株式会社リンケージは、「テクノロジーとつながりで健康意識の温度をあげる」をミッションに掲げて予防医療サービスを展開しています。同社は、SOKUDAN経由で営業人材の採用に加え、労務業務を担当する人材の採用に成功。後者の人材に関しては、業務委託から正社員に転換し、現在は人事責任者として活躍しています。今回は、代表取締役の生駒恭明さん、婦人科領域事業統括責任者の窪田海人さん、FEMCLE事業責任者の今村優子さんに事業内容を伺いました。また、SOKUDAN経由で同社に業務委託で参画し、のちに正社員になった人事責任者・松村美夕さんに、正社員への転換を決めた理由や人材採用の工夫などをお聞きしました。── 株式会社リンケージの事業内容について教えてください。(窪田さん)弊社は「テクノロジーとつながりで健康意識の温度をあげる」をミッションに掲げて、予防医療サービスを展開しています。特徴は、toC向けではなく、企業様や企業が所属する健康保険組合様向けにサービスを提供していることです。企業様を通じて、社内の従業員様がサービスをお使いいただけるようになっています。主軸のサービスは、企業に在籍または健保に加入する従業員様向けに、専門医がオンラインで禁煙指導を行う「オンライン禁煙プログラム」です。また、2020年には、女性特有の健康課題をオンライン問診で可視化し、専門医との連携によって、女性従業員様の働きやすさを支援するサービス「FEMCLE(フェムクル)」の提供を開始しました。ほかにも、生活習慣病の予防を目的とした「オンライン特定保健指導プログラム」や、LINEで保健師にメンタルやフィジカルのお悩みを相談できる「かかりつけ保健師 for LINE」など、予防医療に関するさまざまなサービスを提供しています。── 貴社の組織体制や普段の働き方について教えてください。(窪田さん)現在は正社員が約50名、業務委託の方が約30名です。組織体制は、禁煙、特定保健指導、FEMCLEのサービスごとにチームメンバーが所属。そのほかに、サービスに横断的に関わる営業チーム、開発チームや、事業開発、CS担当者が属する事業チーム、コーポレートチームで構成されています。また、弊社はリモート勤務が可能で、首都圏だけでなく北海道や中部、関西などあらゆる拠点からメンバーが参画しています。心身ともに健康な人を増やして、社会全体を幸せにしたい── リンケージの創業の経緯について、詳しく教えていただけますか?(生駒さん)実は私はこの会社の創業者ではなく、途中から事業を引き継ぎ代表を務めています。2011年にリンケージが設立された当初から、創業者とはビジネス上で付き合いがあり、事業開発やシステム開発を手伝っていました。それから数年後、創業者はリンケージの株式を他社に売却しました。ですが、突然私のもとに「売却した株を買い戻してもらいたい」と相談に来たんです。改めて当時のリンケージの事業内容を聞いてみると、2016年には今の事業の柱である「オンライン禁煙プログラム」をリリースしていました。そして2017年に、政府からオンライン禁煙外来の限定規制緩和が発表されて。従来は、初診と最後の診療は対面での実施が義務付けられていました。その条件が緩和され、健康保険組合の保険者(運営者)であれば、すべての診療をオンラインで行って良いことになったのです。オンラインで禁煙診療を完結できたら、導入企業や健保が増えて、積極的に受診する従業員も増えるはずと考え、事業のさらなる成長が見込めると確信しました。そこで私が2018年に創業者から株を買い取り、代表を務めることに決めました。── 今でこそ、オンライン禁煙診療に関するサービスは他社でも見かけますが、貴社が先駆けなのですね。(窪田さん)おっしゃる通り、日本初の完全オンライン禁煙診療プログラムを始めたのは弊社です。その後も着実に業績を伸ばしていき、現在は国内ナンバーワンの導入実績を誇っています。── その後、女性向けオンライン問診サービス「FEMCLE」を立ち上げたのは、どういった経緯からですか?(生駒さん)2018年に日本医療政策機構が発表した「働く女性の健康増進に関する調査」レポートを読んだのがきっかけです。