フリーランスとして働いている人やこれからフリーランスを目指す人は、フリーランスが増えすぎていると、その分ライバルが多くなってしまうと不安に思うかもしれません。実際のところ、フリーランスは増加しているものの、増えた背景などを読み解くと、フリーランスが活躍しやすい時代に移行してきているプラスの側面をうかがえます。フリーランスという働き方を検討している人は、ぜひフリーランスのメリット・デメリット、後悔しないポイントなどもあわせて参考にしてみてください。フリーランスは増えすぎている?フリーランスという働き方が、より社会に浸透してきていると感じる人も多いのではないでしょうか。巷では増えすぎているとも言われています。まずは、ランサーズが発表した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」のデータを引用しながら、実際のところはどうなのか、チェックしていきましょう。フリーランスの人口は増えている参考:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版同資料によると、フリーランスの人口は2015年の937万人に比べ、2021年は1,577万人となっており、640万人増えているのがわかります。特に、新型コロナウイルスが流行してから顕著に増えており、フリーランスの増加を促したと考えられます。4つのタイプと年齢層の分布参考:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版フリーランスと一口に言っても、働き方はさまざまです。同資料では、大きく分けて副業系すきまワーカー・複業系パラレルワーカー・自由業系フリーワーカー・自営業系独立ワーカーの4つのタイプに分類しています。年齢の分布はタイプごとにばらつきが見られますが、平均年齢は40歳前半〜50歳前半で、フリーランス全体でみると働き盛りとも言える40代が一番多いようです。仕事と収入に対する満足度参考:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版企業勤めだと、自分がやりたい仕事ばかりできる訳ではありません。フリーランスも然りですが、仕事に対する満足度は、フリーランスの方が総じて高いようです。参考:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版フリーランスになるにあたり、収入面も気になるところです。同調査では、以前よりも収入が増加している人は、ノンフリーランスが22.2%であるのに対し、フリーランスは31.9%と、フリーランスの方が多い結果になっています。一方、満足のいく収入を得ていると感じているのは、ノンフリーランスとフリーランスでほとんど差が見られません。フリーランスに関しては、収入は増えたけれど、もっと稼ぎたいと思っている人が多いのかもしれません。フリーランスが増えている背景フリーランスはなぜ増加しているのでしょうか?時代の流れの変化に伴い、フリーランスが活躍しやすい環境が整ってきており、さらに細かく見ていくといくつかの大きな要因が挙げられそうです。ここでは、フリーランスが増えている背景を読み解いていきます。国の副業推進政策厚生労働省が発表した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、企業側の対応として「原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である」と明記しています。日本政府としては、副業や兼業を推進していきたい方向性が見て取れます。近年副業を解禁した企業も多く、日本企業の姿勢も変わってきていると言えるでしょう。副業の促進は、フリーランスで働く選択にもつながります。企業に所属しながらもフリーランスとして仕事を受ける人も増え、フリーランスの増加につながっているのでしょう。働く人の価値観の変化ひと昔前までは、「モーレツ社員」「企業戦士」という言葉に代表されるような、仕事第一の生き方がスタンダードでした。しかし、時代は流れ、働く人の価値観は変化しています。仕事だけではなくプライベートも大切にする人たちが増えました。会社のためにがむしゃらに仕事をするというよりも、自分のペースで自分のやりたい仕事をしながら働きたい人が増えた結果、フリーランスを選択する人も増えたのでしょう。IT人材の需要増加日本のIT人材の需要は増加していますが、人材は不足しています。今後もますますエンジニアをはじめとするIT人材は必要とされますが、一からIT人材を育てられる企業は多くありません。その点、スキルがあり、即戦力として働けるフリーランスは、企業にとって魅力的に映るのです。IT人材の需要が、ITスキルを持つフリーランスの増加に寄与していると言えるでしょう。DX化の推進DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略で、企業がデータやデジタル技術を活用し、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革していくことです。DX化は、人々の生活をより良いものにしていく取り組みです。一方で、DX化の推進がリモートワークの増加にもつながっています。DXで業務効率化が進んで、通勤時間や残業時間が減った人も少なくないのではないでしょうか。副業からフリーランスを始める人が増えるなど、DX化の推進がフリーランスの増加につながっているようです。フリーランスの働く環境の整備フリーランスと発注者のマッチングサービスや、フリーランス向けの保険制度、補償制度を展開するサービスが近年増えています。