フリーランスは、どのくらい貯金があると安心なのでしょうか?フリーランスは、税金を納めるためにまとまったお金が必要だったり、会社員と比べると社会保障も手薄な傾向にあるので、ある程度の現金をもっておく必要があります。将来もらえる年金が少なかったり、退職金がなかったりするため、老後に備えた貯金も必要です。この記事では、フリーランスが持っておくとよい貯金額やこれからの資産形成についても解説していきます。上手に貯金をするために活用したい仕組みも紹介するので、参考にしてみてください。フリーランスは貯金が重要フリーランスの人にとって「現金」での貯金は非常に重要です。もちろん、この低金利時代に銀行にお金を預けているだけでは資産は増えません。株や不動産などに投資して、現金以外での資産形成をしておくことも選択肢として考えていきたいものです。しかし、すぐに使えるお金として一定金額の貯金がないと、フリーランスは困る場面が出てくることがあります。フリーランスに貯金が必要な理由フリーランスにはなぜ貯金が必要なのでしょうか?会社員と比べて、何かあった際の補償が少ないフリーランスのリスクについて解説していきます。フリーランスはいつ収入が途絶えるか分からないフリーランスは会社員とは異なり、毎月決まった給与が収入として保証されているわけではありません。なかなか案件が獲得できないときや、クライアントの都合で報酬が下がってしまうこともあるでしょう。収入が途絶えたり、月々の収入だけでは生活費が足りなくなったりしたときのために、貯金が必要です。傷病手当金がないため、怪我や病気のときの備えが必要会社員の場合は、怪我や病気で休んだ場合に、一定の期間傷病手当金が支給されます。一方で、フリーランスは傷病手当金がないので、働けなくなったときのための備えが必要になります。そういったハプニングに備えて、半年間くらいは働かなくても生活できる金額の貯金があると安心です。▼関連記事:フリーランスの3大リスクと実際にフリーランスが感じている不安フリーランスは税金や社会保険料を自分で支払うフリーランスが支払う税金は、会社員よりも多くなります。会社員であれば厚生年金の半分を会社が支払ってくれていますが、フリーランスは国民年金として全額を自分で支払う必要があります。フリーランスとしての売り上げが大きくなればなるほど、翌年に支払う税金も多くなるので、計画的に貯金していく必要があります。▼関連記事:フリーランス・個人事業主の税金の種類!確定申告や納税方法を徹底解説▼関連記事:年収別早見表:フリーランスの手取りとは?節税や手取りを増やす方法を解説フリーランスは退職金や老後の概念がないフリーランスは会社から退職金が支給されないため、仕事を辞めたあとにすぐに使えるお金として、現金を銀行に貯金しておくとよいでしょう。そもそもフリーランスには定年退職という概念がないため、自分が仕事を辞めたい時期を事前に計画して、それに合わせて必要な老後資金を貯めておく必要があります。株や不動産などの固定資産は相場によって価値が変動するため、現金としても資金を蓄えていくことが重要です。フリーランスはいくら貯金すべき?フリーランスは一体いくら貯金をしておくべきなのでしょうか?具体的な目安としては「半年間働かなくても生活ができる」くらいの金額を「現金」でもっておいた方がいいです。ただし、実際に重要なのは、収入に対する生活費のバランスです。人によって生活費は異なるので、収入に対してどれくらいを貯金に回すか、というバランス感覚を、会社員よりもシビアに持っておくとよいでしょう。フリーランスが貯金をするうえで重要なポイントいざ、フリーランスが貯金をしよう!と思ったときに、重要なポイントがいくつかあります。効率的に貯金ができるように以下の項目をチェックしていきましょう。目標貯金額を決めるまずは、目標貯金額を設定しましょう。「生活費×6ヶ月分」だといくらになるか、老後の資金としていくら必要か、など自分のライフスタイルや出費に合わせて計算してみるとよいでしょう。日本アプライドリサーチ研究所の調査によると、フリーランスの約60%の人は100万円以上の貯金があることが分かります。貯金が300万円以上あるフリーランスは全体の約40%で、1,000万円以上の貯金があるフリーランスは約15%です。フリーランスなりたての方や生活水準、貯金以外の保有資産によって、フリーランスの貯金額はさまざまですが、一定の金額の貯金をもっているフリーランスも少なくありません。月々の収支を把握する貯金を計画的に行うためには、月々の収支を正確に把握する必要があります。毎月の固定費、食費、交際費、フリーランスとして働く上で出ていく必要経費など、毎月いくらの出費があって、収入からそれを引くといくらが残るかを計算しましょう。