2023年8月30日に行われた、確定申告に関するオンラインセミナー『今のうちに不安を解消!税理士による初めての確定申告オンラインセミナー』では、初めて確定申告を行うフリーランスや副業の方の不安を、税理士が解消してくれる内容になっています。スピーカー:株式会社TxTo 代表取締役CEO 田中雄太氏セブンセンス税理士法人 ディレクター 大野 修平氏提供:株式会社TxTo企業ホームページ:https://www.txto.co.jp/フリーランスや副業の方は確定申告を自分で行うことが多いですが、記帳作業や申告、納税の手続きが煩雑に感じる方も多いでしょう。そもそも、自分が何を分かっていないのかが分からない......という方もいます。このセミナーを主催した「株式会社TxTo」は、フリーランス・個人事業主のための確定申告効率化アプリ「Taxnap(タックスナップ)」を提供しています。セミナーの内容も参考にし、自分でも情報収集や税金の勉強をしながら、確定申告をスムーズに行うことができるTaxnapのようなアプリを活用するのもおすすめです。フリーランス・個人事業主のための確定申告効率化アプリ「Taxnap(タックスナップ)」田中氏(以下、田中): 会計ソフト「Taxnap」は、いわゆる個人事業主やフリーランス、副業を行う方のためだけに作っているサービスです。そのため、デザインや操作性がかなりシンプルという点が特徴的なところだと思っています。最初に、金融機関連携をすることで、経費にあたる出費に使用したクレジットカードや電子マネーの取引明細を自動で取り込むことができるようになります。手動での入力作業を効率化してくれるうえ、スワイプ操作で経費や売上の登録も簡単に行うことができます。自動仕訳機能や家賃の按分計算など便利な機能もあり、節税も簡単に行えます。確定申告の際は、確定申告書の作成と提出もアプリ内から可能です。現在は無料で利用可能ですが、2024年から月額980円(税抜)~の料金体系になる予定です。Taxnapを監修していただいた大野先生から見た、Taxnapの特徴的な点などはありますか?大野氏(以下、大野):一番最初に感じたのは、やはりTaxnapはUIがすごくいいなと思い、直感的に操作ができる点が特徴的な点です。他の会計ソフトと比べると余計な機能がなく、シンプルで分かりやすいので、これからビジネスをやるぞ!とか、副業をしているという人に非常におすすめのアプリだなと感じています。確定申告に関するQ&A田中:ここからは確定申告に関するQ&Aタイムとして、私が皆様のご質問などを代表して大野先生に投げかけさせて頂き、ご回答いただく時間にしたいと思っております。Q1)確定申告に関するコツや注意点は?田中:初めて確定申告を行う方などはこれから行う確定申告に不安を感じていると思いますが、どういった点に気をつけたらいいでしょうか?大野:確定申告をしなければならないケースには、副業や個人事業主をされている方、また会社勤めの方でも、医療費控除やふるさと納税をされた方なども含まれます。確定申告に関するコツや注意点としては、売上と経費の集計をしっかり行うことや資料の整理をすることが重要です。確定申告に必要な経費の領収書や資料が手元にない、となるともう後戻りできません。このあたりをうまく整理できるといいと思います。田中:そうですよね。日々の経費精算をコツコツやるというのは、すごく大事だと思いますね。大野:日々の売上と経費の集計を仕組み化するのもおすすめです。例えば、僕の場合だとSuica(交通カード)をプライベート用とビジネス用で分けて持っています。物理的にカードを分けることで、経費の集計がしやすくなります。Q2)そもそも確定申告をしなかったらバレますか?田中:聞きづらい質問ではありますが、皆さん気になっている質問としてこちらを取り上げました。大野:はい、国も適切な申告納税のために様々な角度から情報を収集しているため、バレる可能性が高いと思います。マイナンバーの紐付けによってバレるケースや、SNSの情報からバレる可能性もあります。田中:SNSも見られているんですね・・・。大野:最近は、SNSも結構見られてますね。とはいえ、そもそも国民の義務ですから、バレるバレないではなく、しっかりと行ってほしいですね。田中:ぶっちゃけ気になっている方も多かったと思うので、ご回答いただきありがとうございます。Q3)経費かどうかの判断はどうやったらいいですか?どこまでが経費に入るか知りたいです。田中:「経費かどうかの判断はどうやったらいいですか」というのは、税理士の先生によっても見解が分かれそうですね。大野:はい、経費かどうかの判断は、税理士の判断もそうですが、究極的には事業者さん本人の判断かなと思います。ある支出が事業に関連して売上に貢献したかどうかは、ご本人にしかわからない部分があると思いますので。ただ、税務調査は第三者によって行われますので、第三者に経費性を説明できるようにしておく必要がありますね。経費性を認めてもらうためには、詳細な説明や準備が必要になります。