、こちらから無料で登録できます。会議の録音データを文字起こしするまずは、会議の録音データを文字起こしする必要があります。文字起こしツールを使用すれば、録音データを簡単にテキスト化できます。今回は、LINEと連携して無料で利用できるCLOVA Noteを例に挙げて解説します。また、音声データは、「議事録練習音声」を使用させていただきます。CLOVA Noteの利用手順(PCで利用した場合)①音声データをアップロードCLOVA NoteとLINEを連携させ、登録が完了したら、音声ファイルをアップロードできる画面になります。音声ファイルをアップロードするとテキスト化が始まります。アップロードする音声データの長さは、最大180分まで指定できます。②音声の種類を選択音声ファイルをアップロードした後は、音声の種類を選択します。議事録作成の場合は「会議」を選択するとよいでしょう。③変換が開始音声の種類を選択すると、すぐにテキストへの変換が始まります。④テキスト化数分後に変換が完了し、音声データがテキスト化されます。一部、漢字の誤変換などがありますが、1から人間の手で書き起こすよりも数倍早く書き起こしが完了します。ZoomやMicrosoft Teams、Google MeetなどでWeb会議を行う場合は、それぞれのツールで文字起こしできる機能があるので、それらを使うのもおすすめです。文字起こしをChatGPTで編集して議事録を作成する書き起こしツールを使用して議事録を書き起こした後は、ChatGPTを使って編集します。書き起こしツールは、音声データを素早くテキストに変換してくれますが、完璧な状態で出力されるわけではありません。「え〜」「あの」「うーんと」などの不要な音声部分を削除したり、会議の要旨をまとめたりする必要があります。以下のようなプロンプト(指令文)をChatGPTに入力しましょう。【プロンプト】あなたはプロの編集者です。以下の内容に従って、以下の#入力文を編集してわかりやすい議事録を作成してください。#前提条件以下の#入力文の内容は、会議の文字起こしデータです。#制約条件・不要な相槌などを削除してください。・文脈として意味が不明な箇所は、文脈的に相応しいと判断される内容に修正、または削除してください。#出力形式・まず、会議で特に重要な内容について箇条書きで要旨を作成してください。・次に、議事録を作成してください。#入力文{文字起こしデータをコピー&ペーストする}上記のプロンプトで出力された議事録がこちらです。【議事録】議事要旨:鈴木さんは研修のため不在。今週の習字定例進捗会議が開始される。参加者はそれぞれ進捗報告。高橋さんは10機能分のレビューを実施中で、7件完了。菊池さんは予約機能を設計中で、2日遅延の見込み。山田さんはキャンセル機能設計は進行中だが、決済機能が遅れている。佐藤さんは新人研修中で、今週いっぱい。遅延発生により、習字定例進捗会議の頻度を高める提案あり。毎朝簡単な情報共有の場を設ける提案があり、採用される。来月から毎朝9時から15分間の情報共有会議を開始することが決定。次回の定例会は11月8日で、時間を1時間前倒しに調整。議事録:会議開始参加者全員が揃い、習字定例進捗会議を開始する。鈴木さんが研修のため不在。進捗報告高橋さん:10機能分のレビューを実施中で、7件完了。追加で依頼がなければ来週から手空きになる見込み。菊池さん:予約機能設計中で、2日遅延の見込み。山田さん:キャンセル機能は進行中だが、決済機能が遅れている。佐藤さん:新人研修中で、今週いっぱい。議題提起習字定例進捗会議の頻度に関する提案。毎朝簡単な情報共有の場を設ける提案が採用される。来月から毎朝9時から15分間の情報共有会議を開始することが決定。次回の定例会に関する調整次回の定例会は11月8日に開催するが、時間を1時間前倒しに調整する。会議終了今日の会議は終了し、実習は予定通り実施される。次回の会議の調整を行い、会議室の予約も行う。漢字の変換やニュアンスで表現されている部分などのAIが判断できない箇所は修正が必要ですが、会議の要旨が議事録に端的にまとまっています。ドキュメントファイルにまとめるChatGPTで出力された上記のテキストを、Wordなどのドキュメントファイルにコピー&ペーストして、最終調整を行います。ChatGPTでは表現できなかったニュアンスの部分などを人間の手で確認していきます。ChatGPTに議事録を作成する方法を聞いてみた余談にはなりますが、ChatGPTに議事録作成を自動化できるかを聞いてみたところ、以下のような回答が返ってきました。上記で解説した手順や内容と似ている印象です。「テンプレートを使用して情報を埋め込む方法」や「自然言語生成モデルを使用して文章を生成する方法」といった抽象的な回答も含まれているため、さらに1つ1つのステップを深堀りしていけば、より具体的なアクションが見えてくるかもしれませんね。また、きちんと「完全に自動化することが難しい」とも書かれているのも印象的です。100%正しく書き起こしてまとめることはできないため、最終確認や調整は人間が行う必要がある、ということをChatGPTも理解しているかもしれません。ChatGPTで議事録を作成するメリットChatGPTで議事録を作成できるようになると、さまざまなメリットがあります。会議中に事細かにメモする必要がなくなるChatGPTに議事録作成を任せることで、会議中に事細かにメモをする必要がなくなります。誰かが書記の役割をしなければならない状況も避けられ、会議の参加者全員が議論に集中できるようになるでしょう。その分、活発に意見が交換でき、会議のスムーズな進行にもつながります。議事録作成を効率化できる人間の手で録音データを聞いて書き起こして、それを議事録としてまとめるのは大変な労力です。ChatGPTを活用することで、議事録作成にかかる一連の工数を簡略化できます。議事録の正確性が向上するChatGPTが出力するテキストデータは100%正確ではありませんが、逆に人間がしてしまうような、メモのし忘れや聞き逃しなどのミスは減るでしょう。また、ChatGPTは内容を恣意的に書き換えることもしないため、議事録の正確性が向上します。情報共有のスピードが上がるChatGPTで議事録を作成することで、議事録作成のスピードが上がり、会議後の情報共有のスピードも上がります。会議に出席していないメンバーも、会議の内容をすぐに把握できるので、業務全体のスピード感が増すでしょう。ChatGPTで議事録を作成するときの注意点ChatGPTは非常に便利で、今後のビジネスシーンに必要不可欠な存在になっていくと予想されます。一方で、まだまだ未知の部分やセキュリティ面で懸念があるのも事実です。ChatGPTで議事録を作成する際は、以下の2点に注意するようにしましょう。機密情報の扱いに気をつけるChatGPTへの機密情報の入力は推奨されていません。そのため、プロンプトの中に機密情報を入れてしまわないように注意しましょう。機密性の高い会議では、ChatGPTによる議事録作成は避けたほうがよいです。議事録作成の前に、入力しようとしているテキストに機密情報や個人情報などが含まれていないかを確認してから、ChatGPTを使用するようにしましょう。最後は目視でのチェックが必要ChatGPTで生成されたテキストは、100%正確とはいえません。最後はしっかり人間の目でチェックが必要です。ChatGPTなどの生成AIツールは、あくまで人間のサポートとして利用するものです。全面的に信用するのではなく、業務を効率化するためのツールということを忘れないようにしましょう。まとめ日々進化する生成AIツールの中でも、ChatGPTは日常の業務に活かせる場面が多いです。ChatGPTを上手に活用して議事録作成ができるようになれば、その分の時間や労力を他の業務に回すことができます。人間にしかできない活動や業務に集中するためにも、ChatGPTの特性や注意点を理解し、共生していきましょう。