三菱地所株式会社の新規事業として、2021年10月にサービスを開始した「30min.(サーティーミニッツ)」。三菱地所の有望な新規事業として事業をスタートさせた30min.は、サービスローンチ前後で、業務委託のプロ人材を活用することでサービス開発を着実に進めてまいりました。同サービスの事業責任者を務める中村 瞳さんと、事業推進担当の松沢 衣利子さんに、SOKUDANを導入した背景や効果的な複業人材の活用について話を伺いました。自身の実体験が新規事業を立ち上げるきっかけに── まず最初に「30min.」を立ち上げた背景やサービス概要について教えてください。(中村さん)「30min.」は、社内の新規事業提案制度に応募し、その事業アイデアが正式に採択されて事業化に至ったサービスになっています。私は2回の育休を経験していますが、家事・育児と仕事を両立させるのはものすごく大変だなと感じていました。ですので、自分自身もさまざまな家事代行サービスを使いながら、何とかやりくりしていたんです。そんななか、周囲の知人も同じような悩みを抱えていましたが、私のように家事代行サービスを使っている人はほとんどいませんでした。どうしても家事代行サービスと聞くと「贅沢なサービス」というイメージが強く、かつ2~3時間などの最低利用時間が定められていることから、まとまった時間がないと頼みにくいなど、サービス自体が使いづらく普及していない現状を知ったんです。そこで、「ちょっと手を借りたいニーズ」を捉えた家事代行サービスがあれば、私と同様の悩みを抱える人でも利用しやすいのではと考えるようになりました。こうした実体験から、「働くママの手助けとなるサービスを創りたい」という想いで、社内の新規事業として立案することを決意しました。(松沢さん)事業内容については業界最短の30分単位で利用できる家事代行サービスとして打ち出しています。世の中にある既存のサービスだと、どうしても最低利用時間や利用頻度の制約がある一方、「30min.」では30分単位から柔軟に対応でき、月1回や隔週、毎週など、頻度も設定できるのが特徴的になっています。2021年10月にサービス提供を始めてから、多くのユーザー様から支えられて今では5〜6倍のユーザー数にまで拡大し、順調に成長を続けています。人選の早さや柔軟なプランの提案がSOKUDAN導入の決め手に── SOKUDANは、サービスをローンチする前から利用されていますが、導入時にはどのような人的課題を抱えていたのでしょうか。(中村さん)そもそも私自身、新規事業の立ち上げに関して経験や知見を持っておらず、ゼロからビジネスを作っていくという経験が全くありませんでした。社内の新規事業提案が通ると、事業の代表として事業化の検証に取り組んでいくわけですが、私1人の力では限界があると感じていました。そんななか、家事代行の業界に精通している人材と、新規事業の立ち上げの知見やノウハウを豊富に持っている人材が必要と感じていましたが、既存の社員の括りでは難しかったため、業務委託やフリーランス人材で探し始めました。家事代行のビジネスに詳しい人材、顧客理解やインサイトの把握などについて壁打ちできる人材をどうやったら探せるか、ネット検索していくうちに、SOKUDANを見つけ、プロの業務人材を探すようになったのが、導入のきっかけになっています。── 他のサービスと比較検討したなかで、SOKUDANを選んだ決め手は何だったんでしょうか。(中村さん)最初、SOKUDANを見つけたときに問い合わせを行い、担当者と話すなかで、今回の事業フェーズの中で、どういう人材が良いのかを相談にのっていただきながら要件整理をいただいたことや、弊社にとって最適なプランを提案いただいたのが、導入を決めたきっかけになりました。また、当時、人材のセレクションについても、いくつかのサービスに相談させていただいたんですが、一番連絡が早かったのがSOKUDANだったんです。面談を通して候補者とのフィーリングや適性を見極める── SOKUDANで採用した人材の業務内容や役割について教えてください。(中村さん)アイデアを具現化し、PoC(概念実証)やフィジビリティ・スタディなど事業化に向けて動いていく際に、やはり経験や知見を持ったプロの人材が必要だと思ったため、SOKUDANで一番最初に採用したのは事業企画(BizDev)のポジションでした。次いで、サービスローンチ後の顧客対応やCRMの立ち上げに際してはカスタマーサポートの人材、そしてマーケティング領域をデジタルに広げる際に、Webに強いマーケターと、事業の成長フェーズに応じて業務委託の人材を活用してきました。── 候補者から人材を選ぶ際に重視したのはどのような点になりますか。(中村さん)スキルセットに加えて、柔軟に対応してくれるかどうかも選考時には留意していました。というのも、0→1でビジネスを創っていくには新規事業ならではのハードシングスと向き合い、自走していく姿勢が求められるからです。