資金繰りに悩むフリーランスは少なくありません。新規事業への投資や、スキルアップのための教材費、案件が少ない時には日々の生活費など、さまざまな場面で資金繰りに悩む場面があるでしょう。いざという時のために、フリーランスが知っておくとよい資金調達方法や、審査のポイントなどを解説します。資金繰りに悩んでいるフリーランスは多いフリーランスは、自由度の高い働き方として近年人気ですが、資金繰りに悩むフリーランスは少なくありません。資金調達が必要と感じたことがあるフリーランスは27%フリーランス協会の「フリーランス白書2023」によると、フリーランスを始めてから資金調達が必要と感じた経験がある人は、27.1%(850人中230人)となっています。資金調達が必要で、実際に調達した経験がある回答者は約8割にものぼります。フリーランスの調達資金の使用用途同調査では、フリーランスが資金調達を行う際の使用用途として、以下の結果となっています。生活費37.8%事業の運営つなぎ(生活費を除く)35.7%事業拡大のための設備投資(車両を除く)34.1%スキルアップのための自己投資24.9%新規事業の立ち上げ14.7%生活費のために資金調達を行う場合もあれば、事業の運営や設備投資などに資金が必要な場合もあります。特にフリーランスの業種によっては、仕入れから入金までの間にタイムラグがあり、手元に資金がなくなってしまう場合があります。また、スキルアップのための自己投資や、新規事業立ち上げなどで大きな金額が必要な場合にも、資金調達を行うことがわかります。フリーランスの資金調達手段同調査では、資金調達経験者が利用したことのある資金調達手段も公表されています。補助金・助成金56.8%クレジットカード(一括)34.6%融資(公庫)26.5%カードローン24.3%クレジットカード(分割)22.7%親族・知人からの借入22.2%クレジットカード(リボ)18.9%フリーランスに最も多い資金調達の手段は、補助金や助成金の利用です。国や自治体などがフリーランス向けに行っている補助金や助成金の制度を上手に活用している人が多いようです。フリーランスの資金繰り手段【後払いによる資金調達】フリーランスが資金調達をする手段として、後払いによる方法があります。メリットとデメリットを解説します。クレジットカードを使用するクレジットカードで支払うことで、実際の支払いを翌月などに遅らせることができます。クライアントからの入金が、クレジットカードの支払いまでの期間に行われる予定であれば、先にクレジットカードで決済をして、支払いの際は入金された資金で支払いをします。一方で、クレジットカードでの支払いは後から引き落としがされるため、明細を見るまでどのくらいお金を使っているのかがわからなくなってしまう可能性があります。逐一オンラインで支払い履歴や領収書を確認して、適切に管理する必要があるでしょう。▼関連記事:フリーランスがクレジットカードを作るならビジネスカードがおすすめ!選び方や審査を通すポイントを紹介掛払いに対応してくれる取引先を増やす掛払いとは、取引時に支払うのではなく、ある一定期間を置いてから支払いを行うことです。クライアントからの入金があってから、掛払いで取引先に仕入れ金額を支払うことで、手元に資金が残っている期間を長くすることができます。掛払いに対応してくれる取引先を見つけることや、取引先との信頼関係を築くことが必要です。また、掛払い時に手元に資金があるように、しっかりと資金を管理する必要もあるでしょう。フリーランスの資金繰り手段【融資による資金調達】フリーランスが資金繰りで悩んでいる時に、助けになるのが融資による資金調達です。融資にもさまざまな機関や種類があるので見ていきましょう。補助金や助成金を利用する国や自治体がフリーランス向けに行っている補助金や助成金の制度を利用して、資金を調達できます。住んでいる地域や適用条件によって、利用できる制度や融資を受けられる金額が変わってきます。お住まいの地域の行政のホームページなどを確認してみるとよいでしょう。銀行融資を受ける銀行からの融資は、融資による資金調達として一般的な方法です。フリーランスは、法人と比較すると信用力が低く、融資審査の通過率が下がる傾向にあります。地域に根付いた地方銀行に相談したり、フリーランスとしての業績を証明できる確定申告の資料を用意したりすることで、融資を受けられる確率は高まります。日本政策金融公庫の創業融資を受ける日本政策金融公庫は、政府が運営する金融機関で、民間の銀行よりもフリーランスや自己資金の少ない事業者への融資に積極的です。創業する業種や創業時の年齢など、さまざまな条件によって利用できる融資制度があるので、ホームページなどで確認してみるとよいでしょう。カードローンを利用する銀行が発行するカードのカードローンを利用することで、即日での融資を受けられることもあります。金融機関によって、返済利率や借入限度額などが異なります。一般的な銀行や公庫の融資よりも利率が高い傾向にあるので注意しましょう。ノンバンクのビジネスローンを利用するビジネスローンは、インターネットから申し込みができて、手軽に借りられる方法です。ただし、カードローンと同様に返済時の利率が高い傾向にあります。また、借入限度額や担保の必要の有無なども、会社や金融機関によって異なります。