「売り上げを上げるために必要な支出かどうか」が、経費になるかどうかの重要な判断軸となります。田中:例えば、Youtuberなどが撮影に必要な車を購入して、それで視聴数が上がったことによって売り上げに繋がったみたいな話もあったりしますよね。大野:本当にその撮影でしか使わなかった車であれば、経費として認められる可能性があります。しかし実際には、プライベートでもその車に乗っていたり、プライベートで乗っている時間の方が長い場合には、その全てを経費に計上するのは難しいと思いますね。似たような話で、メディアに出演する人たちの衣装代は経費になるのか?という話で、全てを経費にするのは難しいのではと思っています。普段着としても使用している可能性もありますし、プライベートで買ったものをたまたま仕事で使っていたんじゃないですか?と捉えられることもあります。そういった場合は、いわゆる「社会通念上」というのが判断軸になりますね。Q4)収入が少ない場合でも確定申告は必要ですか?誰が対象ですか?大野:確定申告って、その収入から経費を差し引いたその差額である所得に対してやるんですよね。そのため、収入の多寡というよりは、その所得の部分が多いか少ないか、みたいなところが注意点かなと思っています。極端な例ですと、経費が収入を上回って赤字の場合は、所得税の確定申告は要りません。ただし、「確定申告はした方がいい。」というのが基本です。また雑所得20万円以下の場合は、所得税に関しては確定申告はしなくてもよいです。ただし、住民税に関しては所得が20万円以下でも関係がないので、確定申告はしなければなりません。給与所得で年末調整されている場合は、確定申告はしなくてよいですが、「ふるさと納税」などでお金が戻ってくるケースもあるので、この場合にも確定申告が必要になる可能性があります。Q5)確定申告には領収書が絶対に必要ですか?大野:この質問の意図として領収書じゃなくてレシートでもいいですか」っていう意味なら「レシートでもいいですよ。」という回答になります。単純に「領収書もレシートも手元にない場合、確定申告できないか」という質問であれば「出金伝票をきる」といった方法で自分で帳簿をつけていれば問題ありません。例えば、取引先の社長が結婚式を行った際にお祝い金を出すことがありますが、そういった際にお祝い金は領収書ではなく、自分で出金伝票を作成して結婚式の招待状などと一緒にファイリングすることで証拠となることもあります。Q6)青色申告と白色申告の違いとは?田中:先ほど青色申告のメリットは、色々とご説明していただいたと思うんですけども、具体的に青色申告と白色申告の違いはどのようなものになりますか?大野:まず何も手続きをしなければ、白色申告なんですよ。青色申告をしたい人は、青色申告の承認申請書という書類を税務署に出さないといけないんです。青色申告の承認申請書を提出した翌年から青色申告ができるようになるので、早めに出しましょう。青色申告の特典として、純損失の3年繰越や家族従業員の給与控除などがあり、青色申告は年収に関わらず行うことでメリットが得られるんです。青色申告を行うには複式簿記が必要になり、日々の作業が煩雑になります。ただ「Taxnap」のようなアプリを活用して、帳簿付けをしっかりしておけば、その辺りは問題ないのかなと思います。いずれにせよ、まずは青色申告をするためには申請が必要になります。田中:「青色申告承認申請書」ですね。いつまでに出したらいいのでしょうか?大野:2024年の所得を申告したいなと思ったら、今年中に出しておかないといけないんですよ。そのため、開業したらまずは開業届けと同時に青色申告の承認申請を一緒に出すっていうのがセオリーですね。副業を会社にバレずに確定申告する方法はありますか?大野:確定申告自体は自分で行うことなので、それ自体は問題ないと思います。ただし、そもそも副業禁止の会社にいながら副業するということは、すごくリスクがあるということは、まず念頭に置いていただきたいです。その上で、会社にバレる可能性をなるべく低く副業の確定申告をする方法もあります。会社に副業がバレる場合は、住民税の金額からバレることが多いです。確定申告書において、住民税を「普通徴収」を選択しておくことで、会社に副業分の住民税を知られないようにすることも可能です。一方で自治体でも処理ミスが起きる可能性があるため、自分で納付しても会社に通知されてしまう可能性はゼロではありません。田中:分かりました。副業禁止の会社にいながら副業をする場合は、バレるリスクを覚悟した上で、確定申告も自己責任で行わなくてはいけませんね。今回は、初めて確定申告を行うフリーランスや副業の方の不安について、税理士の大野さんに回答いただきました。フリーランスや副業という働き方が広がる一方、避けては通れない確定申告。まずは、税金や手続き方法などの知識を身につけながら、「Taxnap」のような日々の記帳作業や確定申告の業務が効率化できるアプリも活用してみてください。