また、個人のスキルを売買できるサイトも登場し、昔よりも個人でさまざまな仕事が簡単に受注できるようになりました。SNSで自分から発信して、仕事を受注する人も増加しています。これまではフリーランスが仕事を獲得するには人脈がないと難しい側面がありましたが、マッチングサービスやサイトを利用すれば、簡単にクライアントと出会えるため、フリーランスになるハードルが下がってきているのです。フリーランスになるメリットフリーランスにはさまざまなメリットがあります。ここでは、多くの人が感じるフリーランスのメリットを5つ紹介します。自分の働き方次第で高収入が得られる会社員の場合、収入を上げるには昇進したり、社内での働きを認められたりと、自分以外の人の評価が必要になります。そのため、自分が収入を上げたいと思ったタイミングで叶うわけではありません。一方、フリーランスなら仕事量を調節したり、高単価案件を受注したりすれば、高収入を得られるようになります。フリーランスの方が会社員よりも、自分の努力や選択によって高収入を得られる可能性が高くなります。自分次第で高収入を得られるのは、フリーランスになるメリットの1つでしょう。ライフステージに合った働き方ができる出産や育児、介護、あるいは学業など、ライフステージによって仕事以外の優先事項が出てきて、仕事を辞める選択をする人も少なくありません。しかし、フリーランスなら、スキマ時間を活用したり、仕事量を調整したりしながら、他の優先事項と両立しながら仕事を続けられます。育児がひと段落ついたらまた多くの時間を仕事に費やしたいと思っている人や、学び直したいことができて数年間大学に通いたいと思っている人も、フリーランスならキャリアが途切れないため、より良い選択肢になり得ます。人間関係や組織のストレスが軽減される組織で仕事をするには、決められたルールに従い、どうしても気が合わない同僚とも折り合いをつけて一緒に働かなくてはなりません。仕事内容よりも、むしろ人間関係や意味のない規則をストレスに感じている人も少なくないのではないでしょうか。フリーランスになっても、仕事上の人間関係は発生しますが、会社に属している時よりもストレスは低いと言えるでしょう。無理な要求をするクライアントとは、仕事をしない決断をすればそのストレスから逃れられます。仕事の人間関係は希薄なくらいがちょうどいいという人は、フリーランスの働き方をメリットに感じるでしょう。自分に合った仕事ができる会社員は、基本的に会社の意向に沿った仕事を割り振られ、取り組む必要があります。そのため、個人のやりたい仕事と会社がやってほしい仕事が重なるとは限りません。フリーランスなら、自分で受注する仕事を判断できるので、自分のやりたいことやスキル、キャリアプランに合った仕事ができます。スキルを存分に発揮し、自分らしいキャリアを築いていきたい人にはぴったりな働き方と言えるでしょう。時間や場所にとらわれない働き方ができる働く時間や場所の自由度が高いのも、フリーランスの魅力の1つです。フリーランスになると、ミーティングやチャットなどのやりとりで、稼働時間が決まることはあるものの、会社員のような定時は存在しません。また、フリーランスになって、都心から地方へ移住する人も珍しくありません。インターネット環境があれば、どこからでも仕事ができる案件も増えているため、自分の好きな街に移り住む選択肢はもちろん、ノマドのような働き方も可能です。▼関連記事:地方移住はフリーランスの特権!自由な働き方や案件獲得のコツをご紹介フリーランスになるデメリット何事にも、メリットがあればデメリットもあるものです。フリーランスになるかどうか迷っているなら、メリットだけでなくデメリットも知った上で決断することで、後悔の少ない選択ができるでしょう。収入が安定しない可能性がある案件ごとに収入を得ているフリーランスは、突然参加しているプロジェクトが終わってしまったり、予算をカットされたりする可能性があります。よほどのことがない限り、毎月安定的な収入が得られる会社員と比べると、不安定に感じる人もいるでしょう。ローンや審査が通りにくくなるフリーランスは、住宅ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりする際に、審査が通りにくくなると言われています。審査内容の1つとして、収入が安定的に入ってくる点が挙げられます。フリーランスは、もし病気や妊娠出産などで一定期間働けなくなった場合、収入が途絶えてしまいます。収入に変動があると判断され、ローンの審査などが厳しくなってしまうのです。▼関連記事:フリーランスの住宅ローン審査が厳しい理由とは?審査通過のポイントを解説税金や社会保障の負担が大きい会社員の場合、会社が健康保険料の半額を負担してくれます。しかし、フリーランスは全額支払わなくてはなりません。また、年金も会社員の場合は厚生年金を会社と折半する仕組みですが、フリーランスは国民年金を全額支払います。他にも、個人事業税や2023年よりスタートしたインボイス制度など、会社員とは異なる税金があり、負担に感じる人も少なくありません。労働法が適用されない労働基準法をはじめとする労働法は、フリーランスには適用されません。労働基準法によって、会社員の労働時間は1日8時間、1週間で40時間以内と定められています。労働基準法が適用されないフリーランスは、労働時間が無制限になる可能性があり、働きすぎてしまうこともあります。会社員は当たり前に守られていた制度がなくなってしまうのは、デメリットと感じられるかもしれません。▼関連記事:フリーランスには労働基準法は適用されるの?自分を守るための契約や取引上の注意点を解説営業や経理も自分でやる必要がある会社に所属していると、基本的に案件の獲得や交渉は営業が、請求書の処理などは経理が担当しています。