Webデザイナーのキャリアを考えるとき、どんな企業に勤めて、どんな仕事で、どんなスキルを発揮していくかがポイントになるでしょう。あるいは、年収や人間関係、プライベートとの両立が仕事において重要な方もいます。この記事は、企業別・雇用形態別・企業別にWebデザイナーのキャリアパスの例を紹介します。・Webデザイナーとして働いているけれどキャリアに悩んでいる・これからWebデザイナーを目指そうと考えている・Webデザインの副業に挑戦してみたいそんなWebデザイナーのキャリアに関する悩みを持つ方に役立つ情報をまとめました。会社員はもちろん、フリーランスや副業としてWebデザイナーのキャリアを考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。▼SOKUDANのフリーランス・副業向けのWebデザイナー案件一覧▼関連記事:フリーランスデザイナーになるには?独立後の年収や仕事探しの方法もご紹介Webデザイナーとしてのキャリアパスを考える重要性自分の人生にとって、Webデザイナーとしての仕事の位置付けはどのようなものでしょうか?Webデザイナーとして働くのは、やりがいがあるから?経済的に安定していたいから?自己成長のため?デザインが好きだから?Webデザイナーという仕事を通して、何を得たいのかを具体的に考えてみるとよいでしょう。Webデザインの仕事は、人の心をわくわくさせたり、企業やサービスの価値を高めたりすることができます。仕事を通して、スキルを磨いたり、自己成長や充実感を達成したりすることもあるでしょう。ただ目の前の業務に時間や労力を費やしていては、「Webデザイナーとして」も「自分の人生として」も勿体無いです。自分の人生のために、Webデザイナーのキャリアパスを考えることは、非常に重要です。【職種別】WebデザイナーのキャリアパスWebデザイナーにも、さまざまな職種があります。一定期間、一般的なWebデザインの経験を積んだあとは、専門分野や他の職種との掛け合わせにチャレンジするのもよいでしょう。Webデザイナーのそれぞれの職種のキャリアパスとして、仕事内容や必要なスキル、年収などを解説していきます。UI/UXデザイナーUIデザイナーとは、Webサイトなどの「ユーザーインターフェース(User Interface)」を設計するデザイナーを指します。「ユーザーインターフェース(User Interface)」とは、使用者と製品(サービス)を繋ぐ接点のことを意味します。UIデザイナーは、機械やソフトウエア、Webサイトなど画面のような人がWebサービスに触れる部分をデザインする仕事です。UIデザイナーの年収は、300〜700万円程度とされています。働く業界や勤務先の給与水準、個人のスキルによって金額は変わってきます。UXデザイナーとは、「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」を設計するデザイナーです。「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」とは、サービスを利用するときに利用者が得られる体験のことを指します。Webサイトでいえば、クリックするボタンの配置やクリックしたときの画面の変化、購入に至るまでの導線などをUXデザイナーが設計します。WebデザイナーからUI/UXデザイナーを目指す場合、まずはUIデザイナーとして経験を積んだ後で、幅広い知識やスキルを身につけた上でUXデザイナーになる流れがよいでしょう。UXデザイナーの年収は、530〜870万円程度です。Webデザイナーの平均年収「約340万円」という金額と比べると、UXデザイナーは高年収といえるでしょう。アートディレクターアートディレクターとは、ビジュアルデザインを行うプロジェクトやチームの責任者です。制作に関わるデザイナーやカメラマン、コピーライターなどを取りまとめ、デザインの方向性がずれないように全体の方向性を示します。多くのメンバーを統括するポジションのため、クリエイティブなセンスやスキルに加えて、コミュニケーション能力やリーダーシップが必要になってきます。プロジェクトが円滑に進むように、スケジュール管理をしたり、タスク管理をしたりするスキルも重要です。Webデザイナーからアートディレクターへのキャリアパスを考えている人は、デザインスキルだけでなくコミュニケーション能力やマネジメント能力を磨いていくことを意識するとよいでしょう。アートディレクターの年収は、約402万円です。働く業界や企業によって幅はあり、大手の広告代理店に勤めるアートディレクターなどの場合、年収は1,000万円を超えることもあります。Webエンジニア・コーダーWebエンジニアやコーダーは、プログラムを組んで(プログラミング)Webサイトの動的な部分を作ったり、HTMLやCSSのコードを書いて静的な部分を作る仕事です。Webデザイナーとしてのデザインスキルを活かしつつ、実際に手を動かしてWebサイト制作を行うキャリアもあります。Webサイト制作において、プログラミングやコーディングは欠かせない工程です。プログラミングやコーディングができるWebデザイナーは、Webサイトの仕組みや動的表現方法も理解できているため、活躍の幅が広がります。Webエンジニアやコーダーのスキルは、Webデザインスキルとはかなり領域が異なり、専門性も高くなります。