Webデザイナーは、WebサイトやSNSなどのWeb上のコンテンツや、WebシステムやアプリのようなWebで動くツールなど、さまざまなものをデザインします。Webデザイナーには、向き不向きがあり、誰でもが活躍できるとは限りません。この記事では、Webデザイナーに向いている人の特徴を解説します。Webデザイナーがよく抱える悩みや、仕事内容・働き方も知って、自分に向いているかどうかを確認してみてください。Webデザイナーの知識を深めて、自分にあったキャリアプランを選択していきましょう。Webデザイナーに向いている人の特徴Webデザイナーに向いている人の特徴として、以下のようなものが挙げられます。ものづくりやコンテンツづくりにやりがいを感じる何かを生み出したり、自分のアイデアを形にしたりすることが好きな人はWebデザイナーに向いています。自分の制作物や作品が世に出ていくことにやりがいを感じる人は、Webデザイナーの仕事を楽しめるでしょう。流行やトレンドに好奇心があるWebデザイナーは、流行やトレンドに敏感だと発想が豊かになり、アイデアをデザインに取り入れられるため有利です。流行っているものや世間のトレンドにアンテナを張り、どのようなデザインが世間にウケるのかを常に考えられる人はWebデザイナーに向いています。地道な作業や細々した作業に抵抗がないWebデザイナーの仕事は華やかなように見えますが、地道な作業や緻密で繊細な作業も多くあります。膨大なデザイン・画像データを管理し、デザインとして形にした上でクライアントに提示することが求められます。細かい作業が好きな人や、コツコツ取り組めるタイプの人は、Webデザイナーが向いているでしょう。物事を論理的に考えるのが好きWebデザインの仕事は、感覚的なものに見えて、実際には論理的な思考を必要とされる仕事です。クライアントとスムーズにコミュニケーションを取るためにも、論理的に考えて、相手に伝える能力が必要です。相手の意見や考えを汲み取ることが得意Webデザイナーは、クライアントの要望を形にします。相手がイメージしているものや希望を汲み取れる人はWebデザイナーに向いています。向上心があるWebデザイナーには向上心も必要です。最新の知識やスキルを身につけたり、新しいデザインツールを取り入れたりして、常にWebデザインのスキルや考えを更新していける人がWebデザイナーとして活躍できます。Webデザイナーには向いていない人の特徴逆にWebデザイナーに向いていない人の特徴もみていきましょう。言語化や相手に物事を伝えるのが苦手Webデザイナーは、自分がデザインした成果物をクライアントに提供する際、どのような意図を持ってそのデザインにしたのかをわかりやすく伝える必要があります。物事を言語化したり、自分の考えを相手に伝えたりするのが苦手な人には、Webデザイナーは向いていないかもしれません。自分のこだわりが強すぎるWebデザイナーはクライアントがいてこそ、自分のデザインを形にして世に出すことができます。いくら自分のデザインに自信を持っていても、クライアントの要望とかけ離れていたら、仕事を依頼されることが少なくなるでしょう。こだわりが強すぎると、Webデザイナーとしてやっていくのが大変かもしれません。プライドが高いプライドが高い人は、Webデザイナーに向いていないといえるでしょう。自分がデザインした制作物に対して、修正の依頼があったり、全く別のデザインに変更しなければならない場面もあったりします。そんな時に自分の意見やプライドを優先してしまって、他者からのアドバイスや要望などを柔軟に取り入れられない人は、仕事をスムーズに進められないでしょう。1人だけで仕事をしたいWebデザイナーは、想像以上に多くの人と関わりながら仕事を進めます。例えば、WebディレクターやコーダーなどのWeb制作に関わるメンバーや、Web制作やWebデザインの知識を持たないクライアントなどです。価値観や意見の異なる人ともうまくコミュニケーションを取りながら仕事を進める必要があるため、自分の気の合う人とだけ関わりたい人や、黙々と1人で仕事がしたい人は、ストレスを感じる場面もあるでしょう。タスク・スケジュール管理が苦手Webデザイナーは、クライアントからの要望や締め切りを考えながら、複数のタスクを行なっていきます。プロジェクトを同時並行していくこともあるため、タスクやスケジュールの管理が苦手な人は、Webデザイナーに向いていないでしょう。