「SOLIZE株式会社」のビジネスインキュベーション事業部は、既存事業に依存しない新たなビジネスの創出を目的として、2022年に立ち上げられました。2025年7月には、承継会社として分社化し、「+81株式会社(呼称：ハチイチ)」として新たなスタートを切ります。同事業部では、新規ビジネスの立ち上げに必要な人材を業務委託で採用するため、フリーランス・副業のプロ人材と企業を結びつけるマッチングサービス「SOKUDAN（ソクダン）」を導入。事業企画、マーケターなど多様な職種のプロ人材を5名獲得しました。今回は、新会社にて代表取締役社長となる鈴木 貴人さん、現在、ビジネスディベロップメント部 部長 武居 駿さん、人財採用室の黒沼 美咲さんにインタビューを実施。分社化を目前に控えた今、どのような基準で新規事業に携わる人材を採用し、どのように事業の共創を進めているのか。また、未来を見据えたビジョンとは――。その取り組みと未来への展望についてお話を伺いました。── SOLIZE株式会社のビジネスインキュベーション事業部の成り立ちについて教えてください。（武居さん）SOLIZE株式会社は、自動車業界をはじめものづくりの現場での技術提供、開発支援を中心に行っています。業績は大変堅調なものの、市場は現状BtoBに限られてしまっています。そこで、既存のビジネスとは違った事業をどんどん立ち上げ、to B、to C問わず新たな価値提供をしていきたい方針を定め、ビジネスインキュベーション事業部を設立しました。すでにビジネスインキュベーション事業部内では4つの事業が立ち上がっており、ソフトウェア開発支援事業「STELAQ(ステラック)」と民間学童事業「ALQ（アルク）」は子会社化しています（2025年5月現在）。この流れに乗って、2025年7月にビジネスインキュベーション事業部自体を分社化する予定です。分社化後は＋81（ハチイチ）株式会社となり、今まで以上に新規ビジネスの創出を加速させていきます。採用課題は「新規事業立ち上げを支えるメンバー不足」── SOKUDANをご検討いただく際、どのような採用課題を抱えていたのでしょうか？（武居さん）分社化予定の＋81株式会社では、ビジネスインキュベーション、つまり事業の"共創 "を主体のビジネスにしていく方針です。まずは、何らかの事業を立ち上げたいと考えている方（事業オーナー）と、企画段階からマーケティング、開発といった、事業が立ち上がるまでの過程に伴走します。しかし、現在ビジネスインキュベーションに携わる社員は私たち含めて15名程度。数々の事業を立ち上げるには、とてもリソースが足りません。そこで、事業オーナーをサポートしてくれるメンバーを急ピッチで採用したいなと。事業オーナーと共にビジネスの構想を考えてくれる事業企画の方や、すでに構想が決まっている事業を形にするマーケター、エンジニアなど、特定の分野で強みを発揮してもらえる方を求めていました。（鈴木さん）サポートメンバーは各事業やプロジェクトごとに必要なため、求める人数は必然的に多くなります。ですので、それらの人材すべてを正社員で採用するのは現実的ではないと判断しました。また、最近は働き方が多様化していて、あらゆる企業と取引しながら自身の専門スキルやノウハウを提供して活躍している業務委託の方が増えています。そんな方々とマッチングできたらと、業務委託の採用プラットフォームの導入を検討することにしました。── どのような経緯でSOKUDANを導入いただきましたか？（黒沼さん）業務委託の人材採用に強いプラットフォームを探していて、ネットで検索してヒットしたのがSOKUDANです。問い合わせてみたら、偶然同じタイミングで、SOKUDAN側からもSOLIZEの別の担当者にご連絡をいただいてたみたいで。事前に私たちについて知ってくださっていたため、こちらが会社や事業について一つひとつ説明しなくても、スムーズに打ち合わせができました。導入までの意思決定に時間はかからなかったです。SOKUDANで、採用難易度の高いニッチな人材も採用できた── SOKUDANを活用して良かったことを教えてください。（黒沼さん）SOKUDANのCS（カスタマーサクセス）担当の方に、求人原稿のライティングをお任せできたのが良かったです。特に弊社はさまざまなポジションで募集をかけているので、その分用意する原稿も多く、私一人では手が回しきれなくて。CS担当の方が、こちらの意向をもとに素早く原稿のたたき台を作ってくれたので、非常に助かりましたね。掲載後も、応募の反応が良くない求人に関しては内容の書き換えのご提案をいただいたこともあり、きめ細やかなサポートに感謝しています。── CSチームのサポートにご満足いただけて何よりです！（黒沼さん）また、応募条件が限定的な求人であっても、スキルが合致する方を採用できたのも印象的でした。先日、これから立ち上げる予定の高齢者向け賃料保証サービス事業に必要な、与信審査モデルの構築ができる方を募集していました。かなりニッチで専門知識が必要なポジションだったので、他社のプラットフォームからの応募はほぼゼロ。「このポジションの採用はかなり苦戦する」と思っていたら、SOKUDANにまさに当社が求めるスキルをお持ちの方がいて驚きました。（武居さん）構想が決まった事業を形にしていただく性質上、どうしても求める条件が厳しくなりがちなんですよね。SOKUDANは、そこにピタッとはまる希少な人材を獲得できる、価値のあるプラットフォームだと感じています。ポジションに応じて人材の採用基準を変えることで、精度の高いマッチングを実現── 貴社では先ほどお話いただいた方以外にも、SOKUDAN経由でマーケター、事業企画など計5名の人材を採用いただきました。人材を採用するにあたっての基準を教えてください。