しかし、フリーランスは本業とは異なる営業や経理といった業務も自分で対応しなくてはなりません。これまで営業や経理にまったく触れてこなかった人にとっては、難しいと感じるかもしれません。請求書の処理や帳簿付けなどは、慣れてしまえば苦に感じなくなるものです。一方で、営業は得手不得手が別れやすいので、苦手意識がある方は以下の記事も参考にしてみてください。▼関連記事:難易度別フリーランスの営業方法!安定して稼げるコツを徹底解説フリーランスはやめたほうがいい?後悔する人はこんな理由から「フリーランスはやめておいたほうがいい」という意見もあります。フリーランスになって後悔する人は、どんな理由からやめておけばよかったと思うのでしょうか?これからフリーランスになろうか検討している人は、フリーランスになったものの後悔してしまう人の理由を見て、それでもフリーランスになりたいと思えるかどうか、一度自分に問いかけてみるとよいかもしれません。休めない人も?働きすぎてしまう前述したように、会社員に適用される労働基準法では、1日8時間以上・週40時間以上の労働の禁止などが決められています。しかし、フリーランスは働く時間の制限がないため、休みをあまり取らずに働きすぎて身体を壊してしまう人もいます。仕事がなくなるのを恐れて仕事を断れなかったり、仕事を振る人がおらず、すべて自分で抱え込んでしまったりして、働きすぎてしまうのが要因です。想像していたよりも仕事がハードで、後悔してしまう人もいるようです。自分で営業活動する必要がある前章でもフリーランスの営業活動について触れましたが、自分で仕事を獲得したり、報酬の交渉をしたりといった営業活動は、苦手意識のある人にとっては辛いものです。また、営業活動を頑張ったとしても毎回よいタイミングで案件に巡り合えるとは限らず、結果に結びつかない場合もあります。会社ならそれでも毎月決まった金額の給料がもらえますが、フリーランスは仕事がなければその分収入が減るため、取引先の有無は死活問題です。なかなか営業活動が身を結ばず、こんなはずではなかったと思う人もいるようです。孤独感や将来への不安在宅案件が基本のフリーランスの場合、他者との関わり合いが少なくなるため、孤独感を感じる人もいます。仕事関係で関わる人とも、ちょっとした雑談やランチを一緒にとるといったことがないので、深い関係を築きにくくなります。また、いつ仕事がなくなるかわからないという不安を常に抱えているため、孤独とあいまって将来に悩んでしまうフリーランスもいます。フリーランスの孤独感や将来への不安に関しては、以下の記事で解決策などを解説しているので、参考にしてみてください。▼関連記事:フリーランスの3大リスクと実際にフリーランスが感じている不安▼関連記事:フリーランスの孤独感を解消する方法7選!体験談・解決方法も紹介後悔しないためにフリーランスになる前にすべき準備せっかくフリーランスになったのに、「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、独立前に準備をしておくことが重要です。フリーランスになる前に、これから紹介する項目に備えておきましょう。独立資金を貯めるフリーランスになるにあたって、収入が不安定な側面は懸念事項です。数ヶ月は収入が少なくてもすむように、資金を貯めておくことをおすすめします。ある程度の貯金があれば、不安になって変な案件に手を出したり、悩みに無駄なエネルギーを使ったりせずにすみます。フリーランスになることを考えている人は、少しずつでもいいので貯金して独立の準備をしましょう。クレジットカード作成やローン申請は独立前にしておく前述したように、フリーランスは会社員よりもローンやクレジットカードの審査が通りにくくなります。もし、住宅ローンや車のローンを組んでおきたい場合や、クレジットカードを増やしたい場合は、独立前になるべく済ませておくようにしましょう。▼関連記事:フリーランスがクレジットカードを作るならビジネスカードがおすすめ!選び方や審査を通すポイントを紹介仕事相手を探しておくフリーランスになって時間ができてから仕事相手を探すよりも、独立前に仕事相手を見つけておいた方が安心です。仕事相手との出会いもタイミングによるので、フリーランスになってからすぐに見つかるとは限りません。SOKUDANなどの案件が載っているサイトに登録したり、仕事に結びつきそうなイベントやセミナーに顔を出したりするなど、独立する前からアンテナを張っておくようにしましょう。副業期間を設けて様子を見るフリーランス1本でやっていくのが不安な人は、会社員と並行して副業期間を設けてみてはいかがでしょうか?実際に自分がどれくらい活躍できるのかを判断できることに加え、稼働によって収入も増えます。独立するかどうかに悩むよりも、少しでもフリーランスの働き方を経験することで、学びも得られます。取引相手や仕事の探し方がわからない場合は、SOKUDANやクラウドソーシングなどに登録して探してみるのもよいですね。副業を始めるコツをまとめた以下の記事も、ぜひ参考にしてみてください。▼関連記事:おすすめの副業30選!安全にはじめるコツと副業のメリット・デメリットまとめフリーランスは、近年増加しています。その背景には、働く人の価値観の変化やIT人材の増加、国の政策など、さまざまな要因があります。そのため、ひと昔前よりもフリーランスが働きやすい世の中になってきています。フリーランスになるかどうか検討している人は、フリーランスという働き方のメリット・デメリットを考え、後悔しない選択をしてください。フリーランスの方も、これからフリーランスになりたい方も、SOKUDANにはさまざまな種類の案件があるので、ぜひチェックしてみてくださいね。