Webデザイナーが直面する悩み「Webデザイナーは自由に働けそう!楽しそう!」といった華やかなイメージがある職業ですが、実際にはWebデザイナーならではの悩みを抱えている人も多いです。ここで紹介する悩みや実態を許容できるかどうかも、Webデザイナーに向いているかどうかの指標の1つになります。相手の要望と自分の色との葛藤自分がいいと思うものと、相手が評価するものは違います。Webデザイナーは、自分のアイデアを形にすることが仕事であるものの、相手の要望を汲み取ってデザインに反映させることも重要です。自分の色やこだわりを出し過ぎた結果、クライアントから「なんかちょっと違うんだよね…」と納得してもらえなければ評価されません。一方で、相手の要望を最大限反映させようとして、「もっとオリジナルのアイデアを出してほしい!」と物足りなく感じられてしまう可能性もあります。相手の要望と自分の色のバランスに葛藤するWebデザイナーも多いです。そんな時に、自分が最適と思うアイデアやデザインと、クライアントの期待値が合わさった成果物を提示できた時には、より一層Webデザイナーとしてのやりがいを感じられるでしょう。修正回数が膨大Webデザイナーは、Webディレクターやクライアントの担当者、その担当者の上長など、自分が作成したデザインをさまざまな人にチェックされます。関係者が増えれば増えるほど、確認や戻しの回数も多くなります。プロジェクトを主導するディレクターや担当者が慣れていなかったり、優柔不断だったりすると、方向性が二転三転して、その度にWebデザイナーは振り回されることも多いでしょう。修正回数が増えてしまって、自分も関係者も疲弊してしまわないように、丁寧なコミュニケーションを心がけたり、認識の齟齬がないように伝え方を工夫したりするなどすれば、双方が気持ちよく仕事ができるでしょう。作業に取り掛かれる時間が少ないWebデザイナーは、デザインイメージのすり合わせの会議や、メールなどのテキストでのやり取りも多く、意外とWebデザインの業務に集中して取り掛かる時間が少ないことも悩みとして挙げられます。Webデザインのスキルを習得したり、トレンドをキャッチアップしたりする時間を取りたくても、クライアント対応に追われて時間が確保できない、という状況が発生することは珍しくありません。一方で、好きな場所や時間で仕事ができる、働き方の自由度が高い職種でもあるため、スケジュールをうまく調整することで、隙間時間や旅行先などからでも作業が可能です。うまく時間を作って仕事に取り組めば、より一層充実した生活を送れる可能性もあります。的確なフィードバックをしてくれる人がいないWebデザイナーとして、いざ現場に出ると、困った時などに周りで教えてくれる人やフィードバックをしてくれる人が少ないことに気づくでしょう。積極的にスキルを磨く姿勢がないと、Webデザイナーとしての成長が止まってしまう可能性があります。そのため、コミュニティに参加して情報交換をしたり、新しいWebデザインツールを試して自己研鑽したりして、自分のスキルを高める努力をするとよいでしょう。難易度が高いと思っていたWebデザイン案件に挑戦して、自分のスキルが通用するかを確かめてみる方法もあります。Webデザイナーに関する基礎知識自分がWebデザイナーに向いているか不安な人は、実際の仕事内容や働き方などの基礎知識もしっかりと理解しておきましょう。実際の業務の流れを知ることで、自分の性格や能力に合っているかどうかがわかるかもしれません。仕事内容Webデザイナーの仕事は、大まかに以下のような流れで進んでいきます。①要件の理解まず、クライアントやプロジェクトチームと協力して、Webサイトやアプリの要件を理解します。Webサイトやアプリを制作する目的、ターゲットオーディエンス、ブランドガイドラインなどが含まれます。②コンセプト設計与えられた要件に基づいて、Webサイトの大まかな見た目や構造を設計します。レイアウトやカラースキーム(配色)、フォントを考え、ユーザーエクスペリエンス(UX)も考慮する必要があります。③Webデザインの制作コンセプトが確立したら、実際のデザインに落とし込みます。デザインツールを使用し、テキストや画像、動画を配置していきます。④コーディングデザインが完成したら、ブラウザ上で見えるようにするためにコーディングを行います。コーディングでは、HTMLやCSS、JavaScriptといった言語を使用します。コーディングは、デザインから一貫してWebデザイナーが担当することもあれば、コーダーやエンジニアが行うこともあります。