そこには「女性のヘルスリテラシーが、仕事のパフォーマンスに直結する」といった内容が書かれていました。このレポートを読んで、女性自身が心身の不調を自覚する機会や、その不調を周りが支える環境が不足していることを改めて実感しました。現状を改善し、女性により快適に働いてもらうためにできることはないか。我々で必要なサービスを考え、専門医やNPO法人にご協力いただきながら作り上げたのが「FEMCLE」です。(今村さん)生駒が話したレポートに関しては、私も当時調査に関わっていました。世の中の女性は、月経やPMS、更年期の症状を我慢しながら働き続けている風潮があるとわかっていたので、それを改めてデータ化したいと思ったんです。その結果、こちらの予想以上に多くの女性が不調に苦しんでいることがわかりました。私もより多くの企業様にFEMCLEを普及すべく、2023年に弊社に参画しています。── 改めて、FEMCLEについて詳しく教えてください。(窪田さん)女性の従業員様が、オンラインでの問診を通じて月経や更年期障害など5つの項目に関する健康状態を知れるサービスです。FEMCLEが、問診でわかった症状に応じて提携医師とのオンライン相談を案内したり、近隣の医療機関を紹介したりします。一方、弊社ではFEMCLEを活用する企業様もご支援しています。集まった問診データから従業員様の体調やパフォーマンスをレポーティングし、企業様に対して改善施策の提案やコンサルティングを行っています。(今村さん)ほかにもFEMCLEでは、女性従業員様が症状について学べるテキストや動画コンテンツを用意しています。また、専門医を招いて導入企業様内で実施するセミナーも好評です。男性含めた従業員全員が、女性の健康課題について理解を深められる機会になっています。(窪田さん)昨今「フェムテック」が世間で注目されるようになり、「ピルの処方」や「妊活」などをテーマにしたサービスが世の中に普及しています。ですがFEMCLEは、このような顕在化した女性の健康課題を扱うサービスではありません。顕在化していない不調に焦点を当てて、女性の働きやすさや組織の体制を本質的に変えることを目指しています。── FEMCLEの導入企業様からは、どのような声が上がっていますか?(窪田さん)企業様からは、「女性従業員の医療機関受診数が増えた」「治療すべき病気を見つけられてすぐに対処できた」などのお声をいただいています。その結果、女性従業員様の仕事のパフォーマンスが上がったという定量的な変化も見られています。(今村さん)セミナーを受講いただくことで、「男性従業員の意識が変わった」という声も聞きますね。男性の同僚や管理職の方の知識が増えると、女性が何かしらの不調に見舞われた時、適切なサポートがしやすくなります。FEMCLEが男性の皆様の理解を促し、意識を高めるのに役立っていることをうれしく思います。── 貴社の今後の展望を教えてください。(窪田さん)日本の女性の婦人科受診率は15〜20%と言われていて、まだ少ないのが現状です。今後はその状況をさらに改善していくことが求められると考えています。FEMCLEに関しては、企業様が抱える問題を改めて定義しながら解決できるよう、コンサルティングの強化を視野に入れています。あわせて、プロダクトの改善や機能の開発にも力を入れて、より多くの女性従業員様の健康課題を解決する体制を整えていきたいです。(生駒さん)弊社に限らず、ヘルスケア事業会社は「適切な治療や予防によって病気にならない人、健康な人を増やす」ことを最終的なゴールにしているはずです。事業の売上が上がれば、社会全体も幸せになる循環が生まれます。社会の幸福度を上げるために何ができるかを考えながら、事業を推進していきたいです。SOKUDANは業務委託で採用して正社員に転換することができる── 貴社が抱えていた人的課題を教えてください。(人事責任者)前任者からの話によると、以前は営業やカスタマーサクセス職の人手が足りないため、募集をしていましたが、正社員ではなかなか応募が集まらないという課題があったそうです。