日本で働く外国人の方々に、日本人と変わらない「あたりまえ」のヘルスケアサービスを届けるべく、三菱地所の新事業提案制度から生まれたWELL ROOM株式会社。今回外国語対応可能な臨床心理士を採用するため、SOKUDANを取り入れた背景、導入後の効果について代表取締役の下田拓海(しもだたくみ)さんにお話を伺いました。スペイン人の妻の苦労をヒントに、新事業提案制度でヘルスケア領域に挑戦!── まず、貴社の事業内容について教えてください。弊社は、日本の企業で働く外国人の方々が日本人と同じように安心して生活できるように、ヘルスケアの観点からサポートしている会社です。私はもともと三菱地所の不動産ファンドビジネスを担当する投資マネジメント事業部に所属しており、三菱地所の新事業提案制度という社内コンペに弊社事業の元となる企画を応募しました。社長への最終プレゼン、採択を経て、新規事業を担当する新事業創造部に異動し、事業検証や社内承認を経た後に自身が代表となりWELL ROOM株式会社立ち上げ、WELL ROOMサービス開始という流れで今に至ります。新事業提案制度では、2017年度以降の直近5年間で応募総数160件超、そのうち8件が事業化し、新会社等が続々と立ち上がっています。私は2019年夏に提案したのですが、当初はBtoCモデルを想定していたもののコロナ禍の影響を受け、ビジネスモデルを現在のBtoBモデルに変更。思い切った決断でしたが結果、今の時代に即した事業内容に展開できたと思っています。── 社内制度を利用して立ち上げた事業なのですね!ヘルスケア関連の事業を思いついたきっかけとは何かあったのでしょうか? 企業が社員の健康管理を行うための産業医、毎年受けなければならない健康診断、従業員のメンタルヘルスケアの3つの多言語対応サービスを主軸に、事業展開しています。企業向けのBtoBのビジネスモデルで、外国人従業員が在籍している企業のみならず日本人だけの企業も含め、中小企業やベンチャー企業をメインターゲットにアプローチしています。一般的に、従業員が50名未満の企業は産業医の設置義務がありません。しかし昨今のコロナ禍で私たちの生活様式はガラリと変化し、在宅勤務も増えてきました。顔が見えない中でも従業員の健康状態をしっかり把握して、メンタルヘルスまでサポートするのはそう容易なことではありません。そこで、福利厚生の一環として、多言語にも対応している弊社のサービスを導入する企業が増えているという訳です。特に外国人エンジニアの多いIT系企業のニーズが多いですね。現在、産業医相談では日本語と英語に対応し、臨床心理士等へのメンタルヘルス相談では、日本語、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語の5か国語に対応しています。また、外国人の健康診断受診に対応できる医療機関や健診センターと提携し、外国人も日本人と同じ水準で健康診断を受診できる環境を整備しています。こちらについては、現在5件程度の医療機関と提携しています。── 奥様の実体験からひらめいたサービスなのですね!現在、WELL ROOM株式会社ではどのような組織体制をとっていらっしゃるのですか?社員は2名で、代表の私と、もう1名が庶務担当という形で、WELL ROOM株式会社の業務にフルコミットしています。その他営業や事業構築サポートなどは外部に委託しており、数名伴走してくれています。外国語対応ができる臨床心理士。ピンポイントな採用に苦戦 ── 今回、SOKUDANのサービスをご利用いただくにあたり、導入検討時にあった課題やお悩みなどがあればお聞かせくださいWELL ROOMサービスを開始するにあたり、多言語に対応できる臨床心理士の方を探していました。外国人のメンタルヘルスケアという重要なサービスを展開する上で、英語など外国語を話せる臨床心理士の存在は必須なためです。その中で色々な人材紹介サービスを検討しましたが、「外国語対応可能な臨床心理士」というピンポイントな人材は本当に見つけづらく、苦労しましたね。もちろん応募を待つだけではなく、臨床心理士が多く登録している求人サイトで英語対応ができそうな人に直接メールを送ってスカウトもしたんです。ですが、すぐに採用できなかったり、会ってみると条件が合わなかったという人が多かったり……なかなか状況は好転しませんでした。また、日本には臨床心理士関連の団体がいくつかあり、そこに求人投稿すると効率的だとアドバイスをもらったこともありましたが、各団体に所属している臨床心理士に知り合いがいないと投稿できないという(笑)。八方塞がりでどうしたものかと頭を抱えていたところ、SOKUDANを知り、利用してみることにしました。掲載2週間で、日本では珍しい言語を話せる臨床心理士とマッチング!── 実際にSOKUDANのサービスを利用開始して、採用状況はいかがでしたか?求人掲載から1〜2週間で現在WELL ROOMにジョインいただいている方から応募があり、採用が決まりました。その時は応募自体は5件ほどで、最終的に面接をしたのは2名です。掲載〜採用までがとても早かったですし、今までは見つけられなかったドンピシャな方が来てくださったことには驚きを隠せませんでした。その方は、日本では比較的珍しいスペイン語、ポルトガル語がネイティブレベルで話せる臨床心理士の方でした。面接での会話を通して、この人となら仕事がしやすそうだなと感じました。また、WELL ROOMの事業についても「こうした方がいいのではないか」、「こういうことがあれば嬉しい」などきちんと主張があったことも高評価でした。そうした意見は貴重ですし、私たちも非常にやりやすいと思い採用に至りました。