⑤テストと修正コーディングを行い、Webサイトがブラウザで表示できるようになったら、異なるデバイスやブラウザでテストします。表示の問題やUXの改善点を特定し、必要に応じて修正を加えます。⑥納品とサポート最終的に、完成したWebサイトをクライアントに納品します。納品後も必要に応じてサポートを提供し、Webサイトの保守や更新を行う場合もあります。働き方Webデザイナーの働き方はさまざまです。スキルやライフスタイルに合わせて働き方を選択できる、自由度の高い職業です。・デザイン制作会社で働くWebデザインの制作会社に勤務するWebデザイナーは、社外のクライアントから依頼を受けて、プロジェクトに従事します。チーム内での協力だけでなく、クライアントとのコミュニケーションも重要になります。・事業会社で働く事業会社に属して働くWebデザイナーは、自社のWebサイトやアプリケーションのデザインや開発に従事します。IT部門やマーケティング部門などの社内のメンバーと協力して、自社サイトや自社製品のWebデザイン業務を行います。・フリーランスとして働くフリーランスのWebデザイナーは、自分でクライアントを探し、契約します。納期などは設定されますが、比較的自分でスケジュールを決められ、自宅やカフェで仕事を行うことができます。平均年収Webデザイナーの年収は働き方によって変わります。職業情報提供サイト「job tag」によると、正社員のWebデザイナーの平均年収は「480.6万円」となっています。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、日本全体の平均給与が「458万円」といわれているため、Webデザイナーの平均年収は日本全体の平均年収より少し高いことがわかります。また、SOKUDANで実施した調査では、フリーランスのWebデザイナーの平均年収は「709万円」という結果になりました。フリーランスになれば、自分で案件を選んでスケジュールや単価などの交渉もできるので、比較的高い年収を得ることが可能です。Webデザイナーの年収について詳しく知りたい人はこちらの記事もおすすめです。▼関連記事:Webデザイナーは年収1000万円を目指せる!必要なスキルを解説将来性Webデザイン業界の将来性は、IT・Web業界の将来性に比例するでしょう。経済産業省の「2021年情報通信業基本調査結果のポイント」によると、IT・Web業界が該当するといえる情報通信業の売上高は、右肩上がりに増加しています。今後もWebサービスの需要は拡大していくと見込まれているので、Webデザイナーの活躍の場も広がっていくことが予測できるでしょう。一方で、生成AIの台頭やフリーランスWebデザイナーの増加などを理由に、「Webデザイナーの仕事が縮小していくのでは?」との声を聞くこともあります。しかし、AIが生成するデザインには限度があり、人間だからこそ生み出せる独創性のあるデザインを作るのは困難です。また、フリーランスのWebデザイナーが増えているとはいえ、市場が求めているのはスキルのある人材です。自己研鑽や仕事を通してスキルを磨いていき、希少性の高い人材になることで、仕事を獲得していくことができます。これからの時代は、AIツールをうまく活用して業務効率化を図り、独創性や自分の色を加えられるWebデザイナーが重宝されるかもしれません。▼関連記事:Webデザイナーはなくなる?将来性と生き残るために必要なスキルを解説キャリアパスWebデザイナーのキャリアパスはさまざまです。例えば以下のような選択肢があるでしょう。UI/UXデザイナーアートディレクターWebエンジニア・コーダーWebディレクターWebプロデューサーWebマーケターコンサルタントWebデザインのスキルを直接活かさなくても、Webデザインを行う際の論理的思考やクリエイティビティを活かせる職種はたくさんあります。Webデザイナーのキャリアパスについて詳しく知りたい人はこちらの記事もおすすめです。▼関連記事:Webデザイナーのキャリアパス例!転職?副業?フリーランス?Webデザイナーに関するよくある質問自分がWebデザイナーに向いているかどうか、もっと知りたい人は、Webデザイナーに関するよくある質問を参考に、Webデザイナーの知識を深めましょう。Webデザイナーになるために必要な資格はある?Webデザイナーになるために必要な資格はありません。