フリーランスがWeb制作の仕事で稼いでいくことは現実的なの?Web制作会社に会社員として勤めていた方が安定?この記事では、これからWeb制作でフリーランスを目指す人や、すでにWeb制作のスキルがあってこれからのキャリアを考えている人に向けて、Web制作のフリーランスの実態や、案件獲得方法などを解説していきます。Web制作案件獲得のコツや案件単価を上げる方法も参考にしてみてください。▼関連記事:フリーランスになるには?必要な手続きや仕事獲得の方法まで解説Web制作のフリーランスは稼げない?Web制作のスキルは会社員としてもフリーランスとしても、一定の需要があります。フリーランスでWeb制作の仕事を請ける場合、稼いでいくことは可能なのでしょうか?フリーランスの場合、持っているWeb制作のスキルやクライアントの予算規模などによって売り上げが変わってきます。近年ではフリーランスが増えてきたことで、Web制作を依頼する側も多様な選択肢の中から人材を選ぶことができるようになりました。一方で、プログラミングやコーディングのスキルを必要としない「ノーコード」のWebサイト制作ツールも台頭してきています。誰もがWebサイトを簡単に作れる時代に、Web制作のフリーランスの需要はどうなっていくのでしょうか。Web制作会社 VS Web制作のフリーランスWebサイトを制作したいと思ったときに、主に「Web制作会社」と「Web制作ができるフリーランス」に依頼する、という選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。Web制作会社に依頼する場合メリットデメリット納品物のクオリティが担保されているコストが高くなる企画やデザイン、コーディングなど全てお任せできる複数人で分業(デザイナ、コーダーなど)して仕上げるので納品まで時間がかかりやすい法人との契約なので安心感がある担当者によって良し悪しがあるフリーランスのWeb制作に依頼する場合メリットデメリットフレキシブルに対応してもらいやすい人によってクオリティに差があるWeb制作会社よりも低単価で請けてもらいやすい個人との契約となるため、トラブルが心配(連絡が取れなくなる、など)制作者と直接コミュニケーションが取れるので、方向性のズレが少ないフリーランスの中から誰に依頼するか決めるまでが大変ノーコードで誰でも簡単にWebサイトが作れる最近では、コーディングやプログラミングのスキルがない人でも、簡単にWebサイトが作れるツールが出てきました。「ノーコード」と呼ばれ、それらのツールを使えば、エンジニアでない人でも短期間でWebサイトが作れてしまいます。そうなってくると、Web制作会社やフリーランスに依頼をする必要がありません。一方で、ノーコードのWebサイト制作ツールにも、実装できる機能やデザインに限界があり、複雑なデザインや挙動をWebサイトにつけたい場合には、制作会社やフリーランスに依頼した方がよい場合があります。人間ならではの発想やデザイン、機能をWebサイトに組み込むことで、ノーコードツールより優れたWebサイト制作ができるでしょう。AIがWeb制作の仕事を奪う近年、AI技術の発達はめざましく、AIを使ってWebサイトを制作することも可能になっています。例えば、DurableというAIツールは、「30秒でWebサイトができる」と謳っていて、HTMLやCSSなどのコーディング要らずでWebサイトが作れます。AIツールを使用して大まかなWebサイトの形を作ってから、人間の手でデザインや内容を整えていくという方法をとれば、時間や人件費の大幅な節約になります。Webサイトの制作会社やフリーランスは、AIに打ち勝てる強みやメリットを持っていないと、今後AIとの仕事の奪い合いに負けてしまうかもしれません。▼関連記事:AIがプログラミングをやる時代!奪われるエンジニアの仕事や必要なスキルWeb制作のフリーランスの仕事内容フリーランスがWeb制作の仕事を請ける際の仕事内容や流れを解説します。Webサイトを制作する際の流れは、大きく分けると「企画」と「制作」の段階があります。順を追ってみていきましょう。クライアントからWebサイトの要望をヒアリングまずはクライアントがどのような目的で、どういったWebサイトを作りたいのかをヒアリングします。