国内最大級の食品ロス削減サービス『TABETE』が好評を博している株式会社コークッキング。「食」という身近なテーマから人々のクリエイティビティや持続可能性に切り込む同社は、コロナ禍も追い風にユーザー数をどんどん伸ばしています。そんな唯一無二の企業が求めるマーケティング職。ただでさえ市場に不足している人材を同社がどのように獲得したのか、今回SOKUDANを利用してエンジニア、to Bマーケティング人材の採用に成功した背景や導入後の成果について、取締役 COOの篠田沙織(しのださおり)さんにお話を伺いました。ユーザー数50万人達成!食品ロス削減サービス『TABETE』が好調── まず、貴社の事業内容について教えてください。(篠田さん)弊社は、お店で売れ残ってしまったパンやケーキなどの食品を近くにいらっしゃるユーザーとマッチングさせる、フードシェアリングサービス『TABETE』を提供してます。私たちはマッチングして商品を売買することを「レスキューする」と呼んでいるのですが、お店は売れ残った廃棄物を削減できますし、宣伝にも繋がります。商品を買うユーザー側も、レスキュー価格に購入できたり新しい味に出会えたりと、互いにWin-Winです。他にも、料理を使ったワークショップを企業様に提供する『コークッキング』や『レスキューデリ』という事業も展開しています。レスキューデリでは、商業施設さんの中で売れ残ってしまった商品を弊社で買い取って、従業員限定で販売しています。もう一つが、『レスキュー直売所』。こちらは埼玉県の東松山市周辺で売れ残ってしまった直売所の野菜を弊社で買い取り、東武鉄道で運んで池袋駅で一般の方に販売しています。弊社は間接的に東松山市さんに出資いただいていて、「食品ロス関連で何か連携できるのではないか」という話が出ていてのですが、当時はTABETEのユーザー、店舗さん共に東松山市にまだそんなにいらっしゃらなかったんですよね。それなら運んでみたらどうか、ということでできた事業です。── 食品ロスを軸に、さまざまなサービスを展開されているんですね。食品ロス事業として草分け的存在の御社ですが、創業のきっかけはどのようなものがあったのでしょうか。(篠田さん)弊社の創業は2015年で、同じ大学、吹奏楽サークルの先輩後輩だった代表の川越と共同代表の伊作がコークッキング事業を立ち上げたことがきっかけです。伊作が『パターンランゲージ』という、言語化しづらいものを言語化する技術の研究をしており、それを料理の分野で活かそうとしたのが始まりですね。企業文化を料理で表現したり、チームらしさやチームナレッジを料理で表現したりと、料理とパターンランゲージを組み合わせたコークッキング事業が、創業当時の事業内容でした。そこからなぜTABETEに?と思われますよね。実は本来の私たちのビジョンは「人間の創造性を豊かにする」で、“食品ロス削減”ではありません。私たちは、TABETEこそがクリエイティブだと考えています。例えば日々の買い物の中で、「これを買うことによって自分は何に貢献しているか」を考えるきっかけってあまりないんですよね。TABETEを通じて販売または購入することによって、この食べ物がどうして食品ロスになってしまったのか、これをレスキューすることによって何に貢献できるのか、と考えるきっかけになる。それが買い手の「買い方を考える」というクリエイティビティを促進し、「人間の創造性」というビジョンに繋がっていくと思っています。また料理を扱っている会社として社会問題にアプローチしていく必要もあると考え、TABETEを始める前から食品ロスに関するイベントもやっていました。でもイベントだとどうしても一時的になってしまって、次の日には忘れ去られてしまいます。その場限りの意識になってしまい、持続しないんですよ。それが持続するような仕組みは何かと考えた時、やはりビジネスやサービスという形に落とし込んだ方がいいのではないか。そこで食品ロス削減サービスをやっていこうと生まれたのが、TABETEなんです。── そんな結びつきがあったんですね!先程もお話いただいたとおり、ここ数年のTABETEの伸びには目を見張るものがありますが、どのような広報活動をされたんですか?(篠田さん)実は自分たちで広報活動をしたことはありません。リリース当初から各メディアにも注目いただき、これまでに100メディア以上に取り上げてもらえたのが大きいですね。あとは、ユーザーの口コミも。職場の方やご近所さんって大体行動範囲が一緒なので、口コミも広まりやすかったと思います。2018年のリリースから4年目を迎えた現在、ユーザー数は約50万人、提携店舗数は約2100店舗まで伸ばすことができました。あらゆる媒体・SNSを活用するも見つからないBtoBマーケター── 採用に関しては篠田さんが主に行われているのでしょうか?(篠田さん)マーケティングの採用は私か代表、主に私が行っています。エンジニアは伊作が開発を担当しているので、ビジネスと開発で窓口を分けて対応しています。私は立場的に何でも屋で、これまでも広報やマーケをやったり色々やってきているのですが、今は営業が一番重要な時期なのでそこに注力しています。営業をやりつつ採用もやっているので、SOKUDANさんのサポートは本当にありがたいです。── そう言っていただけて良かったです!今回、SOKUDANのサービスをご利用いただくにあたり、導入検討時にあった課題やお悩みなどがあればお聞かせください。(篠田さん)採用に力を入れ始めたのは、今年の初め頃。もともと6名だったところから現在8名に増員し、今年中にあと2名ほどジョインしていただきたいなと考えています。ただ事業の伸びをさらに加速させるためにも人材が必要なのですが、とにかく人が足りません。SOKUDAN導入前は、あらゆる媒体を使って探してもマッチする方がどこにいるかわからない状態でした。特にtoBの経験があるマーケターは、どこを探しても本当に見つからなくて。