ChatGPTの画像生成機能「DALL-E」を使用すれば、自分が指示した内容を反映した画像を自動で生成可能です。この記事では、ChatGPTのDALL-Eを使った画像生成の方法や、上手に活用するコツ、メリットとデメリットについて解説します。ChatGPTで画像生成を始めたい方、より自分のイメージに近い画像を生成させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。▼関連記事:画像生成AIツールがすごい!機能・費用・便利な使い方の総まとめDALL-Eとは?ChatGPTの画像生成機能DALL-E(ダリ)は、ChatGPTに実装されている人工知能を使って画像を生成する機能です。ユーザーが作って欲しい画像を指示したプロンプトを元に、指示した画像を自動生成してくれます。2024年4月時点でリリースされている最新バージョンは、DALL-E3(ダリ・スリー)で、現時点ではChatGPTの有料プランのみで使用できます。またDALL-Eの名称は、芸術家のサルバドール・ダリ(Salvador Dalí)と、ディズニー映画「WALL-E」をかけ合わせた造語です。DALL-Eは、人物や風景の画像をはじめ、ユーザーのプロンプトを参考に実在しないものも描き出すことができます。この画期的な技術により、デザイナーでなくてもプロ並みの画像を瞬時に作ることが可能です。ChatGPTのDALL-Eで画像生成する3ステップChatGPTのDALL-Eを使用し画像を生成するには、3つの手順を踏みます。1:プロンプトを入力するはじめにChatGPTのチャット画面で、生成したい画像の内容を説明するプロンプト(指示)を入力しましょう。プロンプトは、画像の主題・シーン・雰囲気・構図などを具体的に記述してください。例えば「青空の下で、公園で遊ぶ少年少女の写真」といったプロンプトを入れると、その内容に沿った画像がDALL-Eによって生成されます。作成した画像の例は、以下の通りです。1文だけでプロンプトでも画像生成はできますが、画像のテーマや雰囲気など、具体的な指示を出せば出すほど、よりイメージに沿った画像を生成できます。一方でプロンプトの内容が抽象的すぎると、意図しない画像が生成されてしまいやすいです。プロンプト入力のコツは、後述の「プロンプトのコツ!ChatGPTに上手に画像生成してもらう方法」で詳しく解説します。2:画像サイズやアスペクト比を設定する画像サイズを指定したい場合は「1:プロンプトを入力する」の段階で、作成して欲しい画像のプロンプトを入力するタイミングで指定しましょう。ChatGPTのDALL-Eで指定できる画像サイズは、以下の3つです。正方形(1024x1024)ワイド(1792x1024)フルボディポートレート(1024x1792)2024年4月時点では、上記3つの画像サイズ以外は対応していません。プロンプト入力時に画像サイズを指定しなければ、自動で正方形(1024x1024)のサイズで画像が生成されます。画像サイズを指定した場合のプロンプトの入力例と、ChatGPTの画像生成の対応は下記の画像のとおりです。ChatGPTのDALL-Eでは、生成された画像サイズを後から変更することはできません。もしサイズを変更したい場合は、元の画像の説明や画像サイズを指定したプロンプトを入力し、新しいサイズの指定で画像生成し直す工程を踏まなければならないので、注意しましょう。3:生成された画像の確認と修正をする生成された画像を確認して、プロンプトの内容が適切に反映されているかをチェックしましょう。もしも満足のいく画像でない場合は、プロンプトを修正して再度画像を生成します。例えば「青空の下で、公園で遊ぶ少年少女の写真」をより公園と分かりやすくしたい場合の修正プロンプトは以下です。写真を見て分かる通り、プロンプトに沿って、ブランコやすべり台を追加した画像を生成してくれました。このようにプロンプトの調整を繰り返すことで、徐々に理想の画像に近づけていくことができるでしょう。プロンプトのコツ!ChatGPTに上手に画像生成してもらう方法ChatGPTのDALL-Eで自分のイメージに近い画像を生成するには、入力するプロンプト(指示)が重要です。ここでは、プロンプトを書く際のコツを5つ紹介します。画像のテーマ・シーンを伝える漠然としたプロンプトでは、意図しない画像が生成されてしまうため、画像の全体像や目的となるテーマやシーンを伝えることが重要です。ビーチでバレーボールをして遊ぶ5人の子供たち高層ビルが立ち並ぶ都会の夜景数多くの星がきらめく壮大な宇宙空間を飛行する1つの宇宙船このように、画像に描かれている状況や環境を具体的に指定するとよいでしょう。特に「どのような」「どのように」のように形容詞・形容動詞をつけることがポイントです。数や色などが決まっている場合は、指定すると画像に反映してくれます。画像の雰囲気を指定する生成する画像の雰囲気や印象を伝えることも効果的です。幻想的な雰囲気シュールな雰囲気かわいくてメルヘンな雰囲気ダークで重々しい雰囲気など、雰囲気を表す形容詞を使ってプロンプトを書くとChatGPTに明確にイメージが共有しやすくなります。感情や印象を表現することで、より自分のイメージに近い画像を生成できる可能性が高まるでしょう。画像のジャンルを指定する画像のジャンルを指定することも重要です。例えば、油絵風水彩画タッチアニメ調など、どのようなジャンルやスタイルの画像にしたいかを伝えます。