── SOKUDANのサービスを利用することによって得られた効果、よかったと思う点があればお聞かせください。SOKUDAN担当者の丁寧なフォローやレスポンスの早さは安心感がありますし、テンポ良く採用活動できる点でとても助かっています。応募数が少なければ募集内容を見直して再掲載できるなど、非常にありがたいですね。臨床心理士、ましてや外国語に対応できるといったニッチな職種だと期限内に見つかるかもわからないので、万が一希望する人材が見つからなかったとしても安心して継続的に利用できます。あと、私が求人の内容をざっくりお伝えしただけで、SOKUDANの方が募集概要をササっと作ってくださる点も気に入っています。現状、採用は私1人が行なっているので。手間がかかる部分をしっかりサポートいただけて、本当に助かっています。── SOKUDANを利用して、想定していた以上によかったことがあれば教えてください。当初は英語が話せる臨床心理士の方を採用できればと思っていましたが、その他の言語に対応できる方を採用できたことは事業に強みと厚みを持たせることにも繋がり、想定以上の成果です。臨床心理士自体が母数の多くない職種なので、もっと時間がかかると思っていたのですが、想定よりも早く決めることができたのは嬉しい誤算でしたね。── 候補者を選考する際に重視したことや、選考において工夫されていたことなどはありますか?まず私と合うかどうかは重視しました。また、受け身ではなく自身の意見を話してくれるか、といった点にも重きを置いて選考していましたね。ご依頼する業務に関係なく、一緒に働く方は当事者意識を持って取り組んでくれる方がいいと思っているので。一緒に事業を進めていけそうかどうかという点もポイントになりました。── 下田さんがSOKUDANを知ったきっかけは何だったのでしょうか?先ほどお話した社内の新事業提案制度から同時期に事業を立ち上げた、三菱地所の同僚に教えてもらいました。彼女も自身の事業で採用活動をしていると聞き、どうやっているのか相談したところ、SOKUDANのサービスがすごく良かったと教えてくれて。それで使ってみることにしたのがきっかけです。オンラインだからこそ出会えた人材。今後も場所にとらわれない採用活動を継続── SOKUDAN経由で採用された業務委託・フリーランスの方には、どのような業務を依頼されているのですか?現在、WELL ROOMのメンタルヘルス相談担当者は2名。そのうち1名がSOKUDAN経由で採用した臨床心理士の方です。その方には、日本人、外国人の方からの相談に対応してもらっています。相談内容の特性上、いつも相談があるわけではないのですが、相談がある時には随時対応できるようにスタンバイしていただいています。── 相談はどれくらい寄せられているのでしょうか?例えば大企業のメンタルヘルス相談室の利用者はごく一部であると聞いたことがあります。現在、弊社のサービスを導入してくださっている企業は中小・ベンチャー企業がメインですので、従業員数からしても相談件数は少なくて当然なのですが、いざ何かあった時に「相談できる場所がある」という安心感も含めて設けています。── 特に外国人の方は、慣れないことも多い中で母国語で相談できる場所があると安心できますよね!導入する企業が増えれば増えるほど人員が必要になりそうですが、今後もSOKUDANをご活用する機会はありそうでしょうか?そうですね。現在、英語が話せる医師もメンタルヘルス相談担当者として1名いるのですが、プラス英語ができる臨床心理士がいるとさらに心強いので、探している最中です。また、こちらはまだ実際に募集を出すか決めている訳ではないですが、ヘルスケアの知見をお持ちの方にアドバイザー的な役割でジョインしていただけたらと考えています。三菱地所は不動産会社なので、ヘルスケアに関する知見はあまりありません。健康保健制度の仕組み詳しい方、ヘルスケア領域で事業を立ち上げた経験のある方に来ていただけたら心強いですね。── ありがとうございます!ぜひ引き続き、よろしくお願いいたします!SOKUDANに限らず、副業人材をよりうまく活用するために心がけていることや工夫していることはありますか?一緒に仕事をしていくメンバーとの関係が1番重要だと思っているので、その辺りのケアは特に意識して、コミュニケーションは欠かさないよう心がけています。企業や医療機関から意見があった時はすぐに全体共有し、事業や業務に落とし込むようにしています。特にWELL ROOMは新規事業なので変化を恐れず、いただいた意見を元に少しでもよいサービスになるように努めています。また、今回採用した方は遠方在住のためオフラインでお会いしたことがまだないんです。オンラインでもなるべくコミュニケーションを活発にできるように、お相手のことを知るようにしていますし、こちらの情報も開示するように心がけていますよ。コロナ禍ならではの課題ではありますが、オフラインと変わらない関係性を作れるように意識しています。── 今後コロナが収束した後も、オンラインを前提とした地方採用は継続される予定ですか?弊社はニッチな人材を求めていることもありますので、今後もオンラインを活用して居住地に関わらず採用していきたいなと考えています。皆さんオンラインに慣れてきて、オンライン上でのやりとりに抵抗がなくなってきていますし、むしろオンラインのほうが楽だという方も増えてきていますよね。東京近郊に絞ることで条件に合う方が減ってしまうなら、居住地という条件を外すことでより良い方との出会いの機会を増やしていきたいですね。【会社概要】会社名:WELL ROOM株式会社設立 :2021年URL :https://wellroom.jp/事業 :在留外国人対応ヘルスケアポータルサイト「WELL ROOM」の企画・開発・運用