企業がWebサイトを作る際、「自社商品やサービスの認知向上」「見込み顧客へのナーチャリング(顧客育成)」などが主な目的としてあげられます。Webサイトの目的に合わせてターゲットを具体的に決めることを「ペルソナ設定」といいます。そのペルソナに合ったWebサイトのコンセプトを決めていき、クライアントの要望をWebサイトに反映していきます。Webサイトの要件定義や設計次に、Webサイトの制作プロジェクトの全体図・システム要件・機能要件などを決めていきます。これを「要件定義」といい、Webサイト制作において必要になる体制やスケジュール、予算などを計画書にして、クライアントと認識を合わせます。用いる技術やCMS、インフラやセキュリティ、運用保守などのエンジニア周りについても詳細を決めていきます。要件定義までの上流部分はWeb制作の成功を左右するため、非常に難易度が高いですが、経験が豊富なフリーランスは重宝されるでしょう。デザインやコンテンツの制作Webサイトの設計やシステム要件が決まった後は、Webサイトに掲載するコンテンツを決めていきます。必要な項目を「サイトマップ」に落とし込み、可視化していきます。サイトマップには複数の意味がありますが、ここではWebサイトのトップページから必要なページをピラミッド上にわかりやすく配置して、Webサイトの全体像を理解するためのものを指します。サイトマップを作成して、コンテンツ設計を行う過程では、SEO対策やユーザビリティのよい動線を意識しながら進める必要があります。サイトマップと同時にディレクトリマップを作成してURLの構造を整理することも多いです。Webサイトの実装・システム開発要件定義書やサイトマップを確認しながら、コンテンツやデザイン、機能の実装を行います。コンテンツや画像、ボタンなどの配置を可視化して確認するために「ワイヤーフレーム」が用いられます。Web制作やシステム開発では、ユーザーが直接触れる部分の「フロントエンド」と、サーバーサイドのプログラムやデータベースの領域を指す「バックエンド」があります。それぞれ必要となるプログラミング言語が異なり、エンジニアに依頼する場合にはそのディレクションが必要になります。公開・運用・保守実装が問題なくできたら、公開前の動作検証(デバッグ)やブラウザチェックといったテストを行います。これまでのWebサイトの実装・システム開発はステージング環境といわれる仮の開発環境で行われています。テストでバグが見つかった場合には修正し、問題なければ本番環境へと移します。この作業でWebサイトを本番公開されます。(リリース作業という場合もあります。)本番公開された後もWebサイトに異常がないか、表示崩れしていないか、機能にバグが生じていないか、入念に確認します。定期的なメンテナンスや修正作業を保守といいます。Web制作のフリーランスに必要なスキルフリーランスがWeb制作の仕事を請ける際に必要なスキルを解説します。Web制作案件をフリーランスが請ける際には、以下のスキルが身につけられるように参考にするとよいでしょう。プログラミング・コーディングスキルWeb制作において、プログラミングスキルやコーディングスキルは必須です。Web制作会社ではなくフリーランスに依頼するクライアントが不安になるのは「技術面」です。HTMLとCSSのコーディングスキルは必須で、JavaScriptやPHPなどの言語も重要です。WordPressなどの有名なCMSの経験やサーバーの知識も必要でしょう。クライアントの要望や予算に合わせて、Webサイトの制作要件や必要な技術を提案できるだけの経験や知識が求められます。デザインスキルWebサイト制作では、Webデザインのスキルも必要になってきます。デザインはWebデザイナーに任せることがほとんどですが、デザインの良し悪しを判断したり、ディレクションをしたりします。単純なデザインだけでなく、UI/UXに関する知識やデザインを実現するうえで必要な技術スキルもあるとよいでしょう。最新のトレンドを盛り込んだデザインの知識や色彩のセンスなどがあると、提案できるWebサイトの幅も広がります。コミュニケーションスキルクライアントと円滑にやりとりをするためには、コミュニケーション能力が必須です。クライアントの要望をヒアリングする傾聴力や言語化能力も重要です。