VR技術で不動産DXを推進するスタートアップ企業の株式会社スタイルポートは、VR内覧システム「ROOV」を開発・運営しています。クラウド型の空間コミュニケーション・プラットフォームとして、不動産業界の企業を中心に導入が進んでおり、新築分譲マンション販売業界ではNo.1の採用実績を有しています。そんな同社ですが、特殊な業界ゆえの採用の難しさを感じていたとのこと。そこでSOKUDANを活用し、建築VRの制作ディレクターやクリエイター、営業アシスタントのプロ人材を採用することができました。株式会社スタイルポート 取締役の中村 幸弘さんとモデリンググループの髙野 みどりさんに、SOKUDANを活用しようと思った背景や導入後の成果について伺いました。新築マンション業界No.1の導入実績を誇るプロダクトを運営── まず、貴社が取り組まれている事業内容や特徴、強みについて教えてください。(中村さん)弊社は2019年4月にVR内覧システム「ROOV」のサービスを提供開始しました。ROOVというプロダクトを開発した経緯は、不動産の購入や仲介における“後悔”を、デジタルの力を使って解決したいという思いが根底にあったことです。Webブラウザ上で使えるVRコンテンツを提供することで、不動産物件の本質的かつ直観的な価値を伝え、不動産販売のあり方を変えていけるようなサービスを作りたいという思いから、ROOVが誕生しました。今現在では、主に新築分譲マンション販売時のコミュニケーションにおけるDXサービスとして多くの企業にご活用いただいており、分譲マンション販売業界ではトップの採用実績を誇るサービスにまで成長しました。弊社の強みとして挙げられるのは「各分野のスペシャリスト」が集まっていることです。不動産に知見を持った営業から、建築のアーキテクチャ部分まで対応できるモデラーやデザイナー、そしてプロダクトを作るエンジニアと、全て内製でまかなえているのが強みになっています。不動産や建築とエンジニアリングの両面の知見・ナレッジがあるからこそ、現場で生きるコンテンツを提供できるわけです。── お二人の普段の仕事の進め方や組織体制はどのようなものでしょうか。(中村さん)私はモデリンググループとプロダクトグループという2つのチームがあるエンジニアユニットを統括しており、役員として全社のビジョンや組織づくり、採用戦略の立案を行っています。また、プロジェクトの案件によっては営業担当者に同行して、サービスのプレゼンを行ったり商談のサポートに入ったりもしていますね。(髙野さん)私はモデリンググループに所属していて、お客様との図面のやりとりのほか、品質面のチェック、スケジュール調整や制作チーム内のアサイン調整といった進行管理とディレクション業務を担っています。業務内容が特殊だからこそ「募集の切り口を複数設けて採用の間口を広げる」のが大切── SOKUDANの導入検討に至った背景についてお聞かせください。(中村さん)弊社が行っている業務は業界特有のもので、進行管理やディレクターという職種であっても、他社ではやっていないことが多い。そのため、人材確保には結構苦労していました。VR制作の技術と建築図面の読解、どちらも理解している人は市場に少ないのはもちろん、どのような適性が必要かも検討がつかない状態でした。SOKUDANを導入するきっかけになったのは、偶然弊社の社員がSOKUDANの社員と旧知の仲だったんです。私に「SOKUDANという面白いサービスがありますよ」と紹介されたので、だったらまずは一度話を聞いてみようと思ったんです。── 他にも複業人材を採用するプラットフォームはありますが、SOKUDANを選んだ決め手は何でしょうか?(中村さん)人材採用をするにあたって、的確なアドバイスをいただけたのが大きかったですね。業務内容が特殊だからこそ、「募集の切り口を複数設けて、採用の間口を広げることが大事」だとアドバイスをもらいました。また、キャッチーで興味を沸かせる募集タイトルやJD(ジョブディスクリプション)の書き方なども助言をいただき、非常に助かりました。もともと弊社は、業務上の役割においては、雇用形態における区分なく、正社員でも業務委託でもフラットな働き方ができる社内風土が根付いていました。そのため、スキルやモチベーション、コミュニケーションが伴っていて、パフォーマンスを発揮してもらえれば、複業人材を活用するのは全く問題はありませんでした。SOKUDANであれば、柔軟に職種ごとにカスタマイズしながら採用を進めていけると思い、実際に導入を決めましたね。