人によって得意不得意があるため、独学やスクールに通うなどして本格的にスキルを習得する必要があります。Webエンジニア・コーダーの年収は、約549万円です。持っているプログラミング言語やエンジニアスキルによっても金額は変わってきます。WebディレクターWebデザイナーが、より上流の工程に携わりたいときに候補に上がってくる職種がWebディレクターです。Webディレクターとは、Web制作にあたってプロジェクトの受注からサイトの企画・設計、制作進行、運用まで全てのフェーズでリーダーとなります。特に重要な仕事は、プロジェクトのコスト・予算管理です。現場では、クライアントの要望に応えた高いクオリティを重視しますが、限られたリソースで利益を最大化するビジネス的な視点がWebディレクターに欠かせないスキルです。Webディレクターは、Webデザイナーに指示を出す役割もあるためプレイヤーとしてのデザイン業務からは離れることになりますが、より広い視点でプロジェクトに関わることができるでしょう。WebデザイナーがWebディレクターにキャリアを転向したい場合、転職や社内での異動などが方法として挙げられるでしょう。Webディレクターの年収は、約470万円です。働く業界や携わるプロジェクト、クライアントの予算規模によっても年収が変わってきます。WebプロデューサーWebデザイナー、Webディレクターを経て、Webプロデューサー(企画)へとキャリアを積んでいくキャリアパスもあります。Webプロデューサーとは、Webサイト制作におけるプロジェクトの統括責任者のことを指します。WebディレクターはWebサイト制作の現場統括がメインですが、Webプロデューサーはクライアントの責任者やスタッフ、外部の協力会社と折衝を行います。Webプロデューサーは、他社サイトの分析や企画、設計などの上流工程から制作におけるクリエイティブな部分まで幅広い知識が必要になります。Webデザイナーから直接Webプロデューサーになる場合もありますが、クライアントとの折衝経験や調整能力が必要になるため、Webディレクターを経験してからWebプロデューサーになることが多いです。Webプロデューサーの年収は、約573万円です。企業の規模や働く業界、携わるプロジェクトによっても年収が変わってきます。WebマーケターWebマーケターは、Webサイトやオウンドメディア、SNS、メールマガジン、MA、CRMなど、オンラインを活用して行われるマーケティングを行います。WebデザイナーからWebマーケターになる場合、売上につなげるためのクリエイティブ施策において、Webデザインの知識を活かすことができるでしょう。Webマーケターは、ビジネス的観点や広告、SEO、SNSなどの専門知識が必要とされます。数値を分析したり施策を提案したりするのが好きな人は、Webデザイナーの経験を活かしてWebマーケターへのキャリアパスを目指すのもよいでしょう。Webマーケターの年収は、約492万円です。マーケティングスキルやクライアントの予算規模、働く業界によっても変わってきます。コンサルタントコンサルタントとは、クライアントの課題解決や目的達成のために提案を行う職業です。Webデザイナーがコンサルタントへのキャリアパスを描く場合、Webデザインに関するクリエイティブな知見をクライアントに提供するデザインコンサルティングの道があるでしょう。もしくは、WebプロデューサーやWebマーケターを経て、Webサービス全体の課題解決や目標達成のためにコンサルタントとしてキャリアを積んでいく選択肢もあります。コンサルタントの年収は、約409万円です。ただし、持っているスキルやコンサルタントとして働く業界によって大きく年収が変わってくるので、年収2,000万円以上を稼ぐコンサルタントもいます。▼参考:求人ボックス:人気職種の給料情報|給料ナビ▼参考:レバテックキャリア:Webデザイナーのキャリアパス9選!必要なスキルも紹介します【雇用形態別】WebデザイナーのキャリアパスWebデザイナーはスキルがあれば、副業やフリーランスとしても働くことができる専門的な職業です。会社員としてキャリアを積んでいく場合と、それ以外のキャリアパスを雇用形態別に解説します。会社員として昇格・昇給していく会社員としてWebデザイナーのキャリアパスを伸ばしていく場合、社内での年次やポジションによって昇級したり、ディレクションに近い上流工程に携われたり、マネジメントの経験を積んでいくことができるでしょう。毎月決まった給与をもらいながら働くことができるので、経済的に安定した働き方といえるでしょう。一方で、会社の一存で配属される部署やプロジェクトが決まる場合、自分の望むキャリアパスを踏んでいくことができるかはわからない点がデメリットです。まずはWebデザイナーの経験を組織の中で着実に積んでいきたい、と考える方におすすめのキャリアパスです。副業をしてスキルや収入を伸ばしていく会社員として働きながらWebデザインの副業でスキルや収入を伸ばしていく、というキャリアパスもあります。最近では、副業を解禁する企業も多く、特にWebデザインなどのクリエイティブな職種はポートフォリオを作ったり、SNSを活用したりすれば、比較的容易に副業案件が見つかります。本業で安定した収入を得ながら、副業で自分の望むキャリアに向けて経験を増やしていける点がメリットです。