しかし、持っておくことで就職の際にアピールになったり、資格取得のための勉強によってWebデザインへの理解が深まったりすることもあります。例えば、以下の資格はWebデザインの業務に役に立つため、資格取得を考えてみてもよいでしょう。Webデザイン技能検定(国家資格)Webクリエイター能力認定試験HTML5プロフェッショナル認定資格Photoshopクリエイター能力試験Illustratorクリエイター能力認定試験アドビ認定エキスパート(ACE)さらに詳しくWebデザイナーにおすすめの資格について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。▼関連記事:Webデザイナーにおすすめの資格!デザインスキルをアピールする方法Webデザイナーに必要な知識やスキルは?Webデザイナーが持っておくべき知識やスキルには以下のようなものがあります。勉強することで身につけられるものもあれば、人間的な素養の部分もあります。デザインの基礎知識コーディングスキルデザインツールの操作コミュニケーション能力Webデザイナーが持っておくとよいスキルについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。▼関連記事:Webデザイナーに必要なスキルを紹介!未経験から挑戦する際に知っておきたいことWebデザイナーを未経験から目指す方法は?「Webデザイナーになりたい!」と思ったら、以下の手順で進めることがおすすめです。Webデザインの知識・スキルを身につけるポートフォリオを作成するクラウドソーシングサービスやビジネス特化型SNS、エージェントサービスなどに登録する案件に応募したり、仕事を斡旋してもらったりするスキルを身につけて、案件を実際に獲得し、Webデザイン制作の実績を積み上げていくことが重要です。Webデザイナーは未経験でも転職・就職できる?Webデザイナーは、未経験でも転職や就職することが可能です。Webデザイン未経験者歓迎の求人もあります。ただし、闇雲に求人に応募するのではなく、上記で説明したような準備や的確なプロセスが必要です。しっかりとスキルを身につけ、実績も提示することで、企業に向けたアピールになります。その結果、Webデザイナーとして採用される確率も高まるでしょう。未経験でもしっかり努力をして、Webデザインのスキルを持っていることが伝わると好印象です。Webデザイナーは副業でもできる?Webデザイナーと副業の相性は非常によいといえるでしょう。自宅などから働けるWebデザイナーは会社に勤めながら、副業で案件に取り組めます。実際に副業案件を獲得する方法などはこちらの記事を参考にしてみてください。▼関連記事:Webデザイナーの副業成功への道!必要スキルから案件選びまで完全ガイド一方で、副業には注意点も存在します。副業禁止の企業に勤めている場合は、事前に勤務先の就業規則などを確認しましょう。その他にもWebデザイナーが副業をする際に知っておいた方がよいことをこちらの記事で紹介しています。▼関連記事:Webデザイナーの副業の現実とは?「やめとけ」と言われる理由フリーランスのWebデザイナーになるためにはどうすればいい?フリーランスでWebデザイナーとして働くにはいくつか方法があります。現在の自分の状況に合わせて選択していきましょう。・会社で働いた後に独立する会社に勤め、Webデザイナーのスキルや経験を身につけた後に、フリーランスとして独立する方法です。Webデザイナーとして独立する中で、一般的な方法といえるでしょう。・Webデザイナー養成スクールで学んでから独立するWebデザイナー養成スクールなどで、Webデザインのスキルを身につけてからフリーランスとして独り立ちすることもできます。・副業で経験を積んだ後に独立する会社で働きながら、副業でWebデザインの案件を獲得し、Webデザイナーとしての経験や案件の実績を積んで独立する選択肢もあります。▼関連記事:フリーランスのWebデザイナーになるには?独立後の年収や案件獲得方法もご紹介まとめWebデザイナーの仕事は、自分のクリエイティビティを成果物としてクライアントに提供し、それが世の中に発信される、やりがいのある素敵な職業です。ものづくりが好きだったり、人の気持ちを理解して寄り添えたりするタイプの人にはぴったりでしょう。自分の適性や将来のキャリアプランに合わせて、Webデザイナーへの道を検討してみるのもよいかもしれません。