ジャンルを指定することで、画像の表現方法をより具体的にChatGPTに伝えることができるでしょう。構図やカメラアングルを指定する画像の構図やカメラアングルを指定するのも、理想通りの画像を生成してもらうためのプロンプトのコツです。上から見下ろすアングルで人物をクローズアップで人物の全身が収まるようになど、どのような構図や角度で画像を生成したいかを伝えましょう。カメラワークを指定することで、より立体的で迫力のある画像を生成しやすくなります。参考画像やアーティスト共有する生成したい画像のイメージが固まっている場合は、参考となる画像やアーティストの名前をプロンプトに含めるとよいでしょう。例えば「○○のような画像」「○○風の画像」など、具体的な参考例を挙げることで、ChatGPTにイメージを伝えやすくなります。ただし、参考画像やアーティストを共有すると、実際の画像に近い画像が生成されてしまい、著作権を侵害してしまう恐れがあります。そのため、他者の作品をそのままコピーしたような画像を生成する可能性があるプロンプトは避けましょう。ChatGPTのDALL-Eで画像生成するメリットChatGPTのDALL-Eを使って画像を生成するメリットは、大きく分けて3つあります。ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。スピーディーに画像をつくれるChatGPTを使えば、テキストのプロンプトを入力するだけで、スピーディーに画像を生成できます。アイデアを思いついたらすぐに視覚化できるので、クリエイティブな作業の効率が大幅に向上できるでしょう。従来のように、イラストレーターに依頼したり、自分で一からデザインしたりする必要がありません。アイデア出しから実行までのスピードが上がることで、より多くの案を試すことができます。結果として、クオリティの高い画像を短時間で作りやすくなります。時間・コスト削減につながるChatGPTを活用すれば、画像制作にかかる時間とコストを大幅に削減できます。人件費の高いデザイナーやイラストレーターに依頼する必要がなくなるので、制作コストを抑えられます。また修正も簡単にできるため、画像完成までの時間を大幅に短縮できるでしょう。小規模なプロジェクトやスタートアップなど、リソースが限られている場合でも、高品質な画像を低コストで制作できるのは大きなメリットといえます。商用利用できるChatGPTで生成された画像は、商用利用が可能です。Webサイトやブログ、SNSや広告、プレゼン資料など、ビジネスのさまざまな場面で活用できます。ただし、生成された画像が著作権や肖像権を侵害していないかなど、問題がないか確認作業は必須です。意図せずトラブルの原因となる画像を生成するリスクもあるので、生成した画像を十分にチェックしてから使用しましょう。ChatGPTのDALL-Eで画像生成をするデメリット・注意点ChatGPTのDALL-Eはとても便利な画像生成ツールですが、いくつかのデメリットや注意点もあります。ChatGPTで画像生成するときは、以下の3つの点に気をつけましょう。画像生成できるのは有料プランのみChatGPTの画像生成機能「DALL-E」を使用できるのは、2024年4月時点では月額20ドルの有料プランのみです。無料プランではDALL-Eを使用できません。そのためDALL-Eを少しだけ使用してみたいという方にとっては、利用のハードルが高い可能性があります。またChatGPTを翻訳や文章生成など、ビジネスで活用する場合でも、コストに見合った効果が得られるか、よく検討する必要があるでしょう。著作権・肖像権侵害のリスクがあるChatGPTで生成された画像は、絶対に著作権や肖像権を侵害しないという保証はありません。学習データに含まれている画像の著作権や、画像に写っている人物の肖像権などに関するトラブルが発生する恐れがあります。特に商用利用する場合は、生成した画像に問題がないか慎重に確認する必要があります。またChatGPTで生成した画像は個人での利用に留め、商用利用する画像はデザイナーに依頼するなど、リスクヘッジを図るのも懸命でしょう。オリジナリティに欠けるChatGPTは、オンライン上に掲載されている画像や、これまでの他のユーザーが生成した画像を学習データとして活用し新しい画像を生成します。そのため、ChatGPTで完全なオリジナル画像を作るのは困難です。プロンプトの質や生成したい画像のテーマによっては、どこかで見たことがあるような画像になってしまったり、他社の広告などと似たデザインになってしまったりする恐れがあります。特にブランドイメージを構築する際など、独自性が求められる場面では、ChatGPTに頼りすぎないようにしましょう。プロのデザイナーやイラストレーターの力を借りることも必要です。まとめChatGPTのDALL-Eを使用すれば、プロンプトを入力するだけで簡単に画像を生成できます。ビジネスや趣味の場面で活用することで、画像制作の効率化とコスト削減が期待できるでしょう。ただし、ChatGPTでの画像生成にはデメリットや注意点もあります。有料プランへの加入が必要なことや、著作権・肖像権の問題、オリジナリティの欠如などには十分な注意が必要です。デメリットや注意点を理解した上で、ChatGPTのDALL- Eを適切に活用して画像生成にぜひチャレンジしてみてください。