ファクタリングを利用するファクタリングとは、請求書などの売掛債権を譲渡して現金化する仕組みです。実際の請求書などの金額よりも手数料分が引かれる分、受け取る金額が少なくなるというデメリットがあります。一方で、借入とは異なるため、利息が発生したり、返済したりする必要がありません。ファクタリングについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。▼関連記事:【2025年最新版】フリーランスにおすすめのファクタリング業者7選!選ぶポイントも解説親族や知人から借りる信頼できる家族や友人、知人に融資してもらう方法もあります。トラブルにならないように、借用書を準備するなどして、返済の約束をすることが原則です。親族や知人からも、一般的には利息が発生しないため、資金繰りに悩むフリーランスにとっては有効な手段です。フリーランスの資金調達の審査で見られるポイント資金繰りに悩むフリーランスが実際に資金調達を行う際に、審査で重視されるポイントを紹介します。以下のポイントをしっかりと押さえておけば、スムーズに資金調達ができるでしょう。財政状態フリーランスとして業績が安定しているか、返済が可能なキャッシュフローか、などの財政状態が重要なポイントです。赤字が続いていたり、借入金が多く、返済が困難だったりする場合には、資金調達できないこともあります。事業計画資金調達後の事業計画の内容もチェックされます。実現可能な事業計画になっているか、返済が可能な売上が立つ事業なのか、などのフリーランスとしての事業の内容を見られます。自己資金自己資金の金額も資金調達時の審査では重要なポイントです。堅実に貯金ができる性格か、事業がうまくいかなくなった際に自己資金から返済が可能か、などを見られます。返済能力フリーランスとして返済が可能な能力があるかどうかも審査ポイントです。クライアントがどのくらいいて、継続的に契約を取っていけるのかなどをチェックされます。信用情報クレジットカードの支払いに遅延があったり、公共料金の支払いが滞っていたりしないか、などの信用情報も重要なポイントです。信用情報に傷があり、ブラックリストに入っている場合には資金調達ができない可能性があります。書類内容資金調達を行う場合は、事業計画書や銀行の預金証明、確定申告書、本人確認ができる書類などを提出することが多いです。書類に不備があるとスムーズに資金調達ができない場合があるので、書類の内容をよく確認するようにしましょう。担保の有無万が一、調達した資金の返済ができなくなった時のために、不動産や株式などの担保を求められる場合があります。担保があると、貸し手のリスクが低くなるため、低金利での借入が可能になる場合があります。【資金繰りを円滑に】フリーランスに必要な資金管理や会計業務フリーランスが資金繰りに悩んだ時に、資金調達をスムーズに行うためには、日頃から資金の管理や会計業務を正確に行う必要があります。開業届を提出するフリーランスが、金融機関などから資金調達を行う場合、開業届を提出していることが条件になることがあります。開業届を提出していると、確定申告時に節税のメリットがある場合もあるので、開業届をまだ提出していない人は、下記の記事で調べてみるとよいでしょう。▼関連記事:フリーランスが開業届を出すメリット!提出不要な場合や提出方法まで確定申告を行う資金調達を行う際に、業績や自身の返済能力を示すために、確定申告書を提出することがあります。フリーランスは、1月から12月の1年間の売上や経費をまとめて、翌年の決められた期間に確定申告を行います。詳しいやり方や必要な書類はこちらの記事からご確認ください。▼関連記事:確定申告はフリーランスに必須!やり方や必要書類と経費管理のコツプライベート用と事業用の銀行口座を分けるフリーランスは、プライベートと事業用のお金の流れをわかりやすく管理するために、プライベート用と事業用の銀行口座を分けるとよいでしょう。資金調達の際に、事業用の銀行口座を提出すれば、事業に関するお金の流れや資金状況が明確に伝わります。事業用のクレジットカードを作成する事業用のクレジットカードを作れば、プライベートの出費と事業の出費を分けることができます。確定申告などで経費をまとめる際にわかりやすく、資金調達の際も支出をまとめやすくなるでしょう。収支管理を行う会計ソフトなどを使い、日頃から経理・財務の管理を徹底しましょう。日頃から収支管理をしておくことで、計画的にお金を貯めることができ、急な資金調達も必要なくなるかもしれません。▼関連記事:フリーランスにおすすめの会計ソフト8選!選び方・比較ポイントを解説まとめフリーランスは、働き方の自由度が高い一方で、自分で売上を立てて、会計にも目を光らせて管理していく必要があります。急な資金調達が必要ないように、日頃から会計ソフトを利用するなどして、計画的な事業計画を行なっていきましょう。また、事業のために資金繰りが必要になった場合は、適切に資金調達を行うことも必要です。調達した資金を効果的に活用して、事業を加速させていきましょう!以下、ドキュサインのブログも参考になりますので、ぜひご覧ください。電子署名の基礎知識から業務効率化のアイデア、DXトレンドまで幅広いトピックを紹介|ドキュサイン公式ブログ