TwitterでDMを送ってみたり、それはもう色々試しました。技術スキルや職務経験がマッチしている方と、ビジョンへの共感度が一致する方、どちらか一方を持つ方は多いのですが、両方兼ね備えた方となると難しいですよね。スキルマッチはしているがビジョンへの共感は微妙というケース、もちろんその逆もあって、両方が当てはまる方をどうやって採用まで持っていくのかというのは、ずっと課題でしたね。── 他の採用媒体も使ってこられたとのことですが、今回SOKUDANを利用するきっかけは何だったんでしょうか?(篠田さん)ゆくゆくは正社員として入っていただければと考えていてはいるのですが、それよりも優先させたかったのは、即戦力のエンジニア、マーケティングの方にジョインしていただくことでした。そこで、業務委託専門のSOKUDANも使ってみようとなったことがきっかけですね。SOKUDANは他の媒体と違って、応募数が圧倒的に多いんです。「皆さんここにいたのか!」と思いました(笑)また応募数だけでなく、応募のスピードも非常に速くてよかったですね。個人的に嬉しかったのは、SOKUDANの方が「この募集にこの方、合うと思います」とか「この方はちょっと違うと思います」など、選定してくださるのがとてもありがたかったですね。 実際面談に進むと、たしかにうちに合ってるなと感じることが多く、その精度の高さに驚きました。特に人材を探す時点で苦労していたtoB経験を持つマーケターは、求人掲載後からすぐに応募があり、最終的に1ヶ月で採用が決まりました。最終的に3名の方とお話をして、どの方もとてもいい方だったのですごく悩んだのですが、弊社に今足りない知見をお持ちの方にジョインしていただき、現在もご活躍いただいています。またマーケターのほかに、エンジニアもSOKUDAN経由で1名ジョインしていただきました!どちらもかなり細かい条件で探していたんですが、要件にピッタリ合う方が来てくださったのはSOKUDANだからこそだと思っています。── SOKUDAN経由で2名も決めていただき、ありがとうございます!エンジニアとマーケターを採用されたとのことですが、それぞれの方を採用したポイントはどんなところでしょうか?(篠田さん)エンジニアの方には、バックエンドエンジニアとしてジョインしていただきました。ベトナム在住のベトナム人ということで、完全リモートで業務されています。ジョインしていただく前は、他の開発メンバーとのコミュニケーションにおける言語の壁も懸念していましたが、ネイティブレベルで日本語を使用できる方のため全く問題ありませんでした。今はTABETEの管理画面側とアプリ側のバックエンドに携わっていただいていて、開発スピードも上がりました。 マーケターですが、TABETEはユーザー過多の状況が続いていて、店舗さん側が常に足りていないという背景から、今回はtoBマーケのプロフェッショナル人材という条件で募集しました。 toBの経験はもちろん、ランディングページの改善と集客に知見を持ってる方という細かい条件で探していましたが、本当にマッチする方がすぐに見つかったのには、とても驚きました。個人事業主の方で、複数の会社のノウハウを持たれていることもあり、弊社に合う形をご提案してくださるのですごくありがたいですね。正社員との垣根をなくして、なるべくオープンに。── SOKUDANを利用して、これは想定以上の成果があったなと思う点はありますか?(篠田さん)そうですね。想定していた3倍くらいの応募があって、応募数の多さが予想よりもはるかに多かったのは、良い意味で想定外でした。他の媒体では、全く同じ条件で求人を出してもSOKUDANほどの効果はなかったので、媒体でこれだけ違うんだなと感じましたね。── SOKUDAN経由の候補者を選考された際に重視したことや、選考において工夫されたことがあればお聞かせください。(篠田さん)面接ではひたすらそのテーマに沿って話をし、その考えがどのぐらい当社の方向性や考えに当てはまっているかというのを見させていただいています。業務委託の方の場合だとやはり即戦力としてお迎えしたいので、どちらかというとスキル部分を重視しているのですが、もちろん事業への共感が全くない方だとちょっと難しいので、そこについてもお話させていただいています。── 採用はどうしても過去の実績にフォーカスしてしまい、採用した後にミスマッチが起きることが多いと聞きます。選考の段階で未来を見据えた質問をされるのは、とてもいい考えですね!(篠田さん)そうですね。食品ロス削減や中食に特化したサービスってまだ類似他社がなく、経験がある方がそもそもいないというところが大きいのかもしれません。あとは、事業の課題を包み隠さずお話しするようにも心がけていますね。プロの方で即戦力になっていただけることはわかっているので、私たちの課題を選考の段階でさらけ出すようにしています。そこに対してどういう施策が思いつきますか?と質問して、その答えが一番納得度の高い方を中心に選考しました。── 採用の手法として、非常に勉強になります……!それでは最後に、複業人材をうまく活用するために心がけていることがあったら教えて下さい。(篠田さん)コミュニケーションの密度を濃くするため、やりとりは全てSlack上で行っています。雇用形態に関係なくどのメンバーも会社の状況がわかるように、事業計画の話などもみんなが見られるSlackで発信していますね。情報はできるだけオープンにし、正社員と業務委託の垣根を無くす。そして会社の課題を共通認識で捉えていただき、そこに対して自由に提案していただく。プロフェショナルの方たちなので、「もっとこうした方がいいんじゃないですか?」と気軽に提案していただける環境を整えています。【会社概要】会社名:株式会社コークッキング設立 : 2015年URL :https://www.cocooking.co.jp/事業 :フードシェアリング(TABETE)事業 イベント・ワークショップ事業 パターン・ランゲージ制作事業