人材のペルソナを明確に打ち出して人材要件の解像度を高めた── 特殊なスキルが求められるなか、人材採用で工夫したことや候補者の選定をした際に重視した点はどのようなものでしょうか。(中村さん)他にない業務ですし、人材選定においては細かくやっていく必要があると感じていました。先述した募集するポジションを細分化し、間口を広げることに加え、「ペルソナを明確に出すこと」を心がけましたね。過去にショールームで商品のアテンドをしていたなど、どういう仕事の経験が活かせるかを言語化し、解像度を高くしていくのを意識していました。また、SOKUDANはカジュアル面談を自由に組めるので、弊社の行う仕事を知ってもらうことも大切にしていました。そこで業務内容をこと細かく擦り合わせ、入社後のミスマッチを減らせるように取り組みました。候補者によっては、3~4回ほど綿密にカジュアル面談を実施し、お互いが納得するまで認識合わせをしたケースもあります。微調整を繰り返しながら採用活動を続け、結果的には進行管理が1名、ディレクターが2名、CGクリエイターは3名採用することができました。人材選定に関しては、最低限のスキルや建築に対する専門知識のほか、お客様との接点を持つことも多く、且つリモートワーク中心のため、コミュニケーション部分を重要視していました。伝えづらい採用要件でも候補者と直接やりとりできるのが魅力── 人材を採用したことでどのような成果につながりましたか。 (髙野さん)サービスの進化に伴い、それこそ受注に対して人的リソースが追いつかないような状況でしたが、SOKUDAN経由で採用した複業人材の方に入ってもらうことで、かなり楽になりました。制作チームや営業が今までクライアントのフォローに回っていたのを、進行管理の方に巻き取ってもらうことで、会社全体の業務効率化につながったと思います。一方で、入社後のオンボーディングで業務理解や事業の全体像を伝えるんですが、ROOVのサービスの構造上、なかなか理解していただきにくいことが苦労した点です。また、案件ありきで経験を積まないと、自走して業務ができるレベルに達しないので、その辺りは大変でしたね。最初はプロジェクト全体の管理を任せることを想定していたんですが、それだと現実的ではないことがわかって。それで、まずは進行管理の業務を切り出し、運用することに決めたんです。こうしたトライアンドエラーを重ねながら、少しずつ複業人材が活躍できる環境を整えていきました。(中村さん)他にない業務なので、最初慣れるまでは時間がかかることは想定していました。想定どおりのパフォーマンスがでなかったら、組織もチーム構成も変え、柔軟に対応していくことは常日頃から心がけています。業務に慣れてきて、一定のキャズムを超えれば、パフォーマンスが上がってきたため、今ではそれぞれの知見を生かして業務にコミットしていただいています。複業人材の方とも、オープンなコミュニケーションを意識しており、適宜MTGへ招待したり、半期に一度の全社総会にも出てもらったりしています。── SOKUDANを導入して良かったことや価値を感じている点について教えてください。(中村さん)直接、委託先の方とチャットや通話でコミュニケーションできるのがとても利便性が高いと感じています。これがもし人材エージェントが間に入ってやりとりすると、こちらの思っていることが正確に伝わりにくいことも多いでしょう。伝えるのが難しい職種だからこそ、 SOKUDANのように候補者と直接コミュニケーションできるユーザー体験の方が使いやすいと思っています。── ありがとうございます。それでは最後に今後の展望について教えてください!(中村さん)新築分譲マンション業界では、おかげさまで認知度が高くなっていますが、これはお客様との信頼関係を地道に積み重ねてきた結果だと考えています。今後もお客様の要望の裏側にある本音を見極めつつ、ROOVが対応できる領域を汎用的に広げていきたいですね。不動産業界全体のサプライチェーンで見ると、まだマンション販売の部分しか対応できていないので、マンション販売以外にも戸建やオフィス・物流などにも領域を広げていきたいと思います。さらには不動産の販売やリーシングといった枠組みだけでなく、、企画設計段階や建物完成後にも利用できるソリューションにしていきたいと思います。今のコアの強み、技術を生かしながらサービスとしてアップデートしていきたいと思います。【会社概要】会社名:株式会社スタイルポート設立 :2017年10月URL :https://styleport.co.jp/事業 :建築・不動産マーケットにおけるITソリューションの開発および提供