フリーランスとして働く人が増える昨今、個人事業主や副業から事業を拡大し、会社を設立して経営者を目指すパターンもあります。今回は、経営者とはどのような存在なのかを解説します。また、経営者が実際に行う業務や必要とされるスキル、経営者になる方法なども紹介します。経営者とは?経営者とは、その企業における最高責任者のことを指します。事業方針を決めたり、従業員の行動指針を掲げたりすることにより、事業や会社を成長させます。また、従業員の採用・教育や、職場環境の整備も経営者の仕事の1つです。経営者と似た言葉で、「社長」や「代表取締役」といった役職もあります。働き方の自由度が高い、「個人事業主」や「フリーランス」もあわせて、それぞれの言葉の定義の違いをみていきましょう。社長・代表取締役との違い社長とは、一般的には企業の「最高責任者」を指します。「CEO(最高経営責任者)」と呼ばれることもあります。社長は会社法で定められた呼称ではなく、会社内で決められた役職として使われています。代表取締役とは、会社法で定められた役職です。代表取締役も「CEO(最高経営責任者)」と呼ばれることがあります。代表取締役は1つの会社内に複数置くことができるため、必ずしも代表取締役が経営の責任者とは限りません。個人事業主・フリーランスとの違い個人事業主とは、税務署に開業届を提出し、個人で独立・継続的な事業所得を得ている人を指します。法人登記している場合には、1人社長と呼ばれる経営者にもなります。フリーランスとは、企業や組織に属さずに、企業と業務委託契約などを結んで働くことを指します。独立して自分1人で働いている場合には、経営者とは呼ばないでしょう。経営者の役割と責任経営者が担う役割として以下のような項目があります。経営方針や計画の最終的な意思決定をする企業や事業に関する最終的な責任を負うステークホルダー(株主・従業員・顧客・クライアントなど)に価値を提供する利益を生み出し、企業や事業を成長させる従業員の雇用を守る経営者は、あらゆる場面での意思決定に責任を負います。経営者の主な仕事内容経営者が会社の中で携わる業務は多岐にわたります。数ある業務の中でも特に重要な経営者の仕事内容を解説します。経営方針を決める経営者は、ビジョンや目標を策定して、会社や事業を成長させるための戦略や方針を決定します。事業計画をまとめたり、経営に関する最終決定を行ったりします。経営方針を定め、会社全体に共通認識や目標が浸透することで、従業員の行動や判断基準が統一化します。事業計画を立てる事業計画とは、企業が将来の目標や方針を達成するための具体的な行動計画のことです。企業の目標や市場分析、競合分析、財務計画、マーケティング戦略、人材育成計画などが含まれます。事業計画が不十分だと、経営悪化につながります。また、必要な資金の借入ができなかったり、関係者や投資家からの信頼を得られなかったりする可能性もあります。資金の調達を行う経営者は、株式の発行や借入金、投資家からの資金調達など、さまざまな方法を使って資金を調達することがあります。資金調達は、新たな設備投資やプロジェクトを行うタイミングなどで有効な手段です。集めた資金を適切に投資して、会社や事業を成長させます。必ずしも会社のトップが行う必要はありませんが、CFO(最高財務責任者)などと協力してIR活動を行います。事業を推進する商品やサービスを開発して、販売計画や戦略を打ち出します。市場調査やマーケティング活動など、商品・サービスを展開するために必要な業務も行います。商品やサービスのブランド価値を上げるための戦略を考え、適切な方法で実行することが求められます。顧客・クライアントとの交流や交渉を行う経営者は、契約交渉や提携交渉など、ビジネスの成果に直結する重要な交渉を行います。また、顧客やクライアントのニーズ、要望を理解し、それに基づいて商品やサービスを改善したり、新しいビジネスチャンスを見つけるために交流を行ったりします。経営者が、顧客やクライアントとの関係性を深め、適切な交渉やコミュニケーションを行うことは、会社の成長に必要不可欠です。従業員を雇用・育成する従業員を雇用し、研修などを通して育成することも、経営者の大切な仕事です。離職率を低下する工夫や、優秀な人材を生み出す仕組み作りを行います。社内環境を整備する経営者は、会社全体のパフォーマンスを上げるために社内環境を整備します。良好な社内環境は、従業員のモチベーションや生産性を高め、社内の目標達成に貢献します。チームの連携や信頼関係を構築・強化するようなイベントやワークショップを用意したり、従業員の成長やキャリアアップにつながるトレーニングや教育プログラムを提供したりすることが重要です。経営者に必要なスキル・知識経営者が持っているとよいスキルや知識は大きく分けると、人間的な性質の部分を指すヒューマンスキルと、勉強することで身につけられる経営スキルの2つです。経営者に必要なビジネス・ヒューマンスキルスキル内容コミュニケーション力営業や交渉、プレゼンなどの場面で、自分の主張を伝えたり、相手の意見を聞き入れたりする力論理的思考力適切な判断を下すために、数字や理論、傾向、トレンドなどに基づいて総合的に考える力課題発見&課題解決力現状の課題を見つけ出し、解決する力決断力会社の最高責任者として、最後は自分で決め切る力情報収集力世間のトレンドを押さえたり、物事を先読みしたりするために、人に聞く・自分で調べる力変化への対応力情勢や市況への変化に対応する力行動&実行力頭の中で思考するだけでなく、行動に移す力ヒューマンスキルは、自分のマインドや努力次第で身につけることができます。歴代の経営者たちの考え方を知って、経営者に一歩近づきましょう。▼関連記事:【経営者・成功者の名言】成功したい人・経営者を志す人の心に響く言葉392選経営者に必要な経営スキル・知識スキル内容戦略立案スキル利益を上げるビジネスモデルを考えたり、事業戦略を立てたりする力マーケティングスキル商品・サービスが売れる仕組みを作る力マネジメントスキル「ヒト」「モノ」「カネ」といった、経営に必要な要素を管理する力会計知識決算書や貸借対照表を読み取ったり、損益計算を行ったりする力法務知識商品・サービスに関わる法律、人材採用や雇用に関する法律、税金に関する法律を理解する力会社を引っ張る経営者だからこそ、日々勉強や情報のキャッチアップをして、スキルや知識を身につけていきましょう。▼関連記事:【厳選】経営者に必要なスキル・知識とは?身につけ方や大切な考え方を解説経営者になるための方法経営者になるには、以下のような方法があります。起業する出世して経営者まで上りつめる雇われ社長になる事業を引き継ぐフランチャイズで開業する会社を買収する経営者は、自らが事業を考えて起業する人が多いと思われがちですが、実際にはさまざまな方法で経営者になることができます。会社に勤めながら出世する人もいれば、フランチャイズに加盟したり、企業買収したりして経営者になる人もいます。自分で会社を立ち上げる以外にも経営者になる道があるので、自分に合う方法や実現可能性の高いものを選ぶとよいでしょう。具体的に経営者になる方法を知りたい人はこちらの記事をご覧ください。▼関連記事:経営者になるには?具体的な方法や必要な経験・準備を紹介まとめ経営者になりたい人や、経営者の具体的な役割や業務を知りたかった人は、この記事を読んでイメージが湧いたのではないでしょうか?スキルや経験を身につけることで、誰しもが挑戦できる経営者のキャリア。経営に興味がある人は、行動に移すことで夢を叶えていきましょう!