フリーランスは技術スキルと同じくらい、クライアントとの相性が重要になってきます。クライアントの気持ちを汲みとって提案ができるフリーランスを目指しましょう。ディレクションスキル自分でWebデザインからコーディングまで一貫して行う場合には、自分で手を動かせばよいですが、デザインやコンテンツ制作はパートナーに依頼することがほとんどなので、ディレクション能力も必要になります。スケジュールに合わせて進捗確認をしたり、クライアントへの共有などが必要になります。企画力・提案力Webサイト制作においては、サイト設計やコンテンツ制作などで企画力が必要になってきます。他社ではなく、自分に依頼してもらうからには、独自の企画や提案ができるとよいでしょう。クライアントの業界や競合サービスを理解して調査することはもちろん、サービスの特徴を生かした独自性のあるコンセプトや目標を達成するための戦略も盛り込むように意識するとよいでしょう。営業力・交渉力フリーランスのWeb制作は案件獲得のために自分から営業をしたり、単価交渉などを行ったりする必要があります。予定よりも工数やスケジュールが延びた際には、金額や納期を交渉する場面などもあるでしょう。デザインやコンテンツ制作を外注する場合は、クライアントが契約するのか、自分で発注するのかによって見積もりも大きく変わります。Web制作は数百万円単位での契約になることも少なくないので、金額や契約はしっかりと取り決めましょう。Web制作のフリーランスの案件例と単価Web制作のフリーランス向けの案件例を紹介します。案件ごとの単価や必要なスキルも記載するので、これから案件獲得を目指すフリーランスの方は参考にしてみてください。案件例1:Web・映像制作会社でWebディレクターWebディレクションを中心に設計段階からチームをリードし、制作進行を行うポジションです。Web制作会社での勤務経験が2年以上ある人が対象です。稼働日数:週5日案件単価:月給45 ~ 50万円▼案件詳細:【在宅有】Web・映像制作会社でWebディレクター@青山/D案件例2:CMS導入・開発支援~Webサイトディレクション大手広告代理店での、CMSを活用したWebサイトのディレクションを行うポジションです。CMSの運用に関する知識が必要です。稼働日数:週5日案件単価:月給45 ~ 60万円▼案件詳細:【一部リモ可】CMS導入・開発支援~Webサイトディレクション!案件例3:CMSの要件定義や設計の資料作成とディレクション CMS開発プロジェクトの要件定義や、設計等の資料作成を行うポジションです。JavaScriptやTypeScriptのエンジニアスキルが必要になります。稼働日数:ご自身の都合に合わせて調整が可能案件単価:月給20万円〜32万円▼案件詳細:CMSの要件定義や設計の資料作成とディレクション(1人月単位)の仕事Web制作のフリーランス案件の獲得方法フリーランスがWeb制作案件を獲得するには、どのような方法があるでしょうか?人脈を活かす方法や案件マッチングサービスを利用する方法など、自分に合った方法を試してみてください。知人や友人から紹介してもらうフリーランスが仕事を得る機会として多いのが、人脈を活かした「紹介」です。前職のつながりやスモールビジネスを行う知人などから、仕事を得るのがおすすめです。最初のうちは、規模や予算の小さいWeb制作案件だとしても、少しずつ経験やスキルを増やしていくことで次の仕事につながります。また、知り合いであれば安心感もありますし、自分のスキルや人柄を知ってもらえていれば仕事におけるミスマッチも少ないでしょう。フリーランスの案件マッチングサービスを利用するフリーランスマッチングサービスを利用するのもおすすめです。営業スキルに自信がなかったり、コネクションがあまりないフリーランスの場合でも、マッチングサービスを利用すれば、自分に最適なWeb制作の仕事が見つかります。フリーランスマッチングサービスは、業界に特化したものやエージェントのサポートがあるものなど、さまざまな種類があるので、効率よく案件を探すことができるでしょう。エージェントサービスであれば、担当者が自分に合った案件を紹介してくれ、面談でのフォローや金額の交渉、稼働後のサポートなどを行ってくれます。初めての案件探しでよくわからない、という人はエージェントを活用するのもおすすめです。