（武居さん）基準は、ポジションによって変わります。例えば先ほど黒沼が話していた与信審査モデルの構築ができる方に関しては、純粋に我々が求めるスキルをお持ちかどうかで判断しました。一方、事業企画の方を採用するにあたって重視しているのは、事業オーナーや他のメンバーとの相性です。基本的に事業企画はチームで進めていくものなので、相性が合わないと、パフォーマンスにも影響が出てしまうからです。候補者の方には、選考の過程で一度事業オーナーやメンバーに会ってもらったうえで、ジョインするか判断してもらうようにしています。── 今回採用いただいた方の働きぶりはいかがですか？（黒沼さん）皆さんプロとして責任感を持ってお仕事をされていますが、当社では、”3か月” という限られた時間の中で、PM（プロジェクトマネージャー）、事業開発、サービス設計など各々のミッションを全ういただき、そしてプロジェクトチームとして一定の成果を出していただくことが求められる厳しい環境です。複業やフリーランスのような働き方をされていらっしゃるプロの人材も多く、この3か月という制約の中で、当社の案件により多くの時間を捻出いただくことが極めて大変なことであろうと思うのですが、皆さん限られた時間の中で、チームとしてしっかりと成果を出すということに強くコミットしてくださる方々が多い印象です。食事会や交流会を通して、雇用・契約形態にとらわれないコミュニケーションを促進── 貴社にとって即戦力となる人材とのマッチングをお手伝いできて光栄です。所属するプロ人材とは、どのようにコミュニケーションを取っていますか？（武居さん）業務委託の方だけでなく我々社員も、普段はリモートでのコミュニケーションが中心です。これから新たな事業が立ち上がり組織が拡大するにつれて、コミュニケーションのあり方を見直すタイミングがくるかもしれませんが、できる限り時間、空間を拘束せず、それぞれの働き方を尊重したいと考えています。一方で、必要に応じて対面でのミーティングでコミュニケーションをはかっているチームもあり、そこは各チームの裁量に委ねています。チームメンバー同士の結びつきを深めるために、食事会を開いているケースもよく聞きますね。そういえば最近、SOKUDAN経由で採用したとあるメンバーの方が、社員と、他の媒体で採用した業務委託の方と一緒に食事会に参加してくださったそうです。── 雇用・契約関係にとらわれない、良い関係性が築けていらっしゃるのですね。（鈴木さん）そうですね。さらにこういった外部の業務委託のプロ人材と良い関係性が作れるよう交流の場を今後も設定していけたらと考えております。各人がそれぞれの分野のプロフェッショナルと接点を持ち、かつその場で生まれた会話やつながりが、+81の事業を発展させるきっかけになっていくのではと思います。2033年までに30社の立ち上げが目標。事業を作る・支えるプロ人材の採用をさらに強化したい── 新たな社名である「+81」がとてもユニークだと感じました。どんな思いが込められているのでしょうか？（武居さん）+81は、国際電話における日本の国番号から取っています。+81の事業を国内だけで閉じるのではなく、世界ともつながり、価値を提供していきたい想いを込めています。また、+81の事業オーナーは、自身の事業の発展やブランディングに注力する日々を送ることになります。事業に没頭するあまり、いつの間にか全体としてのつながりを見失ってしまうことがあるかもしれません。オーナーそれぞれが独立して活動するからこそ、ふとした時に、自身のルーツを思い出してもらいたい。そこで、“+81=日本 ”という一つの場所であり、ルーツを連想させるような社名を付けたんです。── 事業を採用する基準はどこに置いているのですか？（武居さん）「社会・産業課題を解決していく」ことを一つのコンセプトにしていて、それがゴールである事業かどうかを基準にしています。個人的には、ユニークな発想で企画された事業をどんどん採用していきたいです。大多数の人が当たり前のように受け入れている現状から見つけた課題を、独自の発想で解決できるような面白い事業が立ち上げられればと思っています。（鈴木さん）そんなにスケールの大きな課題でなくても良いんです。例えば日々の生活で少し不便に感じることを解決するためのささいなアイデアが、大きな事業の種になるかもしれません。我々も、その人が持っている課題感やアイデアを具体的に引き出して、事業に落とし込めるよう尽力します。── 最後に、今後の展望を教えてください。（鈴木さん）ビジネスインキュベーション自体を主な事業にしている会社は、珍しいかと思います。これまで以上にユニークで新しい挑戦を進めていきます。また+81では、2033年までに30社の立ち上げ、売上500億円の達成を目指しています。当然、30社分の事業がすべてうまくいくとは限りませんので、相当な数の事業の立ち上げにトライすることになるでしょう。トライするためには今より数倍以上の人手が必要なので、事業オーナーと、その事業に賛同し支えてくれるメンバーの採用をさらに強化していきます。引き続きSOKUDANにお世話になりながら、プロ人材の方々との新たなご縁を紡いでいきたいです。そしてゆくゆくは、+81内でスタートアップのエコシステム（新たな企業の誕生、成長を支える仕組み）を築いていけたらと考えています。そのためには個人だけではなく、法人、自治体などさまざまな機関との連携も必要になります。多様な機関とのつながり方を模索しながら、社会・産業課題の解決につながる事業を持続的に作り続けていきたいです。【会社概要】会社名：+81株式会社（SOLIZE株式会社より2025年7月に分社化予定設立 ：2025年7月（予定）URL ：（未定／SOLIZE株式会社：(https://www.solize.com/）事業 ：新規ビジネスの創出