月々の収支を見直していくと、無駄な部分や削れる部分が見えてきて、貯金額を増やすことができます。フリーランスとしての収入を増やす最も重要なポイントは、フリーランスとしての売り上げを伸ばし「収入を上げる」ことです。フリーランスのよいところは、自分の努力次第で収入を増やすことができる点です。会社員のように毎月の給与が決まっているわけではないので、貯金を頑張りたいと思ったら、収入を増やすところから始めるとよいでしょう。無駄な支出を減らすほとんど使わないのに契約しているサブスクの料金や、通っていないジムの会費、頻繁にいっている飲み会の費用など、削ってもいいかも?と思える支出を減らしていきましょう。目標とする貯金額を達成するまでの「一時的な節約」と思って取り組むと、節約のストレスも少なくなるはずです。貯金以外の資産形成方法も考える資産形成は、現金での貯金以外にも、不動産や株、貴金属の購入、外貨預金などさまざまな方法を組み合わせるのがおすすめです。現金のみに資産を一点集中させてしまうと、インフレ・円安の現代において、資産の価値はどんどん落ちていきます。重要なのは、資産を分散して所有することです。一方の価値が落ちても、他の資産価値が上がっていれば、トータルで見たときに堅実な貯金方法といえるでしょう。フリーランスが上手に貯金するために活用したい仕組み貯金が苦手な方や効率よく貯金したい方は、フリーランスが上手に貯金するための仕組みを活用していきましょう。先取り貯蓄先取り貯蓄とは、収入が入った時点で一定金額を貯金に回す方法です。貯蓄すべきお金は確保した上でやりくりをするので、使いすぎて貯金ができなかった......という事態を防ぐことができます。先取り貯蓄をする際は、貯金用の銀行口座を別で用意して、決まった金額を定期預金できる設定にしておくと便利です。先取り貯蓄の金額は、目標貯金額と目標達成までの期間を計算して設定するとよいでしょう。節税を意識した経費計上フリーランスは、仕事に関わる出費を経費計上することで、正確な課税所得を計算します。きちんと経費を計上することは、所得税や住民税を減らすことにつながります。自宅で仕事をしているフリーランスであれば、家賃の一部や電気代、通信費も経費として計上することが可能です。節税を意識することで、貯金に回せるお金を増やせるかもしれません。▼関連記事:フリーランスの気になる経費事情!経費計上する時の注意点やQ&Aも 確定申告での各種控除フリーランスは確定申告を行うことで、控除を利用した節税が可能です。課税所得を減らせる所得控除と、納める税金を軽減できる税額控除をフル活用しましょう。所得控除は15種類、税額控除も20種類以上もあり、該当する場合は併用可能なので、該当するものがあるか調べてみるとよいでしょう。細かい控除の種類などはこちらの記事を参考にしてください。▼関連記事:フリーランス・個人事業主なら節税は必須!税金の基礎知識も解説▼関連記事:確定申告はフリーランスに必須!やり方や必要書類と経費管理のコツフリーランスになる前にしておくべきお金の準備これからフリーランスを目指す人は、事前準備をしっかりとしたうえで独立するのがおすすめです。フリーランスになる前にしておけるお金の準備としては、以下のようなものがあります。半年分の生活費の貯金現金での貯金としては、半年分の生活費があると安心でしょう。フリーランスになりたてで収入が安定しない時期もあるかもしれないので、一定の金額の貯金は必須です。クレジットカードを作っておくフリーランスは会社員と比べると、社会的な信用が低いので、フリーランスになる前に会社員をしている人は、会社員のうちにクレジットカードを作っておくとよいでしょう。クレジットカードと同様に、車や住宅のローン審査も、会社員のうちに申し込んでおくのがおすすめです。▼関連記事:フリーランスがクレジットカードを作るならビジネスカードがおすすめ!選び方や審査を通すポイントを紹介個人事業用の口座を作っておくフリーランスは、私生活で使う銀行口座と事業用の銀行口座を分けておいた方が、経費の管理や確定申告の際に便利です。フリーランスとしての屋号つきの銀行口座を作ることができる銀行もあります。まとめフリーランスは、もしものときに備えたある程度の現金をもっておく必要があります。まずは、目標貯金額を決めるために収支を把握したり、無駄な出費を削減したり、できることから始めましょう。自分の好きな時間や場所で、好きな人と働くことができるフリーランスですが、その分、責任やリスクが伴う働き方でもあります。怪我や病気に備えた貯金や老後の資金問題など、対処可能なリスクには今のうちに備えておきましょう。