▼関連記事:フリーランス向けマッチングサービスのおすすめ8選〜利用者の声もご紹介〜クラウドソーシングで案件に応募するクラウドソーシングで自分のスキルを出品したり、クライアントを自分で検索して探してみるのもよいでしょう。代表的なクラウドソーシングサービスとして以下の2つがおすすめです。CrowdWorks(クラウドワークス)「クラウドワークス」は、企業と個人がオンラインで直接繋がり、仕事を受発注できる国内最大級のクラウドソーシングタイプのフリーランスマッチングサービスです。約530万人のフリーランスと、約85万社の企業が利用しており、とりあえず多くの案件を見たい!という方におすすめです。掲載されている仕事の種類は200種類以上。Web制作としての責任範囲が限定的な案件や予算が少額な案件など様々なので、初心者のフリーランスWeb制作の方にオススメです。▼関連記事:【利用者が調査】クラウドワークスの評判・口コミを徹底分析! Lancers(ランサーズ)「ランサーズ」は、次に紹介するCrowdWorksに次いで案件数が多く、知名度の高いクラウドソーシングタイプのフリーランスマッチングサービスです。CrowdWorksとLancersは、どちらもフリーランスのためのマッチングサービスで、手数料や扱っている案件の内容や幅広さなども似ています。Web制作案件を探す際はどちらも登録しておくのがよいでしょう。▼関連記事:【利用者が調査】ランサーズの評判・口コミを徹底分析!SNS・ブログを活用するX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSや、ブログを開設して、Web制作の事例をポートフォリオとして公開するのもよいでしょう。自分のWeb制作のスキルや実績を知ってもらう機会を増やせます。全く見込みのないところに営業をかけるよりも、見込み顧客から問い合わせをもらってからの提案となるので受注率も上がるでしょう。自ら営業するフリーランスのWeb制作の案件を獲得するには、イベントに参加したり、ビジネスSNSからアプローチしたりするなどして、自ら営業するのもよいでしょう。Web制作のフリーランスになりたてで、まだコネクションを持っていない場合には、以下のような方法でコネクションを作っていくことができるでしょう。フリーランス向けのコミュニティに参加する交流会などのイベントに積極的に参加するこのように徐々にネットワークを広げていくことも、フリーランスのWeb制作として活躍していく秘訣の1つです。Web制作のフリーランスが単価を上げるコツフリーランスが年収を上げたいと思ったときにできることとして、「案件の単価を上げる」という方法があります。Web制作のフリーランスが案件単価を上げるコツを紹介します。Web制作以外のスキルを身につけるWeb制作のスキルとして、SEOの知見を身につけるのがおすすめです。Webサイトが完成したあともSEO対策などでコンサルティング契約できれば案件継続のチャンスです。その他にも、SNS活用やメディア運営のスキル、広告運用など、Webに関するスキルを幅広く身につけることで、請けられる仕事も広がるでしょう。AIを活用して業務効率化をする案件の単価を上げるには、Web制作の業務効率を上げる方法もあります。AIを活用すれば、コンテンツ作りやコーディング、プログラミングの時間を短縮できます。今まで手作業でやっていた業務がAIによって時間と労力の短縮につながり、その分の時間や労力を別の案件に回すことができるでしょう。実績を積んで大手のクライアント案件を獲得する案件の単価を上げるには、新たにクライアントを開拓する方法もあります。大手企業であれば、予算も潤沢で、Web制作にかけられる費用も上がるでしょう。実績を積んで、スキルが備わってくれば、大手企業からの案件にも携われるようになるかもしれません。まとめWeb制作のフリーランスは、今後AIの発達によって、需要が危ぶまれる分野ではありますが、スキルや実績を積むことで、人間ならではの価値を提供できる可能性もある職業です。Web制作だけでなく、SEOやSNS活用、コンテンツ企画などで提案できる幅が広がると、フリーランスとしての楽しさも増していくでしょう。▼SOKUDANのWeb制作のフリーランス・副業案件一覧