その一方で、候補者の人柄や会話しているときのフィーリング、事業に対する理解の早さなど、実際に面談してみないとわからない部分を見て、最終的に人材を選定していきました。── プロの業務委託人材を採用したことで得られた成果について教えてください。(中村さん)起案したアイデアを事業化に向けて詰めていく際には、事業企画のプロ人材の方に、非常に助けられました。新規事業を立ち上げる上で、抜けている視点や肝になる考え方などを教えていただいたり、検証段階での事例インタビューでも、質問の要点やインタビュー結果をどう生かすか助言をいただきながら一緒に考えたり。一緒に事業の理解を深め、解決策を見出そうと取り組んでいただいたおかげで、1年半の事業検証を経て、無事に会社に正式事業化が認められ、サービスリリースを迎えることができました。また、カスタマーサポートの方も、自分たちだけでは手に負えなかった、CS業務のマニュアル化や資料整理に着手いただいたことで、オペレーションの安定化につながったと思っています。(松沢さん)「30min.」を立ち上げた初期は、当社グループ管理下のマンションを中心にDMやチラシを撒いて、認知獲得や訴求を行っていました。それが、サービスの拡大に連れて、自社以外のマンションにも展開していく段階で、デジタル領域のマーケティングにも着手する必要性が生じ、プロのWebマーケターにSNS広告やリスティング広告の運用を一任するようになったんです。それだけでなく、SNS広告のバナーやLPのデザイン周りや顧客インタビューの質問項目の精査など、細かな部分まで助言をもらいながら、デジタルマーケティングを強化していくパートナーとしてご活躍いただきました。複業人材とのやりとりにはクラウドツールの活用や週次の定例MTGが欠かせない── 新規事業を立ち上げ、ビジネスを創っていく上では、即戦力となるプロの複業人材をうまく活用できるかがポイントになります。複業人材と仕事をする上で、普段から意識していることはありますか?(中村さん)通常のコミュニケーションはSlackを活用し、円滑にやりとりできるように心がけています。そのほか、ファイル共有もSaaSのサービスを使うなど、クラウドツールを使って仕事を進めています。これがメールベースでのやりとりになると、スピード感に欠けたりプロジェクトの進み具合がわかりにくかったりしますので、外部の業務委託人材と共創して新規事業を成長させるためには、クラウドツールの有効活用は重要だと認識しています。また、週次の定例MTGを設けていて、1週間の業務の振り返りを行い、次の1週間で行うアクションの確認やタスク決めを実施しています。我々の社員と外部人材がやるべきもの、確認すべきものをそれぞれ宿題として定め、翌週の定例MTGで再度目線合わせを行うような流れを作っています。定例MTGがある種、ペースメーカーとしての役割を果たし、タイムマネジメントしやすい状況につながっていると感じています。── SOKUDANを活用していくなかで、価値を感じていることや導入してよかった点はありますか?(中村さん)即戦力人材が求められる新規事業において、採用した業務委託の人材がしっかりとワークするのか、あるいはコミットしてもらえるかは、未知数な部分もあり、一定のリスクもあると思っています。そんななかでも、SOKUDANは料金体系も比較的リーズナブルで、非常に利用しやすいです。もし、採用した人材との相性が合わなくても、代わりとなる他の人を探しやすいですし、この点がメリットに感じています。(松沢さん)わたしは、応募者のプロフィールを一覧で見ることができ、自分で人選しやすい点です。他のサービスだと、マッチするような候補者が見つかった時に都度紹介してもらえるような流れになっていますが、採用側が自ら候補者を選定できると、そのぶん採用スピードを早くなるので、そういう意味でもSOKUDANは使い勝手がいいと感じています。── SOKUDANについてポジティブなフィードバックをいただき嬉しく思います。それでは最後に貴社の今後の展望についてお聞かせください。(中村さん)三菱地所の新規事業として、利益を上げる、目標を達成させるというのはもちろん大事になりますが、もっと多くのひとに気軽に使ってもらえるような、働くお母さんやお父さんの手助けとなるサービスに進化していきたいと思います。気軽に使ってもらえるサービスに進化していくことが、結果としてユーザー様の大切な人との時間を過ごすきっかけになったり、忙しい毎日のなかで暮らしをちょっと豊かにしていけることにつながると考えております。サスティナブルに事業を成長させていくにはどうすればいいのかを、常に考えながら、これからも一歩ずつ前進していきます。【会社概要】会社名:三菱地所株式会社設立 :2021年10月 (家事代行30min. 開始月)URL :https://30min.page/事業 :オフィスビル・商業施設等の開発、賃貸、管理 不動産の売買、仲介、コンサルティング 家事代行30min. の事業運営