そこで、まずは業務委託から弊社に参画いただき、それから正社員になってもらうことを検討いただける人材を採用するために、SOKUDANを導入したと聞いています。── 実際に、まずは業務委託で人事として採用され、現在は人事責任者になられているんですね。(人事責任者)はい。業務委託で採用された時は、勤怠管理や給与計算などの労務業務全般を担当し、週2〜3日のペースで稼働していました。ある日、上司から正社員で人事責任者にならないかとの打診があり、正社員になることにしました。業務委託で参画したのが2024年の4月で、正社員になったのが7月なので、わずか3ヶ月弱のことでした。──SOKUDANは業務委託人材が豊富なプラットフォームではありますが、正社員登用もできる点は貴社の採用課題にマッチしたようですね。他にSOKUDANに対して感じている印象はありますか?(人事責任者)本格的に使っていくのはこれからですが、SOKUDANには「アクティブな人材」が多いイメージがあります。アクティブな人材というのは、自身の持つスキルや経験をもとに、能動的に自分を売り込めるような人です。極端な話、たとえばエージェントサービスに登録している人材は、ハイスキルな方もいる一方、エージェントに応募企業の選定を任せられる安心感から、少し受け身の姿勢な方もいると思うんです。SOKUDANは、受け身ではなく即戦力として動ける人材がそろっている印象です。私が弊社に参画する前も、すでにSOKUDANで優秀なセールス人材を獲得できているように、そういった方々と良いご縁があればと思っています。── ご自身がモデルケースでもありますが、業務委託から正社員に転換するポイントは、どのような点でしょうか?(人事責任者)ポイントは2つあります。1つ目は、弊社のフェーズであればコーポレートに関するさまざまな経験が積めるという点です。リンケージは急成長をしているため、事業を支援するコーポレート体制を整えていく必要があります。そのため改善をし続ける経験ができるため、正社員になればキャリアにもプラスになります。2つ目は、リンケージが追いかけているミッションに共感できるという点です。特に私は人事のキャリアが長いこともあり、企業の従業員の健康や働きやすさをサポートする領域には関心を持っていました。ミッションに対して自分も何かしら貢献したいという思いは、正社員への転換のポイントになります。ビジネスマンとしてのプロフェッショナルな姿勢が求められる── 選考の際に、重視されているポイントを教えてください。(人事責任者)リンケージで働くにあたって、自分の強みをどんな場面で発揮して貢献できるかを、ご自身の言葉で語れるかは大事なポイントです。そういった姿勢に、ビジネスマンとしてのプロフェッショナルな一面が表れると思っています。また、弊社の事業についての強い興味関心と自身の経験がどう活きてくるのかのストーリー立てが必要です。たとえば営業担当者であれば、業界経験自体は問わないものの、今までの自身の経験のみに頼ることなく、知識を積極的にキャッチアップする姿勢は求められます。面談では、応募者にそのような意欲があるかも見ています。── 費用対効果の高い採用活動を行うために、貴社で工夫していることはありますか?(人事責任者)まだまだこれからですが、広報の観点で、弊社の認知を広げるためにできることはないか考えています。たとえば、今回弊社を「SOKUDAN Magazine」に掲載いただけるように、メディアで取り上げていただく機会を少しずつ増やせれば良いですね。認知度が上がれば、弊社に興味を持っていただける方が増えて、優秀な人材の採用にもつながると思っています。弊社のPR担当とも連携しつつ、人材採用や事業貢献につながるような活動をしていきます。【会社概要】会社名:株式会社リンケージ設立:2011年6月URL:https://linkage-inc.co.jp/事業:オンライン特定保健指導プログラム、禁煙診療プログラム、女性向けオンライン問診サービス「FEMCLE」の提供など、予防医療に特化した事業を展開