デメリットは、本業にプラスして副業を行うのでプライベートの時間がなくなったり、本業に支障が出たりする可能性がある点です。▼関連記事:Webデザイナーの副業成功への道!必要スキルから案件選びまで完全ガイドフリーランスとして独立するWebデザイナーとして、一定のスキルや経験を持っていたり、独立後に依頼してくれそうなクライアントが見つかっている場合には、フリーランスとして独立するキャリアパスがあります。会社員とは違い、自由なスケジュールで、自分の好きなクライアントと仕事をすることになるので、クリエイティブにも自分の意思を反映させやすく、やりがいもあるでしょう。一方で、フリーランスは会社員のように経済的な保証や社会的信用がないため、フリーランスについてよく調べてから独立した方がよいでしょう。▼参考記事:フリーランスのデメリット11選!会社員との違いやメリットも理解しよう起業するWebデザイナーがWebデザイン会社や、何かしらのサービスや事業を作るキャリアパスもあります。Webデザイナーとして働く中で得た知識や経験が、会社経営やサービス・商品開発に活きてくる場合もあります。Webデザインのスキルを教えるWebデザインスクールの経営や、デザインセンスを活かして商品開発を行うなど、Webデザイナーが起業する際の選択肢は多岐にわたります。▼参考記事:フリーランスが法人化する7つのメリット!インボイス制度後の注意点も解説【企業別】Webデザイナーのキャリアパス就業先の企業ごとに、Webデザイナーとして積める経験は変わってきます。働く企業によってどのようにキャリアパスが変わってくるのか、企業ごとのメリットとデメリットを解説していきます。事業会社でのWebデザイナー事業会社で働くWebデザイナーの場合、企画やマーケティングの経験を積みやすいです。同一のサービスに長く携わることができるため、Webデザインにおける運用や改善の経験を積むことができます。固有の業界や商品の知識が身に付くので、それを活かしてWebディレクターやWebプロデューサーへのキャリアパスも見えてくるでしょう。BtoBのWebサービスの会社BtoBのWebサービスの会社で働くWebデザイナーの場合、Webサービスのデザインに特化して専門性を高めることができます。BtoBのWebサービスは、単価が高かったり、意思決定の重要度が大きかったりします。普段の生活では見えない部分にあるサービスであることも多いので、専門的な業界知見やサービス知識を身につけることもできるでしょう。BtoCのWebサービスの会社BtoCのWebサービスの会社で働くWebデザイナーの場合、自分の身近なサービスや商品に携わることができます。BtoCのWebサービスの会社だと、新たな技術やトレンドを積極的に導入する傾向があるため、変化が多い環境が好きなWebデザイナーの方におすすめです。Webデザイン会社や制作会社Webデザイン会社や制作会社で働くWebデザイナーは、さまざま的なWebデザインのスキルを身につけられるでしょう。さまざまな業界やサービスの案件やプロジェクトがあるため、Webデザイナーとしての専門スキルやポジションを経験することができます。WebデザインやWeb制作に特化したスペシャリスト集団なので、エンジニアやWebディレクター、コンサルタントなど専門職のスペシャリストの社員と一緒に仕事ができます。クライアントワークになるため、会社によってはハードワークになる可能性があるかもしれません。Webデザイン会社や制作会社もさまざまなので、自分に合った働き方や経験が積める会社を選びましょう。AI分野はWebデザイナーのキャリアの将来性があるWebデザイナーのキャリアに関して、「将来的にはAIに取って代わられるのではないか?」という懸念の声が上がることがあります。ChatGPTやMidjourneyなどのAIツールが普及したことにより、従来Webデザイナーが行っていた仕事がなくなってしまうことを心配する人は多いです。実際に、HTMLやCSSの記述や規則性のあるWebデザインのスキルは、AIでも行えるものです。そこで、Webデザイナーがキャリアパスを考える際に重要になってくるのは、「人間のWebデザイナーだからこそできる技術やセンスを磨くこと」でしょう。現段階のAIの技術と人間のWebデザイナーを比べると、クリエイティブな発想やコミュニケーションにおいては、人間が生み出すものの方が優れていることが多いです。Webデザイナーは、個人の志向や持っているスキルによってさまざまなキャリアパスがあるので、将来性を悲観せずに着実に経験を積んでいくのがいいでしょう。▼関連記事:Webデザイナーはなくなる?将来性と生き残るために必要なスキルを解説 ▼関連記事:画像生成AIツールがすごい!機能・費用・便利な使い方の総まとめまとめWebデザイナーのキャリアパスはさまざまです。将来的に進んでいきたい分野や、求めるライフスタイルなどに合わせてスキルを積んでいくことで、多様な選択肢があります。Webデザイナーは副業をしたり、フリーランスとして独立するキャリアパスもある、柔軟性のある職業です。この記事を参考に、Webデザイナーの方やこれからWebデザイナーを目指す方は将来について考えてみてください。▼関連記事:フリーランスデザイナーにおすすめの案件サイト11選!高単価案件獲得のコツも解説▼関連記事:最新2024年おすすめWebデザインスクール10選|フリーランス・副業向け